とりあえず、主演の仕事だけでも1800円の価値はあります。
やりたいのはサスペンスというよりもうちょっと精神性に寄ってるんだから、
そこ汲み取らないのは、安い調味料の味好む味覚みたい。
折角東京に居るので、映画見るようにしてます。
その前に見た映画、楽しめたのですが、うーん、いずれ書きます。
なんかもう一本見て満足したいなと探してて、見にゆきました。
今回、メジャーな作品見て堪能。賭けに勝った!
なので即書いてみます。
宇多丸さんのレビュー、ネタバレ直前まで聴いて、そこで止めて。
観てから残り聴くことにしました。
メジャーだから仕事終わり近くの映画館でもやってる。
宇多丸さんの言葉、
「トラウマにどう対処してゆくのか」という精神的な部分への言及が、
ワタクシをして、仕事終わりの一時映画館へ足を向けさせたのですから、
その部分が鑑賞に耐えるかどうかが、ワタクシにとっては一番のポイントでした。
で、主演の素晴らしい仕事もあり、その賭けに見事勝ってくれました。
逆にそこに鑑賞のポイントが行かないと、
サスペンスなお話としては単調という否なりがちかな。
人格が主に4つくらい、23ないじゃんっていうのは、
なんかお子ちゃまなツッコミだよね。
そりゃ、ビリー・ミリガンなモチーフ的なことで、
何にでも醤油かけんなよ。
心的外傷に対して、どんなやり方で自我を守ろうとするのか、
その存在証明と内的なサバイバルの話。
仙水というよりは、吉良吉影かな。
このような人格が形成された背景を書こうと思えば書けるけど、
それやっちゃうと、Jojoとは別の話になっちゃうから、
ってかんじのこと荒木先生言ってたけど、
その別の話な感じ。
みんなが車座に座って、中心にスポットライトが当たる。
光当たる中心に立った人格が表に出てくる。
オレ連想したのはコレだった↓。
多重人格モノって難しいのは、
わざわざ導線そっちに向かってるよって収斂するように書いてんのに、
オチが唐突だと思う人いんだよね。
今どきそれヤルんだから、
それ自体をオチにしてる訳ないじゃんって、とこがねぇ。
ま、とは言え、
宇多丸さんも指摘してた、脱出劇のバランスがヘンとかは言われても仕方ないのか、
オレは気にならなかった、というか、
ヒロイン役のベッキーの器に能年玲奈を注入したような女の子と、
他のいろいろと軽そうな女子高生との対比を印象つけるに必然あったとも思ったくらい。
幼年期からの心的外傷抱えつつ、
どうサバイブしてくんもんだろう、
って二人の人間とそれぞれの人格について考えるにはいい時間だったとも。
中日監督時代の落合みたいな怖いデニスも、
守ってゆくには、こういうハードな人格なりの正義について思い巡らす程度には、
説得力あったよ。
ま、鑑賞って結局我が身をなぞるようなもんだね。Eカードの読み合いみたく。
ああ、でも無関係の人に害及ぼす存在になるくらいなら、
原因たる人物殺して、自分の人生に決着つけなきゃな、
って思えるオレなんだから、アッチに行かなくてよかったなって、、
なんともほろ苦い気持ちになったよ。
オレ、バカな大人って心底嫌いで、それってやっぱトラウマなんだなぁ。
この映画でも二人居たよね。
ベッキー風のんちゃんの父親とBBA先生。
被害を防ぐことが出来たかもしれなくて、かつそれが唯一可能性ある人。
バカな大人ってホントどうしようもねえなってやっぱ嫌悪感抱くもの。
ネタバレになるけど、BBA先生は賢いけど愚かで、
危機管理能力がゼロ。鈍感なせいで何重にもミスする。
BBA先生がやられるシーンはカタルシスさえ覚えてしまったよ。
中途半端な理解者くらいロクでもない存在もない。
この本↓に出てくる、偽理解者の大人を思い出したよ。
ダメさと偽善さと、
そう、中途半端な理解者は味方でもないし、救いにもならないから、
ホントに苛烈な存在だよね。
って、感情移入してしまったよ。
で、魂は救われないまま、何処へ行くんだろうって、
物語の着地気になりだすんだけど、
ネタバレはこの映画では良くないから、あんま書けないけど、
ええっ、そんな引っ張り方すんのかよ、このハゲ!
って感じでした、
ワタクシ、シャマラン監督作品見るの初めてで、
それでも充分楽しめましたし、
意味分からないとこはグーグル先生が後で教えてくれますから、
不自由感じませんけど、
カメレオン俳優とベッキー風のんちゃんの行方はオチつけて欲しかったなあと、
そこだけは不満でしたね。
まあ、続編では同じもん同士、何処で繋がって、どっかで救済されること期待します。
なんか取り留めない感想になってしまいましたが、
この映画。
サスペンスな娯楽としては単調って感じられる方が人生は幸せかもと思ったり、
折角地獄へ来たのだから地獄巡りって、
丸山ゴンザレスのように旅してこそ、って思ったりもします。
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