今週、出掛けたついでに映画「キングダム 運命の炎」を観た。
選択肢が限られる中、予想を上回る面白さ。
さじ加減が絶妙で、豪華さに無駄が無い。
数多くの失敗から学んだのか?
「るろうに剣心」のような成功例に学んだのか?
山﨑賢人は実写版で報われてよかったね。
始皇帝といえば、
冷酷な現実主義者であるだけでなく、
合理で既得権益を排した理想主義者であった。
(人情家のような補正は、未だ嫌い。)
合理を失えば国は滅ぶというのは8月15日には丁度いいテーマかとも思う。
愚かに頑張れば、被害は拡大するばかり。
情やモラルに訴えても人間には効かない。
その現実を見ない楽観主義者は最初に死ぬ。
せめて歴史から学んでもいいんじゃないかと思うが、相変わらず。
そこで連想するのが習近平でなく、安芸高田市長。
当面の目的は政治の質を上げること。と見える。
秦の富国強兵策の如く、
ぼーっとしてたら市町村合併されかねない春秋戦国。
どうやら、敵は殲滅するしかないらしい。
懐柔による切り崩しが定石だが、
「韓非子」に良い助言ないかと、探してみた。
・映画レビュー
観ると決めた積極的理由は、大沢たかおの常軌を逸した役作りから。
マッチョなイメージは全くない。
CGでない筋肉を観るだけでも、元は十分取れるだろうと。
個人的には、
感情過多と善人補正。冷徹は冷徹に描いて欲しい。
権謀術数より、個人の能力と戦が中心すぎ。
などが受け付けず、
原作読者ではなく。アニメも前作の映画も未見で臨む。
原作同様に超人の説得力を持たせつつ、リアリティラインをギリギリ守る。
大沢たかお一人で勝ち。なのですが、
よくぞ、これだけのキャストを、
若手は懸命に、ベテランは楽しみながら、演じさせたものだと思う。
コロナでロケは困難だったらしいけど、
綻びなく予算を投じ、これだけのものを撮りきったスタッフに拍手。
エモーショナルなシーンでも、
興ざめするギリギリのベタさで耐えて、
役者の技量を活かしている。
吉沢亮が子役パートも自ら志願して、成功ですね。
スクリーンで、ご尊顔を拝めて嬉しい。
原作漫画からして、
原作である「史記」をどこまで遵守するか、
荒唐無稽なキャラ造形で魅せるか、
その匙加減が大ヒットの所以か。パーフェクトだと理解した。
そもそもが原作、逆「呪術廻戦」的だとウィキペディアから知る。
作者の原泰久は漫画家に転身する前のサラリーマン時代に経験した「組織」の美学を当該作品に注ぎ込んでいる旨を明かしている。その意気込みは「もし学生でデビューしていたら、キングダムは描けなかった。社会人経験は大きかったと思います」と語るほどである[6]。
なので、組織の法について、若干勉強してしまった。
チームには概ね4パターンに分類でき、
5つのルールを定めなければ、機能しない。
ルールの粒度、ルールの決め方、権限と責任範囲、評価基準、報告のあり方
もちろん圧倒的に機能してない組織を体験してきたし、
良い組織は作れなかった。
徳治、人治を否定排除し、法治を採用。最初の皇帝となり得た所以である。
実際古い手法では世は治まらない。
その近代性において他国を圧倒してゆく様が戦国七国の結果である。
面白くても真面目にやりすぎてはエンタメとして人気が出ない。
そこで、絶妙なさじ加減。乱世を生き抜く知恵である。
師匠と仰ぐ井上雄彦に相談すると一言「話はこれでいい、ただ主人公の信の黒目が小さい」とアドバイスを受けた。それで絵よりストーリーに重点を置いていたそれまでの姿勢を改め、絵に向き合った。そして、黒目を大きくすると、バランスを取るため全体のタッチや構成も変化し、単行本でなら第4巻あたりから躍動感のある絵になり、人気が出て初の読者アンケート1位になった[7]。
覇権を握るには理由がある。敬服しきりです。
三国志や日本の戦国時代でこれやると、
荒唐無稽と批判されちゃいそう。
丁度良く、皆詳しくない時代というのも良かったですよね。
私も、「始皇帝暗殺」という映画から程度しかエピソード知らない。
呂不韋の子という説。幼少期は不遇。
韓非は李斯の計略で自殺。
天命があるうちは暗殺されない。
今回この映画を観て、若干の知識を仕入れ、
呂不韋の失脚と、李牧失脚からの趙滅亡までは、
このキャストで実写を観たいと思った。
コン・リーは誰がやるのだろう。
佐藤浩市に負けない女優でたっぷりと愛憎を観たい。
大抵の人は利害で動くのだから、
法が機能していない組織の方が、有能な忠臣を孤立させる謀略は容易い。
小栗旬を唯一無二の天才軍師と描いて、国家の腐敗で負ける。
せひ観てみたい。
原作は、漸く韓非子の死あたりだそうなので、
中華統一まで描くなら、170巻くらいまで行きそう。
アニメは一期で10巻程度、映画は5巻程度の消化。
寅さんに次ぐシリーズものになるだろうか。
カリスマ経営者が死んだら組織も終わりと悟り、
不老不死を追い求める様も観てみたいけど、
なんとか、統一まで辿り着けると良いね。
まあ、そういう大河ドラマなので、
今作一作だけのストーリーを切り取っても意味無い。
賛否の否の意見で、納得できるものは少なかった。
さすがに、大沢たかおの退場までは撮っていると想像するが、
それは次回のお楽しみでよし。
で、映画観た後、石丸市長のyoutubeを偶然見て、
・安芸高田 市長vs議会
居眠り注意されて開き直るレベルでは、
駆逐しないと生産性は上がらないだろうな。
昔のような余裕はないのだし。
ツケを払わされる世代が必死なのも当然で、
落選という必罰がなければ、そりゃねえ。
韓非子先生の仰るとおり、組織は腐ってゆく。
しかし、市長には議会に対する権限はない。
虎や豹が人に勝ち、百獣を思うがままにできるのは、爪や牙を持っているからだ。もし虎や豹がその爪や牙を失ってしまえば、
人はそれらを組み伏すことができる。今、権力が重いことは、君主にとっての爪や牙なのだ。君主であるにもかかわらず、その爪と牙を失ってしまえば、虎や豹の話と同じになってしまう。
独裁者は嫌だとか、こだわりを捨てて、
自分が中心でも、そうでなくともよいから、
議会で過半数を握れるよう、市議選の候補者を増やしてゆく。
それが唯一の方法に見えるけど。
事態を好転させたいのなら、
有権者の受益を阻む候補を落とす選択肢を増やさんと。
世代闘争は、古い方にとっても死活問題なのだから、
正しくて、清廉なだけでは。
ヤる気が必要と思われた次第。