青春モノの王道「Sonny Boy」最終回の希望はアニメ製作の希望。そこは言及しておきたい。 あと若干の考察。

2021年夏アニメを三作選んで、全て無事に団円。
どれも挫折することなく堪能しました。
 「迷宮ブラックカンパニー」は最後駆け足で畳みました。
 「平穏世代の韋駄天達」は丁度いいところで原作枯渇。
続編あるかな、あったら観たい。
 
今クールはなんといっても「Sonny Boy」に熱狂しました。
作り手が何を投影してるのか、語る人あまりいないかもしれないので、
書いておきたい。
 
 
何でも説明や、予定調和が求められる。
そんな市場で、
原作という保険もなく、既存の類似品でもなく、
こんな時代に、
この内容やる勇気をまずは讃えます。私は。
 
よく駆け抜けましたよ。
反対されても、不可能とは言ってない。
音楽も映像も気合入りまくりでしたが、
作り手の青き志が気持ちいい。
 
技術だけは進歩して、志を失うのが、
まさにSonyの凋落でした。
現実世界のアニメ制作はブラックで大変そうですが、
厳しいけれど、その現実を受容しつつ、希望を選択する。
 
配信の時代になって、オリジナルな挑戦が出来るのか、
ビビリでも一歩踏み出す勇気を、この作品自体が示している。
 
 世界を変えることは出来ないけど、現実は選べる。
 
 
私の世界線の分岐は何処にあったかな?
フリーランスで働き始めてからかな、
 歯を食いしばって付き合う人を選べたら、
  違う現実だったかもしれない。
  大同小異かもしない。
 
もう少し、早めに現実受容出来たら、全然違ったとは思うけど、
残念ながら、その知恵は無かったし。
それでも勇気を出して選んだことはあったかな。
世界を変えられなかったけど、現実は選んだ。
  
現実を選ぶことは、付き合う人を選ぶこと。
むしろ、付き合わない人を決めること。
 
仕事だったら、嫌な顧客を歯を食いしばって切ること。
「Sonny Boy」は観客を選んでいる。
”説明ガー”とか言ってる人とか、
 
 君たちは選ばれなかったんだよ。

自分の選択、思い出してしまう。
この時空で、あまり見かけない勇気を観せてもらいました。
あのとき、さっさと断っていたら、
付き合うべき相手ではないと、縁を切っていたら、、
目の前の売上を捨てる勇気が有ったら。。
 
本作が説教臭くないのは、
率先して、勇気ある一歩を踏み出したから。
 
   
ビターテイストなエンディングで、
予定調和好きのアニメファンに、
成長ってそういうもんなんだよって、最後まで喧嘩売ってる感じが痛快でした。
精神的に時間を止めて、肉体だけ老いてゆくのが死。
オリジナルで今後も挑戦できると良いですね。
鳥はいつでも自由の象徴ですから。
 
王道の青春モノ、成長物語でしたが、
ストーリーだけ追って、
作り手の投影を汲む人少ないのでは気の毒に思えて、
書いてみました。
 
 
 
あと、やっぱ解らないたので、ちょっとだけ考察。
 
・多元宇宙(マルチバース)と平行世界(パラレルワールド)
 現実世界とは違う物理法則が支配してる漂流後の世界は、別次元の宇宙。
 校長が制止しようとするところは現実世界で、
 そこから踏み出すと、同じ宇宙の別の世界線。
 と、解釈してます。
 Jojoで例えると、
  一巡した世界というより、
  大統領がザ・ワールドのディオ連れてくるみたいに。
  コンパスに従って希が生きてる世界を選ぶ。
 7部では、違う世界の同一人物が出会うと崩壊してしまいますが、
 長良のセリフだと、オリジナルと融合するようでしょうか。
 2年間は漂流と現実の両方の記憶があるのかな。

・誰とくっつくのか
 長良はバイト仲間とくっつきそうですね。
 瑞穂とも別に、それぞれの道を歩み、
 この世界線では朝風を尊敬できた希との約束は守らない。
 最後のセリフは要らないかもと思ったけど、
 辛くても希望を持ってアニメ業界で働いてるって、
 言いたかったのだろうな。

・瑞穂の行動は不明
 無視→猫のその後→学校潜入→長良と会話
 現実世界でやりたいことはなんだったのでしょう?
  現実世界で過去を喪失したので、
  漂流の証拠探しに学校に潜入して、
  結局コップ割って現実を認めて、
 ようやく長良と記憶を共有する。
 長良とは、現地解散みたいな素っ気なさ。
 戻ろうと覚悟を決めた動機が、も一つ分かりません。
 何か計画があったぽいですが。皆んな居なくなったからか。
 途中で思い出したにしても、元同級生に”誰?” とは言わなそう。

・猫が帰れない理由があるのか?
 少なくともまだ2匹は生きてる世界線に戻るのだから、
 3匹とも生きてる世界線を探して、戻れば良さそうですけどね。

・他の生徒達の行方
 アキ先生が居なくなったということは、
 戦地に兵隊送り込む必要なくなったからかも。
 戦争が終わったのかも。
 あるいは、別の何処かでまたリクルートしてるのか。
 ホッシー達のグループは元気らしい。だいぶ時間は経っていそう。
 朝風こそ帰った方が良さげだが、時間は過ぎてそう。
 
ま、卒業して疎遠になってく、
学園モノのリアルが心地よかったです。
 ”友達”とは別に、
 ”一時期同じ時間を過ごした人” 
という単語が言語によってはあるそうですが、
タンポポ派は特に、場所が変わり、付き合う人も変わります。
 
 
現実は変えられないけど、選べる。
そんな時代性感じます。
 
ただし、選ぶにはちょっとした勇気、人と違う選択。
それは必要ですね。マスばかり狙わなくていい。
 
もう少しだけ長い夏目監督の次回作に期待してます。

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