エブエブ見て、アンチ「シン・仮面ライダー」の気持ちを体感したよ。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

「ジョン・ウィック4」は伊澤さん出るらしいので、
それ観て評価変えるかもですが、
今のアメリカ映画のアクションありがたがる人の気が知れない。
一方そっち行くんだ、残念だな。という喪失感は味わいました。
庵野監督が、
 分かりやすく、そこそこのオタクの期待に応えること辞めて、
 趣味性爆発させ、実験的作風になる。
かつて熱狂したファンは、さぞがっかりしたことでしょう。
 
A24で、ダニエルズで、アカデミー賞狙いにいったら?
もっと良心的で才能大事にする独立系という世界線もあったのではないか。。
そんな寂寥に抱かれて、劇場を後にしました。
 
 
ハリウッドといわず、やむを得ないとは言え、
今のアメリカ映画には、ついて行けない。
 1.ポリコレありきのゴリ押しが本末転倒
 2.殺陣はヤル気が無くビビリ全開
 3.とりあえず家族愛に着地すれば何でも良いと思ってる
さすがに酷すぎると思うのですが、それは島国の田舎者の感想だろうか。
いやー、キツイっす。
 

1.ポリコレありきのゴリ押しが本末転倒
 判で押したようにマイノリティや同性愛出してくるけど、ただの記号。
 問題に取り組む訳ではない。
 昔見た「トーチソング・トリロジー」のようなヤル気はない。
 素材に過ぎない。「犬王」における日本の文化や歴史のような扱い。
 物語の必然性より、優先してることがある。
 特に性癖の問題は、あんたの趣味は趣味で勝手にすればいいじゃん。
 志低く、むき出しのギラギラした賞狙いが辛い。
 なら死んでも、反権力のポーズとか取るなよ。おもねってるんだから。
 ご都合ダブスタは勘弁願う。 
 ほんと、
 さっさとスパイク・リーにあげりゃいいのに。

2.殺陣はヤル気が無くビビリ全開
 エンドロールでも、ごちゃごちゃ言ってるみたいだけど、
 絶対に怪我させてはいけない。ジャッキーの香港映画じゃないんだし。
 どんだけスムーズだろうと、インパクトの瞬間の気の使いよう。
 
 この予告を観た時点でダメだと確信してました。
 殺る気が感じられない、段取りにしか見えない。
 技術が精巧だからといって、魂の無い作り物に感動は出来ない。
 プラーダを摂取できない。ありがたがる人の気が知れない。
 
3.とりあえず家族愛に着地すれば何でも良いと思ってる
 キリスト教とは距離を置き、家族制度が崩壊した後の近代社会で育った私は、
 文化的な背景がピンと来ない。
 百歩譲っても、
 とりあえずそこに着地しておけばオールOKという態度には安直さしか感じない。
 このくらいあからさまな方が、分かりやすくアメリカの賞取りやすいにしても。
 ちょっと本音話したら、インスタントに解決する母と娘の確執って、
 なにそれ?
 西原理恵子を見習え。そこはせめて断絶で自立じゃないの?
 アカデミーはカンヌでもベルリンでもないけれど、
 このやっつけでで感動しろは、あんまりだ。泣いてしまう。

次に、
ダニエルズから失われたもの。
1.余韻とユーモア
2.おしゃれと繊細
3,アイディア

ホントに哀しい。
「シン・仮面ライダー」に絶望した、そこそこのオタク達と多分同じ気持ちだ。

1.余韻とユーモア
 下劣なギャグは以前から得意だったけど、
  コミュ障で孤独な青年の相棒としての死体。
  閉塞した社会に生きる男たちの秘密の性癖。
 宇多丸式に言えばベロベロバーな笑いじゃないんだよ。本来。
 描こうとしてるもの対象にくだらなさが含まれているから、
 そこはかとないおかしみが醸造されるのであって、
 本作のそれとは一線を画す。ベロベロバーな自己模倣。
 昔は繊細だったのに。

2.おしゃれと繊細
 特に音楽は酷い。ベタにも程がある。最近のマーベルもそうだけど、
 あんなにおしゃれだったのに、
 情報の洪水にしたかったのだろうけど、
 無駄に前フリ長い、説明が冗長だし、キメが無い。
 映像も、
 たっぷり魅せて余韻に浸れるところと、シャープに切り替えるとこ、
 もっとメリハリあった気がするんだけどな。
 全てベタで均質に統一されていた。こんなダサイ演出だったか。
 特に、アクションの最後でキメ、
 ミエを切るタメがないのは良くないと思うよ。
 長州力がサソリ固めでステップオーバーするとミエを切る。
 一つづつの世界の物語もっと丁寧にやったほうがいいと思うんだけどな。
 あれで、感動させようとは客舐めすぎじゃね。
 ずっと説明が長くて、ようやく結論かと思うと、次に移る。
 これ繰り返されると、イライラを通り越して退屈です。
 長過ぎるので、途中トイレ行きました。

3,アイディア
 岡田斗司夫が指摘してたけど、
 日本の溢れるアニメコンテンツを配信で観れる私にとって、
 このアイディアはありふれたもの。
 骨子は、閉塞した日常からの逃避イメージで、
 宮崎駿の「風立ちぬ」で観たやつ。(原型は「虹をつかむ男」か?)
 映画オマージュでマルチバースも「Sonny boy」の方がよっぽどオシャレ。
 ま邦画の資金力じゃ実写は無理でも、アニメなら出来るし、
 今のダニエルズよりも感動する表現はザラにある。
 ベタならむしろ「エブエブ」より「東リベ」で充分かも。
 (どーでもいいけど、多元宇宙と平行世界の区別が雑なのも疑問。)
 大事なことなので二回言いますが、
  コミュ障で孤独な青年の相棒としての死体。
  閉塞した社会に生きる男たちの秘密の性癖。
 本作のような雑さは無かった。昔は良かったね。輝いてたよ。
 
 
先のことはわからないけど、
政治力に才能が飲み込まれてしまったよう。
ただ哀しい。

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