年取ったら、ボクはどんな嘘を欲するだろう

ども、金沢は天気よく桜も見頃。

この季節に日本に居るの久しぶりです。
決算締めて、もうちょっと後で、
税金払いに帰って来るのが普通ですからね。
連休終わってからが、大体ちょうどいい。

それはさておき、
最近食べ過ぎ、飲み過ぎの理由に思い至りました。

多分数日、断酒したからです。
パキスタン行きに備え実験してみましたが、
3日くらいしか保ちません。
 
その後、反動で飲み食いしちゃうみたいです。
これはいかん。
せめて、炭水化物少なめに、一食分作ろう。
 
 
習慣のチカラは重いよな。
 
ふと、こんな始まりのコラムを読んだ。抜粋します。

 年を取っていくと、だんだんと濃い味のものよりも、
 淡いけれど奥深い味を好むようになりますよね。
 
 
コラムでは、
年齢を重ねることと、引き算の洗練が、
相関するかのように語られます。
 
 
これ、嘘です。
年をとれば、味覚も衰えます。
ほっておけば、むしろより濃い味を好みます。
健康に気を使う人とそれ以外の二種類の区別があるだけです。
 
もうちょっと丁寧に言うと、
元々こってりした味に慣れてる人が制限しなければ、
味覚が鈍感になる分だけ、塩分を足してゆきます。
で、またその味に物足りなくなり、更にプラスという。
塩分のスパイラルにハマります。
 
 
健康に気を使う人は、そうなる前に、
客観的、定量的な制限に慣れておく必要があるでしょう。
 
あー、炭水化物とアルコール制限しなくちゃ。 
 
で、
習慣は複利のチカラですから、
時間とともにその効果を加速させる作用を持ちます。
しかし、 
その習慣が良いものか、悪いものか、それは関係ない。
 
反復練習を繰り返すことにより、無駄な動作に気付き、
洗練が生まれるってことは、あります。
でも、
時間を重ねたら、全てが洗練の方向に進むかというと、
それは真理ではない。
 
習慣と時間の作用は、 
遠心分離器のような純化を促すけれど、
洗練を生むとは限りません。 
 
何にでも醤油かける人は年とれば、もっとジャブジャブかけます。
で、自分の味覚がバカになってることも気づきません。

試しに、冷奴でも、ほうれん草のおひたしでも、 
そのまま食べたら、何の味もしないでしょ?
 
何食っても同じ味なんだから、醤油飲んでろ、と思います。
 
 
って、前フリなんですが、
そのコラム読んでて、思い出したこと、もう一つ、
 
 
学生の頃、社会学という学問があることを知らなかった。
専攻してる知人に問うた。
 
それ、どんな学問なの?
経済学、政治学、法学は何を勉強してるのか分るけど。
社会の研究って、何なの?
 
それで授業を受けた。
 
ある研究者が、アメリカとイギリスで転職率を調べた。
アメリカはドリームな国だし、イギリスは階級社会だから、
アメリカの方が転職率は高いと思われていた。
が、実際は、似たようなもんだった。
アメリカにも、一生同じ会社で過ごす人もいれば、
イギリスで、転職してキャリアアップしてく人もいる。
 
実態とは違う、イメージというものがある。
アメリカは自由でチャンスの国という幻想を必要とし、
イギリスは保守的な身分の国というそれを欲する。
 
その社会が安定しているために、
その社会自身がそんな幻想を必要とする。
 
 
そんな話をしてた、なるほど、社会について研究する学問か。
 
 
 
コラム読んでて、第一感は。そのこと。
 
それは、コラムの本旨とはちょっと外れるんだけど、
そんなことより、
 
この手の美しい嘘は、昔はまかり通った。
けど、もう、いいんじゃね?
 
もう4人に1人は老人の日本で、そのフィクションに需要はあるのか。
供給過剰ではないか、老人大国でつくべき嘘じゃない。
 
ヒシとそう思ってしまいました。
 
 
実際は、子供見かける方が珍しいという空間に生きているのに、
まだ、古い神話を信じている。
 
まあ、リフレや財政出動で経済成長ってのと、
どこか似たニオイを感じます。
カンフル剤はいいけれど、昔と違う現実への順応って無視したら滅ぶよ。
 
あ、脱線。
 
縮む国では、益々昔にすがるような、幻想必要とするのかな。

信じれば、信じるほど、後で破綻が痛そうで、
オレは止めといた方がいいと思うんだけどね。
 
とりあえず、
年取ってく自分が、その嘘を必要とするようになるのは、
流石にカッコ悪過ぎるので、避けたいと思った次第。

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