殺されたミンジュ 鬼才堪能。

蛭子映画見ようと予定してたが、時間的に無理。
代わりに近場で鬼才キム・ギドクを観た。初キム・ギドク。

賛否あるようだけど、観て損は無い。
 
 
束田先生のセミナーの後、まだ時間は大分ある。出発は真夜中だもの。
映画でも見ようかと予定していたのだが、新宿に間に合わない。
 
とりあえず、八重洲で本を買って、
電源フリー、WIFIフリーのブックカフェ、Happy Science Cafeに。
で、近場で夜上映してる映画探してみた。
 
これは面白そうと、有楽町駅に向かった。
 
鬼才キム・ギドク監督のことは、
ライムスター宇多丸の映画評で知った。
 
あと、これとか。
 
 
グロくて独特な表現が得意で、韓国社会をえぐるような作風。らしい。
 
で、期待して観た。
期待に違わず、初キム・ギドクは満足だったボクは。
が、映画ファンの間では他のキム・ギドク作品と比べると不評らしい。
 
曰く、
 撮り方の雑さ、
 お説教臭いセリフでのメッセージ、
 一人八役も成功してない、
などなど、

たぶん、他の作品はもっと完成度高かったのだろう。
でもまあ、
スピード感重視で、ワザと荒っぽく雑に撮ってるのはアリだと思ったし、
説明的なセリフのメッセージはベタな韓流って納得してたし、
一人八役もよく分からないまま気にせず観てた。

 
気に入らないところは、
「民主(ミンジュ)」ってそんなに理想化したもんでもないよ。
殺すより、拷問の方が端から残酷で非人間的じゃん。
もっと狂信的な人に描かないと逆にリアリティ無い。2016年の日本なら。
ま、多情多恨は正に韓国社会って、ことだけど。
 
気に入ったのは、
フェイクというモチーフで統一されてるそのギミック。
ホントに痛そうな殴る音。
キャラ立ちと役者さんの演技。
スピード感あり、邪魔しない演出。
 
 
MJお薦め映画で、これオレも機内でちょっと観て断念した。

演出がダサ過ぎ、脚本が乱雑過ぎ、
テンポは悪く、情報量だげが多い、
役者達はこれ以上ないほどの出来なのに。
 
その逆で、陳腐だったり、雑なところあっても、
退屈はしない2時間だったよ。
 
 
 
ストーリーは逆七人の侍みたいな。(ネタバレ)
ある少女が国家機関の手により惨たらしく殺される。
(理由は最後まで明かされないが、たぶん機密漏洩的な。)
それに義憤を覚え終結した7人の集団。
彼らの日常は、鬱屈した社会の底辺を這いまわるものなことが徐々に描かれる。
少女ミンジュを手に掛けた側の司令官から実行部隊のこちらも計7人を、
下っ端から順に一人づづ拉致、拷問し、自供させる。(基本殺さない)
 
国家組織の側は、各人組織の仕組みに責任転嫁しながらも、
やむを得ない措置だったと信じてる者も居る。
 
逆七人の侍側は、最初は社会の理不尽さに憤り結束しているが、
段々とリーダーの残虐性がエスカレートしゆくうちに、
メンバーは自分達の側の非人間性を自覚し、内部分裂してゆく。
リーダーの動機が義憤よりも愛する者を殺された私怨であることも最後に分かる。
 
まあ、
組織ってどこか非人間性を獲得しないと、適合者には成れない。
結局その非人間性を否定してても、自分が組織すると、何処も同じ。
情で崩壊してゆくのは、如何にも韓国らしい。
 
7対7な内容だが、原題は「One on One」
目には目とか、因果応報とかの意味合いがあるのかな。

リーダーがネットでISの画像とか観てるのだけど、
社会への不満や、私怨だけでは、そもそもああは成れないよな、
もっと自分の良心を騙す、正当化する理由がないと。
政府の側には国家の大義があり、彼らに希薄。
不満だけでビジョン無ければ滅ぶだけ、だからISは厄介に蔓延る。

この作品は2014年韓国だけど、
2016年の世界なら、テロリストの正義に心馳せてしまうね。
現実は映画より凄惨だもの。
 
拷問は怖いな、パキスタンでスパイに間違えられたときの感覚を思い出したよ。
 
逆に韓国って視点で言えば、
日本は水平な同調圧力だけど、韓国は硬直したヒエラルキー。
より多様性ないから、自殺率No1の座を明け渡すことに成功した。
 
 
キム・ギドクの最新作はフクシマを題材にしてる、
日本での配給決まってないが、機会あれば観てみたい。

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