松竹の学習の成果か? 「”それ”がいる森」いくらなんでも作為的。

「大怪獣のあとしまつ」で炎上商法を学んだのか?
 
ミスリード広告で釣るB級エンタメの大規模公開。
勝算あってのことなのか。
いくらなんでも偶然こうは成らんだろう。
 
  
昔、
「報道ステーション」というニュースショーで、
キャスターが「パワポってなんですか?」と発言して、
ネット界隈では、
 古舘伊知郎はPowerPointも知らないのか? 
と話題になった。
 
古舘伊知郎がMSOffice製品知らないのではなくて、
パワポを知らない層が客層の番組と、
想像しないリテラシーの層も厚いんだなと、
認識を新たにしたことがあった。
ま、
ネットにはそんな人たちを煽りたい人もいるのだろうけど、
  
制作側の意図があるのか、ないのか、
その視点を一切無視しての批判が妥当だとは思えない。
 
どんな狙いがあるのだろうか、想像力たくましく観てみたい!!
 
ワクワクが止まらず、月曜の夕方映画館に足を運びました。

 
 
冒頭、パンサー尾形のシーンは、
予告編を踏襲しつつ、作品のリアリティラインを示す。
ガバガバな設定に、分かりやすい顔演技、と説明セリフ。
ここで席を立たずに、後から説明過多なB級であることを叩くのは、
判断がチグハグ。
 
ただ、この時点ではホラーをヤル気だと、まだミスリードしている。
 
相葉君が登場して、
観客に想像力を働かせる余地を与えない決意は読み取れた。
ヘタなだけでこうは成らないはず。
全部セリフで説明してやろうという決意を感じる。
 
妻役はミスキャストかと思った、
線の細い精神的に弱そうなキャラでは、
江口のり子では図太すぎる。相葉君の奥さんには見えないし。
多分、大塚家具をイメージしての配役かと。
  
それにしても、回想シーンには驚いた。
義父に相葉君は追い出されるのだが、
その理由は明らかにされず、
回想シーンの中でも、その周辺の説明がセリフで語られる。
さすがに意味無くね? ど
うせ明かさないし、セリフで説明するなら。 
 
ただし、誰にも感情移入させないというぞ、という決意は感じる。
息子は他人を思いやる人間ではないし、
相葉君は同情すべき存在なのか不明、判断は寸止め。
この頼りない親では、ああいう子になっても仕方無いとも思えるし、
とりあえず、
誰にも共感させずに、想像力の余地は与えずに進む。
 
確かに、標準語で東京から来た少年をよそ者扱いは違和感。
子役演技はチープだけど、それは「さかなのこ」だって酷い。
ここ非難するなら「さかなのこ」も絶賛はないよ。
 

それよりも、キャラクターやストーリーの裏切りは作為だと思うのだが、
 一見ジャイアン風のいいヤツはあっけなくヤラレ、
 いじめっ子は可愛く弱っちい外見。
 関係ない女の子が次に消される。

 いじめっ子はヒーロー全と立ち向かってヤラれる。
 相葉君も戦って勝つのではなく結局逃げる。
 落とし穴は伏線回収かと思いきや、結局無駄。

 で、赤ずきんちゃんのように助かるならどのみち一緒。
 最後は取ってつけたようなエンディング。
 
 
本来は息子が囮役買って出て、そのピンチに相葉君登場し、
落とし穴の伏線も活かして、勝利が王道。
 
王道展開を外すようなストーリーは、自然に浮かんだとは思えない。
 
”それ”の正体も早めに明かされ、
謎で引っ張る訳ではないから、興味の持続も弱い。
さらに感情移入もさせない。
 
全部丁寧に説明するから、想像力の働く余地が無い。
恐怖って、想像力あって増幅されるものだから、
音響で盛り上げようとしても、恐れようがない。
 
映像は丁寧。
「沈黙のパレード」のTV的な画面よりも、映画の画作りとしては端正。
 
奇をてらったアートでもないのに、なんでこんな事するのだろう。
 
 
松竹は「大怪獣のあとしまつ」で味をしめた。
私はそう、仮説を立ててみた。

予告編に全力を注ぎ集客。内容は嘘でいい。とにかく興味を惹くことが大事。
内容はあえて、観客にカタルシスを与えない。炎上の種をまく。あえて期待を裏切る。

悪名は無名に勝るし、賛否両論では話題にならない。
低評価で酷評されてこそ。

余白の無い中立という、戦略的低評価狙いではないか。
予算の掛け方さえ間違わなければ、
半期に一度くらいは大規模に娯楽作の花火を打ち上げられる。
CGの安さも敢えての計算だと思う。

良心的で重厚な時代劇や、地味なヒューマンドラマだけでは、いかん。
そんな経営方針も想像される。
 
確かに、何故か潔い割り切りは感じてしまう。
ブレない戦略。
有村昆に批判させるのもワザとかもしれない。
 
ちなみに特撮ファンでもないのに、CGの安さを批判するのには違和感。
ホラーとして駄目は分かるけど、ギミックが怖がりのポイントでもないと思う。
 
月曜の夕方で箱は縮小されてましたがよく入ってましたし、 
個人的には楽しめました。
あまりの説明セリフや無理やりな展開には何度もクスリと笑いました。
いやもうUFOでいいだろ、”銀色の物体”で検索しなくても。
 
まあ、もっと甲府事件全面に出して、
小日向文世をガイド役にムー的なUFO都市伝説観たかったですけどね。
エイリアンも甲府事件の獣っぽい造形にして欲しかったけど。
それじゃ、地味過ぎてこんな規模では公開できないか。
 
 
予備知識無しで、これ観せられたら、
最初の子役演技あたりで席立つかもしれない。
観続けてしまったら、ここまで徹底してることに驚き、そしてやはり笑ってしまう。
これはこれで貴重な体験ではある。
 
こんなに観客を拒絶するようなスタンスの映画は観たことがない、
ただのクソ映画とは片付けられない。
 
退席もせずに、頑なにホラーとして最後まで観て怒る人には共感できないが、
褒める、薦めるという作品でもない。
  
松竹の戦略はただの妄想だけど、でないと辻褄が合わない。
とにかく新感覚の体験でした。

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