「パキスタン紀行2014春」#43 20140526 ペシャワール最終日(昼)博物館へ

この河を渡るのは手強い。
ベトナムに慣れた私といえども。特に朝10時という渋滞時は。
 
ペシャワールはホーチミンほどバイクの量は多くない。
だが負けず劣らず交通は激しい。
特に歩行者が道路を横断するのは、ホーチミンより難しい。
パキスタン人の運転は荒い。
そしてベトナムみたいなアイコンタクトは難しい。
どちらが、先にゆくのか判断つかないこと多し。
 
幹線のG.T.ロードは両方向の計4車線で、
朝は西向きの、サダル方面への交通量が多く渋滞している。
反対側はそれほど混んではいないが、ひっきりなしで、
一番渡りにくい状態である。
ホーチミンより、スピードは速いので怖い。 
 
 
行き先はネット屋である。
ホテルの受付で、ネット屋の在処を訊いた。
スタッフは通りの向いの携帯屋に訊けばスグ分ると言う。
 
で、難度の高い時間に渡ったのだが、
携帯屋に誰もいない。
仕方ないので、通りの先のコピー屋で訊いてみた。
あそこだと、簡単に答えてくれた。
この路地を歩き3つ先を曲がれと。
 
そんな近くにあったのか、、
(写真は撮っていいかと訊くと断られたので割愛)
店に入ると、パスポートを求められたり、幾つか質問されたりした。
オーナーも出てきてOKを貰う。
 
これから朝食だったらしく、
ご相伴に預かってしまった。
オムレツとナンとチャイ。美味しゅうございました。
  
よく聞かれること以外に、
日本と中国は違うのか、お前は中国人が好きか、と訊かれてしまった。
(まあ、良い中国人も悪い中国人も居るからなあ。。)
思ったまま、そう答えた。
 
パキスタンでどの都市が良かったかも訊かれた。
ペシャワール、ラホール、カラチ、ピンディ、イスラマバード。
 
お世辞抜きに、ペシャワールが一番。次にラホール。
イスラマバードは最下位。
 
利便性は似たようなもの。
飯はダントツでペシャワールがラク。人もダントツ。
カラチ、ピンディは人も僅差で、悪くはない。
イスラマバードの人はちょっとなぁ。
 
ああ、不思議なことに、街の活気もこの順か、
いや、ピンディ、カラチは逆転するかなぁ。勢いなら。
 
 
細かいことは伝えられないが、そんなこと思い出しながら評価してた。
 
 
で、5日ぶりのネットアクセス。
メールチェック、フェイスブック、それからメルマガ配信した。
久しぶりなので、安否確認の意味もある。私は元気です。
 
東京都の観光課から返信が来ていた。
この東京の旅行代理店の件は、改めて書くことにして。
もっと驚いたことがある。
 
22日にタイでクーデターが起こっていた。
あーあ、
バンコクに戻ったら、戻ったで、どうなってるんだろう。
心配しても意味ないことが頭をよぎった。
 
王様が健在なうちのラストチャンス。このままではどうせジリ貧。
しかも、軍と司法は味方(警察は敵)。
ではあるんだが、
タイは結局、民主的な手続きが根付かない国、
そういう評価を世界に与えてしまっていいのだろうか。
王様後を睨んで、今後も混乱は続くかもしれない。
経済の停滞はやむないかもしれない。
 
つーか、オレの心配しろよ。
まあそれは、スワンナプームに着いてから考えよう。
 
 
一時間ほどで、PCを片付けると、
料金はいいとオーナーが言う。いや悪いよ。。
ガンとしていいと言うので、朝食に続いて、ありがたくゴチになることに。
 
 
まだ、11時。
今日はあと博物館に行くくらいしか予定はない。それで充分と思う。
暫く、歩き廻ることにする。
要塞まで出て、昨日歩いてないエリアを闇雲に歩き廻る。
 
あ、こっちには栄えてるジュエリー街があるんだ、
こんだけ店舗あるなら、供給過剰な気もする。
その路地はパスして、大通りを歩く。

この辺は病院を中心としたエリアなんだ。
その周りには薬局が並ぶ。
 
日も高いのでそろそろ休憩しよう。
道端のヨーグルト飲料屋でしゃがむ。
パンと高菜漬けみたいなのも勧められた。お昼だし食べることに。
飲料2杯飲んで計70だからパンと高菜は10なのね。
パンは味はあるんだが、パサパサしてビスケットみたい。
飲料無ければ、喉に詰まる。
それと飲料は甘くなかった。ヨーグルトを氷水に溶いてるだけみたい。
先日の白い粉は砂糖だったのかと気づく。
 
満腹になって更に歩く、
影がもう短い。このまま調子に乗って歩くとちょっとヤバイなぁ。
そう思いながら、出来るだけ日影を歩く。
 
途中、職質されたりもした。
一瞬ドキっとしたが、旅行者だと答えると、ああそうなのかと去っていった。
要塞周辺だからだろうか、制服の警官は見回っているのかもしれない。
  
闇雲に歩くと、カイバルマーケットに出たりもする。
それから、ホテル街に到達、あ、これがシネマ通りか。
確かにシネマの看板が。だが、そんなに博物館に近い気がしない。
頭の中で、「歩き方」の地図を反芻するが、もっと近所だったはず。
 
まあ、こっから先は文明の力を借りて、到達しよう。
ちょっと余裕が出た。更に闇雲に歩いて、座って休憩できる食堂を見つける。
ペプシを注文した。 
店先ではナンを焼いている。
 
 
ケバブ屋さんでもそうだったけど、美しい分業制だ。
 生地を分銅で計って、一枚分に分ける。
 分けた固まりを肉まん型に成形する。
 肉まんを平らに伸ばす。
 平らな生地をタンドールに貼り付け焼く。
 焼けたナンを回収して店に並べる。
 
でも、さっきのパンでお腹一杯だ。
そろそろ1時。今から行って午後の部始まる頃だろう。
昨日休みだったが、営業時間は外に張り出してなかった。
 
その店もお代を受け取らない。イイという。
値段も分からないし、受け取りそうにないので、ありがたく頂く。
 
広い通りにでて、リキシャを拾うが、
ミュージアムが分からない。
近所だし、G.T通りだし。そんなハズないでしょ。
 
しかし、3人も空振りした。攻守交代じゃん。
さっきまで余裕ぶっこいてたのに、突然のピンチ。
道行く人が困ってる私を見て、何処に行きたいのか訊いてくれる。
ミュージアム、G.Tロードと言えば、ソッチだとスグ分る。
この差はなんなんだろう、
 
ようやく、一人のリキシャマンが捕まった。
G.Tロードと行ったら、とりあえず乗れという。
彼も行き先は分からないらしい、オレも詳細に説明は出来ない。
が、ともかく、G.T通りまでは出てくれるだろう。
暫く行くと、ワイシャツ姿のビジネスマンに声を掛ける。
この外人と英語で会話してくれと言ってるらしい。

G.Tロードのミュージアム行きたいと言えば、
そのエリート青年はスグ分かってくれた。
何語か分からないが、行き方を説明してくれた。

で、シネマ通りの先を進み、丘を越えると、線路を渡った。
G.T通りに合流した、と思ったらスグ博物館だ。今日は開いている。
 
ドライバーには100ルピー渡した。
ちょっと高いけど、分からないのに、何とかしてくれた代。
異邦人にとって、
何とかしてやろうと、面倒くさいから嫌、とでは雲泥である。 
 
中に入ると小学生か見学に来ている。
開館時間は夏季は、8:30-12:30 2:30-5:30 2時半かよ。
幸いにして、敷地内の土産店にカフェがあった。そこで時間潰すことにした。
 
2時半になって、スタッフにクローズだと言われた。
炭酸飲料とグリーンティで35ルピー。間違ってる気がするがいいのか。
チラッと思ったのは、
博物館の休憩の間だけ営業してるのではないか。ということ。
土産屋もツーリスト・インフォメーションセンターも営業してる形跡が無い。
博物館を出たら、確かに閉まっていた。
 
とにかく、2日がかりで拝観である。
フィーは100ルピーなのだが、200プラスで写真撮っていいという画期的なシステム。
全部アップするのは何なので、なんとなくの雰囲気と、特に気になったものだけ動画に。
 
1階は2,3世紀のカイバル周辺の遺跡で発掘された仏教美術が中心。
仏教説話のレリーフや仏像など。保存状態の良い物を移設したのだろう。
他の博物館より、ギリシャの影響を如実に感じることが出来た。
断食するシッダールタもより写実的であった。
 
2階は向って右がイスラム文化。17,18世紀が中心。
このブルーは、柿右衛門からプルシアまで。
セラミックもシルクと同じで東西を渡るもの。
その中間な感じの土台にイスラムの様式美が分かり易い。
インダスが西に接したところ、という色彩は他で見るより色濃い。
 
左側は民族の展示。
衣装はもうアフガン。
あの足の短い椅子は、やはりこの地方のものか。
家具に関しては、今と変わらない気がする。
ペシャワールではブルカ被ってる割合も高い気がするが、
民族衣装はまた別なんだね。
女性はペルシャっぽい気もする。なんとなく。
 
同じパキスタンでも、州ごとの違いは、博物館でも感じるよ。
 ラホールはムガールの中心でパンジャブの文化。
 シンド州カラチは海洋民族。
 モヘンジョダロはインダス文明発祥の地、どんな人達だったのか。
 タキシラは山岳地帯の仏教集落。西の影響がチラリ。
 ペシャワールまで来ると、西とインダスが交わるところ。
 
今日も午後は曇天が広がる、ありがたいが、 
帰りはガスステーションまで歩いてリキシャ拾う。
80でホテルまで行ってくれた。
いつものチャイ屋でお茶すると、また奢って貰ってしまった。
 
暫くホテルで休憩して、夜お腹空いたら、ケバブっぽいもの食べよう。

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