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#デヴィッド・リンチ
耽美と迷夢、逡巡する記憶の果てへ
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【全作品監督:デヴィッド・リンチ】
🗓️10/25(日)・27(火)~31(土)
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出演:ジョン・ナンス、シャーロット・スチュワート●『マルホランド・ドライブ 4Kレストア版』【PG12/4K】
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出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ
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出演:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン
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《✷入場者特典✷》
■「ストレイト・ストーリー」
→ アナザーデザインチラシ/B5サイズ※お一人様1回のご鑑賞につき1点の配布。
※数に限りがある為、なくなり次第終了となります。
※特典は非売品です。転売、内容の複写・複製などの行為は一切禁止となります。
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▼「ストレイト…」以外の3作品は
10/24(土)にオールナイトでも上映あり!
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— 新文芸坐 (@shin_bungeiza) October 17, 2026
デビッド・リンチは、”not for me”と基本敬遠してきました。
「ツイン・ピークス」↓は当時日本でも、カルト的人気を博しました。
エヴァと並んで、考察の最初の隆盛ですかね。
アートな映像に反比例して、
作劇も演出も、どこか子供騙しのギミック。
そう私には見えて。
当時は、
ピーター・グリーナウェイ↓には心躍らせたものですが、
逆にリンチからは、
映像が素晴らしくても満足は味わえなさそう。
と避けてました。
しかし、食わず嫌いもなんだなと、
折角のチャンスに、リンチ最高傑作と呼び声も高い本作を予約。
予習しちゃいました。
0.予習
0.1.本作の成り立ち
0.1.1.起死回生の経緯
0.1.2.美術、撮影スタッフの奮闘
0.1.3.リタ・ヘイワースとか他の引用
0.2.運命の暗示
0.2.1.監督の怨念、女優の怨念
0.2.2.リンチの企画と制作
復習もしました。
1.復習
1.1.物語の解釈 3パターン
1.1.1.一般的な考察 夢と現実の組み合わせ
1.1.2.怨念の発現と観る 辻褄はそれほど
1.1.3.超越瞑想の視点(’正解’っぽい)
1.2.演出の意味は?
1.2.1.顔芸と記号的な人物
1.2.2.わざとらしい音響
1.2.3.もし、フィンチャーが演出したら
1.2.4.トリップの産物そのもの
整理が良いかと、今回は細かく項目分けます。
感想も分けます。
2.感想
2.1.起死回生のプロット 陰陽をエンタメ的着地に
2.2.編集の卓越 絵画的相似のマッチカット
2.3.ジャンクな演出 味付けだけB級
2.4.深層意識にドライブ 天然爆発
2.5.考察でもトリップでも、楽しんだもん勝ち
予習では、
ネタバレ避けつつ背景を知りました。
《 開演 》
鑑賞後、
流石に、皆さんどう観たのか気になります。
世間の解釈を概ね把握しました。
一番気になったのは、解釈よりも、演出面でした。
個人の感想としては、
褒めつつ、満足は断念せざるえない。
過剰な演出に醒めてしまう。
味付け以外は完璧なのに、、
器、素材、火加減、盛り付け、すべて一級品。
しかし、ケチャップどばどば。
そんな一皿。
大変興味深い、2時間26分でしたが、
そんなことしなくても
という不満は残ってしまう。
敬遠の判断は当時、正解だったな。
と確認してしまいました。
一方で、
高評価の理由、本作どこに魅力を感じたのか、
知りたくて、鑑賞後検索すると、
考察系か、褒めの定型文。
”悪夢への没入感”
”計算された音響や演出が、不安を増幅”
同意出来ないだけでなく、
これでは、カルトのカルトたる由縁が分からず、
紋切り型の褒めには納得いきません。
どこが麻薬なのか、’考察’してしまいました。
計算なら、
どこかで理性による補正が掛かるもの。怪しい。
そこに、
カルトの帝王は、やっぱりスピ系だったのね
リンチが超越瞑想に傾倒していたとの言及も見つけ、
ようやく万事納得。天高く晴れ晴れ。
では、項目別に、
※引用先ではネタバレしてますが、本記事内では避けてます。
0.予習
映画館で、まともに観たのは「ストレイト・ストーリー」↓だけです。
これは、メアリー・スウィーニーの企画で、リンチは職人監督として撮る。
本人の企画は敬遠してましたので、改めて予習。
0.1.本作の成り立ち
「ツイン・ピークス」と同じ趣向で、ハリウッド裏表を舞台に、
米大手テレビABCの連続ものとして企画スタート。
出資を受け、2時間分のパイロット版が制作される。
ここで、ボツの判断が下る。一旦お蔵入り。
0.1.1.起死回生の経緯
前作「ストレイト・ストーリー」でも関係の深い、
フランス大手配給カナルに繋がり、再起動。
パイロット版の買取と追加の制作費分で約1,500万ドルの出資を受ける。
アメリカ資本と異なり、
フランスは作家主義で口出さず、リンチに一任。
映画化に当たり、リンチは瞑想中(!)にアイディアを得て、脚本完成。
表と裏をひっくり返すような、後半を追加。
(個人的には「ファイト・クラブ」↓連想)
営業はカナル奮戦、
カンヌ出展で監督賞と箔付け、
「10のヒント」を提示し、考察を刺激する販促。
約2,000万ドルの収入を上げ、見事な逆転劇。
本作の歪な構造には、由縁有り、
作劇姿勢に誤解のある感想も見掛けた。
また、
監督や主演女優の怨念と、現実の逆転劇の痛快も、
本作鑑賞の醍醐味でもあり、背景理解した方が、
お得と思う。
0.1.2.美術、撮影スタッフの奮闘
ボツでチームは一旦解散したが、再集結叶う。
セットは解体され、衣装は消失。
そこからの再生は見事。私もスクリーンで確認。
撮影は35ミリフィルムの拘りながら、ステディカムの移動はスムーズ。
奥行きとフォーカスも巧みに操り、悪夢へ誘う。
前半の明るい色調(後述)と対比的に、後半ノワール味全開。
ダークやアダルトもTVの制約から解放され、
同じセットでも、ライティングも腕の見せどころ。
最近、
クセ強な映像ばかり観てるせいか、
カメラワークのクセは感じません。自然に誘導され、
火加減完璧。
スタッフも、企画を続けられた喜びに溢れてました。
0.1.3.リタ・ヘイワースとか他の引用
ハリウッドの光と影と来れば、そりゃ。
「サンセット大通り」↓は昔TVで観ました。(内容忘れてますね)
マルホランド↓は、イニシャルD的なハリウッドの入り組んだ街道らしい。
リタ・ヘイワースと言えば、「ショーシャンク」しか連想出来ませんが、
(赤)黒髪のファム・ファタール。
50年代ハリウッドのセックスシンボルで、
69年代は、その座を金髪のマリリン・モンローに譲る。
主演女優2人の対比は、そういうこと。と予想。
しかし、googleはドリス・デイを挙げる。
昔、映画館で観たので連想でき。
実際、本作の前編は、
50年代ハリウッド映画の室内セットを意識した色調と分かる。
鑑賞中ようやく、AIの意図を把握。
0.2.運命の暗示
本作に運命的なもの感じます。
知らなくてもよいけど、
現実を思い出さずにはいられない。
0.2.1.監督の怨念、女優の怨念
資本やプロデューサからの介入とリンチ監督は、しばし対立。
「デューン」の編集で揉め、
「ツイン・ピークス」ですら、ABCの意向で脚本の改変。
それ以外に、見聞きした話は山ほど有るでしょうから、
それらリアルに反映されていると聞く。前半を観て納得。
私生活は、リンチの側に問題多そうだけどな。
ナオミ・ワッツは、
売れない役者を続け、ようやく本作で主演を勝ち取る。
しかしボツ。紆余曲折の末に日の目を見る。
その後、スターダムを登る。
役柄同様の悔しい思いを幾つも経験したのでしょうね。
自分より下手でも政治で決まったり、裏切られたり。
0.2.2.リンチの企画と制作
これは、鑑賞中にも思ったのだけれど、
現実と逆転してる。
監督は妥協や政治が下手。
2001年 マルホランド・ドライブ
2006年 インランド・エンパイア
それ以降、映画は撮れず、引退。
2012年 アベンジャーズ
MCUの時代となり、
アートと娯楽の中間に位置する監督は、転身を余儀なくされる。
例えば、デビッド・フィンチャーは、
2014年 ゴーンガール を最後に、配信に主軸を移す。
2913年 NetFlixでハウス・オブ・カード 開始。
オファーを受けて、撮る。
デビッド・リンチは、これが出来なかった。
「エレファント・マン」(メル・ブルックス製作)も、
前出の「ストレイト・ストーリー」も、
自分の企画ではなく、監督として参加して運命が拓いた。
先に、オファーを受けて配信で当てとけば、
自分の企画も通し易くなっただろう。
晩年、NetFlixの企画も進行していたらしいが、
健康な頃でなければね。
劇中のカウボーイのように眺めてしまいました。
1.復習
観終わって、気になりますよ普通。
1.1.物語の解釈 3パターン
まあ、解釈なんかしなくて、
コインがひっくり返るように逆転してゆく姿を、
怨念浴びながら観てりゃいいんでしょうけど、
youtubeで確認してしまいました。
3パターンに分類出来るかな。
1.1.1.一般的な考察 夢と現実の組み合わせ
誰もが、ある程度は、ぼんやりと想像してる範囲で、
理路整然と、説明を付けてゆくタイプ。
組み合わせのバリエーションは様々らしい。
youtube上でも、複数存在しました。
破綻無く、説明出来るものも中には有るのでしょうね。
正解は要らないように作られてるように見えますが、
考察勢を煽った作品ですからね。
正解が用意されてるかも。
私は、よく気がつくなぁと感心しました。
同時に、ボツ案をここまで再生させた脚本の力に脱帽です。
1.1.2.怨念の発現と観る 辻褄はそれほど
私はどちらかといえば、これに近いかな。
謎解きに対しては、只々、怨念浴びてました。
未来人として、現実を振り返っては、
逆で良かったね。
もうちょっと映画見習ったら、どうか?
それぞれ、そんな風に声掛けたくなりました。
1.1.3.超越瞑想の視点(’正解’っぽい)
予習の段階で、この視点は無く、
鑑賞中も、全く気付きませんでした。
阿頼耶識とか、そういうのですよね。
いや、何言ってんだか分かりませんが、
何かスピ系の象徴が、正解なんじゃないでしょうか。
きっと、
マジカルミステリーツアーですよね。
超越瞑想は、
薬物抜きでトランスする技術の一つと想像してます。
謎解きについては、それでスッキリしました。
1.2.演出の意味は?
顔芸連発で、役者は記号的に振る舞う。
音響は、ハリウッド的で、押し付けがましい。
すべてA級なのに、演出だけB級。
不穏というよりも、違和感しか残らない。
殺し屋パートのように、コントなら調和する。
しかし、サスペンスの雰囲気じゃないよな。
あれで、不安を感じたり、悪夢を体感したりは出来ない。
私には褒めるのは無理だが、
高評価は、演出をどうやって褒めているのか?
googleに確認してみた。
どうやら、
”客の脳はダイレクトにハッキングされる” らしい。
1.2.1.顔芸と記号的な人物
”夢の世界だから、デフォルメされている。”
そういう解釈なのか。
現実パートも所詮顔芸ではないか? と更に訊くと、
”精神の崩壊、生々しい感情を表現”だと。
曰く、
リアリズムを捨て、
ダイレクトに無意識の感情を、観客に叩きつける
そうなのか、、醒めるけどな私は。
1.2.2.わざとらしい音響
”歪んだ精神世界の表現”
”ハリウッドのメロドラマへの皮肉”
なんだって。
まあ、ものは言いよう。
1.2.3.もし、フィンチャーが演出したら
私は、鑑賞中、何度も想像してしまった。
ああ、クールな演出で観たい
冷たく、計算された演出で、
伏線回収も鮮やかだろう。
鑑賞後感も、カタルシスを感じる。
一旦、好き嫌いや、乗れる乗れないは置いて、
リンチ演出は理性による計算でないことは分かる。
1.2.4.トリップの産物そのもの
リンチは毎日、超越瞑想を実践し、
ふとした瞬間にインスピレーションを得る。
それを狂ったように書きとめ、
現場でメモを再現する。
そして、最終的に編集室で、シーンを並べ替え、
インスピレーションのままに、イメージを再構築する。
その結果、
リンチ作品にハマるファンには、2種類居て、
このトリップの感覚を共有する快楽派と、
ロジカルな’正解’を得る考察勢。
私は、リンチ式のB級演出に鼻白んでしまうが、
ジャンクな味付けにハマるファンが居ることは理解した。
なるほど、カルトの帝王だと。
ここまで踏まえて、改めて。
2.感想
微妙では、あるんだけどね。。
2.1.起死回生のプロット 陰陽をエンタメ的着地に
何はともあれ、
ボツ案を一発逆転再生させた、
アイディアと脚本は褒めましょう。
演出に乗れなくても、私は褒めます。
ヒロイン二人の佇まいから、
陰と陽、光と影のイメージ溢れますが、
そこからインスピレーションを得て、
夢と現実をシャッフルして、
かつ、よく分からないスピ系の着地。
しかも、エンタメとして消費もされる。
常人では出来ない。
2.2.編集の卓越 絵画的相似のマッチカット
あまり褒められてないようですけどね、
「ストレイト・ストーリー」に続いて、
繋ぎの見事さには圧倒されます。
特に、図形の相似を利用したマッチカットは、
画家のセンスを見せつけられます。
演出はゴツゴツしてダサいのに、何てスムーズなんだろろう。
ヌルヌル動くカメラも相まって、
同じような場面なのに、意味が全く変わってる!
そんな繰り返しは、観客の脳をトリップさせる。
トランスへと誘います。
2.3.ジャンクな演出 味付けだけB級
ただし、あの演出にハマるのは、私は無理です。
コントなら面白がれても、シリアスは無理でした。
が、
ジャンクな味付けだからこそ、
直接、脳にダイブ出来るのだろう。
それにしても、
演出はB級、それ以外はA級
こんな作風は他に見当たらない。
ストーリーは破綻しても、映像美を魅せる作品は数多。
装いはB級でも中身はA級。それも数え上げられる。
そんな例には、当てはまらない、
貴重な体験であることは違いない。
いや、ハマれないけど。
2.4.考察でもトリップでも、楽しんだもん勝ち
理性による考察であれ、脳内トリップであれ、
いずれ、楽しめれば勝ちですよね。
私は敗北しました。
演出にハマれないこと以外は、
見事で、退屈はしません。
信者っぽい褒めは出来ませんが、異教徒の身分で讃えます。
以上、
超一流のカルト映画を体験しました。
90年代を思い出しました。
2026.10.29 00:00現在
先週の大隠線を回復しつつ、そこで抵抗されそう。
20MAまで、戻らない雰囲気も感じつつ、
直感で動かないようにしてる。
