日銀の転進という名の撤退。市場は好感。ボクも好感 <経済動向>

9/21、日銀の異次元緩和の総括が発表された。
何いってんだか良く分からない、ルー大柴のような文が続く。
解読してみたら、
未達でしたって言ったらマズいから言い方に苦心のほどが忍ばれる。
マイルドな転進を歓迎したい。
 
という理解までの軌跡を記録しておこ。
 

イールドカーブのスティープ化とか理解する。
とにかく、単語が分からない。ググる。
イールドカーブとは何か
http://www.findai.com/yogo/0086.htm

償還までの期間(残存年数)の異なる金利(利回り)を線で結んでグラフにしたものを、イールドカーブ(利回り曲線)と呼んでいます。縦軸に金利(利回り)、横軸に期間を目盛りにとったグラフです。

 
なるほど、グラフのイメージは出来た。更に、
イールドカーブとは
http://www.ifinance.ne.jp/glossary/market/mar001.html

イールドカーブは、縦軸を金利(利回り)、横軸を期間(残存期間)として、期間に対応する利回りをプロットしてゆき、その点をつなぎ合わせて描かれる、利回りと残存年数の関係を表す「利回り曲線(金利曲線)」のことをいいます。これは、金利の世界では、短期は1年以内、中期は5年前後、長期は10年、超長期は20-40年を指して言うことが多く、またプロットする金利については、該当期間の国債の利回りを利用することが多いです。

スティープ化とは、

長期金利が上昇し、短期金利との差が拡大することがあり、このような状況を「イールドカーブのスティープ化(steep)」と言います。(steepは、英語で「けわしい、 傾き・勾配が急の」という意味)

要は、長期で貸す方がリスク高いから、金利は高くなるのが普通。
だからイールドカーブのグラフは右肩上がりになる。はず。

でも今は、国債買いまくってるから、長期金利も下がってるよね。
曲線の右肩上がりはペシャンコ。
需要が無いときに金利上げて買って貰う訳だから、
買い手の意欲旺盛なときは金利下がる。
 
 
じゃあ、国債買いまくっちゃダメじゃん。
日銀は「金利」政策に移行で、追加緩和遠のく
http://toyokeizai.net/articles/-/137079

今回、10年金利についてゼロ程度が目標とされた。たとえば10年金利がこれよりも大きく下がった場合(債券価格が上昇)には、長期債券の購入量を減らし

短期のマイナス金利をもっとやることは出来ても、
国債買いまくるのは控えないと、右肩上がりの曲線にはならない。

これは事実上、異次元緩和の撤退じゃん。
指値とか、価格操作とか出来る訳無いじゃん、価格は市場が決めるよ。
そこまで共産主義な計画経済は無理。
 
いろんな修飾子の意味は、実質、切り札の温存。

「マネタリーベースの残高は、安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する」と、マネタリーベース・ターゲットを形ばかり残したことであろう。少なくとも、目標達成までマネタリーベースが縮小されることはないということだ。このことは、伝統的なマネタリスト的見解を持つボードメンバーの顔を立てる必要もあったためと思われる。

ま、この後、世界経済、何があるか分かんないからね。
その時にはなりふり構わず、カード切るオプションは残して、
平時はデフレ基調でも、一本目の矢は動けない。
マイナス金利は多少やるかもしらないが。

フォワードルッキングという謎単語は諦めの裏返し。
黒田日銀総裁まさかの「敗北宣言」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49788

物価が上昇するためには、予想物価上昇率、つまり人々の将来の物価観が重要なカギだ。実際、予想物価上昇率は横ばいから弱含みに転じている。

2年で2%のインフレ率にコミットするって言って、3年過ぎても未達。
金融緩和しても、誰も物価上昇するとは思ってない。

3年を超える異次元緩和を経ても、人々の円への偏愛は揺るがず、デフレマインドを解消することはできなかった。異次元緩和の限界について黒田自身が分析した言葉が、適合的な予想形成と言えるだろう。

供給に対して需要が旺盛だからインフレになるんだもの、
お金の価値を人工的に下げたからって、
需要、消費マインド改善につながる未来は描けない。
そんなことは最初から分かっていた。けど、
「いくさば、足りもうさん」ヤラなきゃ気が済まなかっただけだよ。
 
インフレターゲットって短期戦、3年もやってダメならそれまで。

しかし、本来ならマイナス金利の恩恵を得られる大企業の団体である経団連からノーを突き付けられたことは、黒田に計り知れないダメージを与えたはずだ。
榊原の言葉からは、日本の大企業経営者が、デフレマインドを払拭できず、日本経済の明るい未来を描けていないことが読み取れる。

錬金術はない。

でも、悪化を下支えしたし、原油安がデメリットを帳消しにしたし。
カンフル剤としての意味はあったよ。
震災の痛手を負った日本で、ようやく政治が安定し、
明るさは取り戻したよ。
そこは評価しようよ。

ただ、掲げた目標は未達だっただけだ。
デフレは結果現象であって、原因ではない。
 
縮みながら、より安く効率的に利便性は供給され続ける。
下りエスカレータ登るには見込みが甘すぎただけだ。
 
今、検証により、その現実を認めたということ。
ただ、「失敗でした」というと市場は混乱してしまう。
のらりくらりとマイルドに軟着陸させる必要あり、
今後は対話重視で、必要なときだけの手当に転換するだろう。

それでいい。
合理的判断を下した。
量が不足という人も居るが、それはこの3年のうちにどうにかしとけよ。
結果に対して、潔い態度は、好感されるのが合理というもの。
  
  
 
異次元緩和の終わりとこれから。
引き続き引用すればさ、

アベノミクスを牽引してきた黒田の異次元緩和にはブレーキがかかった。これでデフレ脱却のボールは首相の安倍晋三へと投げ返されたことになる。

白川時代から本来言ってたこと、所詮実態しだいじゃん。
 
一本目が終わり、二本目も補正予算見ててもどうもしょぼい。
というか、上手く財政出動廻ってるの?
 
復興予算だってどうかといろんな噂は聞く。
しかしそれより、オリンピックで湧く東京でしょう。
一番お金が今動き、財政出動の甲斐がある場所が、あれでお金廻るの?
 
景気刺激にマイナスになる存在は排除したいよね。
 
 
 
東京の政治と弱体化した敵しか居ないうちに。再チャレンジ。
小池都知事と安倍首相が意外なところで「タッグ結成」!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49767

従来、この区域会議の事務局は内閣府に置かれていたが、これを東京都と共同の事務局にして欲しいと提案したのである。東京都の「本気度」を示す提案だと言っていいだろう。

アベノミクスの成果を国民に示したい安倍首相からすれば、最大の経済基盤である東京都が本気で改革に乗り出すかどうかは、特区の成否に直結する。小池知事の姿勢がありがたくないはずはない。

小池知事からすれば、冷戦状態が続く自民党東京都連の頭ごしで首相や閣僚と太いパイプを構築してしまえば、都議会の運営にも活路が開ける可能性が出てくる。政治力学を読み込んだうえでの小池流の決断だったのだろう。

東京都が国家戦略特区として改革の先端を走るようになれば、飛ばないと言われてきたアベノミクスの三本目の矢、つまり規制改革で目に見える成果が出始める可能性がありそうだ。

あとは、
大田弘子さんの再チャレンジで、労働市場の改革なるかどうか。
「規制改革推進会議」から、伝統的な日本企業の面々が消えた理由
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49667

新組織で規制改革が大きく進むことになるのかどうか、だ。伝統的な大企業の経営者が議長やメンバーになるのを躊躇する背景には、そうした企業が規制に守られている部分が少なからずあるためだ。規制によって新規参入が制約され、既存企業が形として既得権を得ている形になっているケースが少なくないのだ。

日本の伝統の破壊ですから、ネトウヨ界隈にはすこぶる評判悪いですが、
金融の操作だけで実態が改善されるとは笑止です。
 
三本目の矢に収斂してゆくというのは、とても健全なことです。
  
奇しくも女性ばかりですが、あと一人、鍵を握るのは蓮舫さんでしょう。
三本目の矢の命運を決するには、大変な援軍だと思います。
 
鳥越化で弱体化してる野党に蓮舫党首ですから、
まあ、国会論戦では、財政規律派の野田さんと上げ潮派の与党という、
極めてまっとうで神学論争でない経済政策論議が期待されつつ、
 
規制緩和やるには、敵が弱いという最高の環境です。
第一安倍内閣で、松岡大臣の首とって退陣に追い込んだのですから、
何か運命的なもの感じますね。

日本の現状では、安保理法案通したのですから、憲法は当面どうでもいいです。
どうせ戦後一貫ご都合でここまで来たのですから、
米軍が本気で撤退言い出したら、考えればいいよ。
 
あのときに官僚に潰された再チャレンジ。
ここに命運が収斂してゆくのは、なるべくしてなる、歴史の審判でしょう。
歓迎してます。
 

 
質問コーナー、お問い合わせは、sanpome.net@gmail.com まで。

  
 

社会・経済ニュース ブログランキングへ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

カテゴリー: 経済動向 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*