youtubeのおすすめにワンピース批判が上がってくる。
最初は、
その手の批判は昔からで、いい加減に絵本から卒業しろよ。
と思ってしまった。
でも、それだけじゃないみたい。
ストーリーの面白さを続けるには限界となる経年。
そりゃ、ネタは尽きる。
面白いなら尚のこと、過去を超えるのは困難。
どうやら、
「2年後」というあたりで、リブランディングが行われたよう。
製品のライフサイクルを見据ている、戦略的なものだと想像した。
サブスクで頑張って、エッグヘッド編を見ようと試みた。
(辛くて、挫折したが)
それでも、なるほどと結論付けた。
プロダクトの成熟期から衰退期に行われた戦略変更が行われた、
振り落とされる信者は一定数居る。やむを得ない。
スマホでファストな消費と引き伸ばし策は相性がいい。
ピークを過ぎても単行本100万部を軽く超える理由がある。
そもそも、作品が面白いだけでは、こんなに売れない。
売れ続けることは出来ない。
面白さは二の次だ、
信者に快楽を提供し続けられるか、が大事。
この世は適者生存だと身にしみる。
謙虚にビジネスとしての凄さを認めようよ。
以下は前提として、もともとスタートしてるものとする。
ファンタジーの皮を被ったヤンキー漫画。
幼稚を全肯定するモラトリアムな夢の国。
圧倒的ベタな大衆性。極端に単純化された喜怒哀楽。
ヒーローズジャーニーに則った冒険譚。
やっぱデザインは凄いし絵は上手いよね。
更に、
自由や仲間の良いトコつまみ食い、損失の覚悟を伴わない勇気。
その養殖モノの自由の心地よさを提供することが肝であるため、
「ハガレン」の逆で少年は成長しない。
代償を支払うようなリアルはご法度。成長しないように。
成長しないから、永久に終わりは来ないネバーエンド。
よって、
ストーリー漫画でも「サザエさん」のように続けられる。
一見、王道の少年マンガに見えて特殊。日常系とのハイブリッド。
其の上で、
仲間集めから開始、それから、
諸国漫遊の物語を何本か終えて、
素直に大団円に向かってよいところ、許さず、
世界観を広げ、世界大戦、全面戦争を描く。
本来はまあ、流石に潮時で、
海賊王に成るか、
財宝を見つけるかで、
その両方でもいいけど、目的地に到達して終わるところだが、
まだまだ全然許さず。これから”後期ワンピース”の気概。
成熟期以降の寿命を延ばす戦略をキメ、もっともっと稼ぐ。
さらに更に、其の上で、
「2年後」以降の”後期ワンピース”は、
戦略的に、選択と集中を行った。
物語の面白さを捨て、
スマホ時代のファストな快楽の消費に適合した。
明らかに前期とは、路線を変えた。
・スマホの画角
ごちゃごちゃして見づらいと言われる絵は、
スマホで視聴されることを想定している。
構図の面白さなどは無力なメディア。
・AKB的オールスター
少数のキャラの魅力で引っ張るだけの力がなくとも、
ハマる推しを見つけて貰えばいい。
長期化すれば、「渡る世間」化するものだが、意図的な増員。
・膨大な情報量には慣れて、ファストに消費する
今の読者、視聴者は情報の洪水の中を泳ぎ、
タイパよく消費する能力は高い。
一つに集中させると、逆に飽きられてしまう。
・信者の維持でいい。新規は狙わない
マスなニッチが出来るのだもの、
一見さんお断りで構わない。
100巻を超えて、最初から追いかけるのは無理。
新規獲得にコストを掛けるのは無駄。
・見たい場面だけ見てもらえば良い
コース料理でなく、幕の内弁当の割り切り。
興味ないシーンは早送り、飛ばしを前提とした場面転換。
スマホでサブスクのデジタル。
参考文献は、
情報革命が社会を変え、コンテンツの消費行動も変える。
私は著者と違い、変化を蔑視する必要はないと思っている。
旧来の成長が環境に適さず、生き延びる目的に合致しないなら、
他の能力を発達させ、幼稚なままでいるのは、
優れた生存戦略だと思う。
ただ、
映画館で映画を観るというアナログな体験に、
相応しいコンテンツは生き延びて欲しい。
映画館ではTV的でない、映画らしい画角、風格を保って欲しい。
とは思う。
「君たちはどう生きるか」が分からないのと作品の質は別だ。
その区別さえつかない客は、
最初から黙って「ワンピース」でも読んでて欲しいところだが、
鈴木Pの宣伝もズルい。ちょっと騙し討ち。
マスも掴めなければ生き延びられない。
でまあ、
前期でヤり切りましたよ。コンテンツとしての面白さは。
魅力的な悪役を登場させ、
想像を超える能力バトルを魅せ、
主人公一味と勧善懲悪なカタルシスを生み、
冒険のスペクタクルでワクワクさせ続ける。
ガラケーどころか、肩に担ぐ巨大な携帯の時代から、
ワンピースって存在したのだもの。
レコード針のように生産縮小する方が当然なのに。
スマホ時代のファストな消費時代に適応した。
ちょっと、類を見ないことだと思う。
同時に、
前期の物語の面白さに魅了されてた層はここで脱落。
でもそれでいい。それがいいんだ。
ライフサイクル別の戦略として、
「ワンピース」というプロダクトを分析する視点は、
もっと解説してくれる専門家居ていいと思うところだが、
居ないので、おさらい。
キンドルには簡単なのしか無くて、
グーグル先生に改めて教わる。
製品ライフサイクル:衰退期における最適な販売戦略とは
プロダクトライフサイクルとは?段階と戦略を解説
成熟期に顧客ロイヤリティを高めたあとは、市場は固定化する。
そこで撤退でなく延命を試みるならリブランディング。
衰退期では、新規獲得のコストは掛けない。
章ごとに、テーマパークのテーマは変える。
デザインはやっぱり凄いと思うよ。
キャラを多数登場させ、顔面アップ中心に情報量は飽和させる。
物語は横に広げ、進めない。進行すると終わってしまう。
同時並行で場面転換を頻繁に行い、読者に好きな場面を選んでもらう。
前期の面白さを求める元信者は、”編集が仕事してない”と不満のようだが、
むしろ逆で、作者に気持ちよく連載続けてもらうのが仕事で、
できるだけ部数減らさず延命してもらうことが役割。
私は、興味が持続せず、集中が保たず、飽きるが、
場面場面でのスペクタクルは、まだまだ上手いのだと思う。
ファストに情報処理できて、かつ信者化していれば、
まだまだ、場面単位でドーパミンが出る。らしい。
報酬があるのだろう。
ドーパミンによる脳内報酬系の話は、こちらを参考にした。
客に脳内麻薬の報酬を与えることがセールスである。
その商品を手に入れてハッピーになっている状態を、言葉ではなくイメージとして作ってもらい、脳の前頭前野にドーパミンという快感を司る脳内物質が流れるようにすれば、あとはその人が勝手にその商品のストーカーになってくれます。
相手が居心地のいい、うれしい世界を想定してあげて、その世界の一部として売りたい商品を置いてあげます。この世界を想定して、相手の6つのモーダルチャンネルにそれを示してあげればいいのです。
すると相手は入力された居心地のいい、うれしい世界と現実世界とのギャップを感じ、無意識のうちに急いで居心地のいい世界に行こうとします。その商品を手に入れることでギャップが埋まるとわかれば、相手はなんとしてでもその商品を手に入れたいと思い、勝手に買う努力をしてくれることになるのです。
モラトリアム的ヤンキーなネバーランドの提供。
現実は厳しいからね。
責任を伴わない自由では破滅するし、
安全と言う名の支配を受け入れる必要にも迫られる。
そのコアコンセプトは変えずに、
時流に合わせ、もっと単純化、もっと刹那的に、
個々の物語を精緻に盛り上げるなんて、もうやらない。やり尽くした。
これだけ情報量が膨大なのだから、
過去のエピソードを繋げば、
それが当初から予定したものであれ、後付であれ、
信者は勝手に快楽を消費してくれる。
個人的には伏線回収か後付かは、今更どーでもいいと思うし、
こんだけ長く週刊連載してて、完成度の高いストーリーを望む方が無理。
完全先付けは厳格過ぎて、競技の面白さを減じるとも思う。
逆に後付を認めず、何でも伏線回収と強引に納得するのは狂信。と断じる。
強引さ、ご都合、整合性の無さ、をどれだけ許容できるかは個人差だが、
それで脱落する客はターゲットに非ず。と割り切ってるよね。
今まで獲られた報酬を喪失したこと受け入れられず、卒業出来なければ、
一部はアンチ化するけれど、
そんなことは前期にもあったことだし、
優先事項は他にあると判断している。
素晴らしい!!
卒業生も、今も報酬を消費する人々も、別に不思議は無いのだけれど、
アンチになってしまう人は、何を置き忘れたのだろう、あの空間に。
昔読んだノンフィクションをフト思い出してしまう。
引退してもなお、現役復帰を夢見て、
ハードなトレーニングを続ける打撃の職人。
榎本喜八の姿を描いた「さらば宝石」という作品。
今でいうと、三浦カズかな。
現実を受け入れず、諦められない夢を今も追い続ける。
「ワンピース」の主人公たちですら、
もう夢を追いかけているようには見えないのに。
2024.10.13 現在
ああ、やばい、何故か売り目線が辞められない。
何か作為的なものを感じて我慢してしまう。
テクニカル的には、この三角は上と思われ、
新たな戦争とか、自民党大敗とか無い限りは。
でもホールドしたまま見守ってしまいます。
それにしても、
ネットもメディアも政治系は駄目なの多すぎ。役に立たない。
石破政権に初めから何も期待してないくせに、見え透いた批判ばかり。
権力構造の解説が出来たら、
あとは駄目な野党にどんだけ負けるのか、
それとも勝ってしまうのか、
その予測だけでいいよ。
石破首相はホントに地方で強いのか?
政策は岸田政権のいいなり。それでいいよ期待してない。株価も戻る。
選挙は、
森山幹事長の戦略と菅、岸田の周辺(反安倍派)の思惑を解説してくれ。
わかりきった批判繰り返されても、時間の無駄。
左翼だけでなく保守も、ドーパミンの報酬系ばかり。
でもそれが、今の時代の適者生存なんだろうな。
ところで、
かつてMリーグの打牌批判は、
平面的牌効率に基づくもので、ドーパミン報酬系だった。
最近、押し引きの妙を解説する動画を見つけて、
同じ批判なら、こういう解説が当時欲しかった。
淘汰と進化はきっと起こるべくして起こる。
トランプ共和党になったら、石破首相の首はスゲ替えだと思ってるか、
その前に、自民大敗で暴落あるかどうか、
アメリカは、次の大統領決まるまでは、
悪い数字出さないようにしてると疑っている。