石丸伸二の蹉跌は選挙参謀の敗北。「完全教祖マニュアル」、「目的ドリブンの思考法」、「ストーリーとしての競争戦略」、キンコン西野の「狩りから稲作」論

都知事選後の炎上が熱い。人生負けた後が大事ですから。
3位の蓮舫元党首のその後については、記事を改めて考えたい。
斜め上をゆく言動は、民主党政権から現在までの総決算を目指しているのかも。
2位の石丸前市長については、担いだ方が悪い。
 
負けたのは、稀代のトリックスター個人ではなく、
ドトール会長と依頼を受けた藤川晋之助選挙参謀。とその界隈。
前回の自己愛という切り口とは別に、その戦略の失敗を語りたい。
  
石丸氏個人は、
 都知事選までのネームバリューで、
 残りの人生やりくりできる程度の、
 有名という資産は築いたのではないか。
(ここ数年で選挙の借金回収できれば。という制約はあるでしょうけど。)
 安芸高田市の議会を劇場化することに成功しても、
 市政としての成果は出せない。
 都知事選への転身で全国区へ名前を売る。むしろ負けた方が良い。
 TVインタビューで新党結成潰したろ、くらいの勢い。
ここからは、各種メディアで活躍できれば成功。
 
 
で、選挙プランナーに注目。
”政治屋の一掃”とは、いかにも古い。そのスローガンで負け確。
新党は無理。既に終わった。 
橋下維新の ”夢よもう一度” は成らない。


時代が違う。主演の資質も野心も違う。
担いだ彼らは見誤ったと断定する。
 
 
最初は山本太郎党首から学ぶべきだった。橋下徹弁護士ではなく。
テレビタレントから政治家へのロールモデルを。
テレビタレントといっても、蓮舫元議員との違いは、
自分の新党を立ち上げたカリスマ性。
トリックスターで終わるか、教祖に成るのか、その差は大きいのだけれど、
藤川晋之助氏の界隈は、本人の資質も、教祖誕生のプロセスも無視した。 

内容は良くまとまってる動画参照のこと。

要点は以下。
・反社的主張で社会への不満をエネルギーに変換
・大衆の心を掴むわかりやすさ
・現世利益を説く
・コミュニティと選民思想で信者を幸せにする
  
反原発、反福島で放射脳を煽ることがら始め、
今は、”金よこせ”と歌い踊りながら、権力による搾取を訴える。
世の多くは権力に飼いならされたバカ。
松竹梅のランク別のお布施で、党員資格を得られる。とも見かけた。
 
そのくらいヤらないと。 
ありがちなブーメラン的批判と区別がつかない”政治屋の一掃”。
 ヌルすぎませんか?
そんな主張なら、カミツキガメで充分だよ。 

まあ、”一掃”といって、
次の選挙で候補者多く立てたかったのだろうけど、
何度も擦られたようなスローガンで、多少有名なくらいでは、
アマ過ぎ。
見通しが、時代認識が。
プロセスを無視せず、一旦は山本太郎元タレントを見習うべきだった。 
 
市長を辞めては、
 議会という劇場も、
 市議たちや地方紙記者という名脇役も失う。
後退してからのスタートなのだから、
教祖誕生からの新党立ち上げであるべきだった。
 
スローガンも、”老害から現役世代へ再分配” だったらなぁ。
石丸劇場の対立軸は、
 シガラミ無しvs既得権益ズブズブ 
ではあるのだけれど、財政再建では、成果は出せなかった。
 老害の搾取vs現役世代の負担
だったら、分配の配分を変えてゆくことで、成果を謳えた。
黒字化できなくても、中身は全然違う。
ま、元明石市長に社会保障の重荷を指摘されているようでは、ブレインが駄目。
 
2期目もチャレンジして、
 市議選で多数派になり、子ども支援の成果を挙げる。
  or
 既得権益に市長の座を追われる。
仮に負けても、その方がストーリーとして優れていた。
十字架からの復活はあったのに、、
ここで地元を捨て東京に転身しては、
物語が圧倒的に弱く、一貫性、持続性を失う。一発屋に終わってしまう。  
参謀が老害では、致命的に無理。チャンスを逸してしまった。
現役世代の教祖になる世界線はあったと思う。 
 
 
ただ、本人は嫌がるだろう。
自己愛からバカを演じられない賢さがネック。
”打倒老害”と念仏を唱えながら、踊るとかプライドが許さなさそう。
TVカメラの前で、大道芸人に成れなかった。
資質が政治家にも役者にも向かない。コメンテーターが似合う人。
同じ金融出身の政治家↓でも対照的。

薄味政治評論家かつ、投資家にして起業家。みたいな秀吉タイプと比べると、
前安芸高田市長は光秀っぽい。秀才だが明るくない。刺々しい。
 
 
大事なことなので、まとめると、
 社会の不満を、
 わかりやすく、(ワンフレーズ尚可)
 現世利益を訴え、
 コミュニティと選民思想で救済。
 
適切な目標設定と、負けを許容できる資質があれば、、
ま、本人は現役世代のアイコンに成る気はなさそうだし、
かといって、
政治の腐敗を批判しても、
自民党に投票しない理由にしかならない。野党に投票する理由ではない。
清濁よりも、有能無能の差の方が、有権者の受益に相関高いと、
もはやバレている。
キレイでも無能には、もう日本人は懲りている。そんな余裕は無い。
 
 
根幹のコンセプト設計で失敗してしまった。ターゲットはそこじゃない。   
”お片付け”の意味を、世代交代に出来なかった。
  
目標設定あってこその成果で、
その評価の数値は財政再建でなくて良かったのに。

ドラッカーから”成果”を学び直すのはタルいので、手っ取り早く。

仕事で失敗したければ、目的を忘れ去ってやればいい
ここから、「仕事で成果を出す」ということに対して一つの教訓が得られる。
〝何のために〟が分からないままにガムシャラに働いても、成果は決して出ない。

〝目的をつねに意識の主軸に置けば、仕事は成功する〟
〝何を〟ではなく〝何のために〟から始めること。
最初の「目的」が明確であれば、そこに目がけて仕事のやり方を最適化し、成果に直結させることができるようになる。
目的を頂点として仕事を駆動することが成果創出の原則であり、「目的ドリブン」で考えることのエッセンスはそこにある。

汚くても無私でも、有権者の受益に大差ないのであれば、
別の違いを見つけないと。

「もし、その仕事がなくなったらどうなるか?」 
僕らが仕事に取り組もうとするとき、その仕事は何かしら新たな価値をもたらすものだ。この事実を裏側から捉えると、その仕事がなくなれば、失われる未来の価値があることをも意味する。
もちろん、ここでいう未来の価値とはその仕事の目的に他ならない。そのため、「その仕事がないとしたら何が価値として失われるのか?」と問うことは、仕事の目的をあぶり出すためのもう一つの切り口を与えてくれるのだ。

もし石丸市長が居なくなれば、現役世代がより不利になる。
それさえ旗印にできればよかった。
顧客の創造に失敗してしまった。
対象領域を間違えるのは、戦略の致命的失敗。
 

コトラーポーターの訳文の方が読みやすい記述。なのが辛い。
ので、動画の要約に頼ろう。

・優れた戦略にはストーリーがある
・ポジショニングと組織。強みに2つあり
・コンセプトが第一
・一貫性ある異端のストーリー
 
 汚職スキャンダルでピンチな地元のため、エリートの職を投げ打って市長当選。
 既得権益ズブズブで老害な勢力に、嫌がらせを受け続ける。
 妨害に負けず戦い続け、財政再建、地域活性化を図る。
 劇場化により税収増。
事実に関しては諸説ありましょうが、ストーリーとしては完璧でした。
が、任期途中で東京へ転身となると、
ストーリーが無い、一貫性が無い。キレイなだけでは希少性無し。
そもそも橋本維新と太陽光パネルはクリーンなのか? 参謀さん。
 
で、
社会学者を名乗る質問者とTVで対峙して答えられない。
 ”この人でいいのか? 政治や行政を任せていいのか?” 
というリトマス紙を果たすのがメディアの役。たまには良い仕事。
橋下徹元知事のようにテレビ出身でなかった欠点も露呈。


ましてや経済ニュース番組の元キャスターとは、月とスッポン。 
 
担いだ側のコンセプトの甘さ、ストーリーの弱さ、戦略の無さ。
どんだけプレイヤーが遊説しても、水泡に帰す。
なにより、時代感覚がズレている。これが致命的。
 
個の時代はとうに終わり、今は集落の時代。(byキンコン西野)
今の時代に必要な二つの能力

で、この「集落の時代」を生きる上で必要になってくる能力は二つあると思っていて…
まず、一つ目は「あやかる」という力ですね。
すでに存在している「大きなエネルギー」を拝借するという能力ですが、これ、出来そうで、多くの人が出来ないんです。
プライドが邪魔をするからです。
-中略-
この整理がついていない人や、ついていてもプライドが邪魔をして「あやかる」ことが出来ない人にとっては、集落の時代は、かなり生き辛いと思います。

力を合わせないと生存できない」というのが集落の時代のルールなので、コミュニケーションがメチャクチャ大事になってくる。
その時、「暗い」というのは最大のネックで、暗い人って、話しかけようとは思わないじゃないですか?
たとえば、「お前、ここが間違ってるよ」と指摘した時に、「確かに!なるほど!やっちゃった〜!」という人と、「あぁ」という人とだったら、もう、後者には二度と指摘はしない。
すると後者は「個人」で生きていくしかなくなってくるわけですが、個では生きられないのが集落の時代です。
なので、「暗い」というのを「性格」として捉えない方がいいと思います。
私、「性格が暗いから」としてしまうと、もう、なんか変わらないものになってしまうので。
「明るさ」というのは、集落の時代に参加するドレスコードのようなもので、つまるところ、着飾っていいと思います。

都知事選2位3位は、攻撃的でいつも怒っている印象。
山本一太知事が言うように、暗い。
プロデュースというか、これじゃ今の時代に勝つ要素が無い。
  
”次の石丸伸二”はもっと若い世代と組んで、(本人の再チャレンジの可能性もあり)
安倍元首相のような最期を迎える覚悟で、現役世代の偶像に成ってよ。
潮目の変化に聡い人、バカになれる人。
アップデートされた次の人。
  
 
個の時代から集落へ。 

君の未来に繋がる、屋根の下。ともに暮らそう、暮らし安心。 
メッセージは、こうでないとね。 
 
 
2024.07.20現在
先週は下落前に買い玉(現物)を少し損して整理。
直後に、バイデン政権の対中国へ半導体制裁の発表から暴落。
中心線(20MA)へ刺さる大陰線。ここで利確。
その後は、-2σまでの下落を想定し、売り玉を再度建てる。
が、N字に回復も否定出来ず、保険で買い玉も建ててしまった。
一旦の-2σタッチと想定し、若干残しつつ買い玉整理。
どうやらトランプ勝ち確と、ニュース聞きながら、
NYの陰線を眺め月曜を待つ。 

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