「呪術廻戦アニメ2期」がどうやら評判いいらしい。
その言い分はわかる。が、
不自然すぎる組織の無能を無批判に受け入れすぎでは?
その盲目さを”猿”と呼ぶのではなかったか。
致し方ないとはいえ、感動が安すぎて辛い。
どれだけ個の能力が高くても、
それだけで任務完遂できるものでもない。と教えてくれる、
「かまいガチ リレー料理バトル」
クッキング系フォーマットまだ、新規あったのかと驚く。
観たい新作もなくて、名画座で「ジンジャーとフレッド」観る。
安い大衆娯楽的刺激と違うものを受け取れるから、
映画館へわざわざ足を運ぶと再確認。
大作ぞろいの夏休みは、名画座中心になってしまう。おのずから。
トムは観ないかな。
どんだけアクション凄くても、
カミナリが熱演しても、今欲しい満足じゃないっぽい。
・「呪術廻戦アニメ2期」
オールスターゲーム前の導火線というか、
箸休め的位置づけの回想編。
ミッションは3つ。観客はそれを先に知っている。
カカシ先生の最強への覚醒。
かつてのバディのダースベーダーな闇落ち。
範馬勇次郎の登場。
丁度いい労力で、ストーリーを到達させたい。
青春もお涙頂戴も、
どうしてもやっつけ感が出るし、迎合的に甘く描くので、
感情移入は無理。
アニメのせいじゃなく、原作からそう。
高校生が世間知らずな、あまちゃんなのは、やむをえまい。
が、組織が組織の体をなしていない。
サポートもせず、情報も共有せず、指示も出さず、
責任者は不在、失態の責任を管理職が取らない。
安倍元総理の警備を担当した奈良県警よりお粗末な組織。
腐敗の前に、無能過ぎる。ビーターの法則。
闇落ちさせるためとはいえ、不自然過ぎる。
その不自然さに違和感を覚えずに、感情移入して手放しで賛同する。
どうやったら、そうなれるのか?
説明されれば全て良しの盲信。からの拍手喝采は、
劇中では”猿”と呼ばれてなかったか?
しかも、カルト教団の描き方も記号で、
何故多数の信者を獲得でき、勢力拡大したのかリアリティが無い。
真面目に描くと圧力掛かりそうで、出来ないのかもしれない。
ま、何にしても、
善悪と優劣は別の問題で、
無能を憎むなら、あなたが属してる組織が先だろう。無批判が過ぎる。
ロジックがちょっとねぇ。
いくら高校生とはいえ、不自然過ぎる。
どんだけ無能な大衆を憎もうとも、
そのクソ組織がのさばってる内は災いの種は尽きない。
言い訳はしてるけど、組織の意思決定がお粗末すぎる。
憎むべき順番が違う。
組織が腐っているとき、自分が所を得ていないとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい道である。出世はたいした問題ではない
着地が決まってるので仕方ないが、
”この組織はダメだ”と、劇中の人物も観客も誰も指摘しない。
この国の闇を感じずにはいられない。
暴力より、性的表現より、
ダメ組織をダメ組織として扱わず、テンプレな悪に逃げる方が、
よっぽど若い脳に有害だと思うのだけれど。アニメって。
・「かまいガチ リレー料理バトル」
テレビ朝日「かまいガチ」
濱家軍VS一流シェフの料理対決!!和洋中のプロと白熱のリレークッキング#TVer #かまいガチ #かまいたち @kamaigachi @yamauchi0117 @hamaitachihttps://t.co/p8swmdvdm6— TVer【公式】 (@TVer_info) August 2, 2023
個の能力が如何に高くとも、段取りなくては仕事は成らんよ。
意思決定が先でないと、成果は計算できない。
「呪術廻戦」と同じく、機能しない組織を描いて微笑ましい。
そしてこちらは大変教育的でもある。本当に素晴らしい。
日本人は、なまじ現場力が高いから何とかはしてしまう。
「料理の鉄人」を頂点として、
もう料理人を使うフォーマットは出尽くしたと思っていた。
まだまだ、アイデアってあるものですね。
TVは人を愚民化する装置かと、つい見てしまうが、
為になるバラエティもある。
才能がないというのは、いくらやろうとしても素材が悪すぎてどうにもならないという状態のことである。しかし「段取り力」がないだけなら、やり方次第で何とかなる。そういう体験が一つでもあれば、その成功体験を増幅して可能性を広げていくことができるだろう。料理ならできるという人は、ほかのことも料理と同じ感覚でやってしまえばいいのである。
ジャンプは能力主義で、しかも努力の方向も間違いガチ。
今回、「段取り力」という言葉で伝えたいのは、大筋を外さ外さないことと優先順位を間違えないことである。これがあらゆることで最も重要なことなのに、このことについての意識が足りなくて失敗するケースが多い。
-中略-
これは日本人に多い傾向で、真面目さの表れではあるが、大事なポイントを押さえることができないという点で弱点とも言える。
この点において、「呪術廻戦」は有害図書に指定してもいいくらい。
道場六三郎が最初にメニューを書くのには理由がある。
ま、組織を描くだけの経験ないクリエータも多く、
いじめを描ききってテーマ的には力尽きた感もあり。
後は編集部に気兼ねせず、バトル漫画を心置きなく描くだけなのだけど、
カルト教団より、無能組織がはびこる方が危険に見えて、
感情移入の余地が奪われてしまった。
ベタにやっつけで丁度いいのは分かるけど。
それに比べて、新企画の料理バラエティーは、
段取りのミスは我が身に跳ね返ってくるのが素晴らしい。
エビを片栗粉で洗ってから、フライパンに投じたのは、
当然とはいえファインプレー。
そういうこと分からない責任者の下で働く無理ゲーは、
経験しないと実感湧かないかもしれない。
若くして売れた漫画家ではね。
そんな中、
安い感動ばかりを提供されても、辛い夏休み。
名画座に逃げ込んだ。
・「ジンジャーとフレッド」
封切り時には、見逃した。
テーマが老いや引退なので、それで良かったかもしれない。
「道」のジュリエッタは意外にもあまり変わらず、
「8 1/2」のマストロヤンニは老けた。
それでも、やっぱりイケボの色男。
ストーリーは単純で、
かつて、タップダンスのモノマネ芸人として人気だったコンビが、
クリスマスのTV特番の「あの人は今」コーナーに出演。
その前乗り一泊から出演、駅で別れるまでを描く。
そんなことより、
甘美な音楽に、お馴染みの主演、
サーカス然とした、イマジナリーなビジョン。
目と耳のご馳走を堪能。
説明は要らない満足を満足とした。
フェリーニは下品で即物的で栄華を極めるTVを嫌悪していた。
そのTVも主役の座を追われるのは感慨深い。
もっとファスト思考が尊ばれる時代かもしれんんが、
一人ひとり奇抜なエキストラを、あれだけの人数捌くには、
相当に計算されてないと画面は成立しなかっただろう。
邪魔な感想だが、組織力を感じずには居られない。
やっぱ、自分の想像の外にあるものを観たい。
綺麗なだけの予定調和は苦手だ。