「見える子ちゃん」情熱が結実した実写化。出来ること総て実施のプロモーションも報われたい。

高評価のサムネ↓を見て、ホッとしました。

ああ、実写化に成功したんだなと。
我ながら、誰目線だよと思いつつも、我慢できず日曜朝イチでGo。
  
 
原作、

そしてアニメの、

面白さに負けないようにと、
スタッフ、演者共に迸る情熱がヒシヒシと伝わる。
戦術理解度の高いワンチームの作品に仕上がっていた。
改めて、ホッとしました。
制作時の中村監督のコメント読んで、大丈夫だろうと予想はしていましたが、
我が目で確認して、僭越至極ではありますが、
心から安堵しました。  
 
  
そして、なによりも、
内容は勝ちを確信しても、結果はプロモーション次第な産業。
前回のソニーと今回のKADOKAWAの差を、声を大にして訴えたい。
部門は違えど、漫画、アニメ、映画とKADOKAWAが一通で主管なのも大きいかな。
  
ローンチは予告編公開でスタートし、程よく炎上。

鑑賞後であれば、的外れな批判だと一蹴出来るのだが、
この時点では、
 ただのファスト思考なのか、
 イナゴを煽る炎上商法なのか、 
断定は不能です。
漫画原作実写映画のありがちな失敗作の可能性も、否定は出来ない。
福田雄一作品で燃えていた最中だったし。
  
それを受けて、驚きなのが、
劇場公開直前に、
中村監督本人の反論動画を上げていることです。

以下、真摯に答えています。必見です。
 ①クリーチャーから幽霊へ改変の意図
 ②ホラーとして怖くないのか?
 ③原作の面白さを継承しているか?
 ④オリジナル男子キャラの意味は?
 ⑤ホラー大御所のホラーへの意気込み
 ⑥ホラー苦手な映画ファンに向けて
 ⑦原作リスペクトは有るのか?
  
①クリーチャーから幽霊へ改変の意図
 漫画だと、絵の迫力で魅せられるけれど、実写は勝手が違う。
 そりゃ、
 表現の違いが別の効果を産むのは当然で、
 原作者了承の上なら、勝算の高い選択が出来て良かったね。
 たとえ、
 予算が潤沢で、山崎貴監督がVFX担当したとしても、
 日常系にはそぐわない。絵がうるさすぎる。
  (神社で覚醒して、遠山先生の念獣を倒す)バトル系に移行した後なら、
   念獣を描くことになるだろうし、
  例えば、「デスノート」のような見えない相棒なら一択。
  漫画は長期連載の宿命で、日常からバトルものへのシフトは致し方ない側面が有る。
 映画の尺を考えたら、本作が日常系の実写化になるのは当然で、
 クリーチャー表現は、費用対効果が低いどころか、演出の逆効果にさえなる。
 本当に、この改変はクレバーな選択だった。
 
②ホラーとして怖くないのか?
 予告編は学園コメディ推し。そう見えるようになってる。
 本編は、前半コメディ&後半ホラーで構成している。
 ただ、怖さを押す作品ではない。
 いつも思うのだけど、
  作品に何を求め、テイストを選ぶのは客の自己責任だよね。
  (作品のデキの問題でなく)チョイスを間違ったときの他責は避けたい。
 ただし、
 Jホラーの伝統でもある、”日常の違和感”の表現は健在。
 そこは、汲み取ってあげたい。
  決してスペクタクルな驚かしものではないのだけど、
  だからこそ、シラケないホームビデオ系の味合いは残り、
  怖いか怖くないかの二元論で雑に分類したくない。
 日常系ホラー(のテイスト)を中村監督にオファーした意味は、
 観る前に、
 客として、
 受け取りたい。 
  
③原作の面白さを継承しているか?
 中村義洋を誰だと思っているんだよ。
 そこは、キャリアを掛けて、全力の気迫が伝わります。
 見解が別れるのも分かるのだけども、
 骨子は、
  自分だけが見える。
  それを全力でスルーするスキルで、
  その場を乗り切る。 
 テーマを見事に活かし切ったと思いますよ。みんな大好き伏線回収どんでん返し含め。
 観る前の予想では、
 大オチは、”お父さん”か、”迷子”かで、感動で締めるかと。
 意外や意外、遠野先生とは、
  バトルどうすんだろう。
  猫はやめてくれ~と、ハラハラ。
  え、シジュウカラ? そう来たか!
 スルースキルも神社という結界も、効果的に使ってる。 
毒親から自分を守る【対処方法】 

毒親と自分との間に境界線を設定することです。毒親にあなたの境界線を超えさせない、あなたも毒親の境界線を超えない、ということが必要となってきます。例えば、親が境界線を超えてあなたに接近してきたら、交流をひかえる、スルーする、などがあります。

 シリアスな問題を、バトル抜きで日常的なハッピーエンドに着地。
 このオリジナルな創意工夫は見事。と拍手しました。
  ”見える/見えない”のコメディ要素は、クライマックスに向けて収束し、
  サスペンス要素が加速、膨らんで往く。
  未読勢には、物足りないかもしれないが、
  原作勢向けに調整された丁度いい不親切設計。
  テンポ良く、まどろっこしい展開を省きながら運んでくれる。 
 ここから、
 難しい制約を見事クリア。
  原作勢おも驚かす大オチにつなぐためにも、ここはキレイさっぱり念を払いたい。
  とはいえ、
  対決でいまさら処理するくらいなら、別のエピソードをトリにした方がマシ。
 更に、毒親育ちキャラの再現も、京本Jrが素晴らしく。
 作品の成功を確信した瞬間でした。
 反面、
 原作よりコメディ要素弱めで、そこは不満あるかも。
 ハナちゃんは、
  もっとおバカで天真爛漫でコメディ担当のはず。
  エロ封印はマストでしょうから、ボリューミーには描けないとしても。
 エピソードの取捨選択の過程で、ちょっと犠牲になったかな。
 残念ではあるのですが、、
  90分の尺にバランス良くまとめる。
  Jホラーは湿度高く。 
 という要素が勝ったと見てます。
 
④オリジナル男子キャラの意味は?
 恋愛要素とか、安易に結論付けるのはファスト思考。
 ひと払いで ”観てから言え” と済ませる。

 ダンスも上手いけど、戦術理解度も高いよ。
 
⑤ホラー大御所のホラーへの意気込み
 ②、③とも被るけど、
 このテーマの元で、Jホラーの復権を。と決意を感じるよ。
 Jホラーの源流は怪談で四谷が主役。
 呪術でも天神様が祖先で、
 そこから発展し、
 貞子以来、一通り演り尽くされ、今は大島てる系がメジャーか。
  (法令に基づきしっかり対処している大家と、
   ずさんな管理は区別して欲しいですけどね)
 ま、とにかく、
 日本の恐怖は”怨念”への畏れから。
 それを日常の中に、ジワッと湿度高い夏に語る。
 カリフォルニアのように、カラッとしない。

 恐怖は予見を外す不安からなのは、世界共通でも、
 湿度高く念を込めてこそJホラー。
 そこで敢えて、南国風味の夏油闇落ち映画版にぶつける。
 連載ものの映画化なので、
 エピソードの羅列になりガチな処を上手く処理して、
 手数多く、”緊張と緩和” を魅せたい。 
 日常系の小さなお話でもあり、伝統のホームビデオ的で、
 確かに、
 映像も演出もチープ気味。
 でも敢えてそれで正解だとも思う。ハリウッドじゃないし、
  今更、大技のジャンプスケアやられても、恐怖より憤怒が湧く。
  サム・ライミから何年経って、そのテレフォンパンチ放つの?
 脱線ついでに言えば、
 キラキラ青春ものとしても、
 このくらいのリアリティラインで適切と思うよ。
 狙ってわかり易くの、演技含め演出なので、
 チームの戦術理解度は極めて高い。
 
⑥ホラー苦手な映画ファンに向けて
 驚かしではない日本の伝統を楽しんで欲しいですね。
 
 言及ある↑ように、他の要素も盛り沢山で、楽しめるよ。
  
⑦原作リスペクトは有るのか?
 監督自身も証言するように、
 原作ファンを軽視する作品も、(福田作品以外にも)量産されてきた。
 本作は、同じ文脈で語るような作品ではないよ。
 観た上で、不満があるなら具体的に語れよ。
 個人的には、
  コメディ弱め、
  作りがチープで配信で充分、
  未読勢に展開が丁寧でない、
 という不満は有ると思う。
 が、優先順位が高いとは思えない。
 鑑賞後感が、とても心地よいのは、他の満足が勝る証拠かな。
 ”原作に負けない、面白いものを”
 と作り手がチームに成ってるのが大きい。
 「はたらく細胞」同様の成功。

KADOKAWAにとって、漫画もアニメも自社のコンテンツだし、
TV局と一律に論じるべきじゃないと思うよ。 
(TVの凋落と日本映画の成功は、因果関係有ると疑っている。
 結果的に客が犠牲になる思惑が働く)
 
KADOKAWAはプロモーションもTVから独立している。 
SNS中心に様々、仕掛けている。 
 
    
心霊系youtuber達を本編にも出演させて、動画もイベントもコラボ。

 
岩手でTGCとは、やはり呪術への対抗か。

 
文化祭シーンで出てくるホラートリック回廊とも。

 
 
エンディングでも流れるK-POPとのタイアップも良かったと思う。

やっぱ、アイドルは踊ってこそ
ただ、
BOTでコメント付いちゃうのがマイナスと指摘アリ。
その善悪は私には分からない。
 
 
  
アニメの曲↓も、なにげに良き。

雨宮天ちゃんは上手いだけでなく、役柄で歌っている。
第2期待っているのだけど。
 
 
 
2025.06.09 15:30現在
 20MAの攻防は相変わらす。
 買玉の出来る利確は実施。
 理想はドテンで、出来るだけテッペンで売り入りたい。

カテゴリー: 書評、映画評など パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*