監督無事解放されたらしいが、「ノーアザーランド」自衛能力あって領有権を主張出来なきゃ国家じゃない。

監督がイスラエル軍に拘束されたニュースを聞き、視聴を決めました。

イスラエルの軍と入植者から暴力を受け、連行されたと。
現在は解放はされたようです。
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」アカデミー賞受賞パレスチナ人監督を釈放 イスラエルがヨルダン川西岸で拘束

ヨルダン川西岸でイスラエル軍に拘束されていたアカデミー賞受賞のパレスチナ人監督が25日、釈放されました。
イスラエル当局は25日、占領地ヨルダン川西岸でイスラエル軍が拘束したパレスチナ人映画監督のハムダン・バラール氏を釈放しました。
バラール氏は24日、西岸のヘブロン近郊でユダヤ人入植者から暴行を受け、その後イスラエル軍に連行されていました。

監督は逃げずに、まだヨルダン川西岸で暮らしているとは!
私はそれを想像出来ませんでした。
てっきり、
ベルリンやアカデミー受賞後は、身の危険を感じて、
第三国に亡命してるものだと、勝手に思い込んでいた。
 
映画館で予告編を見たときは、敬遠してしまいました。
この題材が、民族を超えた友情の感動作にされるのはキツイと。
ところが、ニュースを聞いて、
そんなガチな人ならヌルい作品にはするまいと、想像を修正し、予定を変更しました。
 
流石に、ヨルダン川西岸とガザの区別はつく、
「電波少年」でアラファト議長と松本明子が、
「てんとう虫のサンバ」を歌ったのも覚えている。
しかし、その程度の薄っぺらさなので、
取り急ぎ予習はしました。ウィキペディアを確認する程度ですが、、
ヨルダン川西岸地区
聖書に書いてあることでなくて、現在の統治権はどこか。

1967年の第三次中東戦争でイスラエル軍によって占領される。ヨルダンは1974年に統治権を放棄した。現在、同地区はイスラエル軍とパレスチナ政府によって統治されている。

イスラエルは無理筋にも見えるが、自分のものだと主張。

ヨルダン川西岸地区は、国際連合からイスラエル占領地として考えられるが、一部のイスラエル人や他の様々なグループは「占領地」よりも「係争地」という用語を好んで使用する。その理由は様々だが、主なものとして、イギリス委任統治領パレスチナの消滅後、無主地を先占したと解釈した上での領有権主張。ひいては、占領地での被占領民保護を義務づけた、1949年のジュネーヴ第4条約の適用を否定する目的が挙げられる[7]
-中略-
イスラエルは占領とそれに基づくパレスチナ人住居の破壊・追放、ユダヤ人入植地の建設。特に東エルサレムの一方的な併合がハーグ陸戦条約およびジュネーヴ第4条約に抵触していることを把握しており、1968年5月20日付のイツハク・ラビン駐米大使への極秘電報で、外交においてジュネーヴ第4条約への議論を避けること、占領者であると認めないことを指示している[8]。

もともとが難民なので逃げ場も無いのだが、それすら認めない。

同地区に暮らす大多数のパレスチナ人は、第一次中東戦争でイスラエルから避難したパレスチナ難民あるいはその直接の子孫である。一方、ユダヤ人入植者やイスラエルの右派は、彼らはパレスチナ難民などではなく、ヨルダンが西岸を統治していた時代に移住してきたヨルダン人だと主張している。

国際社会とアメリカの動向は。
前トランプ政権はイスラエル支持、バイデン政権は(形式的に見えるが)反対。

2020年、イスラエルはヨルダン川西岸地区の一部を併合する計画を打ち出した。同年6月24日、国連安全保障理事会はオンラインで会合を開き、国連、欧州およびアラブ各国は計画が実現すれば中東和平が打撃を受けると警告を発した。一方、アメリカはイスラエルの計画への支持を表明した[26]。

2024年2月、米国はヨルダン川西岸地区へのイスラエル人入植者過激派への経済制裁を開始した[27]。 同年4月には、EUもヨルダン川西岸地区及び東パレスチナへのイスラエル人入植者過激派に対する経済制裁を開始した[28]。同年7月、日本もヨルダン川西岸地区へのイスラエル人入植者過激派に対する経済制裁を開始した[29]。

パレスチナ自治政府の統治は限定的である。

パレスチナ人による自治政府の管轄下はヨルダン川西岸地区の約4割ほどであり、そのうちパレスチナ政府が完全に支配下に置いているのは2割にも満たない(2000年)。その管轄区もイスラエルの実効支配地域および分離壁によって分断されており、多くが地区西部に点在する形となっている。

日本人の映画レビューもチェックしたのだが、
パレスチナ自治政府への言及が皆無なのは奇異であった。
 イスラエルの非道ぶりを非難するのに異論は無いのだが、
 自治権を主張して自衛しなきゃ、そりゃヤラれっぱなしだよ。
これも戦後教育の成せる業か、遠い国の出来事。
 
それはさておき、 
パレスチナの自治はPLOアラファト議長時代のオスロ合意から。

イスラエルを国家として、PLOをパレスチナの自治政府として相互に承認する。
イスラエルが占領した地域から暫定的に撤退し、5年にわたって自治政府による自治を認める。その5年の間に今後の詳細を協議する。

が、結局不発。有耶無耶。

オスロ合意および後の協定で明文化されたイスラエルとアラブ国家の関係正常化の期待は未だ解決されていない[1]。
オスロのプロセスは、2000年のキャンプ・デービッドにおけるアメリカを仲介としたバラック=アラファト会談の失敗と第2次インティファーダの勃発により終了した[2]。

自治政府がダメというのも悲劇に拍車を掛ける。

互いに飛び地になっている2地区のうち、ガザ地区は2007年にハマースの実効支配下となった[8]。ヨルダン川西岸にはユダヤ人入植地が多数つくられたままで[9]イスラエル国防軍が活動しており、パレスチナ自治政府の権力は制約されている[10][11]。パレスチナ人民からはイスラエルと結託した腐敗組織とみなされており、支持されていない[10][11]。2023年3月の調査によれば、パレスチナ人の63%はパレスチナ自治政府は「パレスチナ人にとって障害である」と考えている[10][12]。

ヨルダン川西岸とガザは分裂した。対立は続いている。
(日本では、マスコミが故意に報道してないみたいに見える)

アラファート率いるファタハが立法評議会選挙で定数88議席のうち55議席を確保して政権を運営していたが、縁故採用や汚職が相次いだことで徐々に支持を失い、アラファート死後の2006年に実施した2回目の総選挙ではハマースが第1党となった。アラファートの後継者として大統領に就任したファタハ議長のマフムード・アッバースとハマースの内閣は度々対立し、2006年にガザ地区でファタハとハマースの武装組織が衝突し、ハマースはガザを武力制圧した。アッバースはハマースのイスマーイール・ハニーヤを首相職から解任したが、ハニーヤは拒否し、ハマースが支配するガザ地区とファタハが支配するヨルダン川西岸地区は2007年以降分裂状態となっている[15]。

アッバス大統領が無期限というのは、個人的には如何なものかと思う。
パレスチナの大統領

パレスチナ自治政府大統領としてのアッバスの任期は2009年1月までだったが、PAの基本法を根拠に[54]アッバスは任期を1年延長した。2009年12月、PLOの中央評議会PCCは、大統領の任期を無期限に延長した[55]。ハマスは、2009年1月から[56]、ファタハと和解した時期を除いて、アッバスを大統領として認めていない。ファタハとハマスの対立のため、次回の選挙の日程は決まっていない。

更に抑えておきたい、敵の敵は味方かもしれない。
イスラエルvsイランにアラブ諸国は冷淡

サウジとイスラエルの国交正常化はイランへの脅威を共有しているがゆえに進んでいた。現在の紛争により交渉は破綻してはいないが、イスラエルに対するイランの「抵抗の枢軸」が強まっている。これは、イスラエルとサウジの脅威認識が正しかったことを意味している。
 サウジと他のペルシャ湾岸のアラブ諸国は、今回の衝突がアラブ・イスラエル紛争やパレスチナ・イスラエル紛争ではなく、イランによるイスラエルの戦争であると公に発言するべきである。また、パレスチナ独立国家の樹立が実現しなくても、サウジの一部の隣国がイスラエルを承認する妨げとならなかったし、サウジがイスラエルを承認する妨げともならないだろう。

更に、更に、トランプが爆撃したフーシ派の居るイエメンは、
サウジvsイランの代理戦争

イエメン国内の内戦にすぎなかったものがなぜ拡大していったのか、その理由は周辺国を巻き込んだ代理戦争の程をなしているからだ。
”クーデター“により逃亡したハディ大統領が逃げた先は、イスラム教スンニ派のサウジアラビア。政権側の閣僚の多くもサウジアラビアで亡命生活を送っている。サウジアラビアはUAE=アラブ首長国連邦などとともに有志連合を結成し、イエメンへの空爆や地上部隊の派遣など軍事介入を行なった。その有志連合へ武器を供給するなど、間接的な支援を行っているのがアメリカだ。
一方、フーシ派を支援しているのが、イスラム教シーア派のイラン。こういった勢力図から、イエメン内戦はスンニ派のサウジアラビアとシーア派のイランの代理戦争のような構図に至り、被害や規模が拡大していった。

自治政府は味方も無く、無力に見える中、 
イスラエルはハマスと戦争しつつ、ヨルダン川西岸へも占有拡大を企む。

 
前哨地の入植者(民間人という建前)というのが、より凶悪。

神から自分達に与えられた地だと思っている、と見受けられる。
(中華思想にも、似たような懸念は感じる) 
 
本件に関して、
イスラエルの違法と非道への、非難に異論は無いが、
映画見ただけで、善悪二元論に飛びつくだけのファスト思考とは、距離を置きたかった。
薄っぺらい予習と言われてしまいそうだが、一旦ここまで、
いざ鑑賞。
  
 
友情とか、そういう感動よりも、
ちゃんと過酷な現実を映していました。観て良かった。
ただ映画としては、
イスラエル軍による非道が映し出されるだけで、
背景理解が無いと、何が起こっているか、文脈掴みにくい。
 
エンタメのフィクションでなく、現実なのだから、
正義を消費するだけってのは、避けたい。
しかし、これだと、
検索するだけの数分の労力も惜しむような日本の観客には、
感情を煽るだけになるかも。
 
正しさこそ正義であっても、
自衛能力なければ、自分も家族も発電機も守れない。
という現実直視には至らず、感情を消費するだけの寸止め。
イランの映画に比べても、
界隈の方々の賛辞が並ぶ丁度良さ、とも思える。
なるほど現実は厳しい。 
  
ガザは、 
トランプ政権の介入によって、イラン弱体後に、再編されると予想している。
 音楽フェスを襲撃し、民間人を人質に取ったのは、
 たぶん悪手。イランでトップは暗殺された。
 ハマスは停戦合意に失敗。
 住民からの支持も失いそう。
 このままなら、実効支配を失うまで戦闘は続きそう。

ヨルダン川西岸のパレスチナ自治が、
改めて注目されるのは、その後ではないか。 
イスラエルはドサクサで占有を拡大しようと企むが、
ここで、
パレスチナの映画監督に手を出したことは、イスラエルの悪手。
 
映画もSNSも、武力を持たない者の武器であるけれど、
賞獲ったくらいでは弱く、
監督捕まって、ようやく、国際的注目集まる。か。
形式的なイスラエル非難に終わらず、
パレスチナの自治に焦点が当たるかどうか。
今のところ、国際社会もアラブ諸国も手を差し伸べそうにない。 
やはり、
能力も有り、大統領選も実施されるパレスチナ自治政府でないと、厳しいか。。
しかも、イランとの決着が先。
 
スクリーン眺めながら、そんなこと連想してしまった。
画面の夜空は、無意味なほど美しく撮れていた。
 
 
 
100%の絶望を99%に変えて。
残りの時間はわずか。教会の鐘もバズーカ。 
自分で考えても、どうにもならんが。。

今年もあと僅かで、とりあえず確定申告しなくちゃ。
 
 
2025.03.27 12:00現在
 トランプ関税の発言に翻弄されています。
 急落しましたが、20MAタッチの前に反発。想定するレンジの範囲内。
 朝、
 エイやと一旦売り玉を利確。2σをもう一度目指すと。
 ドル円150円台だし、VIX19未満だし、MACDまだクロスしてないし。
 今夜も審判を待つ。

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