「ナースコール」緊迫病棟24時!!(*゚д゚*) 演出は盛り過ぎか?「断る勇気」と壊れた組織


公開当時から好評と知り、気になっていた。
けれど、
他の特集優先していた内に逃してしまった。
この度、
文芸坐の二本目として、引き続き鑑賞。


お金持ちのイメージのスイスでも、日本と同じく、
看護師不足は深刻らしい。 
とは言え本作は、
 看護師の過酷な現状を訴える内容なのか、
 盛りすぎ、ドラマ過剰なのか、 
その判断が出来ず、優先順位を下げてしまっていた。
 
予告編からは、
不安を煽る演出に満ちて、
ドキュメントよりサスペンスドラマ優勢と知れる。。
 
まあ、二本目なら外しても仕方無いと、
損失の痛みが軽減されるので、あれこれ想像するのは止めた。
一本目の後、急いで昼食を済ませる。 
  
 
 
 《 開演 》
 
  
 
夜勤病棟のリアリティに惹き込まれました。
サスペンスフルな演出に、まんまとヤラれました。
素直に拍手喝采。好評も納得。
私は、
演出を味わう余裕も無く、(二本目で集中力低下してるか)
群像的ストーリーを把握するに精一杯で、
主人公主観同様に、消耗しながら鑑賞していました。
 
気になる点も、若干ありましたが、(後述)  
臨場感素晴らしく、
映画館での鑑賞に、しっかりとイマーシブな価値有り。
満足です。

滝口監督に、
 ”寝言は寝て言え”、”財源を示せ”、”正義の側に立ちたいだけ”
と言ってやれるかな。
と邪念も抱きつつ、
心地よい疲労を実感し、帰路に就く。
 
項目に分けて語りたい。
 
 
 1.現実的か? 違和感
 2.サスペンスの演出とは?
 3.私の入院体験
 4.断る勇気 当時は徹夜続きで
 
※どうしても触れざるを得ない箇所あり、ネタバレします。
 あらすじの後追いは、回避します。 
 
 
1.現実的か? 違和感
 スイスの事情は分かりませんが、
 私の入院の経験からも、以下3点は、劇中疑問でした。
  ”それは看護師の仕事じゃない” が2つ。
  に加え、”危険過ぎる仕事ぶり”

 ・事務方、窓口の不在 → 看護師の携帯に直は無いだろ
 ・看護助手が居ない → 頑張っちゃいけない職場 
 ・投薬にダブルチェック無し → いつか事故起こすよ
 
 結果、ほぼ動画の受け売りですが、
 専門家でなくとも、この組織おかしいと、気づきますよ。
 虚構として、観るよりないと思ってました。
 
 退職→人手不足→組織崩壊 
 というスパイラルが、もうが始まっている、危機が迫る。
 その警鐘を意図した作品だと。
 
 
 ・事務方、窓口の不在 → 看護師の携帯に直は無いだろ
  概ねリアルな描写に同意されてましたが、

  患者の家族から、看護師の携帯に着信は無い。
  番号教える方がどうかしてる。
  唖然としました。  
  もう、’ナースコール’の範疇じゃないよ。

  少なくと入院の経験上は、
  公開の病院窓口の電話番号しか知らない。
  電話は外部内部問わず、事務方にしか繋がらない。
 
  患者や家族も、揉めることは有っても、
  看護師に言ってもね。意味無い事は窓口へ。
  国情が違うと言っても、いっくらなんでも非現実的。
  本当だったら、もう組織崩壊済。
 
  
 ・看護助手が居ない → 頑張っちゃいけない職場 

  確か、 
  採血や数値記入と、ベッド移動や入浴など、それぞれ役職が違った。
  本作では、
   インターンレベルのヘルプが一人しか居ない。
   指示系統が現場で乱れることは有っても、誰も掌握してない。
   窓口も補助も、全て看護師が対応で、組織がそれを放置なら、
  終わってるよ、その組織。
 
  単に、看護師が不足しているだけでなく、
  退職者も多いだろう。
  まして、こんな職場で責任ある役職に昇格は地獄。

  現代に於いて、
  壊れた組織で奮戦する善意を、英雄視するのは賛成出来ない。
  社会の事は、社会が責任もって、解決しなよ。  
  
  毎度イライラしてしまう、
  安定した精神状態で勤務を続けられないなら、
  辞めどきです。  
   
 
 ・投薬にダブルチェック無し → いつか事故起こすよ

  このまま、働いてはいけないと、悟る時期です。
  ヒヤリ・ハット経験して、改善のしようが無いなら。

 
  スイスの実態は知りませんが、
  その手の深刻な事故も、過去に例は有るはず。

  加害者には成りたくないなぁ。
  有能なるが故、テキパキこなせてしまう。余計に危ない。
  辞める以外に回避策無いと思うが。
 
 日本の事情どころか、スイスの事は尚更分かりませんが、
  ここまで、崩壊した組織が現実なのか、
  サスペンスを盛り上げる為の創作なのか、
 後者として、観ました。
 前者であっても、人手不足の問題には出来ないな。

 体感は、逆「入国審査」でした。

  嘘みたいなアルアルか、
  リアルを信じてしまうナイナイか。
 
 ま、本当の中に嘘を混ぜるのが、フィクションの巧妙。
 
 
 
2.サスペンスの演出とは?
 集中が途切れているかも知れないですが、
 断言したい。
  演出は、ドキュメンタリ的では全くない。
 
 音楽は、丁度良く、煽るべき処で煽ると思われ。(詳細な把握出来てません) 
 映像は、定番かもしれないけれど、
  俯瞰から主観、ズームアップのが、効果的な盛り上げと感じました。
 
 カメラ・時間・リズムの見える化術

ショットサイズ表を意識する
・ロングショット:人物を小さく配置し、状況や環境を強調する
・ミディアムショット:人物を腰から上で捉え、会話や関係性に注目させる
・クローズアップ:顔の表情を強調し、心理や感情に迫る
 
モンタージュの意味を掴む
・対比のモンタージュ:異なる映像をつなぎ合わせ、意味を強調する
・連続のモンタージュ:動作を分割し、時間を圧縮して見せる
・感情のモンタージュ:表情や風景を交互に映して、心理を映像化する
  
カットの呼吸=リズムを聴く
・長回し:緊張や没入感を高める
・短いカット割り:スピード感や混乱を与える
・沈黙の間:次の展開への期待や不安を引き延ばす


 逆に、ドキュメンタリで技巧を見せられると、鼻白んでしまう処ですが、
 ドラマの盛り上げ上手いなぁと。
 
 エピソードひとつ一つは、小さいので、
 緊張の持続は、
  音も上手に利用したトランジション(つなぎ)と、
  カメラワークとカット割り、
 の賜物。
 定番だとしても、切り返し素晴らしい。
 
 
 
3.私の入院体験
  トンデモな患者も出てきますし、
  それ看護師に言ってもね、
 という理不尽もエピソード多いですが、
 患者の身になれば、切実なケースも。
 
 作り手は、
 100%善悪二元論的に、完全な同調はさせない。
 患者側に酌量を感じさせて、理不尽を混ぜる。チョイスが絶妙。
 (逆に、主観の演出だからと、
  ヒロイン=善 患者はワガママで悪と、  
  ゼロイチ思考に傾く客は、医療の実情より危ういと思う)
  
 そんな中、私が最も共感してしまったのは、
 点滴や採血で、失敗する人。
  あれは痛い。一発で決めろよ。
  確かに、下手くそには怒りを感じます。
 専門職なんだから!!
 

 看護師にも、判断力の差、技量の差明確に有ります。
 優秀な人は、どちらの腕が、より確実か吟味し外しません。
 何なら、どちらか聞いてくれます。
 ”左の方が血管が出る”と自己申告すると、
 ベッドの隙間狭くても、確実に採血してくれました。
 (常に出来るだけ、先に左腕差し出しました)
 
 そんなアルアルも描かれて、
 痛みが蘇ると同時に、何だかニヤニヤしてしまいました。
 後は、
 事務方に要求すべき事は、事務方に言えと、(特に文句も有りませんが)
 判断を示してくれれば充分です。
 
  
 
4.断る勇気 当時は徹夜続きで 
 「四月の余白」の夏帆演じる若手教師のように、

 成果も出ないし、責任も負えない領域で頑張る事を、
 患者の私は望まない。
 有限責任の範囲で、機械的で構わない。 
 むしろ、頑張られて致命的な結果が訪れる方が怖い。

https://amzn.to/3Rhsg51

私が今、タイムマシンに乗って20代後半の自分に
たった一つアドバイスするとしたら、
「『断る力』を一刻も早く、身につけること」と言うでしょう。
(中略)私が相手の言いなりにならずに
拒否をする力を身につけることができたと確信したのは、
34歳で初めての離婚をしたときからだと思います。
そして、その時から、
私の世界はドラマティックに変わりはじめました(本文より)

 私も、徹夜続きで、
 壊れた組織で働いてしまった事ありました。
  この組織を救う方向で働くのは、間違いだな。
 と気づくまで、長い時間が掛かりました。
 
 作り手が対比的に描く、
  定時でキッパリ帰る医師。
  割り切って働く同僚。 
 それが出来ないなら、もう辞め時。でしたね。
  
 フィクションに文句言うのも野暮かもしれませんが、
 主人公を英雄扱いするのは、賛成出来ませんでしたね。
 とはいえ、
 どこかで致命的な事故やらかすんじゃないかと、
 ずっとハラハラしてました。
 まあ、作り手の掌の上でした。
 ラストに共感出来ないものの、ホッとしました。
 
 辞め時だけどな。致命的なエラー起こす前に。
 精神的に限界なのは、自分で分かってるでしょう。
 
 
作り手は、
そんな善意に支えられてる社会に、警鐘鳴らしたかったのでしょうね。
観念的でなく、実地の取材に基づいた作劇で、
その上確かな実力、素晴らしい。
 
個人的には、
 幾らなんでも盛りすぎじゃね?
と乗れない箇所も有るのですが、
物語の消費も充分。ベストなバランスなのでしょう。
大ヒットして、メッセージも伝わる。
 
誰にも、お奨め出来る一作。
  
 
  
想いや実力だけではね、ビジネスやマネジメントの学び直しの時期を経てこそ。

 
 
 
2026.07.20 14;30 現在
 日本市場はお休み。
 -2σで明けの明星か? 反発出来る程でもない。
 W杯終わって、まあ明日からですね。
  

カテゴリー: 書評、映画評など パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*