JAL再建の真実 読む

ども、今日のバンコクは幾分、涼しいかな。
疲れているのか、ここんとこ爆睡しています。
 
今日は、カオサンの古本で買った本、紹介します。

力作です。一読の価値ありです。

タイトルと内容は若干ずれてて、
再建の真実というよりは、迷走の真実でした。

著者がJALの年次報告書に疑念を覚え、
取材を重ね、経営の実態に迫る第一章。

 なるほど、粉飾ってこうやるんだ。
 
 簿外債務って、そういう使い方すんのか。
 リース契約や退職金積立不足とか。
 
 架空の利益を計上し、そのツケは機材調達に上乗せ、
 資産計上するが、償却時にキツイ、意味のない先食いだが、
 当面黒く見える。
 
 火の車の見方としても、参考になった。
 
 
自主再建、最後のチャレンジが第二章。
 
 経営陣や社員も必死に努力した人もいた。
 しかし、問題の本質からどこかピントがズレてる。

 監査法人や銀行が見放してく様が生生しい。
 
 前安倍政権下での政策銀の民営化のトバッチリで、
 JAL問題を大きくしたい財務官僚が再建策をつぶし、
 却って、JALは潰せないと安心させてしまう。

 最後は、リーマンショックがトドメを刺す。
 
 やっぱ、
 日本人はハードランディングが好きなんだと思う。
 
 
第三章は、民主党政権下のJAL迷走、
とりわけ、当時の前原大臣の発言に翻弄される様を、
怨念を込めて描いている。

 「決めるべきことを決めるべき時に行わず、
  喉元過ぎれば熱さ忘れ、
  次のリミットまで何もしない。」
 
 当の民主党議員の言葉が的確である。
 
 やっぱ、
 ハードランディングが好きは、民主党だけの体質じゃないと思う。
 オレの中にだって、そういう部分大きいもん。
 
 
ついに、再生機構主導による法的整理決まる。
稲盛会長就任以降のV字回復の様子が第四章。
 
 様々な優遇策を受けて、ようやく再建への道筋が。
 民業圧迫の指摘もあり、ウィルコムと稲盛氏の関係もあり、
 問題も多く指摘さえているが、
 それでも、二次破綻を避けられたのは奇跡的である。
 
 JALが弱った間にLCCも参入して、
 これから更なる自由化の後、どうなるか分からないが、
 それでも奇跡。
 
 法的な強制力のある整理と、資金の確保。
 更に見識ある強いリーダシップがなければ、何も進まない。
 それは、
 ハードランディングという時を待たねばならぬ。
 
 
 
この前の帰国の時に質問された。
「外から見た日本って、どんなことが気になりますか?」
 
「ソコはそんな心配しなくてもイイ。
 逆にソッチはもっと心配した方がいいんじゃね。」
って、ことかな。
なんかポイントがズレてる気がすんだよね。

そんなこと答えた。
  
 
ハードランディングすることに、不安を覚えても無意味だし。
その不安を本気で深刻に感じる人は、もう既に逃げ出してるだろう。
 
で、ハードランディング後には希望を持てるし、
それを必然のプロセスと受け入れるなら、不安に思う必要は無いよ。
 
ただ、ハードランディングするってことは、
今までの考え方が通用しなくなるってことだから、
今不安だと思ってる、その考え方自体が通用しないこともある。
そういう想定がまるで無いってのは、手落ちだと思うよ。
 
 
火の車のときでも、JALの労組はベースアップ要求してた。
それ、何かズレてるよね。
 
 
放射能の危険だけ取り上げ、処理のプロセスに口をつぐむ彼らも、
日本の財政危機とキャピタルフライトの話を嬉々と聞く彼らも、
 
どこか、ダブるんだよね。
片手落ちな感じが。。 
  
それと承知でそれにつけ込む人もいそうなところも、、

今回の帰国で、
日本はハードランディングを選択したって、

そんな確信を得たのか、
総て、根拠を明確に説明するのは、完全じゃない。
何故、そう直感してるのか、分かってない部分も正直ある。

それでも、
ああ、こういう方向、日本は選択するんだなぁって、
納得する瞬間が何回かあるんだ。
   
 
それは心配というよりは、安心の方が近い。
それなら、それでいいじゃない。

その選択が気にいらない人は、ドンドン外に出ればいいし。
選択肢がこれだけあるなら、不安は無意味だと思う。

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