仕事に迷ったら観る「エクストリーム・ジョブ」「マイレージ、マイライフ」「おみおくりの作法」 そして、孤独死はそんなに悪いもんではない。

前回とはあまり関係ないかもしれない。
マンションデベロッパーの営業職の新人さんと会話した。
 
五輪後の不動産市場の方向感しだい、
浮き沈みの激しい業界で、終身雇用目指すのは不適。
ということは前提だけど、

 根性論だけの職場なら辞めた方がいいけどね。そうじゃないなら。
 新人なら、2年くらいは勉強になると思う。

 キャリアと会社は同一視しない方がいいよ。
  営業スキルを身に着けてなんでも売れる人になるか、
  宅建も取って不動産さんとして一本立ちするか、
 どちらかの方向で自分のスキルアップを図っていれば、
 就職自体は別に間違いという訳じゃない。

仕事が出来る良きお手本が居る職場だといいのだけれど。

まあ、
職場と自分を同一視せず、時代感覚ある長期的視点を。
そんなこと考えて、仕事と人生の映画を選んでみました。
  
 
 
アマプラで無料になった記念。
韓国の歴代観客動員数2位。それをコメディで成し遂げるとは偉業。
観ると元気になる映画。

 ウェルメイドなコメディで、アクションでも満足させる。
 よく出来てますよね。
 
 コメディが定石どおりで外したり、スカしたりしない。
 オーソドックスに緊張と緩和のコンビネーションで笑わす。
 
 正々堂々と捻らないところが偉い。イ・ビョンホン監督偉い。
 今こういう映画なかなか難しいもの。
 (三谷幸喜は良い演出家がついていれば、、)
 
 コメディの出来は、脚本と演出。イ・ビョンホン監督の手腕に負うところ大きい。
 そして役者さんが丁度いい達者な人達。絶妙なキャスティングですね。
 中でもチン・ソンギュの顔は素晴らしい。
 特に、すっとぼけた笑顔が素敵で、しばし悩みも忘れて楽しめます。
 
 チームものは、メンバーそれぞれのキャラ立ちが大事ですが、
 チン・ソンギュの脳筋ドジっ子の成立が柱で、
 劇中、中華系かというシーンあり、
 ああ、韓国映画ではあまり見掛けない顔だよなと。説得力あります。
 
 
 お話の構造も、オーソドックスな三幕もの、
  OP: チーム紹介と派手なカーアクションで掴み
  A : チキン屋開業と繁盛記
  B : フランチャイズ展開と反社
  C : 大立ち回りで大団円
 
 意外と、起業物語のあるあるが、バックボーンを支えてます。
  商品の魅力で評判になったあと、
  限定品や高額商品も企画。
  更にフランチャイズ展開、しかしQSCの維持は難しい。

 韓国は日本より資本主義で、
 昨日までサムソンの重役が屋台開いてるのも珍しくない。
 と聞いた。ことがある。
 「エクストリーム・ジョブ」に見る、チキンと韓国社会のふか~い関係

子供の教育費と親の生活費の両方を背負う「ダブルケア」状態にある韓国の中年男性が、退職後に悠々自適の生活を送れるケースはほとんどない。就職難で大学卒業後も経済的な自立ができずにいる子供たち、年金制度の遅れにより子供からの援助なしでは生活できない親たちに代わって、もう一度就職市場に挑戦しなければならないのが、今の韓国における中年男性の宿命なのだ。

そして、企業への再就職の道がほぼ閉ざされている中で、退職した中年男性が手軽に進出できる分野は「自営業」しかない。コンビニ、コーヒー専門店、チキン店は、韓国の退職者が選ぶ3大自営業である。

 班長役のリュ・スンリョンが終盤悪役に対して、
  零細自営業者の商売を邪魔するなと、
 啖呵切り、拍手喝采です。
 単に、刑事モノやコメディのシチュエーションだけでない、
 観客も共感できる社会情勢を織り込んでます。
 
 劇中のチキン屋さんのように、いろんな満足を満足させ、顧客満足度が高い。
 OPにみるように、予算もあってロケーションも上手。
 勝つべくして勝つシナリオでしたね。
 
 観るとスカッと元気になる、完璧な娯楽作。
 やっぱり、楽しそうなんだよな。
  
 
 最後に、個人的にお気に入りだったギャグパートを。
 ムエタイ、海兵隊ときて、野球部出身。という三段オチが綺麗で好きです。
 
 韓国は日本よりも軍隊だろうなぁ。
  
 
ふと、
やりたくないことはしない。存在給を思い出した。
優秀で起業意欲満々な若者と話してて、
いや、そんな幼稚で浅い話じゃないんだよ。

 人の為とか言ってもね、それほんとは自分の為、
 それは自覚的でないとね。
 一方で、
 自分の為というだけではモチベーションは続かない。
 人間の脳はそういう風に進化してきた。
 
そんな基本的なことは分かった上で、
 仕事は義務と思うのも、
 やりたいことだけして生きて行くのも、
どちらでも、ビリーフにすることは可能だ。
思考は現実化するから、大丈夫。
 
付き合いたい人とだけ、関わるには、
断愛、断稼ぎが必要かな私は。まだ。

だいぶ、執着フリーで、フラットになっては来てる。
 
 
そこでジョージ・クルーニーのスマートで執着ない、立ち振舞いを思い出す。
有名な映画。仕事の映画としては最も有名かもしれない。
リーマンショックが2008年で、翌2009年の公開、
まだ世界経済がどん底だった時代を背景としている。

何故、そんなに名が残ったのだろう。
実際B級目だし、出来の良い作品はもっと沢山あるのに。
 
 観ると、その疑問の答えが分かりました。
 まあ、それはおいおい、
 
 この映画の感想を検索すると、実に興味深い。
  ジョージ・クルーニーの身軽さVS家族 と見立て、
  家族に全振りの肯定と、孤独へのマイナス評価。
 
 うーん、
 そう受け取りたい人はどうぞ、
 という映画ではあるのだけど、
 敢えて、家族バンザイな、
 ステレオタイプのハリウッドエンディングにしていない。
 ジョージ・クルーニー的生き方は生き方で肯定してるんだよね。

 そして、一番伝わってないと思われるのが、
 ジョージ・クルーニーは自由人ではなく、仕事人間。
 として描かれている。

 やってみれば分かるけど、
 時間に追われる移動が延々と続くのは、精神的にも肉体的にもキツイ。
  目的のある旅では、気ままに観光も出来ない。
  アクシデントを避けるので、お決まりのホテルやラウンジに限定される。
  一見豪華に見えたり、特典利用が上手とか、ビジネスクラスとか、
  仕事がヘビーな内容だけに、プライベートでストレス溜める訳にはいかない。
  しかも、スーツでピシッとしていなければいけないので、
  荷物をミニマイズするのも、意外と制約多い。
  
 全然、気ままに自由、とはいかない。
 そこで、その生活の苦労を描いてしまうと、
 話がブレるのでそうは描かないけど、
 そこ、誤解する方が、家族バンザイへ自分を誘導しやすいけど、
 強引すぎるのは、いかがなものかな。
 
 劇中にもあるように、相手の死活に関わる仕事なので、
 プライベートでストレス抱えられない。常に身軽でいる。
 ストイックなプロフェッショナル。
 ミニマリストではあるが、自由人ではない。  
 その仕事じゃ、家庭はムリ、セフレが限界。
   
 
 この映画で提示されるのは、家庭VS自由ではなくて、
 ワークライフバランス。
 家庭VS仕事が一貫して描かれる。

 ラストシーンでクルーニーが一旦キャリーバッグから手を離すのは、
 プレーンな状態で、マイライフに向かい合うということ。
 そして、旅ぐらしの人生を肯定してエンドロール。
 
 原題は「宙ぶらりん」で、結論は示しません。
 一人ひとりが、ワークライフバランスを流されず選択しましょうよと。
 仕事と自分を同一視することなく。
 
 このエンドが秀逸で、後世に名を残す映画となった。
 B級っぽいのに、とてもクールなお話。
 と、結論づけました。
 
 
 お話の構造としては、
 ジョージ・クルーニーの生活は背景で、
  A: 新入社員とリモートの導入
  B: セフレとの出会いと破局
 が並行して描かれて、一気にクライマックスへ。
 
 並行でなくても、いいので、
 もうひとりCを登場させてもよかったかな。
 別れた元妻とか創作して。
 
 あと、リモートの導入については、
 ストーリーのご都合で扱っちゃうと、B級だよね。
 2021年の目で見ると、
 リモートも必要だし、かといってリアルを全面廃止は極端。
 ビジネスの扱いが安易で、それがこの作品の格調を落としてる。
 
 だからこそ、
 アナ・ケンドリックは空気読まない変人なコミカルな役、
 そんな役で、B級映画に好んで出演してる印象だけど、
 ちょっとオーバー目な演技も、ここでも丁度いい。
  
 まあ、バランスですね。
 リーマンショック時に、家族幻想に全振りは、気休め過ぎる。
 
 ジョージ・クルーニーの役の人なら、
 会社辞めて、好きなときにセミナー講師やるくらいで、
 もう充分だろうから、そしたら自由も謳歌できる。
 家族持つなら、会社辞めてからだね。
 
 そうでない境遇でも、自分と仕事を同一視せず、
 人生に向き合って、バランスを取り戻しましょう。
 何も死ぬことはない。

 そして実は、孤独はそんなに悪いもんでもない。
 
 深刻なテーマに、軽妙なメッセージ。
 絶妙でした。
 
 
まあ、固定観念でインスタントに答えを出さず、
自ら向き合う。
個人的な答えとしては、

孤独死は別に、悪いもんではない。
事件性がなければね。
人はいずれ死ぬ存在だから。 
 
長く入居していただき、ありがとうございました。
そんなこともあります。
管理会社さんから連絡が届くこともあります。
 
まずは、大家の方が動揺してはいけない。
 大丈夫だから、最後まで住んでいただいたのだから、
 身内の方なのか、行政なのか、首尾よく連携お願いします。
 身内の方なら、動揺してるはずなので、主導権発揮してください。
 早期発見なら、問題はないのだし。
 早めに内見して、腐りものがないことだけ確認してください。
 あとは粛々と後始末。

長い間、ありがとうございました。
人は死ぬ存在だし、
 
個人的には、独りで気楽に死にたい。
(ま、それ以上に、日本以外の気にいった場所で死にたいけど。)
 
不動産投資はもれなく大家業というビジネスついてくるから、
老後の足しにというような感覚で、
デベロッパーさんに勧められちゃうのも、どうかとも思ったりもして、
ビジネス舐めて、得することはあまりないよね。
オリンピック前の今、慌てるタイミングじゃないけれど。
  
 
  
そこで、
「マイレージ、マイライフ」にも似て、非なる映画。
シネスイッチ銀座を満室にした。

イタリア人監督のイギリス映画。イギリス映画も久しぶり。
ほんとに、単館アート系で評判になるにピッタリな映画。
 
 映像が丁寧で几帳面で、地味で内省的。だけど美しい。
 イギリスの風景は目のご馳走なので、スクリーンで観たかったな。

 音楽も、テーマ曲自体が美しく、
 使い方も出しゃばらず、程よい主張。
 劇場で聴きたかったですね。
 
  
 主人公の造形は、逆にイタリア人ならではかもしれません。
  内省的で地味、感情は出さない。
  丁寧で几帳面で計ったように行動する。
  同じ服装。(イギリスだから仕立ては良さそう。)
  犬、フィッシュアンドチップス。
  晴天よりは曇り空、
  そしてなにより、質素な食事。

 イタリア人目線でのシニカルな笑いが、そこかしこに醸し出されます。
 
 まあ、それを観てるだけで、楽しいのですが、
 題材が題材だけに、あまりに静か。
 カメラもセリフもこれだけ抑制的なのは、ほんとに珍しい。
 
  できるだけ、故人の宗教で送り出してあげたい。
 と、主人公のセリフありますが、
 そんな誠実な仕事の作品です。
 

 唯一惜しむらくは、脚本でしょう。
 民生委員の丁寧な仕事ぶりと、その生活が描かれますが、
 大きな転機が2回起こる。
  1回目: イギリスって、そんなに簡単に公務員の首切れるのか?
  2回目: いや、いくらなんでも、ご都合過ぎでは?

 物語を作るために無理気味ではないかな。
 淡々と、おくりびとのエピソード積み重ねてもよかったのではないか。
 定年間際の設定でも良かったんじゃないかな。「生きる」のように。
  それで最後の仕事は、特別に力を入れた。
  そして、時が経過して、本人も孤独死。
 
  出世も望まず、天涯孤独で、
  おくりびとの仕事を最後まで全うする男。
 ただそれだけで良かったんじゃないのかな。
 脚本で、余計な物語付け足そうしてるのが、私はマイナス評価です。
 
 そうすると主演も初老の男優になりますが、
 イギリスなら見つかるでしょう、丁度いい役者さん。
 無理やりな脚本だけが、ちょっと納得いかなかったですね。
 それさえなけりゃ、ほんとに惜しい。
 
 
仕事を描いているのに、会社や組織や経営を雑に扱うと、
途端に、レベルダウンしてしまいます。
主題ではないにしても、ご都合は辞めてよ。
観客を舐めてないか、とさえ勘ぐってしまう。
 
 
仕事を舐めてロクなことはないもので、
 購入する物件の家賃相場はどうやって分かるのか?
と訊かれたことがある。

 事前調査では、
 賃貸のサイトで近隣で同じ間取りの掲載物件を集計して
 ㎡単価を計算。
 
 物件の現地調査の際、
 最寄り駅前の不動産屋さんに飛び込み。
  この物件買うのですが、この部屋この値段で埋まりますでしょうか?
  家賃いくらなら、客付けお願いできますか?
 と訊けば、きちんと答えてくれる。
 
「そこまで」と言われたが「そのくらいは」だろ。
やる気がない人は大家さんにならない方がいい。
 
そもそも、
デベロッパーの営業さんの言葉を鵜呑みにする時点で、
やる気がないのかもしれない。 
買うと仕事がついてくるよ。
不安解消のため、わざわざ苦になることをする必要は、たぶんない。 

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