「パキスタン紀行2014春」#29 20140514 カラチ観光三昧

何処へゆくのかと訊かれて、ミュージアムと答えてしまった。
 
飛行機のチケットを捨てて、このまま北上してしまえば、
カラチは今日が最後だ。残りの時間は観光しようと決めた。
 
時間は限られてるし、この灼熱の中歩くのでは、目的達すること出来まい。
 
500と言うので、じゃあ歩くと拒否。
ところが一人の老人が食い下がる。200と言う。

まあホントはせめて100だが、これも何かの縁だからノルかな。
敢えて、乗ることにした。この判断が今日一日を決定した。
 
 
タクシーに乗り込むと程なく国立博物館に着く。
お爺さんもついて来る。一緒に博物館へ。

今日は休館。日、月、火のみ。と言われる。
そんなこと「歩き方」には書いてない。

諦めて帰ろうとすると、スタッフから声が掛かる。
特別に見せてやると言う。
エライ人も出てきて、何処からと訊かれ日本と答える。
何に興味があると訊かれるので、イスラムのと答える。
それは一階にコレクションがあるので、楽しんで行きなさいと言われる。

インダス文明、ガンダーラ美術、ヒンズーの像という順で進む。
間近で見ると想像以上に細密で驚いた。感動した。
それから、パキスタン独立の近代史。
装飾美術本としても価値の高いコーラン。精緻である。

出土したコインの後に、シンドの民族衣装を見る。
見慣れたパキスタンの民族衣装に比べ、
女性は派手な色使いでデザインも違う。海洋民族だと思う。
ベトナムチャンパ、ボルネオ、インドネシアで見た衣装に近い。
 
イスラムの品々は、土器から陶器に、鉄器さらにガラスと変化してゆく。
天文術の道具などもあった。
 
ひと通り網羅的に把握することが出来た。
スタートがインダス文明からじゃ、イスラムは意外と最近だとも思う。
 
ウチは浄土真宗で鎌倉時代だから偉そうなことは言えないが、
上座部仏教とかカソリックとかから見ると、イスラムは最近だ。
日本にとっての近代は明治だから、
明治を基準にイスラムは古いかと思ってしまうが、
頭のなかの年表を修正するに、とても役に立った。
 
出る時に料金を請求される。
ホントは200だが、特別だったんだから300。
それだけの価値はあるから素直に払う。ラフォールよりまだ安いし。
 
だけど、外国人まず見掛けないカラチじゃ、
観光客いないんだもん、来館者居ないんじゃね。
いつもこの方式なんじゃないの。休日とか関係無く。
門番にワイロ渡す方式。マンダレーでもそうだった。 
 
 
で、
タクシーのお爺さんは600プラスで、ビーチまで行ってホテルまで戻ると言う。
高いよ500でと言っても譲らない。
 
オレは折れた。ガイド代だと思った。
別にタクシーかリキシャ捕まえるかバスでゆくことは出来るけど、
改める気力までは無かった。
 
商談成立で郊外に向かう、景色が変わる。
新興住宅地かもしれんが、あんまり綺麗な感じがしない。
作っては寂れの繰り返しのような気がした。
本当は平和になれば、もっと交易盛んでもっと発展する街なんだと思う。
停滞感は、経済のサーキュレーションの規模の限界にあるのだろう。
 
兎にも角にもビーチへ、
多分クリフトンビーチというところだと思う。
猿回し、記念撮影、ポニー、ラクダ、全部断ってただビーチを歩く。
 
実に楽しい、わはは、開放感が足元から広がる。
来てよかった。家族連れもいれば、恋人同士らしき人も居る。
「歩き方」には汚くて泳ぐに適さないとあるが、地元の子供はガンガン漬かってる。
あの重苦しい、灼熱を跳ね返してくれる波と風って凄いことである。
夜を待たないで済む嬉しさは言葉にならない。 
 
 
小一時間も喜びに浸っていたが、そろそろ戻ろう。お爺さんも待ってる。
300足せば、巨大ドームのモスクにゆくという。
ただの帰り道の途中じゃねぇのという気もするが、
もしまた楽しくて、300円の為に逃したとしたら、
と思うと、抗うことは出来なかった。
 
高級住宅地を通る。帰り道とは一概に言えないかな。
アップダウンがあってビバリーヒルズってこんな感じ?
道路にはトヨタの新車が増えるので所得層が分る。
そろそろ渋滞が始まった。
 
ドームは確かに巨大だった。中は涼しく伽藍としてる。
幾何学模様の光がまばらに床に落ちている。
寝てる人も居る。礼拝してる人も居る。
 
イスラムは偶像禁止だから、何もない。
見事なものである。 
 
ヒゲを剃らない私の風貌では、いつもムスリムかと訊かれるので、
黙っていれば異教徒とは思われない。難なく中に入れる。
何処で靴を脱ぐべきかくらいは、仏教徒でも同じだ。
ただ、礼拝の仕方は分からないので正座して見回していた。 
 
これはこれで来て良かったと思う。
 
サダルに戻った頃には夕方のラッシュが始まっていた。
お釣りのやりとりが曲折あって、
300返してもらうところ200しかないという。千ルピー札が崩れない。
これもアラーの神思し召しとジジイは言う。

拝観料300、タクシーチャーター料1200。
千と五百の札が一枚づづ消えた。
お陰で短時間で観光三昧なので、これも神の御心かと。
 
 
ボラれたとも言えるけど、それはそれで良かった。
だって楽しかったし。価値はあった。
自分一人じゃ、頑張って観光しないものここまで。
 
それほど積極的でないときに、お金払って相手任せで観光して、
それが期待以上だった。十分のリターンと思う。
 
昔、似たようなことがあった、
ミャンマーのマンダレーで自転車タクシーのオジサンに話しかけられ、
言われるままに王宮を見学した。そのときもノッて正解だと思った。
あの時も、マンダレー最終日だった。
 
折角来たんだから、よく見てゆきなさいと、都市から言われてるようだった。
今回はちょっと払い過ぎな気もするが、
それもまた、神様の思し召しであろう。
 

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