「グルスポングの奇跡」素材が事実ならドキュメンタリか?スウェーデン・アカデミーは確信的常習犯!


映画館で見た予告編は面白そう。
予約して、そぼ降るシネマロサへ。
 
世間の評だけ確認、評判は芳しくない。
ま私は、
娯楽作楽しむ態度で観るとする。
 
北欧へのナチス侵攻は「センチメンタル・バリュー」で既知。
双子での臨床実験は、そういう事も有るらしい。
確か、大竹まことが言ってた。(橋本環奈かも?)
 
それ以上の予習せず、考察捗る方向を期待。
 
 
 《 鑑賞 》
※以下、ネタバレ全開です。 
 
 
 
 
  
本作は、
 フェイクドキュメンタリでも構わない。
という気楽なスタンスで観ること、もし観るなら、お奨めします。
真面目なドキュメンタリと相手したら、途中退席は必至。
 
また、
 ”真実とは?”
そんな、したり顔も流石に無理です。
監督の言い訳にも付き合えません。
 
ちょっと冗長で退屈しますけど、
もうひとつ展開あるだろうと期待して、最後まで観てしまいました。 
 
劇伴は言うほど気になりませんでしたし、
映像はちゃんとしてました。褒める程でもないかな。。
編集賞の受賞は、
なるほどと理解します。実情を考慮すれば尚更ね。(後述)
  
しかし、
ドキュメンタリ賞与えたスウェーデン・アカデミーには、
あんぐり。
ま、それが、その国の審査員のレベルですね。
 
  
もちろん、
本作をドキュメンタリとして褒めるなら、
私は今後一切、その権威を信用しません。
日本の映画祭だったら、
 誠実なドキュメンタリに上げろよ、他にあるだろ
と怒ってしまいますが、
対岸の火事の気楽さ、
 本作の受賞歴含めたメタ構造全体が、小説より奇なり。
と興味深く。その点は楽しんでしまいました。残念。
 
 
順に。思い巡った事を。 
 
 1.鑑賞中、作品をどう解釈したか
 2.Google先生に事実確認後の解釈
 3.作品としての評価は
 4.どうすればよかったか
 5.何が問題か
 
  
1.鑑賞中、作品をどう解釈したか
 少なくとも、誠実な造りのドキュメンタリではない。
 真面目なら、時系列に忠実に、分かり易く進めますよ。
  
 実際は、
 時系列イジって、切り取って、
 過剰に演出してるとしか見えませんもの。
 
 
 鑑賞中は、素材が全て本物かどうかすら疑いましたが、
 仮に、素材は100%本物だとしても、
 あの演出と編集では、話半分のフェイクドキュメンタリー。
 冒頭のリテイクのシーンがリアリティラインを告白してます。
  
 サスペンスの編集に賞与するのは分かるけど、
 ドキュメンタリ作品として評価は出来ないよ。
 だからといって、
 興味深くないとは言ってない。(若干、退屈しましたが)
 つまらない訳ではない。
   
 古い例ですけど、
 川口浩探検隊が、過酷なロケなのは本当で、
 真実じゃないからという理由で、楽しめない訳でもない。
 チャンネル変えずに最後まで、見ちゃいました。
 そんな感覚でした。
 
 
 演出と編集は、ドキュメンタリ制作の態度ではないと断定しつつ、
 面白さ自体は否定しない。
 ただし、
 それ以上の判断は、
  素材は、どこまで本物なのか?
  誰が、どんな賞を与えたか?
 それら確認してから、本作の全体像を把握してから。
 一旦、そう態度保留しました。
  
 
 
2.Google先生に事実確認後の解釈
 事実関係は、google先生からの情報を信じる。
 それ以上は疑ってもキリない。素材は全部本物と仰る。
 その前提で、私の考察。
 
  企画開始から別の謎へ  
   生き別れた双子か!その第一報で監督は飛び付く。
   たぶん当初は感動ものを想定し、企画スタート。カメラ回す。
 
   ただし、
   最初のDNA鑑定は簡易キットで信頼性低いまま。
   見切り発車で、姉妹の対面までカメラ追う。
 
   双子の姉の死が不審。と妹(オーウラグ)気付く。
   監督サイドの取材で、自殺でないこと裏付け。
   生き別れの異母姉妹(カーリ&マイ)は、自殺と思い込んでいた。
  
   当時、警察の杜撰な対応も有ったかもしれないし、
   もっと大きな闇が背後に有るかもしれない。  
 
 
  予定しない方向へ  
   キリスト教では、自殺は罪。
   その罪悪感から、
   カーリ&マイは死因の確認を怠って、自殺と信じ込んだ。
  
   カーリ&マイの盲信的態度をオーウラグは蔑む。
   オーウラグは、おそらく無神論者で合理的。
   カーリ&マイとオーウラグの間に亀裂。
 
   信頼できる医療機関でDNA鑑定実施。
   他人と判明。(最初のは簡易キットなので、あり得ること)
 
   もはや当初の企画は成立しない。 
  
 
  方針転換を決定
   監督はじめ制作サイドは慌てる。
   公的支援も受けて、絶対に止められないプロジェクト。
 
   切り取りで、一本の映画に仕上げることにする。
   カーリ&マイは監督と共犯的な関係に、
   オーウラグは、おそらく監督への不信感も募り、関係を断つ。
   作品内では、
   オーウラグは悪役に、カーリ&マイは善玉に、切り取られる。
  
   嘘ではないが、カーリ&マイと追加撮影は行っているはず。
   素材が足りたので、あとは編集の腕の見せ所。
   それっぽい作品に仕上がる。  
   素材は全て本物なので、フェイクでないと言い張ることが出来る。
   サスペンス風味のドキュメンタリとして映画祭に出展。
 
 
  結果オーライ、話題作に
   米トライベッカ映画祭で、編集賞受賞。
    優れたドキュメンタリ作品だとは、言ってない。
    素材を、面白いサスペンスに仕上げた編集を褒める。

   トライベッカ編集賞を受けて、
   ドキュメンタリ作品賞を授与したスウェーデン・アカデミーは、
   話題性ありきのテキートーな審査の常習犯で、かつ確信犯。
   国内では物議を醸すこと、しばしば。
    本作をドキュメンタリとして扱うのは、いかがなものか?
   批判の声も。
 
   本作を日本公開したカルチュアルライフは、
   スウェーデン国内の物議は伝えない。受賞の権威性のみ。
   プロの映画紹介も、悪くは言わない。悪評は伝えない。
  
 
 どう観るかは、観客一人ひとり次第。
 
 
 映画は先に入場料払うものだから、
 (配信や試写での視聴を’映画評’に混ぜないで欲しい) 
 これでドキュメンタリを名乗るのは、
 観客との約束を破ったと思うけど。
 
 それでも、今回の体験も興味深いので、
 観て損したとまでは、思わない。のは良くないかなぁ。
 
 
 正直、
  途中で企画の行く末が怪しくなって、
  作り手は。苦肉の策の切り貼りで切り抜けて、
  それで結果オーライ。
  受賞もして話題作に、賛否両論。
 という、
 メタ込みの全体のストーリーは興味深い。
 鑑賞して、
 これはこれで貴重な体験と思ってしまった。
 
 

3.作品としての評価は
 フェイクでも構わないと、気楽に娯楽作として観ては、
  観客を引っ張る’中心の謎’が弱い。
 経緯を考えれば、当然とは言え。
 その弱点が、どうしても払拭出来ない。
 
 
 ’中心の謎’候補は2つ。
 a.本当に双子の姉妹なのか?
 b.自殺でないなら真相は?
 
 aは、
  2度目のDNA鑑定で他人と分かっても、
  そこまで意外じゃないんだよね。
  裏取りしない監督の自業自得にしか思えない。
  決定的に弱い。そもそもサスペンスには成らない。
 
 bは、
  裏取りは行った。
   警察へ、当時の資料の確認と、
   元恋人へのインタビューと、
   目撃者にインタビュー。
  しかし、
   事件性が無いと警察が判断した理由も、
   カーリ&マイに隠し事無いかどうかも、
  真相は分からないまま、
  取材はそこまで。
  カーリ&マイとオーウラグの間に亀裂を入れただけ。
  
 
  結局、
  サスペンス風どまり、謎が転がらない。
  どうしても、退屈しちゃう。
  はよ変死の捜査しろと思ってしまう。
  
  ドキュメンタリとして観るには、
  元の予定が、ただの感動ものだから、テーマが弱い。
  
  興味の持続は、専ら、
   これがどうして、スウェーデン・アカデミー賞なのか?
   ここからの展開がまだ残っているはず。
  と、先読みしてる内に、終わってしまった。
 
  bの進展に期待したんだが。
 
  
 
4.どうすればよかったか
 変死の原因究明の取材を続ければ、良かったのに。
 
 google先生によると、
  助成金は、
  企画書通りかどうかは、問われないらしい。  
  結果(賞レースや興行)が評価される。
 
 だったら、
 DNA再検査の結果をサッサと出して、
 オーウラグとは、そこでお別れして、(他人なら死因は関係無い)
  30年前の死の謎を追うで良くないか?
 
 
 取材してる自分たち姿込みで、カメラに収めればいいよ。
 たとえ成果が無くとも。充分の撮れ高が想定される。
  元恋人は不審だし、保険金の調査はもっと出来たはず。
  目撃者の証言を洗い、本気で現場検証し直しなよ。
  それに、横領の詳細をもっと追えるでしょ。
 
 臨機応変に、方針を変えれば良かったのに。
 資料ベースの調査だけでも、尺は足りたよ。
 
 ある程度、作中でも取材していて。 
 カーリ&マイとの関係は良好なのだし、もっと可能。
 (監督は、不審死の追跡を断念した言い訳を残しているが)
 
 
 まあ途中で、
 サスペンス風味に仕上げれば、一本の映画が成立すると、
 計算は立ったのだろう。
 その意思決定が、私は勿体無いと思う。
  不謹慎で申し訳ないが、
  森友学園や兵庫県知事選、
  口の無いニュースの記憶が鑑賞中よぎる。
 硬派なドキュメンタリの方が、優れたのではないか。
 
 もし、カーリ&マイが真相究明を拒んで、尺が足りないなら、
 A案 
  制作サイドの右往左往も映し出して
  ドキュメンタリ制作のドキュメンタリとする。
 B案
  本作の編集で、モキュメンタリと開き直る。
 
 どちらかで願いたい。
 本作で、ドキュメンタリ名乗るのは避けて欲しい。
 
 
  
5.何が問題か
 素材が事実だからといって、
 それを切り貼りして、サスペンスに仕上げたものが、
 ドキュメンタリ名乗るなよ。

 映画は先に入場料払って観るのだから、
 客との約束違反。

 事実を元にした虚構でも、リアリティショーでも、モキュメンタリーでも、
 そう名乗りゃ、それでいいんだけど。
 これで、
 ドキュメンタリを名乗るのは、好ましくない。
 顧客からの信頼失う。映画界自体が信頼失う。
 
 
 編集賞はギリセーフと思うけれど、
 ドキュメンタリ作品賞授与するスウェーデン・アカデミーは論外。
 モラルが無さ過ぎる。
  
 物議醸した事実を隠して、
 紹介したり配給する日本のビジネスもどうかなぁ。
 
 
 悪貨は良貨を駆逐する。
 特定外来生物のようで、
 良心的な制作しているドキュメンタリ作家を淘汰してしまう。
 それが恐ろしい。
 
 鑑賞中は、しばし睡魔に襲われた。
 しかし、
 受賞歴や話題性が、私を不安にさせる。
 
  
この作品にカネ落としちゃ、いけなかったかな。
 
 
 
ある意味、過激。 

信じても安心できない作品。
 
 
 
2026.09.17 10:00現在
 20MAから-2σの間のレンジですね。
 今週はその間を動いくだけ。
 いずれ、前の安値を試すと想定してます。

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