土曜の朝は本業。柏の帰りに新宿に出た。
キムギドクの新作を観るため。
らしくなく、ストレートに作ってる。
国家が運命に翻弄される個人を絡め取るって、ストレートに観るのはちょっとなあ。
経済壊れたら全て終わりってラストが暗示してます。
今年どうでしょうね統一遠くないかも。大変だけど。
この映画1800円以上あると思うかどうかは、南北分断への移入しだいかも。
オレはプラスだったよ。
運命に翻弄される悲劇の人にだけせずに、
複数の視点それぞれ納得出来るところが流石です。
以前、ミンジュ観て以来のキム・ギドク。
年一本のペースで規則正しい生活。
2014年と16年の間のフクイチをテーマにしたやつは福島県民は観れないのかな。
と思いつつ、新宿の小さな映画館で2月までしかやってない。
折角の東京への出稼ぎ生活ですから、チャンスは逃せない。
つくばエクスプレスで秋葉から中央線、午後の部には間に合うだろう。
お昼どき駅出てすぐの映画館は地下。切符買って、2時間弱余裕か、
「この漫画が凄い2017」は「トネガワ」圧倒的な面白さか、妥当だ。
って、時間潰して、小さなハコはほぼ満入り、予告編短いのもイイ。
字幕は南北の言葉の違い、苦心して表現しようとしてたみたい。
オレ言葉まったく分からないから、そう想像するしかない。
ただ、標準的日本人より、南北分断の雰囲気伝わるのは、
ベトナムで暮らしたから。
言葉も微妙に違うし、昔は同じ民族で南北に分かれて殺し合ったところだ。
南の方が豊かだと思う。
インドシナな半島の方では、北の戦車が大統領官邸に突っ込んで統一成ったけど、
複雑な感情と現代性。今味わっておくべき映画だと思う。
株式会社アメリカのプレジデント次第では統一というか混沌の始まりかもしれんから。
話は公式とかにあるとおり、
北の漁民がエンジントラブルで南に流されてしまう。
スパイの嫌疑掛けられ南で拘束され、北に戻っても尋問は厳しい。
どちらに肩入れするでもなく、対称性に神経払ってた。
哀れただの漁師の話に出来るところ、
それじゃ、疑われてもなぁ。って思えたり、
そこで、それやっちゃ弁解できねぇよ、とか、
それ持ち帰るのは、見つかったら、そりゃダメだ。
って、意外と運命に翻弄されるの偶然とだけは言えない。
ステレオタイプな話にだけしないところは巧みです。
どの視点も、それはあり得るよなって思わせるのは、才能。
ベタに見えてベタやらない。
で、南北分断って、こんな感じだなぁーって思ったり。
ミンジュ観て、尋問と拷問は健在だ。
バイオレンス隠しても、あの圧迫感はさすが、
スパイに疑われるのはイヤだなぁ。吐けと言われても、吐くものがない。
拷問されずとも、何でも吐く気マンマンなのに。
北でも南でも、なぞるように一緒なのが、この映画のいいところ。
脱北させようってのも、また洗脳。
国境で睨み合う国の安全保障は、主義主張は関係なく、
何処も同じなんだろうインドでもパキスタンでも、
民族同じなら尚更厳しい。
オレなら何でもゲロするけど、
映画の主人公は微妙に供述できないことがある。
ここで余計なことしなきゃいいのに、って思うから、
疑う側に感情移入できてしまう。
北の方がカネに汚いのも、憎く思えないんだよ。不思議と。
人間ってそういうもんだよなって、むしろホッとしてしまう。
実際は、
警察はカネでなんとかなっても、公安はシャレが効かないもんだと、
乏しい経験からは思うけどね。
どうでもいいけど、中国とベトナムって、
世界で1,2を争うほどお金が好きで資本主義的なのに、
共産国家名乗ってんだろう。
ムリはいつまでも続かないとは思うけど。
個人と国家の対比の前に、
経済が壊れたら終わる。個人でも国家でも。
違うように見えて、実はあんまり違いはない。
オレは、
反政府、反資本主義的なこと言いながら、投資する人がキライだ。
賢くても、人当たり良くても、一番キライだ。嫌悪する。
田舎で農業と公務員しか知らず左傾化する人よりも、
都会から田舎に移住する人がアレを立憲主義といったりするのよりも。
反対しても暮らしてる以上は、便利に負けるのはまだ許せる矛盾。
だけど、投資まで頑張ろうとしてて、それはないだろ。
労働こそが美徳じゃないの。
まあと、
投資での成功が結果として、家族のシアワセに繋がらなかったり、
子供の教育振り回すだけで、
カネで見識は買えないって感想も、不幸なことだと思う。
何故か、この映画観て、
そんなこと思い出したよ。
ホテルの一室で私服二人組に受けた尋問のこと、生生しく思い出すかと思いきや、
よぎるのは、そんなことだった。
国なんて、経済壊れたら終わり、
戦争は情報で負けたらそれまで、宣伝合戦はいつも大事。
疑う側の人々に感情移入と矛盾感じられたら、
この映画、面白いと思う。
それが長所でもあり、デメリット。
ま、半島の問題に何の関心もなけりゃ、観に行かないだろうけど、
そこ、ピンとこないと物語平板に感じちゃうかも。
そして、シナリオのアラに見えちゃうのは、
公安がユルすぎる。そんなスキないんじゃない、個人の裁量もなく、
ガチガチじゃないかなぁ。警察じゃないんだし。
全部ガラスばりでピリピリ監視してる気がする、だって直轄だもの。
ま、そうしないと物語転がらないし、
あ、ただ、スパイと知らずにスパイ役してるってのは、リアルっぽい。
日本にも、万はどうかしらんが、
千のオーダーでは普段は普通に暮らして人いるらしいし。
必ずしも、自覚的とは限らないケースもあるらしい。
だから、
蓮舫さん間抜け過ぎてスパイの役果たせないってのには賛成しかねる。
知らずにクスリ運ばされてるみたいで、
そこは不注意じゃすまされねぇよ。
そこが疑う側に視点行くと、映画としては楽しめるんだが。
役者の顔があいかわらず暴力的で素晴らしい。
やっぱ、この監督の特徴は役者の顔だよな。
顔の個性がイイ、
冷酷は冷酷、陰湿は陰湿なフェイス。
小役人は小役人の顔。
ああまたこの人出てんのね、って思いながら、
その役にその顔は絶妙だなって。
で、毎度の尋問と拷問。
残忍で痛そう。でもときどき痛快。
相反する感情を同時に描くのとても上手いよね。
ま、だけど今回はストレートでおとなしめ。
そこは短所と受け取る人もいるだろう。
オレにとっては、1800円の価値は充分あったけど。
どこの国家に間借りしながら暮らすかは、
選ぶ自由があるオレだ。
自分の経済は自分で守らなきゃね。
自由ってそういうもの。
そう思って、映画館の階段を登った。
平日は不自由だが、いま土日は自由の身。
柏の方では、ワタクシのミスからの管理契約見直し、お願い事項を増やした。
ま、またいずれ書くとして、
目先の費用ケチらない、しかしやることやらないことハッキリ。
管理は良いが問題は募集だな。
募集はフェアじゃなきゃ、募集会社さんに申し訳ない。
でも、他で決まったら管理会社さん喜べないんじゃ、イケないかな。
それでも目出度くて、自分が決めたら尚良しじゃなきゃ。
金額としては、微々たるものでも、
ルールとして、仕組みとして、経済じゃなきゃ、いかんよね。
大事なことは、一ヶ月でも早く埋めることなんだし。
そこ同じ方角向いて、みんな幸せになるのが経済。
首都と北の片田舎。
どちらの生活も充分に満喫しようと思った。
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