評判が良く、新文芸坐での本作最終上映に間に合わる。
やや小規模な映画祭の評価きっかけで、サム・ライミに認められる。
2023年のシッチェス国際映画祭において、
世界中から選りすぐりのスリラー、サスペンス、アクションなどの作品がセレクトされるORBITA(オービタ)部門で作品賞を受賞した本作。
砂漠のダイナーを舞台に、予測不可能な“最悪”がブラックな笑いとともに連鎖する。
監督を務めたのは、本作がデビュー作となった新鋭フランシス・ガルッピ。
プロデューサーの自宅を売却し、執念で作り上げた本作が高評価を得たことで、要注目の監督として名を上げた。
さらに『スパイダーマン』のサム・ライミが本作を絶賛。
自身のライフワークである『死霊のはらわた』シリーズの新作『Evil Dead Wrath(原題)』にガルッピを抜擢した。
プロデューサの自宅売却が報われて、良かった。
日本で今、小規模ながら配給に至るのは、
サム・ライミ経由で、好事家のアンテナがキャッチ。と想像。
かつてヤクルトがキャンプ張っていた、アリゾナ州ユマ郡の地理は確認。
メキシコ国境に近く、治安は悪いらしい。
「ヘイトフル・エイト」同様の、
ワンシチュエーションのサスペンス&コメディ。
コーエン兄弟テイストで、マヌケが事態を悪化させて行く。
昔ながらの構造を踏襲しつつ、90分全く退屈させない。と高評価。
逆の評価も散見され、気になるも、それは観て判断しよう。
《 開演 》
二部構成で行きます、
前半 作品の感想(少しだけネタバレ)
後半 サム・ライミは何故、ガルッピ韓屋を抜擢したのか?
前半 作品の感想(少しだけネタバレ)
このくらいの評価↓が妥当かな。
『ユマカウンティの行き止まり』@新文芸坐。目新しさは皆無だが割りと手堅く見せるので飽きずに見てしまった。『ノーカントリー』でアントン・シガーに殺されそうになる雑貨屋の店主と『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』の猫の飼い主が夫婦役で笑った。 https://t.co/U9ydxoAPLk pic.twitter.com/G2fWQITuN8
— POSTER-MAN (@postermantoru) June 18, 2026
期待を大きく下回り、私は不満が残った。
しかし、
「ヘイトフル・エイト」「ケープ・フィアー」より高評価は解せぬ。
密室ワンシチュエーションに翻弄された、昔の記憶と比較して、
どうしても見劣りは、否めない。
低予算で頑張ったね。とは思うけど、
フランシス・ガルッピ監督に、そこまでの才能は、、
私には、見出すことは出来ませんでした。
好感したのは、70年代の再現。
低予算にも関わらず、
現代劇で妥協せず、
作劇のテイストを統一。
他の事情より、作品の雰囲気造りを最重要と置く。
そのため、低予算特有の安さは感じない。
別に高評価に、敢えて異を唱える必要も無いけれど、
私は欠点も目についてしまった。手放しの称賛に至らず。
音楽も、時代を伝えるものの、
選曲が正解かどうか分からない。
やはり、
タランティーノなら、もっとクールなセレクトかと、
想像してしまう。
シネマスコープの映像と、予告の段階で知り期待も、
割と普通。
ヒッチコックに挑む三谷幸喜を予想して、
密室ワンシチュエーションを、
カメラワーク駆使し、
長回しで、
楽しめるのかと思いきや、、
残念。
うーん、それなら、
TVサイズ(スタンダード)で、
70年代作品をVHSで観る雰囲気が造れるよ。
それに、
固定カメラで、よりカット多めに撮った方が、
テンポ良く間延びしない。
ワイドな画面は思った程、効果を発揮していない、気がする。
それでも、独特の雰囲気を評価されたのか。
※ここから、ネタバレ気にしません。
構造は、
前半 密室ワンシチュエーション
後半 スペクタクルな展開
高評価の ”息をも吐かせぬ” とは行かなかったなぁ。
低評価では、
前半 間延び
後半 畳み方が雑
とされて、私は低評価派。
密室ワンシチュエーションやるなら、
他の場面(ex.保安官オフィスや、オーナー事務所、屋外etc)は見せちゃダメ。
魅力半減。ダレる。
室内の動きやセリフだけで、観客に想像させなきゃ。
そして、
手数が少ないのが、私は気になった。
”他の客にバレないように、危害加えず逃げる”
と、最初に提示した以上、
もっと、その状況活かした展開作れよ。
裏切るのは、その後。
伏線回収も、空振り。
”ルバーブパイでDIE” と最初に示されるが、
展開の中で、活きて来ない。
厨房から料理出すなら、別に要らない。
総じて、上手くは無い。既存作と比較して見劣りした。
後半は、
伏線はさほど丁寧ではないし、
人物の行動が(マヌケとは言え)必然性無く、ご都合に映る。
サプライズではあるが、褒める程でも。。
と、欠点に映り、高評価には至らず。
映像で楽しめなかった事大きく、既存と比較したら魅力は弱く、
映画館で観なくても。
期待を下回る残念な結果と相成りました。
では、
後半 サム・ライミは何故、ガルッピ韓屋を抜擢したのか?
それが謎で、全く解けません。
展開の面白さを褒める向きも多いのですが、
既存の有名作を思い出せば、
特に目新しさは無く、
低予算を感じさせない完成度ではあるが、
やや見劣りするくらい。
そのくらいが妥当だと思うのです。
自ら設定したシチュエーションでの手数の少なさが、
私は気になります。
才能有れば、アイディアに溢れ、
ストーリーや、映像表現で、もっと様々、仕掛けて来るはず。
サム・ライミ自身が発掘された、「死霊のはらわた」を思えば、、
内容よりも、魅せ方。
美術、撮影、編集に独特のセンスで、サービス精神旺盛。
そもそも本作が、1983年の学生監督ほどの才能で、’掘り出し物’ならば、
カルト的な熱狂を産んで評判に成るか、
もっと大きな賞をとって既に日本公開されているか、
2021年シッチェス国際映画祭グランプ「LAMB/ラム」と比べても、
そこまでの評価は得ていない。うーん。
抜擢した理由は、何処?
ここからは、私の仮説。
最近の作品は、恐らく、
美術、撮影、編集、俳優etc おカネ掛けて、
映像は綺麗で完成度は高い。
自主映画のオリジナルの比ではない。
うーん、
リメイクの弱点も、目新しさが無い。
ま、職人的な熟練は感じるけれど。
で、
1981年版と2013年版を比べてもらう。
曰く、リメイクには、ブラックな笑いが無い。
そりゃ、ホラーの金字塔のリメイクともなれば、
皆、真面目に作ってしまう。
残酷描写の中に、隙を作って、笑いを産むなどと、
そんな余裕は無い。
怖がらせるのが、正解なんだし。
そして、空白は怖くて、ゆるい間を待てない。
手数は欲しい。
若手の監督で、
リメイクから失わてしまったモノが、まだ此処には残っていた。
たとえ、過去の名作から見劣りしても、
ハリウッドでは、絶滅危惧種ではないか。
そう思えば、
”名作と比べて”と枕詞付きで評価するのは、了見が狭い。
今どき、天然に拘るようなもの。
養殖の如く、
技術は、今後も発達し続けるだろうけど、
それだけでは、物足りない。
ホラーが上手なだけでは、つまらない。
それなら、納得。
作品単体で判断するのでなく、
ブラックなユーモアも醸す、サスペンスは稀少と、
ホラーリメイクの布石として本作観れば、
感じ方も変わるかもしれません。
度量広く、有り難しと、いだだく作品ですね。
ご興味あれば、温かい心で。
本作もっと、すれ違いヤればいいのにと、残念だったけど。
絶滅危惧種のリバイバル。
2026.06.19 15:30現在
そろそろピークか、まだバンドウォークか。
まだ上昇の余地有りと思いつつ、来週を待つ。
