火曜出かける用が出来て、聖地シネマロサで終了にギリ間に合いました。
スクリーンで卓越した身体表現を堪能。
「1%er」は「地獄でなぜ悪い」的な理由から、まだ観られません。
それ以外では、世界最高峰だと思ってます。
アクションは作り物。
リアルファイトじゃないと坂元監督は庵野秀明へ回答を投げます。
それ故に、工夫も配慮も必要だと言います。
私は池松壮亮の意味に気づけず、予習中に教わり、思い出しました。
そうだった、あの「地獄変」のようなNHKのドキュメンタリ。
その前提で席に着いて、暗がりを待ちます。
吉田大八監督で筒井康隆の「敵」が遂に公開と知りますが、それはおいて。
「シン・仮面ライダー」と対比しつつ、以下の6つの要素に分けてみました。
手練れのディザーム、池松壮亮の全力、チームと孤立、
完成度と練度と安全、物語よりアクション、ロケと効果的な予算の投入。
・手練れのディザーム
現代の東映のアクション(ハリウッドに劣るとは思わない)とは異なり、
ワイヤーやCG使わず身体表現全振り。なだけでなく、
技術体系がまったく異質。格闘技とも武術とも違う。
近代的な軍隊格闘術がベースと想像される、
銃やナイフ(カランビットも)を前提とした近接戦。
ハリウッドや韓国だと映画的アクションになるし、香港ともタイとも違う。
こんなの観れるんだ!と衝撃でした。
合気道を使うスティーブン・セガール以来の新鮮さ。
これが、二作目ではガンアクションを進化させる。
今回はディサームが多彩。オープニングのシークエンスで知る。
近接戦の最中、弾倉を装填する離れ業もやってました。
ディザームは、無手で相手の武器を無力化する術。
アクションが各回ごとに進化し、前回とは違う、
さらなる実践的技術を観せてくれる。
シリーズものとしても、こんなこと滅多に無い。
速くて、脳の理解する処理が追いつかない。
質・量ともに凄いので、見終わると脳疲労を実感しました。
ただただ感嘆。
片や、
東映のアクションスタッフに単身、徒手空拳で挑む庵野秀明。
朋友樋口監督も居ません。慕ってくれるアニメスタッフも無し。
哀しいかな、彼はアクションについては素人同然でした。
戦闘をリアルに魅せるための方法は持ってない。
映像そのものや特撮については右に出るもの居なくても、
ただでさえコミュ障(だからエヴァ作れたのに)、イメージの共有は出来ません。
それで妥協無ければ。。
空中分解寸前をスタッフ、演者がよく耐えました。
技術の蓄積とそれに油断しない成長。
そこには周到な準備と、たゆまない研鑽があり、
ぶっつけは無理。
プロデューサ主導で、
撮影開始前に、
アクションの方向性詰めとかないと。
・池松壮亮の全力
折角だもの、うっぷん晴らしてもらいましょう。
そんな感じで全開でした。
単なる当てつけでなく、
ここまでデキる人と見抜いたキャスティングが凄い。
有名どころ使えば、その分お金も掛かる。
逆に、オファー受ける方も自信と覚悟あるのでしょう。
3作目ともなれば、その名は既に届いてる。
預かったリソースを最大限にパフォームさせるのが、マネジャーの仕事。
予算付くと逆に、有効に投じれなくなる独立系も居るなか。
本人も、この座組を実現させたのも素晴らしい。
・チームと孤立
作中、”当てつけかよ”と、思わずツッコみました。
最初反発しながらも、チームワーク発揮したり、
フリーの職人が仲間を募ったり、
更に、
誕生日ケーキとか、前田敦子が謝罪したり、
NHKのドキュメントでもあった気がする。
一方的に要求するだけじゃ、クオリティは上がらないよ。
映画は、アクションは特に、独りで作るものじゃない。
理想だけ美しくても、ルフィが通用するのは絵空事。
坂元監督のそんな主張が聞こえます。
絶対、ワザとヤッてる。
それで、言っただけのこと本作は実現してるので、
脱帽しかないです。
個人的には、庵野監督の実験映画また観たいのですけどね。
・完成度と練度と安全
あれだけの殺陣ヤルなら、そりゃ相当訓練し段取り組まないと。
ちょっとでも気抜いたら怪我してしまう。厳しい撮影。
アクションの撮影と、偶発性に依るリアルの追求は、最も遠くて相性悪い。
演者が危険過ぎる。
時代劇のときも最近、気になりましたが、
リアルな殺し合いは見せる物にはならない。
完成度求めるなら充分な稽古が必要だし、
そこまでリアル求めるなら、
捨て身のヘッドバットで勝負着くという、
お約束も前提に出来なくなるんじゃない。
”その間の取っ組み合いだけは、段取り付けないので、
二人のアドリブで”泥仕合”演ってくれ”
という段取りはあるかもしれないが、、
全否定する必要は無かったし、
前衛芸術だとしても、撮る前にチームの方向性は確認しておかないと。
コンテ無しで可能だとしても、よく完成したね。
現場で全てを解決しようとしすぎかな庵野監督。
さらに、
アクションを良く撮るためには、カメラマンは大事という指摘。
カット割るばかりでなく、カメラワークで一連の流れを撮る。
構図だけ増やしても、良い画は撮れない。予算と時間の無駄。
”動き”を撮るのだから。
やっぱ専門家の意見は違う。拝聴に値する。
単に予算の問題とか、
CGのクオリティとか、(ワザと昔の再現で画質落としてるのに)
現場の人は素人レベルの感想とは一線を画す。
撮影についてのコメントは門外漢ばかりで酷かったよ当時。
アドリブで臨場感を大事にするにしても、
あの写実主義の手法で実写の商業レベルは厳しそう。
まあでも、
実験映画監督の庵野秀明はまた観たい。まだまだ観たい。
クラファンな自主映画で、なんとかならんかな。
いろいろCGで構わないから。
それはさておき、
入念な準備は撮影ありきで、本作は、
流れるような高速アクションを流れるようにワンカットで撮る。
アクションを褒めることは撮影も褒めること。
・物語よりアクション
TV版では日常を描き、映画はアクションを。と棲み分けた。
個人的には、バランス良く配分の方が観やすいのだけど。
戦略的に企画の段階で決めたのだろう。
で、あんだけの量のアクション盛り込んだ。
観てて途中、脳が物語の理解を放棄しようとする。
誰が敵味方かとか、もう関係ないからアクションだけ楽しめばヨシ。
昨今は物語で楽しみたいという要求が過剰だと思うのだけど、
そんな中敢えて、物語は最低限に留めて、見せ場ありきでした。
予算充分でも、戦略的な配分できて賢い。
戦いを略すことが出来てる。
メジャー昇格にあたり、どうでもいいところに金使っちゃうの多いから、
ああそういう割り切りで、テレ東と握ってるのか。
この先に続編が有るかどうか分からないけど、安心しました。
・ロケと効果的な予算の投入
使うべきところにお金集中的に使って無駄が無い。
既に述べたけど、あとはロケについて、
ほぼ宮崎だけで済ませている。と思われる。
それで、撮りたい画は全て撮れている。
メジャーになっても、無駄遣いはしない。
濃密にアクションを撮るためにも、合宿に近い状態だったと想像する。
東京と程よく遠く、程よく田舎なのも良かったんじゃないかな。
ロケーションの勝利、ロケハン優秀。
場所の特徴を利用した殺陣も良かったっす。
昔の日本映画は予算が厳しかっただけでなく、
プロジェクト的にお金の掛け方間違っちゃうケースもあったと思う。
今は、無いなら無いなりに、有るなら有るなりに、
日本映画のそういうところはレベル上がった。と思いたい。
本作のシンデレラストーリー確認して、心強いと。
今月は、
TVドラマの映画化、2大メジャーのグルメ対決も観たいのだけど、
そこまでは無理かも。
「敵」は是非観たいし、
漫画→アニメ→映画化にも期待している。
福田監督にも関わらず、観にゆく。
最近酷評されてますが、
原作面白いと思わないのに行くとか、
福田テイスト分かってるのに文句言うとか、
それはそれで狂気の沙汰。
私は福田パートは諦めるつもりでいます。
アクション監督:田渕景也 のクレジットで決めました。
福田組では昔から信頼されていて、アクションに監督は口を出さない。
だったら期待する。存分に観せて欲しい。
庵野秀明にとってのモナリザは実相寺昭雄だと思う。
もとい、
私は暗い画の中で目だけが光る方が好きです。
2025.01.15 16:00現在
-2σタッチから前々日割り込むなら、
石破総裁誕生のラインまでは想定。
そこから9月頭の安値までバンドウォークもあり得る。
トランプ政権でのインフレ退治は大変と予想するが、
株価は下落してから反発ありと思っている。
いずれにせよ、トレンド出てから動くを肝に銘じる。おずおずと。