「大きな家」見逃さないで間に合って良かった。出演者への配慮とリスペクトで制作される作品もある。

押し付けがましいところ一切なく、映画一本を成立させた制作陣に、
感銘を受けました。ちょっと舐めてました。

斎藤工ってすげえんだなぁ
 4年前のイベントで関わることになった児童養護施設と関係を深める中で、
 施設の日常を撮影し、施設内で上映することを思いついた。
 そんな時「14歳の栞」を知り、この方式なら公開も可能と企画。
 更に、自分より竹林監督の方が適任とオファーを出す。
 遂に2024年12月劇場公開に至る。
 
なかなかの偉業だと思うのですが、世間の反応はもうちょっとかなぁ。
14歳の栞」は、取り挙げた映画系youtuberも多数。
しかし本作は黙殺。映画の出来は良いのに。
まあ、
200本以上観ましたと、年間ランキングで再生数回すけれど、
話題作しか動画で取り上げない。
youtuberとしてのやり方が、現在ある程度確立しては、
前作と反応が異なるのは、やむなしかもしれません。 
取り上げているのは、松崎建夫さんくらいか。
当然とはいえ、
ちゃんと作品を紹介してくれています。(あらすじの説明+感想でなく。)

出演者にカメラを意識させず、日常を撮る。竹林監督の特異な能力と、
自主映画ならではの、丁寧で辛抱強い時間の掛け方。
内容への言及では、
 18歳で施設を出て自立する際に現実社会のハードルがあること。
 
映画として評価すると、
 画作りが美しく、それなのに作った風景でない日常。
 演出は音楽含め、ドキュメンタリの割にはエモい。
物語に没入させる力が強く、記録映画という印象を与えない。
ちょっと観たこと無い作風で、かつ、
映画の在り方に今までとは違う意味を与える。そんな可能性もあるメディアの使い方。
現在の評判よりも、もっと価値あると思うのですけどね。

私は驚愕しながら観てました。竹林監督に。
 ”可哀想な子ども”とは扱わず、空気のように中立で、
 エモい演出もするのに、感動ポルノ的なエンタメには落ちない。
 極めて謙虚で、出演者に対するリスペクトに溢れ、配慮が行き届く。
 昨今のマスコミや、主張の強い映画ではあり得ない態度。
 
 
最近の社会派ドキュメンタリに力作も多い。のは気づいてるのですが、
主張の強さが予想されて、足が向きません。
マスコミの報道に触れる際に、
 ”私は事実の情報が欲しいのだけで、君等の主張が聞きたい訳じゃない。”
そうウンザリすることも多々あります。
国民民主党の記者会見の出禁なフリーの人は極端でも、
価値の見いだせない時間だったと損した感覚がよく残ります。
 
2024年新作では「シビルウォー」くらいでも無理でした。 
リベラルに任せると、
 言ってることと実際は異なり、
 戦争は増えるし、貧富の格差も広がる。
 さらに世代間格差、現役世代の不公平感は是正する気が無さそう。
 多様性や、紙の保険証より優先して欲しいことはある。
この結果にノーと言われてるだけで、何が分断だよ。
そんな思考が過ぎり、観にゆく気が失せます。
日米の見境も失くして。
たとえ、
カリフォルニアとテキサスが手を組むというような荒唐無稽でも無理。

 
ま、政権変わるし、リベラルの断末魔的な作品多いよなと。
私の偏見のせいで、去年はどうしても映画に消極的でした。
 
もとより、
 社会不適合者甘やかし系ハートウォーミングや、
 プロット破綻型ミステリ・サスペンスは、

そもそも苦手なので、敬遠して正解でしたが、

その上、
オシャレアニメが感動ポルノ的に消費される風潮のようで、 
逆にドキュメンタリが、お涙頂戴的作りになってたらヤだなと、
本作にも懐疑的でした。躊躇してました。
シネマロサなら遅くとも間に合いそうだし、
世間の評判を待ってから。と優先順位を下げ、
正月早々は深刻なのは辛いので、2024年評判の娯楽作から観る。
結果、成人式近くになってから本作観ました。
松崎さんのお陰もあり、チャンス逃さなくて良かったです。 
 
それはさておき、本作の内容ですが、
監督のフラットな視点もあり、
極めて健全で普通の青少年がスクリーンに映ってました。
ただ、家族は別に存在しつつ、離れて共同生活をおくる事情がある。
他とは違う苦悩はあるよね。と自然に感情移入してしまいます。
とはいえ、
施設にも入れないもっと絶望寄りの子供も、まだ現実には多数居そうで、

むしろ、カメラが入っても大丈夫な施設のような処で、
善良で裏表ない良識ある大人と日々接している方が、
少年期の人格形成にはプラスとさえ思ってしまいます。
家族でない方が良いくらい。
ところが、立派な処で安定して保護を受けられる環境は続かず、
成人すれば、強制的に退去となる。いきなり社会の荒波に晒される。
しかも社会的信用は理不尽にも低め。(学歴って、便利なんだな。)
 
このギャップはむしろ結構過酷で、
自分だったらドロップアウトしそうと胸に迫ります。
 何歳になっても、人間関係上手くやれる自信は無い。
 君たちより無い。人生の先輩は失格かもしれない。
私なんかより健全に育っても、それだけじゃ全てメデタシとは成らない。
 
 
自分だったらどうするだろうか?
それは考えてしまう。
 
やっぱ、一旦は学歴を手に入れようとするかな。今の世界線と同じように。
授業料安い国公立で奨学金貰って、あとはバイトでなんとかするつもり。
ビジネスの才覚があるとか、モデルに成れるほどのルックスだとか、
そんな才能無いから、
理不尽な現実と違って、受験は努力が報われ易いし、
学歴で出生のハンディを補えるならね。
”バカとブスほど東大へ行け”って真理だと思う。

地頭の良し悪しより、攻略法とパターン認識の量稽古。
(今なら3巻までunlimited。)
  
で、それから経済的自由を目指す。
働くことに関しての能力は自分に期待出来ないので、
努力で補える投資の道を探すしかないかな。
大勝ちは狙わずコツコツと。
現実は、苦手な働くことでも結果残そうとして回り道してしまった。 
 
  
ま、施設に居る間は、猶予期間なのだから、
18歳以降に向けてどんなゴール設定出来るか。次第かな結局。
リミットは明確なのだから、こうしちゃいられない。
親ガチャに囚われてる暇は無い。ことに気づけるかどうか。
 
ああ、なんだ、あんまり今の世界線と思考が変わらない。 
やっぱ運命は性格だね。
生きてゆかねば。
 
 
なぜ 生きてゆくのかを 迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って ころんだ日の跡の ささくれ
若いっていいね。 

 
才能も大事だけど、人を笑顔にする歌声。
やっぱ運命は性格だと、聴いててつくづく思う。

2025.01.13 現在
アメリカ数字強いが、ドル高それほど進まず。
リスクオフの円買も増えたのか。
アメリカはもう利下げ出来なさそう。
むしろインフレ対策で利上げしそう。
だけど、日銀は春闘まで静観続けそう。
株価は-2σで耐えてレンジの範囲内。
トランプ政権発足前後で、レンジブレイクあっても不思議でない。
明確なトレンドが発生してから動くを心がけたい。

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