「川島転生」は理想。逆に、プロフェッショナル仕事の流儀「庵野秀明スペシャル」観て感動する人と仕事したら、つまんないだろうな。


ちょっと古くなってしまいましたが、Tverで観ました。
感動的に面白かったですよ。
 
TVバラエティ番組の構造と、そこで生きる芸人さんの生存戦略を、
メタ視点で眺めて、異世界転生というアイデアを持ち込んで、
予定調和をはずしながら、演者に未知の挑戦をさせる。
 
現場離れたくないから、テレ東社員辞める佐久間Pだけじゃなく、
作りてみんな面白がって実験的なことしてます。
それが画面越しでも伝わってきます。
 
大変だけど、楽しいだろうな。
 
 
奇しくも同日、
NHKプロフェッショナル仕事の流儀「庵野秀明スペシャル」放映されて、
こっちの方が話題でした。
  
 
実は、「シン・ウルトラマン」予告編観てしまって、期待大。

「シン・ゴジラ」面白かった人は間違いなく楽しめるでしょう。
 
 3.11以降の今と同時代性を描いてくれる、「シン・エヴァ」と違って。
 組織や法規が現実に即したリアリティを持つ。
 原点回帰を強く意識。庵野秀明が撮りたいものに本気。
 西島秀俊はじめ役者さんもやってくれそう。
 特撮パートも樋口監督頑張ってくれてそう。

個人的には、CGのソリッドな質感も好きです。
夕方の再放送で子供のころ観てたの思い出します。
 
ほんとに、
「シン・ゴジラ」や「シン・ウルトラマン」、
それから、
多分アフターコロナの世界を描く「シン・ナウシカ」とか、
優先して欲しいものです、過去の自己模倣よりも。
 
 
で、興味惹かれてしまい、
NHKオンデマンドにお金払って、観ました。
サラリーマンとアマチュアの対比が印象的ですね。

QCD(品質コスト納期)の制約を守りつつ、ベストな結果を出す。
そんな、 
きっちり仕事して報酬得るタイプのプロは、今回出てきません。
イチローですら、好きなことを仕事にしたら楽しめないと言う。
 
番組タイトルと異なり、
Sクアドラントの住人の仕事ぶりとは違うお話が展開されます。
 
庵野秀明はもちろんアマチュアです。
もちろんそれはそれで偉大なことです。
「シン・エヴァ」は自己資金ですから、好きにしたらいいと思いますよ。
 
で、
取材したNHKの人たちはサラリーマン然と自らを描いてました。
用意された定形フォーマットに落とし込むことばかり優先してます。
予定調和が退屈な庵野秀明自身から、
 面白く撮ってくれないと、映画が視聴者に面白いと思って貰えない!!
と、説教食らってます。

出社するとかしないとか、どうでもいいよ。
最初から想像した奇人ぶりを撮りたいだろうけど、
カラーのスタッフ無茶振りして、そこで起こるアクシデントをちゃんと撮れよ。
 理解してもらえてないことが分かりました。やり直します。
 
命削るクリエータは庵野秀明一人じゃない、
どんだけ行きあたりばったりでクレイジーな現場か、
なんでちゃんと描かずに、予定調和に嵌めようとするんだろう。
 
サラリーマンだから、決められた通りやればいい。
想像を越えた面白いもの見せようって気はないのかな。
いや、
ブラックでも努力して、頑張ってるのは分かるけど、
マインドが。
 
 
カラーのスタッフさんも、
優秀な人は集まってくるけど、
庵野監督にOK貰うことが目的になってしまってる。
彼を超える面白いもの魅せようという野心は感じられない。
 
憧れからの承認を得ることが目的になっては、
クリエータとしては終わってしまう。
作品の責任はすべて庵野秀明という名前に集約されてしまうのも、
どうなんだろうな。安全だけど野心は持ちづらい。
楽しそうだけど、内向きな組織は危険だな。
  
ま、本人はこれで信者からの呪縛を解かれて、
義務感じゃなく、want-toで作りたいもの作って欲しいですね。自由に。
  
今後、経営的な理由で、
またリメイクせざるを得ない日が来ても。
スタッフに任せて、介入せず、
自由に作りたいもの作って欲しい。
have-toで作ったもの観たくはない。
どうせ命削るなら、楽しんで削って欲しいものです。
 
  
で、NHKのこの番組観て感動してる人って、、、 
やらされ然と仕事してる人ほど感動してそう。

 ホントは直したいけど、時間も予算もない、要件は満たしてるので、やむなし。
っていう経験したことあるのかな。

できるだけ品質上げたいけど、
納期もコストも守ってこそプロだしな。
 
そういう葛藤の経験あれば、
単純に「感動した」とはならないと思うんだが。
 
とはいえ、

生活掛かってますから、安全第一ですよね。
仕事に余計なこと期待してたなと、今は反省してます。
 
そんなに憎んで否定しても、好影響は何もない。
現実を受容して、
嫌なことは避けて、ただその場を離れれば、それでよかった。
もっと許せばよかった。
  
 
 
そんなに憎むのは、自己嫌悪のせい。
エヴァンゲリオンらしいテーマの本読んでます。

自己嫌悪が元なので、
嫌いなものから離れられないメカニズムが説明されます。
 
家族も仕事も。
勝手なビジョンを押し付けてました。
 
対策は、
嫌なことは辞めるに限る。
ま、
自分の人生を生きるには「親殺し」が必要と、私も同意見です。
 
著者の方は、私よりもずっと努力が好きそうで、
いろんな対策書いてます。
逃げる一手、ですけどね。まずは。  
それから、
 
憎しみを手放す努力は私でもしましたけどね。  
著者より私の方が、いっぱい手放してます。えっへん。

自分が自分の親になって、彼らをその責任から解放してあげなよ。
感情とは別に、現実的対処は粛々とすればいいのだから。
 
仕事で許す修行はまだまだです。
 
 
ああ、そういえば、
同じ放送局でも、この毒親は神回でした。


義務じゃパフォーマンス出ませんよね。
存在を賭けた強烈なモチベーションって凄いものです。
幸せにはなれないけれど。
 
 
エヴァンゲリオンは今の私の目では、
毒親が中途半端なのが、気に入らないんだよな。
 こんなの見捨てりゃそれでいいじゃん。マイペンライだよ。
って、思ってしまう。
 
と、書いてたら、
技術的なご立腹の動画見つけた。
なるほどー。

彼は、親(宮崎駿)殺しをやろうとしてるのか、あの映画では、
だったら、映画館まで行こうかな。
三時間近いのはキツくて、トイレ休憩しちゃいそうだけど。

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