失敗のしようが無い起業 フレッシュネスバーガー手づくり創業記 <書評>


今の経済活動の範囲から始める。
パートナーの協力。
撤退ラインを予め決める、明確なコスト意識。
明確にイメージできる専門性と行動力。
 
あの起業塾とかの不安感とは真逆の、一服の精神安定剤だった。
 
出資するなら、こういう人がいいな。って安心感あるレベル。
失敗するリスクはどんなビジネスでもあるけど、
例え失敗しても、自分も周りも不幸にはしないだろう。
 
まあ、このくらいの実力ある人なら、
資金調達もちゃっちゃとメドつけるだろうけど。
 
 
このくらい健全に起業できるケースは逆に少ないかな。
週末起業で趣味で始めてるところが、個人でも参考になるところ。
 
そして、リスクヘッジだけじゃなく、
ハンバーガー一個あたりのマヨネーズ量1gって書けるところに、
更に安心感あるよね。
 
 
 
著者の栗原社長は、ほっかほっか亭の創業者メンバー、
義兄に誘われて、積水ハイムを辞めて、参画したそうだ。
 
最初は、
商品開発も、店舗開発もして、
店内のオペレーションも決めて、
取引先との交渉もして、
 
何から何まで自分達で行って離陸。
軌道に乗り始めてからは、経営的な仕事が増えていく、現場は減る。
新しいことにチャレンジするよりマネージメントが増える。
 
 
そんな順風だが、つまんなくなるころに、
 
知人から、家賃15万円で借りてくれないかと、
駒場東大前の人通りない物件を紹介される。
 
実際に訪ねてみると、 
手づくり感満載の古き良きアメリカのハンバーガーショップが浮かぶ。 

ゴルフ会員権を売って、
800万円で初期費用。50万円を運転資金として、企画。
50万円の運転資金が底ついたときは撤退と決めてる。
 
 
思い通りの設備、内装にしてくれる業者を徹底的にあたる。
さらに施工でも現場監督の経験が生きる。
 
 
席数10で一時間で一回転、10時間営業で、マックス100人。
客単価400円で、日販400。月商120万円。
まあ、実際はいいとこ半分で60万、FL比60%として、
人は雇えない。
 
仕事終わった夜に、商品開発。メニューを決める。
材料はグラム単位で書いてあった。 
 
 
最初は人雇えないから、
自分でやる。だけど平日は仕事してるから、奥さんにお願いする。
 
 
で、奥さんのバナナケーキがアタリ。
その後は順調に展開。
 
 
後半からは、
コンセプトがブレない拡大の仕方。
二店舗目を始めから意識しての、フランチャイズの仕組み。
バイトの人との関係や、
アウトソーシングの利用の仕方。
 
 
組織よりになるけど、ここでもこれまでの経験を存分に活用している。
 
 
 
経験が無いとか、素人だからとか、よく言うよ。 
本書の中では、そんなフレーズ出てくるけど。
 
読んでて、失敗のしようがないと思ったよ。
 
趣味で、自分で全てやって頑張って、
単価400円で一日50人の来客がムリなら、
 
自分のセンスが根本的に間違ってるから仕方ない。
逆に、そこは間違えないって、自信と実績あるだろう。
 
ほか弁とハンバーガーそんなに畑違いじゃないもん。
 
 
巨大チェーンの経営幹部が個人の趣味で起業。 
本人にとっては、ゴルフより道楽。
 
 
成功しても、失敗しても、
誰も不幸にしないところが、何より素晴らしい。
 
 
どんなに高尚な理念でスタートしても、
結果不幸になる人が出るようなのは、イヤなものです。
 
 
ああ、あの起業塾で、
紙の上の計画が万全だからって、起業させちゃいそうなとこが、
不安だったんだんだな。
 
最低限、その業態に対する、ビジネスの勘所が無いとな。
リスクを限定することすら出来ない。
 
 
一念発起の起業は、退路断っちゃたりするから、
いや、大事なら、尚更趣味から始めてよ。趣味の範囲で始めてよ。
 
今の仕事に問題あるだけなら、そりゃ転職で済むことだし。
 
 
これからの社会、趣味で多職な人、増えないとつまんないよ。
って、東京で働いてみて思ったところ、
 
ここまで理想的でなくとも、出資するなら、このケース100点として何点か?
いい指標です。
 
 
質問コーナー、お問い合わせは、sanpome.net@gmail.com まで。

  
 

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