3のための2「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」 寅さんへの道

私はマーベルのアクションを見ていつも萎えるので、
園村組のアクションが、あたかもハリウッド以下のように評されるのは心外です。
期待を上回ってくれたかというと、1作目ほどとなるのは否めませんが、
これならまた続編作ってくれる。という安堵が大きい。

構想は4作目まである。らしい。
いや4作と言わず、
主役二人が可能な限り寅さんのように続けて欲しいものです。
  
という立場なので、
 1作目との比較では、当然ながら満足不満足あり、が、
 ただ単純に出来を比較するだけなら猿でもできるので、
制約の中での、プログラムピクチャーへの戦略としての2作目。
という位置づけで考え直してしまいます。
楽しみが続いた方が嬉しい。 
 

おさらいを兼ねて、いくつか。 
園村組のアクションにあって、他にないもの。
 「閃光のハサウェイ」を観たときも書きましたが、
 多方面に気を使って、おっかなびっくり作るものに心ときめきません。
 工業製品的精度の高さに、そこまで重きを置くことができません。
 ”まー、しょうがないよね。” とは思いますが、萎えずにはいられません。
 トムクルーズ以外にスターに怪我のリスクの許可は出せない。
 
 資本力と感動は相関性が低いと断じています。 
 根性と命綱一本で、”どうやって合成したのだろう?” と言わしめる昔の東映特撮、
 庵野監督はあの本気を再現したかったのかもしれません。
 あの身体能力の若き藤岡弘ですら死にかけているのに、令和の時代にやっちゃダメ。  
 ですが、
 
・そのギリギリを追求しているのが園村組であり、
 伊澤彩織さんが存在してこそ可能。
 一作目観たときは、男性スタントがアクションしてるのかと間違えました。

 ”身体性”と池松壮亮さんも言及してましたが、
 生身のギリギリを追求しつつ、それがうら若き女性で可能という奇跡。
 年一くらいで毎年観たいものです。
 
 
・実践の匂い、特殊部隊のよう。

 段取りらしいアクションでなく、
 身体操作にしても、武器の扱いにしても、
 本物だったらこう動くだろうという説得力があります。
 きれいに魅せるアクションって、
 ワイヤーやCG方面に発展していって、作り物っぽい。かつアップデートを感じない。
 ところが1作目。カランビットナイフとか出てくる。
 いままで観てきたアクションとは、ジャンルごと違うリアルの追求。
 
 
・坂元監督のセンス。
 日常パートの上手さは、監督の力量ですよね。
 間のとり方、音楽、衣装、小道具、ロケーション。
 凡百とは違う、突出した才能とお見受けします。
 そしてやっぱ、お話が面白い。
 当たり前のこと書いてしまいますが、特別なことだと思いますよ。
 アクションだけに留まらない才能が、園村組と出会った奇跡。
 単発のノワールな作品だけだったらマイナーで終わってしまう。
 殺し屋なのに明るくメジャーになれる枠組みを長く大事にして欲しいものです。
 
 
 
で、1と比べた2の評価も一応します。
 アクションより会話劇の比重が高い。
 今度は格下が相手、バカ兄弟の説明にも尺とる。
 清掃班スタッフにも物語広げる。
 アクションのバリエーションはプラマイゼロか。
 ガンアクションは2でアップデート。
 
 
 二人の関係性のが若干変化してて、
  殺し以外なにも出来ない伊澤さんと、
  ちょっと如才ない高石さんのコンビでしたが、
 むしろ、
  変人な高石さんと、現実を受け入れてる伊澤さん。
 という風に関係が変化してる。
 
 まあ、それはそれでいいのだけど、
 ダウナーな会話で笑いを取るのは2作目の方が難度高い。
 ちょっと不自然さが増える。
 もっとアクション見せてくれという不満が出るのも否めないか。
 
 刑事物語を彷彿とさせるような銀行強盗がプラスされた反面、
 近接武器でのアクションは無し。
 ナイフでも刀でも、それは観たいのだけど、
 
あとは、予算の問題だよねぇ。
マイナーの限界というか、制約が大きいか、
もうちょっと自由なお金があれば、、

「シン・仮面ライダー」で予算の問題とか言ってる人居ます。
が、
観てりゃ分かるじゃん問題がそこじゃないの。節穴かよ。
問題視するにしても、
アンノに樋口監督の必要を痛感するのが普通の感覚だろ。
それ分からない人の批評を信用する気になれんよ。
 
閑話休題。
お金で解決できることと、出来ないことがあるけど、
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズに関しては今後、
もうちょっと制約なく創造できくれと願う。
 
 
ま、とにかく、寅さんへの道の布石は着々と打たれていて、
それに言及してる人も沢山居るようなので、もう言わないけど。
また、観に行けるといいいです。
そのころは日本に居るかな? スクリーンで観たい。
いや何処に居ても駆けつけよう。
 
 

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