生態系を再考と 書評「自然はそんなにヤワじゃない」とか「金持ち税率70% vs みんな10%課税」

今は日本に居て、図書館にも行けるし、書店にもブックオフにも行ける。
農業修行オフにそんな時間が持てた。
生態系というものを考えるということは、どういうことなのだろう。

田んぼと耕作放棄地どちらが、「種の多様性」を確保してるのか、
ブラックバスは駆除したいが、鮭の稚魚放流するのはアリなのか、
 
ワタクシもウスウス、疑問に感じてはいたのだが、
エコな主張の方がエコそうだと、思考停止してた。
ワンサイクルきちんと考える順序を紹介してくれた、
良書に出会えたことに感謝したい。
 
 
 
5/26の夜秋田を出て、東京、柏、仙台を周り5/29の午後に秋田。
東北六魂祭見て、農業修行に戻りました。


今回も皆様、お世話になりました。
7末頃、遠征に行く予定です。次回もよろしくお願いします。
 
 
上野のブックオフで、

と、

を購入。
 
それぞれ、東京ー仙台、仙台ー秋田のバスの中で読んだ。

他にも印象に残ってるのは、柏の図書館で読んだ、

とか、
秋田の図書館で読んだ、

とか、
 
まあ自然農法の勉強する上では、生態系というものの理解は不可欠。かと。
 
逆に自然農法だからといっても、田畑であることに変わりなく、
それら用地は、作物を育てる為の人工物。
 
自然の力を上手に利用することが目的であるという、現実を忘れずに、
バランスを取っていく、
そのための情報収拾になった。
 
 
 
それはさておき、系統の違う「金持ち税率70% vs みんな10%課税」のレビューを。

 
そうそうたるメンバーにまずは目を惹かれる。
のだが、それは一旦忘れて、内容から、
 
「(アメリカ政府は)金持ちからもっと税金取るべきか」というテーマで、
最大70%まで個人の所得税の累進課税を強化すべし。
というのが、賛成側(クルーグマン、パパンドレウ)の主張だ。
主張の骨子はそのくらいヤっても、悪影響は限定的で、
その分を福祉とか、格差是正に使うことは、アメリカ社会に有益ということ。
 
 
反対派(キングリッジ、ラファー)の大枠は、
ホントの富裕層に個人所得なんて意味ない。税制自体を見直さないと回収率は上がらない。
社会保障については、税収増やすことより、非効率な行政を改革すべきだ。
一律にして簡素化する方が、本来あるべき社会の姿で、税収も増える。
 
 
個人的には、キングリッジ氏の言うことに一番共感はした。
税金というのは、懲罰的性質を持つので、個人所得だけに手をつけると、
頑張って働いた人が損をするということになる。
 
資産を増やしている本当の金持ちじゃなくて、
中の上くらいのサラリーマンを罰してしまう。
それは公平でもなく、良い結果を呼ばない気がする。

さらに、手軽な手段で税収上げる方法を政府が手にすると、
肥大化を助長してしまう。
 
 
ありうべき、系全体の姿を考えると、反対派指示なんだけれども。
賛成派のプランは簡単で、
このくらいならダメージは大したことなく、適切な格差是正に寄与する。
と言われたら、ゲームとしてのジャッジメントとしては、
そのプランは現状よりマシかどうか、
が賛成派に賛成できるかどうかが焦点になって、
賛成派の優勢という結果は仕方ないかと思う。
 
 
今の時代にあるべき姿の税制と行政に改める、と言うのは簡単だが、
何があるべきで、どう改革出来るのか考え出したら、
とりあえずお手軽で、今よりマシなプランがあるなら、
本質論だけじゃ、それ否定するまでは行かない。
逆にテーマが「一律の税率で公平な税制にすべきだ」だったら結果は違っていたかも。
 
 
そんな内容でした。
 
どんな内容に課税するのかってのは、
ありたい社会へ社会が向かうように、手段が選ばれた方がいいんだけどなぁ。
って、読みながらずっと考えてました。
 
消費促進したいなら、消費税率下げて、
稼いでも使わないで貯めこんだら課税強化するとか、
なんでしないんだろう。
タバコや酒が高い税率なように。
 
どういうふうに力を加えたら、どんな風に系全体に影響があるんだろう。
累進させるとヤル気失うかどうかという段階を一歩越えたところの話は、
されること希なのが、いつもさみしい。
 
 
まあ、
情報自身の生存は、マスへのウケに依存しているのだもの、
正確とか、有益とかでなく、環境に最も適合したものが生き残る。
この世はすべて適者生存。
 
 
 
で、生態系を題材にした本。

 
水は濁ってる方が種は多様。
琵琶湖で水質浄化が進むと、ユスリカ(ボーフラみたいな虫)が減少。
それを食べる魚も減って、漁業関係者に打撃となったらしい。
それまでは、ユスリカ夏に大量発生すると家の壁に汚く張り付くので、
人間様には嫌われていたが、何事も悪いことばかりではない。らしい。
 
しかも、ユスリカの成虫は飛んで陸で死ぬ。
窒素やリンなどの過剰な栄養を、
琵琶湖から陸に持ちだしてくれる希少な生き物でもある。
 
 
「エコ派だって、所詮人間の都合に過ぎない。」という批判なら誰でも思いつくところだが、
人間にとって都合がイイすら、一筋縄では行かない。
 
ワタクシ、そんなことはあんまり考えていなかった。
 
 
そして、そもそも、
水清ければ魚棲まずというように、
汚い水(過剰に栄養が多い)は生物の多様性を増やす。ことでもある。
 
人間も生態系の一部であり、人間の活動は一概に多様性を失くしてだけとも限らず、
どのような相互作用があるのか、多面的に考える必要がある。
と、著者は指摘している。
 
 
 
生存戦略の法則性についても紹介されてて。
生き物はすべからく、その生存戦略を駆使して、種の繁栄を目指す。
 
競争に強い生き物はストレスに弱く、
逆に、いろんな環境で生きられる奴は競争には弱い。
この法則により、多くの種が居る。
オールラウンドに強いやついたら、多くの種は淘汰されてしまう。
 
多産型は小型で寿命のサイクルが短い。哺乳類ならネズミなど。
子供を大事に育てるタイプは大型で寿命が長い、哺乳類ならクマとか。
 
 
この原則は植物でも生きてて、
荒れ地では最初、一年草が繁栄し、環境が改善しはじめると多年草が優勢に、
結果更に地中の温度や湿度が一定になり始めると、樹木が生え始める。
樹木も低木から順に推移して、森林となる。
 
多産小型から少産大型種が繁栄する環境に徐々に変化してゆくものらしい。 
 
 
 
人間による生態系の撹乱は少産大型種を減少させる傾向にある。
森林伐採とか分かり易い。
多産小型の種がメインになりやすいという意味もある。
空き地にまた、雑草が生え出す。
 
概して、小型の生き物中心になると、
食物連鎖は回数が多く、人間含め大型種の参入する余地が減る。
 
 
たぶんエコの問題は、
人間の活動の影響が、結果人間にとって好ましくない環境を生み出すこと。
として、捉えるということなのだろう。
 
 
全ての種に等しく恩恵を与えることは神様でも難しそう、
逆に人間にとって都合のよい種だけ残そうとすることも無理。
生態系はあまりに複雑過ぎる。
 
 
人間の起こす環境変化が急激ではあるけど、
それでも、生態系全体は新しくアジャストして均衡を保つのではないか。
ただし、環境に適合出来ない種は退場あるのみ。人類も例外ではない。
 
 
ま、結論としては、
主観に流されず、全体のバランスを意識して、
生態系の一部である人間が、遠く将来に渡り繁栄を続けられるように、
という視点で、考えるのが人間として適切。
ということ。みたい。
 
 
 
里山も田畑も人工物で、そこは自然と人間のせめぎ合い。
だから人間に有用であるような方向での手入れが必要。
 
自然農法で自給自足出来たらいいなと、目論んでる。
が、エコな思想強すぎるのも、ちょっとキツイ。
単純な勧善懲悪をやるには何処かで破綻してしまう。
 
一歩間違うと、
原発反対と言いながら、その電力でアニメ作りながら、
福島第一の事故のときに、反対のプラカード持って近所一周して終わる、
宮崎駿みたいな。
 
 
脱線したけど、
人間は人間の都合で自然を利用してること、自然農でも変わりない。
自然は自然で、その環境で生存競争繰り広げながら、
その時々で、均衡を保っている。
 
ワタクシもそんな生態系の中のワンノブゼムである。
 
 
原理主義は目指すところではない、
自分に最適な、自給自足な自然農法を獲得するに、
読んでおいて有益な一冊であった。

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