明日はビクトリーモニュメントに行ってみよう。
バンコク滞在中の友人出会い、昨日そんな話しをしていた。
で、今朝10時出発。
59番や503番でダイレクトに行くのが正解だが、
2番(6.5baht)に乗って、パヤタイ駅からスカイトレイン(15baht)に乗った。
もし道路封鎖とかされてると厄介だし、BTSなら確実と思った。
着いてみたら、全くの普通。平日のお昼の光景が唯広がる。
緊張した空気は何処にもない。
夕方から通行止めるらしいが、早すぎたのか。
普段と全く変わらない。
仕方無いので遅めの朝食。
コーラとかいろいろ飲んで180バーツくらいだから、値段は普通。
美味しゅうございました。麺類が自在に選べる。素晴らしいなタイ。
それはさておき、あまりに普通過ぎて、やることが無い。
折角、出てきたのに、悔しいので友人をヤワラーに誘う。
帰ったら、中華食べよう。そう誓って、彼の地を後にしたのだから。
ビクトリーモニュメントからサイアムで乗り換え、サラデーンで降りる。(31baht)
MRTでシーロムからファランポーン(18baht)。地下鉄の荷物検査も、特に緊張感は無い。
全く普通。むしろ黄色組のデモが無い分、スムーズである。
ヤワラーではいつも行くお茶屋さんが閉鎖されてる。
仕方ないので、オシャレ目なお茶屋さんに。
どうやら、ヤワラーでもオシャレな店が増えている。
タイはこのまま、変わらないのか。
順調に地下鉄も拡張されてるようだし、デベロップメントが停滞する様子は無い。
ま、それはさておき。
お茶二種とお茶受け菓子。二人で380bahtならまあまあだろうか。
鉄観音とプーアルを頼んだ。上質なお茶だった。
ちゃんと飲茶してると、デトックス効果があるような気がする。
心ゆくまで堪能していると、
友人はビールでなくて、紹興酒が飲みたいという。
ヤワラーでビールばかりで、飲んだことないと言い切る。
フカヒレ屋なら無いことはないと思う。
そう答えて、お茶が出がらしになったところで、出発。
ある店で、チャイニーズリカーあるか?訊く。
友人は「紹興酒」書いて見せる。シャオヒンチューと言ってる。
店主が頷いて、ここに座れと店に招き入れる。
決して高級な店では無いが、こういう店の方が可能性がある気がした。
まごうことなき紹興酒のビン。
一安心である。
ワタクシはロックで、ちょい砂糖プラス。
旨い。ビールとは違う味わい。必ず中華に合う。油を洗い流してくれる。
二人とも気が大きくなって、高いモン頼む。
フカヒレを当然の如く。
ここのフカヒレはチョイ歯ごたえが残る。
スープを飲むと、カレーの国ではこの味は味わえまい。
生きて帰ってきてよかった。そんな味がする。
気が大きくなったワタクシは、ナマコを所望す。
中華の高級食材というと、ゼラチン系で、スープに味を吸わせるものが多い。
中でも、ナマコの食感が好きだ。
弾力があるのに、噛むとはらりと、ほどける。
見た目の似てるシイタケと交互に食べて、食感の違いを楽しんでいる。
友人は更に気が大きくなったらしく、最高峰のアワビを指さした。
味は一見、貝柱なんだが、弾力と反発力と凝縮が、やっぱアワビだな。
ただ、バックダンサーであるシイタケの力量も忘れてはいけない。
肉厚で、力負けしてない。アスパラのような菜の花もよき調和。
一本空けたし、満足したので、最後にデザート。
銀杏とツバメの巣を。ツバメの巣は雪のように溶けてく。
充分堪能して、二人で3600バーツ。紹興酒は高いのかな。
トイレに行きたくなって、病院の観音様の裏手で用をたす。
タイでの息災を祈願して、53番のバス(6.5baht)でカオサンに帰る。
インド通り、花屋、王宮の脇を抜ける。
デモが無いと移動もラクだな。
パキから戻ると50年くらいの時差を感じる。
利便性もさることながら、飯のチョイスが幅広く、困らない。
そして今、もうやって、カフェで悠然とネット接続も出来る。
江戸の仇を長崎で討つように、ヤワラーで溜まってたストレスを解消してしあった。
美味しくても、毎日カレーはキツイもの。
バンコクって、便利で、ラクで、コスパ良し。
休憩するには、もってこいの場所。
友人とは、一滴の血も流れない、クーデターのコスパの話をしてた。
デモやテロの経済的損失は、選挙費用を上回るが、
タイは常に、こういうやり方で政権交代を実現してきた国だ。
明治の時は。
西郷隆盛は天皇制を中心にした徳治を理想とした。
劉備玄徳もそうだし、儒教に色濃い考え方。
敬天愛人の人だもの。
一方、大久保利通たちは、近代的な立憲君主国をデザインした。
法治国家を目指した。
この対立は決定的で、結果、日本のシステムは今日に至る。
戦後、象徴という折り合いのつけたかをしたけど、基本設計はそのまま。
タイは徳によるガバナンスが機能してる国だ。
近代化にあたり、経済や工業はキャッチアップしたが、
法治という問題は、スキップした。
そのショートカットは有効だったとも言える。
徳治が効いてる間は、選挙よりコスパ良い手段は常に有効かもしれない。
だからこそ、このタイミングしかもう無かった。
徳治が終わる前に。
どうやら、そう遠くない将来、徳治が終わると皆んな思っている。
そのときに、法治導入をスキップしたツケを払うことになるのか、どうか。
徳治が終わり、法治が効かないとなれば、外資はどう反応するものだろう。
タイがどこに落ち着くのか、数年は様子見ではないか。
そんな話をしていた。
徳治の終わりに備えて、今から法治の準備を進めればいいのに。
ヨソから来たワタクシはそう思う。
こういう考え方を「後楽」という。タイ人はあまり好まない考え方だ。
きっとそのときは、そのときで、なんとかなるんだろう。
だって、ここはタイなのだから。
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