タクシーのドライバーは気さくなオジサンだった。
相変わらず見た目は厳ついが。
カメラはポケットに入れておくとスグやられる。カラチは危険な街だ。
と忠告してくれる。
カラチの人は親切で世話焼きかもしれない。
河口の港町だし、大阪やホーチミンのように。
暫くすると、ガソリンスタンドで止まった。
400ルピーここで払ってくれという。
トータルで400だよね。と念押しして払う。
ガソリンを入れてる間、
車から出て、トイレ脇の無料の飲料水をペットボトルに詰めている。
ボンネットを開けちょっと水足してから飲んでた。
当時のミャンマーよりもワイルドな気がする。
なんか400ルピー分のモト取った気がする。
高層建築が目に留まる。立派。最大の都市と言うだけある。
順調なドライブと思いきや、、
二人組のポリスに止められる。オレの運命もここまでか。
荷物見せろという、パスポートには一切興味示さない。
検査するのはいんだが、何で同じところを何回も開けるんだよ。
まだ、調べてないとこ開けろよ。効率悪い。相変わらず。
カネを抜き取るニセ警官かとも思ったが本物らしい。
で、出発。と思いきや、
またあの警官がバイクにニケツで追ってくる。
後部座席に置いた、バックパックを今度は調べる。
開けずに硬さを調べてる。
OKだったようだ、一度で済ませよ効率悪い。
凶器をチェックしてると、タクシーのオジサンは言う。
ナイフ、銃、「爆弾も?」爆弾もだと言う。
で、
行き止まりである。
道路がタンクローリーでバリケード封鎖されている。
ここからは歩いて行ってくれと言われる。
値切ったので途中で降ろされたのかと思ったが、
そうではなかったと後で分る。
歩いて行こうとしたら、警官に追い返される。
迂回しろと言ってるみたい。
仕方なく、
一旦、川岸の道路まで出るがそこも封鎖。
仕方なく戻り、道路を下る。600mはロスした。
しかしこの辺、ほとんど店も閉まってるし、
建物も寂れている。外観が汚い。
当時のヤンゴン感を醸し出してる。あれより世紀末感がある。
北斗の拳的な殺伐感が高い。
やべぇとこ来ちゃったかな。東南アジアとはワンランク違うんじゃね。
とりあえず、歩くしかない。
何本か封鎖をやり過ごすと、通り抜け出来そうな道路に出くわす。
検問してる。ポリスにサダルにゆくと言うと、通れと。
また荷物チェック。
デジカメやノートPCをボタン押したり、揺すったりしてチェック。
それ本物の小型爆弾だったら、アンタもろともだよ。
でも、そういう仕事だ。ご苦労さん。
サダルの何処だと訊かれたので、YMCAと答える。
真っ直ぐ行けば着くと教えてもらう。
確かに人は親切だ。
途中何度も、閉鎖されてる道路をやり過ごす。
理由が分かった、
何かの政治的集会である。それに今日は日曜日。
民族なのか宗派なのか政治信条なのかは分からない。
なんとかFreeと書いてあったから、
マイノリティがこの日曜に合せて、集会を開いたのだ。選挙なのかもしれない。
かなり大規模である。
公安は全力で警備体制をとっている。
マイノリティ側の主張を快く思わない者の中には、
爆弾投げ込むヤツも居ないとも限らない。
そうか、バンコクでおなじみの光景に遭遇してたのか、
ちょっと世紀末感が高いけど。
そんなことよりも、炎天下の中、体力的には限界である。
体調はもともと万全ではない。喉が渇く。
飲料水のボックスが道路に出てる、
水飲んでいいですかと店の人に聞くと、
座って、ここで飲めと冷えた水を出してくれた。
ああ、ありがたい。カラチは親切だ。
2時間近く歩いてるはず、
なんだか渇きが癒えない。お腹タポタポなのに。お腹が重い。
マクドナルドが吸収をブロックしてるのかなあ。
腹持ちよいとも、消化に難ありとも、今回はちょっと困る。
チャイ屋で休憩を取って、また歩く。多少持ち直したか。
風が吹いてる。日は傾いて来た。そのお陰か。
もうバリケードも無い。
道を尋ねるたびに、皆同じ方角を指差す、近づいてることは間違いない。
集会を後ろにやり過ごし更に歩く、、
やっと到着、やったー。YMCAは歩き方の地図のとおり確かにあった。
トンビが舞っている。海に近いからかもしれない。
ほっとした、全身の力が抜ける。
門の脇のテントに座ってる老人に声を掛ける。部屋はあるかと。
老人は首を振りながら静かに答えた。
閉鎖したと。
本当に全身の力が抜ける。へたり込んだ。
これからどうしよう。もう歩きたくない。
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