スタンリー・クワン特集φ(•ᴗ•๑) ベタに、ねちこく、ちょっとフェチ「ルージュ」「ロアン・リンユイ/阮玲玉」返還前の香港

「ルージュ」(1987年)

「ロアン・リンユイ/阮玲玉」(1991年)

 
スタンリー・クワン監督は知らない。作品は未鑑賞。
特集の説明には、
残念な最期を迎えてしまった、香港のスターたちの名前が並ぶ。
 文芸もの?

返還前の香港で、そんな分野の映画が撮られていたとは、、
評価を確認すると、微妙で何とも言えないけれど、
スターの名前と、返還前の香港の景色に興味惹かれ、
小降りの頃合いを見計らって地下鉄に乗る。


 
ちょっとだけ予習。
 
 0.スターそれぞれ
 0.1.レスリー・チャン
 0.2.アニタ・ムイ
 0.3.マギー・チャン 
 
※まだ、ネタバレしません。
 
 
0.スターそれぞれ
 40年前の2作品は、男を見る目が無い女の話でした。
 未来人の私は、主演の行く末を重ねてしまいます。 
 
 芸能ゴシップは不案内で、うろ覚えはgoogle先生に確認。 
 
   
 0.1.レスリー・チャン

  「覇王別姫」で御尊顔を拝んだのは一年前で。

  映画さながら、その後の人生も思い出す。

香港映画界のトップスター、レスリー・チャンが1日夜、
セントラル地区のマンダリン・オリエンタル・ホテルから
転落して死亡した。46歳だった。
自ら同性愛であることを公表していたチャンだが、
現地のマスコミによれば、
チャンは13年間交際していた男性の恋人との不和に加え、
新たに知り合った20代男性との三角関係に悩んでいたといわれている。
現場には遺書も残されており、「胃酸逆流的問題」「感情波折」と
感情が不安定だったことをうかがわせる言葉に加え、
「2人の男性のどちらを選ぶか悩んだすえ、死を選ぶ」
と書かれていたとの情報もある。

  原因は鬱と言われて。
  オーバードーズの雰囲気を、個人的には感じてしまう。
  カミングアウト前は疑われ、覗かれ、。
  今とは比べ物にならないほど、叩かれたらしい。
   
 
 0.2.アニタ・ムイ
  本作の劇中よりも、
  儚い、恋だったのかと想像してしまいました。

  
  男運がねぇ。
  古い記憶を辿りつつ、先生に訊くと、
   二股を知り身を引くが、
   歌姫どちらも不幸な結末で、
   男の事務所がゴタ消し。
  という噂を教えてくれた。
   
  芸能レポーターの不自然な気の使い方は、当時からだったか。
  香港には、所属タレントを守る強力な事務所は無いのかな。
 
 
 0.3.マギー・チャン

  岸恵子を彷彿とさせます。
  返還の頃、フランスへ

1990年代後半からはパリで過ごすことが多くなり、
フランス語を流暢に操るようにもなった。
1998年にはフランスの映画監督オリヴィエ・アサヤスと結婚。
2人は3年後に離婚したが、
2004年に製作されたアサヤス監督の『クリーン』では彼女が主演を務め、
第57回カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得した。

  いいタイミングで香港を離れています。
  そして、現在は悠々自適

かつての華やかな時代とはかけ離れたマギー・チャンは、
今では鶏を飼ったり、野菜を育てたり、
自然に囲まれたゆったりとした生活を送るなど、
日々の活動に時間を費やしている。
彼女の生活はもはやデザイナーブランドや贅沢品、
セレブが集まるパーティーとは無縁だ。
代わりに、古い車を運転し、シンプルなバッグを使い、
動物保護や慈善団体への寄付、
そして地域社会の隣人への支援を優先している。

  自分を見失うこと無く、賢く世間と距離を取った。
 
 
  
 《 開演 》
 
 
 
 1.スタンリー・クワン全般の感想
 1.1.香港返還の影
 1.2.クドくリアルな演出 ウォン・カーウァイに非ず 
 1.3.リアリズムの拘り 化粧がノらない
 1.4.余韻溢れる着地を許さない(ネタバレあり)
 1.5.現代と過去、虚構と現実 視点の切り替え
 
※一部ラストに触れざるを得ない。 
 
 
   
 1.スタンリー・クワン全般の感想
  2作品共通で、鑑賞中に浴びた限りを語ります。
  
  
  1.1.香港返還の影
   映画制作の頃には、すでに返還は約束されて、
   公開から10年以内に、実施の見込み。

1984年12月19日に、両国が署名した英中共同声明が発表され、
イギリスは1997年7月1日に香港の主権を中華人民共和国に返還し、
香港は中華人民共和国の特別行政区となることが明らかにされた。

   「ルージュ」では、   
    劇中の現代から50年前の香港と、
    返還前の香港の街並みが、対比的に描かれる。
   「ロアン」では、 
    劇中の現代から60年前、日本の占領直前、映画黄金期の上海が舞台。
    そこに、劇中現代の香港映画制作の様子をインサート。
   
   未来人の視点では、
   いずれ、街並みも、映画制作も、
   このままの香港は続かないと、承知した造りに見えた。
 
 
  1.2.クドくリアルな演出 ウォン・カーウァイに非ず
   とにかく、オシャレではないです。
   なので、80年代後半からの日本でヒットは難しいだろうな。
   比べてしまう↓。

   
   心情は全てセリフで親切に説明してくれるので、安心です。
   カメラは、
    下から上、上から下へと’舐める’映像が得意で、
    この時代の香港映画は、セット、美術、衣装も見事と知れます。
    そして、
    ねちっこく人物に’寄り’ます。

   存分に説明したいのだと感じるのですが、クドい。
    分かったから、もうちょっと余韻を大事にしてよ
   特に、終盤はそう言いたくなります。
   私は若干、辟易でしたが、リアルに徹底的に描き切りたい。
   
   ドギツい色調が当時の香港映画っぽくもあり、
    ジェッキー・チェン全盛期で、
    チョウ・ユンファのノワールものもヒット、
    やはり、アクションが醍醐味。
    そこに、
    アートで異色のウォン・カーウァイが美形を撮る。
   
   そんな時代に、
   アクションでもオシャレでもないスタンリー・クワン。
   ちょいフェチ入り、随分と現実味感じさせる演出で、
   時代考証も大事にしてると伝わる。
   
   役者さんの資質にも依るのでしょうが、
   ベタなコメディは意外に得意かとも、悲劇のストーリーで感じます。
 
 
  1.3.リアリズムの拘り 化粧がノらない
   そして何より、
   よく匂う。必ずフェチ入ります。
   
   そんな路線なので、
   雰囲気を重んじる作風ではなく、
   常に、生身のリアルを常に感じます。儚い役でも。
   幻想的とは言い難い。
   
   痛し痒しですが、
   女優を美しく、魅力的に撮るのは、得意とは言えません。
   男は大抵、クズで綺麗なままですが、
   ヒロインは、
    化粧が映えないように、ワザと撮ってんのか
   どちらの作品でも、
   入念かつ、浮いたようなメイクに、何度も疑問に思いました。
   
   化粧が仮面のようで、若干グロテスク入る。
   儚くない。
   香港の女性の気性と情念が激しい。
   苦手なタイプでもあり、
   ヒロインには、あんまり性的な魅力は感じません。
 
   監督は、女性に優しくない。
   ゲイだから、ですかね。
   無機で客観的で、本当は同情もしていない。
   だから、
   敢えて美しい着地を拒否してクドい、終劇にしてるのかも。
 
   アニタ・ムイは、
    男で精魂尽きて、やつれて見えてしまう。
    現実のスキャンダルを重ねてしまうからか、
    相手はアイドル顔だもの。

   マギー・チャンは、
    ロアンがタヌキ顔なので、
    その顔に寄せる。美しいのか。 
    大竹しのぶのような演技派ってことかなぁ。。
 
  
  1.4.余韻溢れる着地を許さない(ネタバレあり)
   「ルージュ」では、老いて没落した男性の姿で終わり、
   「ロアン」では、臨終シーンのNGテイクをワザわざ映す。

   うーん、
   自分で台無しにしなくても。
   悲劇を幻想的に描いて終劇、でもいいのに。
   
   それで、クドクド説明は続ける。
    分かったから、いい加減まとめろよ
   イライラしましたが、
   リアル路線の着地でないと気が済まないみたい。
     

   これから人民共和国に返還されて、
   今の香港は失われてゆく。
   結局、それが現実と。伝えたいのかなぁ。
   美しく畳んで、一向に構わない話。
   溝口健二のストーリー自体が容赦無い、とも違う。
    「ルージュ」は現実を知り、諦めて成仏。
    「ロアン」は監督たちに囲まれ、惜しまれて、お別れ。
   悲劇のヒロインで終わって、何の問題も無い物語。
   
   鑑賞中はしっくり来ないのですが、
    監督のリアリズムが綺麗事を許さない。
    これから現実は厳しいのだから。
   という事なのでしょうか。
   違和感は残るのですが、
   納得するなら、そんな解釈。
   しか、思いつかない。
 
  
 1.5.現代と過去、虚構と現実 視点の切り替え
  どちらの作品も、
   現代と過去を交互に描き、
   撮影のシーンを必ず入れる。
  
  昔話でも、フィクションでも終わらせたくない。
  映画の中で伝えたいのは、これからの香港。
  なのか。
  
  かつての若旦那の老いた姿より象徴的なのが、
  日本軍がやって来て、これから没落する上海映画界。
  91年公開ということは、あと6年。
  カウントダウンが迫る。
    
  ゴシップメディアにスターが殺されることより、
  深刻に捉えているように見えてしまう。

  劇中のロアンは、
   家族も全て捨てて、監督と二人香港へ逃げようと誘う。
  現実のマギー・チャンは、
   フランス人監督と結婚し、香港から去る。
 
  もし、
  ロアンも飛ぶことが出来たなら、
  絶望して、クスリをあおる必要は無かったんじゃないか。
 
  レスリー・チャンはカミングアウトして、
  中国共産党でなければ、自由を謳歌出来たのではないか。
 
  アニタ・ムイの相手が酷い奴でも、
  事務所が苛烈でなくば、そこまで消耗せず済んだのでは。

  と、そんな想像してしまう。
  しつこく誘導されてると思う。
 
  
 
今回の特集は、ジャンル分け難しい香港映画で、
2時間超えは流石に、長くクド過ぎですが、
興味深い作劇でした。
乙なものでした。
  
返還間際のスタンリー・クワンは、
最後っ屁のように、
中国政府の許可無く、美形の同性愛描いて、
その後は、検閲も厳しいらしい。
 
 
 


 
 
 
2026.09.21 現在
 連休中ですが、
 20MAを抜けて来たのは意外。
 利上げ折込み済だとしても意外でした。
 6万6千円台で2σタッチまではいくのかぁ。
 売りへの転換いつでもと想定しつつ、ゆっくりついて行く。

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