書評 「孫正義の参謀」  前進してる頭の中を想像するに

ども、カオサンも、年末年始の観光客が減り、平常モードに戻ってます。
私は1月末の帰国に向け準備中です。 
 
ところで、衝動買いしました。フライングゲット気味に。

  
 
衝動買い今回は成功です。値段に見合う価値はありました。
 
孫正義社長は電力自由化を見据えて参入考えてるだろう。
何年掛かるか分からないが、
携帯事業の参入と似たような経緯になる可能性は高い。
 
目次を見ると、携帯にも、電力にも、言及してる。
未来のインフラの形態を予測には、良き資料になるのではないかと。
そんな期待を抱いて読みました。
 
郵政民営化の経緯、丁度思い出したので、タイムリーでもあるし。
 
 

で、
最初読み進めると、ややゲンナリします。
 
誰に会って、誰がどんな人で、どんな発言をしたか、
そんな描写が延々と続きます。
かいつまんで、要点を先に示してよ。
 
まあ、文句言っても今から編集し直して暮れるわけでなし、
要点と思うとこを、メモ書きしながら、読み進めました。
そうしないと、重要なとこと、些細なことの区別を見失ってしまう。

 
やはり、書き出すことは賢いですね。
全体の構成や、メモ書きで把握し、確認しながら読み進めると、
各キャラクターの心理や動きが分かってきます。
次第に、ドラマに感情移入できるようになってきます。
 
文章構成には不満もあるのですが、
文章を生業とした方の著作ではないので、
そこは気にすること止めて、メモ書きで補完することにしました。
 

 
著者の嶋聡さんは元民主党の衆議院議員。3期務めたそうです。
小泉郵政解散のとき落選します。
本人はそれまで民営化を説いていて、民主党は選挙では反対を訴えた。
その矛盾を突かれて負けたと、実に分かりやすく民主党らしい敗因を語っています。
 
それを期に政界を引退し、孫正義の参謀に就職するところから、物語は始まります。
 
 

読み進めると、
誰と会って、誰が何を言って、どんな反応をしたのか、
なにゆえ、そこまでこだわっているのか、理由が分かって来ます。 
著者は終始、ロビー活動の大切さを説きます。 
 
自由化、規制緩和に際して、新規参入する訳ですから、
権益でがんじがらめの行政と既存の元国営企業とのネゴシエーションが、
常に一番のボトルネックになります。
ロビー活動の重要性を痛いほど身にしみて知ってるということでしょう。
 
松下政経塾の出身で、生前、幸之助師匠は、
政治しか分からないのも、経営しか分からないのもダメ。と仰る。
まさに、それを地で行く展開です。
 
そういう視点で、どこが敵対し、どこと合従連衡し、どんな人脈を活用したのか、
苦闘ぶりがよく分かります。
 

 
しかし一方、こんな旨の記述があります。
孫正義は常に、スケジュールは逆算。未来予測からの逆算していて、
坂本龍馬のように、日本の未来を大局的に予見している、
その未来に間に合うように、今アクションを起こしていると。
 
一番知りたい、孫正義の頭の中なのですが、
参謀が書いたからか、企業秘密だからか、
断片的な記述から想像するしかありません。
 
 
インフラの基盤をNTTが握ってるということと、
地域独占電力会社の送電事業はとてもよく似ている。
 
許認可がお役所のさじ加減一つというところも、
ほぼ一緒のものになるだろう。
 
 
似てるかどうか分からないのは、
携帯キャリアのように全国一律のサービスでは、
日本の市場では三社程度しか残らないという。
電力は地域分割を前提とするのか、
スマートグリッドなどを強化して、送電ロスなくして、全国展開とするのか、
 
後者になりそうな気もするのだが、
再生エネルギーが大規模で安定した供給には向かない気がする。
それとも、蓄電技術に画期的な勝算あるのだろうか。
 
 
メガソーラーを手がけ、全量買取制度を民主党に取り付けたが、
上手くゆくようには見えない。
孫正義が単純に脱原発だからと飛びついただけとは思えないが、
 
携帯への参入をなぞるように、電力の参入を考えているのか、
違う形を描いているのか、頭の中は分からない。
 
 
次に、スプリント社買収にも現れるように、
近年はアメリカへの参入に注力してるらしい。
その前は東アジアを重視してたそうだが、転進したそうだ。
 
そりゃ当然だろと思うけど、
頭の中に描いた未来は、変化あったのか、無かったのか。
そこが知りたい。
 
 

どうも、今いまの段階では、場当たり的に見えるんだけどなぁ。
 
想像するに、敢えての再生エネルギーに拘る気がする。
それでも、メガソーラーみたいなやり方を最終形態と考えているのかなぁ。
今は、参入の第一歩さえ示しておけばいいと思っているのかもしれない。
 
 
ヒントになるのは、ボーダフォン買収前に、スティーブ・ジョブズに会いに行き、
iPhoneの権利を直談判しにゆく。
 
電力の分野でも、何か決定的な差がつくイノベーションを、
アメリカでもう見つけてるのかもしれない。
 
参入さえ出来てしまえば、数社しか残らない競争に勝つのは、
難しくないと思ってるのかもしれない。
 
一つだけ確かなのは、
ヤフーBBもソフトバンクモバイルも、インフラビジネスで、電力事業と似ている。
勝つ味を知っているのは大きな財産だということ。
 
 
僕が読み取れたのはそこまで、
 
 
ビジネス書として読めば、
 ボーダフォン買収のスキーム
 組織の刷新と統合
 総務省やNTTとの攻防、新規参入とはどういうことか
 ファイナンス
 シェア争いに如何に勝つか
 危機に動じない経営トップの人格
 卓越した先見性を生むもの
 
稀代の経営者の秘密の一端を垣間見ることができる。
 
 
自己啓発書として読めば、
トルーマン大統領の言葉、
 「一生の間にどんなことでも達成できる。それが誰の功績となっても気にしないのであれば。」
に代表されるように、 
大志を抱くことの楽しさ、大雪さを追体験できる。
 
 
ヒーローは時代の要請に応えて現れて、用が済むと忽然と消える。
何もヒーローになる必要はないけれど、
今、この時代に生まれて生きてる必然を意識するかしないかの差は大きい。

時代の端境期に生まれて、退屈しなくて、良かったね。
 

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