高野さんと冒険家の資質

ども、小雨交じりの天気、東名ハイウェイから眺めてます
 
先日、ヤフー知恵袋かなにかで、

将来は冒険家になろうかどうか迷ってます。って質問を見た。
ベストな回答がある意味秀逸である。
 
止めといたほうがいいという。
冒険するような場所はもう無くなって、誰でも何処でも行けるから。
だそうだ。

その回答で満足して、諦めるなら、まあ止めといたほうがいいだろうな。
私も同感なのだが、理由はちょっと違う。
 
 
世界中、何処でも行けるというなら、
平壌からレポートしてくんない。
オレの師匠力道山じゃないし、旧社会党とも関係ないし。 
行ってきてくれよ。 
 
まあ、善良な一般市民に絡むつもりはない。
要は、その世界中に平壌は含まれてないんだろ。
行けないところが無いじゃなく、行けるところ以外は世界じゃない。
が正解なんだろ、アンタの頭の中じゃ。
 
それはそれで幸せな正解だが、別名、想像力の欠如とも言う。
 
で、想像力無い回答に納得するかどうかは、
質問者の想像力が問われる。
それで納得するんだから、初めから向いてないんだよ。
止めてよかったね。
 
 
まあ、それはさておき、
冒険家になるには資質が必要かと思う。
一つはマネタイズ。
 
ヒトの行けないとこに行くだけでなく、
マネタイズにも成功してこそ冒険家である。プロの。
植村直己なら、東京でパーティとか開いて資金集めたよね。
 
何の本で読んだか忘れたが、
あるフリーのジャーナリストは喰えなくて、
今はバグパイプの演奏の仕方を教えて生計を立ててるそうだ。
ネットを中心に集客できてるという。
 
そんな才覚あるなら、
活動続けるマネタイズも考えられそうだが、
そうでもないのかしらん。
 
 
で、現代の冒険家といって、ワタクシが思い浮かぶのは、
近年では渡部陽一と高野秀行である。
 
片やタレントとして、片やライターとして、
マネタイズの問題をクリアしながら、
行きたい危険なとこに行く。

私は、それを現代の冒険家と呼ぶ。目的を区別しない。
 
 
で、皆さんは高野さんをご存知でしょうか。
旅の最上級者だと思う。
何しろ、ミャンマーという国に行くのに、ビザの必要を感じたことが無いと豪語し、
中国からミャンマーを通ってインドに抜け、
インドでバレて強制送還された人である。
 
書店で平積みで買って読んだ。

インドに入国するにはパスポートをキレイにしなければならない。
強制送還された履歴があると、入国拒否されるという。
そこで、一旦離婚し妻の旧姓で再婚し合法的に名前を変えて、
インド入国を果たそうとする。
妻に土下座するシーンから始まるその短編も収められている。
 
 
狩野英孝には笑いの神がついているという。
オーラや守護霊が見える人には、それが見えると、
おぎやはぎはラジオで言ってた。
だから、必ず何か起こって笑いになる。
神のご加護だそうだ。
 
 
資質って凄いなって、思う。
 
特に感嘆したのは、投薬実験バイトの短編。
27才ころ、高野さんは一時燃え尽きた。
書くネタが無い、気力も減退してしまった。

そんなころ、投薬実験のバイトのビラを見て応募。
缶詰になって、三食のあと薬を飲むだけのバイト。
何の薬か知らない、副作用があるかどうかチェックを受けるだけ。
 
責任者だという老人は最初の注意事項の説明のときに、
自らのシベリア抑留の体験で演説を始めてしまう。
 
 
普通なら、そんな老人のところに寄り付かないのだが、
あえて話を聴きに行く。冒険家である。
 
老人は当初、中国に配属された。
エリートな彼は、部下の下士官が意味もなく兵隊を殴るのを不思議に思った。
あるとき勇気をだして、師団長にその疑問を質問する。
戦地に征けば分ると答えを得る。論理的な説明は無い。
 
で、あるとき、同僚と馬で散歩してると、同僚が突然撃たれ絶命。
その瞬間「分かった」そうだ。
殴るのは、理不尽さを体に染みこませるため、
そうでなければ戦争は出来ない。
 
 
ちょっとアレな老人に話しかけるという冒険をして、
これまで見たことのない風景を見る。
 
片方だけではダメで、

行動力も思弁の深さも冒険家には必要。
そういうことなんだろう。
 
ライターとしても、素晴らしいな。
途中で、ヒマに任せて「子連れ狼」読むんだが、そのチョイスがいい。
投薬実験バイト、軍隊体験、柳生の策略、そしてリアリティの無い日常。
すべて、理不尽な死というモチーフに溢れている。
 
 
ブルガリアの岩と薔薇という短編もいいね。
経由で陸路始めてソフィアを訪れる。
そこで、見知らぬブルガリア人のオジサンの好意を受ける。
泊めてもらい、手料理を振る舞われる。
 
さすが冒険家、オジサンは両刀だ。
まあ、旅先ではベビーフェイスにとっては、
ありふれた危険かもしれない。しかし、危険に踏み込むだけではない。
 
 ラビアンローズとはこのことだ、
 世の中でここまで心底自分を大切にしてくれる人がいたのか。
 もちろん、その心底とは、「今晩君を抱きたい」という超・下心なわけだが。
 ああ、女はいいなと思った。今私は女性の扱いを受けているのだ。
 日本人は男はさっぱりだけど、女性はどんどん外国に出てゆく。
 
 男とちがい、いつも丁寧に話をしてもらえる。
 多少言葉が下手でも質問がバカでも楽しく笑ってもらえる。
 そして、嫌になったら「帰る」と言えばいい。
 
 
その報酬に、得難い体験を体験するのである。
物語は、ヤラれる夢にうなされ、女もラクじゃないと知るのだが、

それはさておき、 
盆が暗い旅行者は沢山見てきた。オレだって人のことは言えまい。
 
 
冒険家の資質とは、こういうものだと、改めて感嘆させられる。

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