大変な評判だと、友人に知らされ、
検索して、子供も大人も楽しめる作品と確認。
折角の水曜だし、夕方の回予約。
ちいかわの聖地池袋では、シネコンは全力パワープレイ。
比較的、混雑は緩和されているかもと、Humaxを選ぶ。
/#池袋HUMAXシネマズ
📺新作情報📺
本日公開!
\『#映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
大人気「ちいかわ」をアニメーション映画化。とある島を訪れたちいかわたちが繰り広げる大冒険。池袋HUMAXシネマズでお楽しみください!
▼スケジュールはこちらから!https://t.co/7HvHWSGHf0 pic.twitter.com/JYopxjSCM3— 池袋HUMAXシネマズ (@HUMAX_IKEBUKURO) July 24, 2026
前日、余裕で良い席を予約してしまった。
想像よりスカスカでしたが、一部治安悪い観客も居て、
最後尾が正解。大スクリーンなのだし。
予習の段階では、ネタバレは避け、最低限の知識を入れる。
”調査兵団「人魚の森」を征く”のような内容らしい。

原作の「セイレーン編」に忠実な造りで、
原作者が脚本と作画も担う。
安易なタイアップは排除されたと言う。
主要キャラは、一通り承知。
《 開演 》
※極力、ストーリーには触れません。
それでも、一部ネタバレに接触してしまいます。
構図、カット割り、カメラワーク、色味とも、
映像完璧と思うのですが、
何故か、誰も褒めない。。
スペックを感じさせない凄み、(後述)
気合の入った作画に最初から圧倒されました。
音楽は、主張やり過ぎませんが、
高品位であることは間違いなく。
ラップというか、ディスコかっこいい。コーラスに負けず。
音響全般ですね、隙がない。
ナガノ原作からの意向と聞きますが、キャスティングも完璧すぎる。
物語は、想像より、ずっと上品な味わいで、
セリフは制限されつつ、小学生低学年でも分かる。
なのに丁度良い不穏。
もっと、
幾らでも観客ウケ狙いに行けるのに、(後述)
あくまで上品に、世界観を維持。
個人的に、直前の映画鑑賞が「ドゥランダル作戦」という、
主人公の行動と目的が一致しない雑なストーリーで、
モヤっとした後だったので尚更、
キャラ達の終始一貫したハードコアな姿勢に、痺れました。
モサドのような執念も、
ヨルダン川西岸を彷彿とさせる、島の自治機能の欠如も、
寓話なのに、リアリティあり大いに納得。(後述)
100億狙う作品は、
確かな原作が必須。(「果てスカ」「プペル2」から判るように)
センス良く高品位は絶対で、(それだけでは「SAND LAND」)
そこに愛されるキャラデザと認知が必要ですね。
(「トリツカレ男」はキャラデザさえ間違わなけば、、)
本作は、
劇場と配給の本気に応えるだけの必要条件は満たした。
映画化の新規参入は100点の出来。
この夏休み興行で、果たして結果は何処まで。期待は高まります。
以下、個別に。
1.作画 スペックに頼らない凄み
2.お話作り 精密で上品な味わい
3.テーマ 復讐の連鎖は一味違うリアリティ
4.物語の着地 善悪の行方
5.脚本の視点 カニと修造
シンプルかつ完成度高くて逆に、語れる事も多くなく。。
1.作画 スペックに頼らない凄み
予告編でも分かるとおり、
初手、
色味が凄い。鮮やにして絶妙に細心。
そこから、無駄ないカット割り、
実は意外にも、適切にカメラは良く動く。
構図は、わかり易く凝りすぎない、そして画がチャント決まる。
いきなり圧倒されました。
ウクレレ演奏でも、
キャラの動作は単純化されたまま。決して細かくない。
普通のアニメ、
「ユーフォ」のような忠実な描写は無理。
それでも、
ラッコ先生は、立体機動のようにカッコ良く。
本作は、世界観を損なわず、略しつつ滑らかに。
まるで、
高畑勲作品を観るかのような、スペックに頼らない凄み。
本作の作画が、評価されないのは、残念過ぎる。
アニメは子供の為だから、仕方ないのか。
私がアニメに詳しくないだけか、
いや、
画はスペックしか、褒めて貰えない傾向にあると思うのだけど。。
(昔、ディズニーの方がスムーズと褒めた評論家のように)
他人事ながら、
スペックだけなら中国に、敵わないだろう。
褒めるべきを褒めたい。
2.お話作り 精密で上品な味わい
やろうと思えば、
伏線回収&どんでん返し、いわゆる考察が捗る作劇にも、
もっと幾らでも出来た内容。
しかし、そういうのはヤッてない。趣味じゃない。
小学2年生でも、
いや幼稚園児でも楽しめるよう設計されて、
余計な事しないのは偉い。センスを感じます。
なんとも上品。
尚の事、
手前の快楽消費に終わらない、底知れない不穏を残します。
主要とモブでは、
主観で明確にキャラの色分けがされて、そのまま。
無駄に感情移入させないで流す。
敵キャラも、同情させようと思えば、幾らでも。
「hunter」の旅団みたいにベタベタに、引っ張ることも可能だった。
(悪役はブレず、クールなまま負けさせてよ。
せめてスピンオフにして欲しかったな)

本作は、作為的に感情揺さぶろうとしない、煽らない。
ただ、小さくて可愛いのみ。
侘び寂びの境地みたい。
静寂の代わりに不穏を残す。
結末も、上品な寸止めで意外。
炭酸という語呂の伏線回収に気づくのは、だいぶ後でしたが、
「銀河鉄道999」を経由して、考えるのを止めるのかと、
想定してました。
許して仲良しじゃ、お花畑過ぎるし、
倒して勧善懲悪は、それはそれで後味悪い。
絶妙なバランスと観てました。
みんな仲良し、平和で終わりさえすれば、
教育上良いものでしょうか、
それじゃ、
”将軍様のお陰です” と必ずセリフが入る、
何処ぞの国のアニメと大差なし。
現実的な不穏こそ良心。
3.テーマ 復讐の連鎖は一味違うリアリティ
子供向けでも、復讐の連鎖を描き、
予定調和的にハッピーエンドに着地しない。
そんな作品は探せば他に有るかもしれません。
敵役の執拗かつ一貫した言動に感心しました。
子供相手に妥協が無い。
前出のように、
客喜ばす為、目的と手段が一致しない例も多いと感じるのに。
その路線変更が、人気を博すケースも有り。
他の成功を尻目に、リアル路線のファンタジーで貫徹。
安易に善悪判断のラクをしない。
一方、
本作の島の自治は不甲斐無い。
最初は、「七人の侍」のように、
ムラオサが、精一杯の待遇で傭兵を募り、
籠城して、徹底抗戦かと予想したら、責任者が一向に出て来ない。
自衛にせよ、交渉にせよ、
代表者が出てこなければ話になりません。
それを不自然な設定と思ってしまう処、
そう言えば、
「ノーアザーランド」も連想しまして、
当時、
ヨルダン川西岸のイスラエルの民族浄化作戦も知りました。
当然酷いのですが、善悪は一旦置いて、
アッバス議長のパレスチナ自治政府の腐敗と無能も、
思い知らされます。
本作の島の様子は、ダメ組織の典型とも映ります。
責任ある意思決定が出来ない。他人任せでは。。
4.物語の着地 善悪の行方
モヤっとする大人の観客が多いなら、
それは善悪に決着させないからでしょう。
子供の頃から私、
大人に都合良い絵空事は疑問で。
空気読むだけなら、善悪の判断は要らないのに。
個人的には、
敵役が最後まで執念を見せるエンドは、
スッキリした畳み方と観てましたよ。
島は平和を取り戻し、
主人公達は目的を果たし帰る。
敵役もミッションコンプリート間近で、
これ以上、無実の人間に被害を出さなそう。
それに、
当人同士が殺し合うのは、両成敗以上に裁けんよ。
殺して喰ってんだから、
果たし合いと同じく、恨みっこ無しじゃね。
勧善懲悪のファンタジーでなくとも、一向に構わんよ。
ところが、
真犯人を知ったなら、告発すべきと、
そんな意見も見かけましたが、
誰に?
島の責任者は出てこないし、犯人探しは行われていない。
依頼されたのは討伐で、当面の目的は果たした。
筋合いが無い。
それに、
ちゃんと真犯人を教えたじゃないですか。
受けて、”分かった”と応えてる。
何の問題が残りましょう。
起訴もされてないのは、
無関係な民間人への被害ですが、
それを裁くのは誰の仕事なのでしょう?
通常は、勝った方が負けた方を裁きます。
何にせよ、それは戦後処理で、
やはり責任者不在では、お話にならない。
あの無能な島の自治では、
原因が他の厄災であっても、滅んで自業自得。
逆に、
犯人が特定されてピンポイントの暗殺なら、
それはそれで、一件落着。
ちいかわ達の活躍で、被害最少の決着で、
文句無しでしたよ。
復讐譚としては普通で、ホラーとも思わない。
そんなに、善悪二元論が好きか。
5.脚本の視点 カニと修造
つい、思い出してしまう。
「カニと修造理論」まんま引用してしまう。
三宅隆太さんが宇多丸さんのラジオで話した「カニと修造」理論は大変有名な話で、
物語における感情移入について考える上で非常に重要な話である。
グルメ番組を松岡修造がやるとき、カニを食べる前に
松岡修造が自身で船に乗って一生懸命頑張ってカニを撮るシーンを入れれば、
彼に感情移入してカニが大変美味しそうに見えるはずである。
しかし、その前に海の底で擬人化されたカニがファインディング・ニモよろしく家族団欒していて、
お父さんカニが出かけるシーンを入れれば、その後の松岡修造がものすごく悪く映ってしまう。
物語で感情移入するのは、時間的に先に登場して、
ドラマがあった登場人物の側であることをこの理論は示しているのである。
①どのような事象が起こったかと、
②劇中の演出が、誰の側に立つかは、
別である。
作り手の匙加減一つで、どのようにでも書ける。
②の、
誰の視点で、
どんな物語として、
誰に感情移入させるかは、
脚本と演出次第。
②を以て、善悪を認定する行為が、
”解説”と名乗るケースも見掛けたりする。
そのまま成人するのが、好ましいとは思えなくて、、
①を②として描いてる。 じゃダメか?
子供の内から、
敵味方どちらの視点からも見える物語に触れるのは、
そんなに悪いことじゃないと思うのだけど。
関係無いけど、
見た目と裏腹に、グロい現実も描くのは、
作品を通して一貫してるらしく、
敵役が「ねこぢる」に似てるのは、意図的と観てました。

もう30年も前では、今はあまり読まれないか。
絵柄から内容の残酷が想像出来ない典型。
①と②が、別と知る。
とまあ、全面的にお奨め。
ただ子供には、
考察ではなく、作品を鑑賞する大人に育ってと、
願望が湧いたりしてしまう。
仲良き事は美しく。
ほのぼのと不穏で、唯一無二の圧倒的才能。
アニメは原作ありきで構わない。順々に才能を大切に開花させて。
最初はひとり、Twitter漫画から、今は総合芸術の作画総監督。
2026.07.30 17:30現在
バンドウォーク始まる。
反発も想定の範囲で、次の安値までは目指すと見てます。
