劇場でも笑いが起きてた、ボクも笑った。
取りに行って笑いを取れる映画って最近ないよな、洋画でもコメディー来ないし。日本。
三谷幸喜が今ひとつ映画向きでないこと考えると、稀有な存在、予算付きの次回作も期待します。
リアリティと舞台的演出のバランスが良く、かつテンポ良く見せるのが勝因と思います。
とりわけ、
松竹プロジェクト組の生活感あるキャストが上手にハマってました。
深海魚の妖怪のような内田慈さんとのコントラスト鮮やかでした。
同窓会ものなので、
ある程度の年齢イッた人なら誰しも共感できるポイント攻めるのも巧みです。
「松竹ブロードキャスティングオリジナル映画製作プロジェクト」(長い)という取り組み。
成功して良かったですね。ここから多くの才能が巣立って行くと良いですね。
洋の東西を問わず、オリジナル脚本で監督が好きに撮れる映画ってなかなかないもの。
松竹も育ててるんですね。
しかも、コメディー撮る監督ですから。珍しい。
笑いは一番難しくて、特に映画では。洋モノだってあまり来なくなっちゃった。
その中でオリジナル脚本でコメディ自由に撮らせるという機会があることが素晴らしい。
掛け合いで笑わせるには、
セリフ巧みで、かつ役者さんの間が良くて、
動きで笑わせるのは、
うーん既にテレビでヤり尽くされて、
とてもハードルが高い。
三谷幸喜だって、舞台やテレビでは好評でも、映画はスベること多いと聞く。
そんな中、劇場でちゃんと笑い声起こるんだから、
彼らは賭けに勝った。
まずはそのことを祝福。
深海魚の妖怪と日常、キャストの妙
日常が兎に角上手ですよね。
売れないアイドル、契約ギリギリの役者、夢を諦めた主婦たち、
監督が良く知っている日常を描くのでリアルなんでしょうね。
笑わせどころは、
舞台的で過剰な存在である深海魚の妖怪のような内田慈ですから、
対比となる現実がリアルでないと、冷めてしまう。
ここがたぶん舞台と大きく違うところで、
映画はリアルを感じさせながらの非日常なので、難しいところ、
特に、バックの三人衆が上手い!
芸能界に未練なく主婦してる日常が上手い、普通の人。女優さんが演じてるという感触がない。
諦めきれないフロントの二人の、イタさや葛藤とのコントラストが鮮やかです。
逆に、松本若菜さん美人過ぎて、性格も良さそうだし、
この人が売れなくて事務所から切られるって、リアリティないです。
そこだけが、欠点かなぁ。 でも、
華も必要だからなぁ。
あと少女時代の彼女達ですが、
魅力に乏しいという意見も散見されますけど、
魅力的じゃあ売れちゃうじゃない。売れないアイドルなんだから、あれで当然です。
逆に、松本若菜の子役はもっと美人でも良かったですけどね。
で、劇中でも、
安室奈美恵withスーパーモンキーズ状態になって、空中分解するんですけどね。
そこ説得力出すには、松本若菜の子役は全力マックスで美人でも良かったですけどね。
満島ひかりさんは、最初から、パッとしてた訳じゃないから、あれでいいのかな。
つーか、満島ひかりキャスティングするのこの映画じゃムリだよな。
とか、考えちゃいました。
その上で、深海魚な過剰な舞台的とも言える演出を支えてるのが、田村健太郎さん。
勘がいい人なんでしょうね。
舞台と日常、コメディとリアリティのハザマの人の役なので、
彼が上手に受けて、トス上げてくれないと、成立しないのですが、
テンポ良くて、かつ普通の人なのが、とても好感触でした。
良い構成とテンポの良さ、
無駄に長いよりは、短い方が全然良いです。
過去と現代が交差する構成は、基本巧みです。
テンポ良いのは大事なことですね。
ただ最後のライブシーンはもっとタップリでよかったかな。
そこも、やり過ぎない方がセンスってことでしょうか。
まあ、もっと予算の付いた次回作にも期待してます。
質問コーナー、お問い合わせは、sanpome.net@gmail.com まで。