日本人論

ども、

こんな話をした。
バンコクはデモで、ヤなんでパススルーしようと言うワタクシ。
チェンマイの人は、彼らはルールを守らないという。 
民主党は、選挙では勝てない。数で勝ることはない。
だから、これからは司法や軍の中枢に人材を送り込む戦略を取るだろう。
来年は誕生日があるかどうか分からない。
そうなったら、この国のガバナンスは力だけになる。
 
ショートカットな近代化とガバナンス不全は、いつか見た光景。
 
 
こんな話もした。
当地の日本人にとって、貢献党政権はマイナス。
お膝元だから、なおのこと、発展に伴う価格上昇は痛い。
ビザ代だって上がった、富めるものから取り、最低賃金も引き上げた、
円安は彼らのセイではないが、物価高もバーツ高も、日本人にプラスは無い。
最近売りに出る出るコンドは、1千万円超えちゃう。
もうちょっと手頃な方が、日本人には良いんだが。
 
まあ、世界はフラット化するように出来ている。
 
 
秘密保護法案は成立した。らしい。
もうちょっと、国家機密と法規定のあり方について、
議論して欲しいと、いち日本国民(国籍は日本のママだ)として思う。

反対意見の多くは、
OSが一世代前の、VS権力というフォーマットでしか語れない。
 
マスコミ、政党、国民に、ガバナンスは期待できない。
官僚に託す方が、まだマシか。
 
 
そんなこと、考えていて、フト日本人論を聞きたくなった。
キンドルがセール中とのことで、2冊買って読んだ。
 


 
 
最初は山本七平から、
明確なゴールがありレールが引かれていれば、
無類の力強さを発揮するが、
自律的なゴール設定は苦手で、問題解決より精神論に終始。 
危機においての脆さとノープランさを指摘している。
 
旧軍のソレは、西南戦争当時の西郷軍と精神の酷似を指摘するが、
似たような光景は2013年現在でも、ありふれたものである。
 
これ読んでて、漫画のワンピースを何故か思い出した。
辛いなぁ。

まあ、それが天皇制に因るものなのか、仲間かはどうでもいい。
帰属意識と精神主義と個人の能力で、
計画性も、戦略も物量も、合理を凌駕しようという精神がキツイのである。
 
 
だだ、ここに書かれていることが、日本人固有のものかは不明。
歴史のトレースであって、他者との比較は少ない。
 
 
むしろ、古い価値を捨て、急激に近代にキャッチアップしようとして、
見えない部分でヒズむ。
張子の虎のようなことって、今ミャンマーに行かなくても、
至るところで、目にすることは出来る。
 
 
で、橘玲を読む。
渾身の力作である。納得することばかり、 
驚いたことに、結論が極めて常識的であること。
 
 
ビジネス上、日本人から非難の受け入れなかったタイ人が、
ラオスでビジネス始めて、全く同じ非難をラオ人に向ける。
まあ、大丈夫という言葉は挨拶みたいなもんなのだが、
 
ある日本人の父兄が、言ってた。
タイだと分からなくても、先生に質問しない。それは教育上困るんだよね。
 
欧米視点での日本人論と、実はそんなに変わらない。
日本固有の日本人論なんて、あんまりなくて、
ローカルルールと近代のせめぎ合いは何処も同じ。
 
ヨーロッパは近代を迎えるまでに、多くの時間を費やし、
アメリカはゼロから近代を始めた。
 
いきなり、ちょんまげ切り落とすのは、日出る国から西は以下同文。
で、
 
著者は、グローバルルールとローカルルールの対比、
もう一つは、市場(交換)と政治(支配)ルールの対比で説明する。
 
グローバルと市場のルールが最終的に世の流れであることは避けられないのだが、
人間は簡単にキャッチアップできない。
 
今、ワタクシ達は、その狭間に居る。

外側だけ、受け入れて、ローカルな帰属を失い、
現世利益だけが残ったのが、日本人の特徴だという。
 
いつも、自助の国っていう、
助け無いくせに、他者への視線は粘っこいって、
人間関係のコスパ悪いよねって。
 
著者曰く、
「得するのは好きで、損するは嫌い」が徹底してる。
だから逆に、同調圧力のようなチカラで辛うじて社会を維持している。
会社のような帰属先を憎みながら固執する仕組みだそうだ。
突出して現世利益な人達なのだそうだ。

だた、この社会では、自己責任は無いので、ガバナンスは効かない。
法の元の有限責任は存在せず、無限責任しか存在しない。
近代の哲学は内部になく、ただ損得だけは厳然と存在するのだから。
結果、責任は誰も取らないか、スケープゴート的なバッシングかの二択。
 
ま、ホリエモンでも、オリンパスでも、原発でも、いじめでも、
与沢翼が運転手殴ったでも、
 
同じ構造しか見ることは出来ない。
 
実は、それなりに勝ち組な投資家達が、
プライベートな資産拡大にしか興味ないことへの違和感も、
多分、同じだと疑ってるワタクシは。 
 
おっと、話を戻すと、
日本人の際立った特徴は、
崩壊した伝統的な帰属(無縁社会)と極端な現世利益主義だという。
 
災害に直面して整然とする被災者と、
マネージメント不在な危機管理は表裏一体だという。
 
まあ、納得出来る話である。
いつも見ている光景を実に明快に説明してくれる。
で、更に、政治思想は、
リベラリズム、リバタリズム、コミュニタリズム、功利主義の4つらい。
 
功利主義はホリエモンやキュウべえで、あまり受けがよくない。
右も左も、帰属が好きだから、実は同じコミュニタリズム(地縁、血縁)らしい。

小泉純一郎、橋下徹はリベラリズムで彼らが人気高かったのは、
日本人が極めて個人主義的であることと無縁ではない。そうだ。
ま、グローバルのルールや市場主義を重んじる、原理主義者だ。
相続税100%のベーシックインカムとか言い出されたら、
左派結局口をつぐむしかないという。
 
著者曰く、現在の結論は、壊れゆく政府の解としては、
グローバルと市場のルールを中心として、ガバナンスの徹底らしい。
 
 
で、それおも包含する可能性があるのが、リバタリズムで、
それは国家の枠に囚われていないからだそうだ。
行政改革でなく、国家の民営化、
日銀法改正でなく、紙幣発行の自由化、
そういうことをいう人達が、自由主義者らしい。
 
ま、どこに住んでも政府はもうグーグルでいいし、
自分通貨発行の時代はもうすぐだし。
極めて、普通の着地だと思う。
 
 
その後、この本は、ネットの時代になってからの、
貨幣経済から評価経済、いいひと戦略、自分の気持ち至上主義に言及して、
次の時代の希望に言及する。
 
極めて、普通の着地だと思う。
 
 
で、
あとがきに驚いた。
 
著者は小学校時代の経験から、この社会への違和感を強烈に記憶する。
エイリアンの感覚。
 
そして、この本を書き終えて知る。
そんな違和感を感じる自分こそが、まさに日本人なのだと。
 
 
ま、結論は極めて普通で、
人類の歴史と、現在は転換期にあり、日本はまさに日出る国。
そんな話なんだけど、
 
元気出して、生きてゆこうと思った。
 
 
BGMは、

射手座の時代は、哲学を生み、ギリシャローマや諸子百家で、人類の知恵は出尽くした。
山羊座の時代は、科学を生み、軍事や金融というチカラが支配する。

水瓶座の時代は、世界をフラット化の波が覆う。ネットが普及した後の世界。
それが、愛と調和を意味するのかどうかは、知らない。

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