実に惜しい記事を読む。
題材は素晴らしいが、ライターのスタンスが不誠実である。
震災で職を失いAV女優になった66歳の現実
http://toyokeizai.net/articles/-/114395
あらすじ
震災で仕事を失った高齢の女性。
AV出演、自殺未遂で警察沙汰などを経て、
現在は生活保護で、孤独に暮らしている。
読者から複数指摘あるように、
親子関係がスルー。
記事にあるように子供が既に自立して暮らしているなら、
母親に手を差し伸べないのか、そこに言及がない。
次に、貧困と福祉の場合、
ココロの問題と経済の問題と2つあり、それぞれたてわけないと。
書き手の着地がステレオタイプでお座なり過ぎ。
もっと、この女性に、闇も込みで、向き合うべきではないか。
ライターさんは自身も福祉施設運営してるそうだ、
その分逆に、書き手としての真摯さ減点かなぁ。惜しい。
ステレオタイプな着地とは、情報を一面的に処理したということ。
一つに誠実でないということ、
もう一つには賢明でないということ、
DVの被害者の親は子供には加害者。
子供にもハラスメントなりDVは及んでいるだろう。
より弱いのだから。
それを放置している親は被害者でなくネグレクトな加害者。
そこはスルーできない。
経済的に自立した子供が年老いた母親に、貧窮しても手を差し伸べないのには、
やはり、それなりの訳があると考えざるをえない。
その疑念をクリアにしないのはズルいね。
西原理恵子の事例を思い出す。
アル中の夫を抱えた妻の質問に答えて。
これはもう立派なアルコール依存症だと思うので、
川に流すしかありません。離婚して大学の入学金だけでもの払わせるしかないですね。
払わなかったら、給料差し押さえでも何でもすればいい。
ただ、本当にダメなのは、そこまで愛想が尽きてるダンナを「お金のことがあるから別れられない」と言ってるあなたのほう。
そんなお母さんの卑しさを娘たちは見てますよ。
ー中略ー
一番やらなきゃいけないのは、自分の代でそういう生活週間を断つこと。
賢明さというのはこういうこと。生きる(悪)知恵ですね。
いっくら老人福祉に尽力しても、
現実を強く見る力がないとなぁ。
結論が救いのないままで終わるよ。
絶望も人生の一部という誠実。
そういえば、誠実な書き手といえば石丸元章である。
最初に読んだので、ぶっ飛んだ。
なかなかここまで誠実に向き合えない。
で、最近、実家に立ち寄った途中でブックオフで買った。
今日は、キンドルでスピード違反後の様子をダウンロードした。
オレの文章ってのは平均的なノンフィクション以上に印象にたよっているし、偏見と思い込みに満ちている、
なぜって、
その偏見や思い込みに裏打ちされた、知覚と直感が生みだす妄想スレスレのメチャクチャな現実
それこそが、
この世の中にふさわしい真のノンフィクションだと信じているからさ。
カッコイイな。
刑事に調書取られるシーンも好きだ。
いつも一万円札を細く巻いてストローにして吸ってたんで、なんというか……資本主義のニオイがしました」
──あちゃー、あちゃちゃちゃ(笑)、そうきたか(笑)。ほんと文章書くヤツってマイっちゃうよなあ(笑)。
でも、うーん、ちょっとマズイなあ、それは。オマエねえ、そのとおり書いたら、特殊な思想の持ち主だと思われて、検事の心証悪くなっちゃうよ。
スゲエよ。
佐藤優の「国策捜査」都合悪そうなとこカットしてる感、半端ないもん。
ああ、それはさておき、いいセリフは、清原に言及して。
清原はマッチ売りの少女
http://withnews.jp/article/f0160302001qq000000000000000W0110401qq000013055A
白い煙の向こうに見えるのは、子どもや奥さんと一緒に暮らしていた頃の幻影や、現役時代の大歓声に沸く甲子園の光景だったのかもしれない。恐らく吸っている瞬間だけ、ワーッと気持ちが盛り上がってきて、そういうものが見えるんですよ。
だけど、マッチが消えてしまえば温かい食卓も消えてしまう。幻想、妄想なんですから。少女だって、売り物のマッチに火をつけちゃいけないことぐらいわかってる。それでも、幻想に逃げずにはいられない。マッチ売りの少女と一緒で、清原さんも寒かったんだと思いますよ。心がね。
そういう心の闇、無視しても何の意味もないと思うんだけどねぇ。
富裕層であれ、貧困層であれ、共通しているのは、未来に対する希望が持てないということ。激しく打ちのめされ、自分自身に期待することを忘れてしまっている。空虚な未来にすがって、見せかけの明るさを必死に取り繕うとしているようなところがありましたね。
素材が素晴らしいのに、お座なりなこと書くのは。もったいない。
経済では埋まらないって、ちゃんと書こうよ。安い着地しないでさ。
賢明のご褒美は分かりやすい、誠実の恩恵は分かりにくい。
サイバラ先生の場合、子供との関係良好だもんね。信頼があるもの。
で、石丸元章の場合、荒涼としてる。
なんかいい事あんのかな、覚醒しても。
生活ボロボロでも、なんかその方が人生楽しそう。
安易に老人福祉に着地しちゃうと、なんで魅力ないんだろう。
で、AV出た老婆の話、
生活保護知らないんじゃなくて、誰も話聞いてくれないなら死ぬしかなかったんだよね。
絶望も人生の一部だから、
死ねないなら生きるしかない。
それはやっぱり希望なんだよ。
ワタクシごとだが、今日は虚勢な自信に出会った。中身がない。救いが無い。
いまさら、虚栄は勘弁してくれ。
それはさておき、
それくらい誠実に向き合った果てにしか、希望は見いだせない。
たぶんそれがご褒美なんだろうな。
ま、代償は大きいが。
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