予告がクール過ぎて、観てしまいました。
オシャレキシが無難にまとめてたことへの反動だかもしれない。
人物の動きが紙芝居みたいと評する向きもあるようですが、
私は気にしませんでした。予算の差配も含めセンスだと。
予習は軽くしました。
当時のアルゼンチンの政治状況と、ボサノバについて。
まあ、
支障は無かったですね。予習無しで、
それよりも、
ジョアン・ジルベルトとか、その時代の音楽家を知っておく方が重要でした。
功績が分からないと、インタビューの重みも分からないかもしれない。
私も全てカバー出来たとは到底言い難いですが、
インタビューの相手が誰かは気にせず、
流れる音楽聴いて楽しめれば充分という気もしました。
内容は、
ブエノスアイレス公演の夜に、消息を絶ったブラジルのピアニストが、
アルゼンチン軍により拉致され拷問の上殺害されたと、後に明らかになり、
アメリカ人ジャーナリストが当時の関係者にインタビューする。
現存する音源を元に、映像はアニメで再現したドキュメンタリー。
ストーリー的な面白みは無いです。
結末は分かっていて、淡々とインタビューが続くので、
この映画の満足は、
当時の実情が伺えることへの興味と、
音楽と映像を堪能すること、
にあります。
予告編どおりのオシャレで、裏切られることはありません。
映画館という音響で聴く価値があり、私は満足しました。連敗は阻止。
でも2点だけ、
作品の出来や観客の満足に関係無い事柄なのですが、
疑問が残りました。正解が分かりません。
・悲劇はコンドル作戦のセイか?
・劇中の音楽はジャズかボサノバか?
予習復習の内容込みで、深堀って行きます。
・悲劇はコンドル作戦のセイか?
アメリカが暗躍するコンドル作戦により、南米で、軍事独裁政権が次々と誕生。
アルゼンチンでは、
1976年3月24日、ホルヘ・ビエラを中心とした軍のクーデターが起こる。
ビエラ政権は「汚い戦争」と呼ばれる弾圧を行う。
左翼ゲリラの取締を名目として、労働組合員、政治活動家、学生、ジャーナリストなどが逮捕、監禁、拷問され、3万人が死亡者や行方不明者となったとされる。
大体の経緯はyoutubeで学ぶ。
↑転落っぷりが良くまとまっていて分かりやすい。
私の記憶にあるのは、フォークランド紛争や”神の手”の頃から。
↑南米のチェンソーマン登場の現代まで。
極端な軍事政権を産んだのが、アメリカのセイばかりとは思えず、、
その前から、国家破綻してねぇか?
あれじゃ、クーデター起こっても自業自得じゃねえの?
その上、日付が辻褄合わないような。
「ボサノヴァ 撃たれたピアニスト」、4月11日(金)公開
1976年3月18日、ヴィニシウス&トッキーニョのアルゼンチン公演の演奏を務めていたテノーリオ・ジュニオールは、夜明け近く、宿泊先のホテルから忽然と姿を消す。
アルゼンチンの警察に不審人物として連行されたテノーリオは、軍の施設で拷問を受け、最終的に射殺されたといわれており、その死は長く隠蔽されてきた。
事件は、クーデターの前に起きている。
映画の中でも、アメリカのセイという発言があるのだけれど、
微妙だなぁ。
軍が治安を掌握していたのは、その前から。
勾留中に、運悪く軍事政権に移行し、
その後に、拷問され殺害された。
という可能性も高そうだけど、
「汚い戦争」の前から多数殺していた。
1975年9月、イザベル・ペロン大統領が病気療養のために一時的に職を離れると、イタロ・ルデール(スペイン語版)が大統領代行となった。翌10月、フォルモサ州の歩兵連隊宿舎が「モントネーロス」に攻撃され(Operation Primicia)、28人の死者がでた。ルデールは国内治安協議委員会を設立し、トゥクマン州で行われていたゲリラ鎮圧作戦を国内全体に拡大させることを決定した。国内は5つの軍管区さらにその下位地区に分けられ、それぞれの地域の治安を軍の司令官が実質的に掌握した。右派民兵組織であるアルゼンチン反共同盟も加わり、軍の弾圧とそれに対するゲリラ攻撃が繰り返された。
何故、危険を顧みず、そんな時間に独りで出かけたのか?
彼が活動家と間違われた、原因は何か? (風貌が疑わたとの説あり程度)
作中でも、その疑問が解かれることは無かった。
少なくとも、
コンドル作戦(国家間の反米勢力に対する情報共有)の結果とは、断言出来ない。
CIAの暗躍によって、多数の無実の人が殺されたのは事実でも、
私の知識では断定できない。ここは無闇に結論に飛びつかず、一旦は保留したい。
民主的っぽければ、実際の政治がクソでも何でもOKみたいな、
最近の風潮は嫌で、気になってしまった。
・劇中の音楽はジャズかボサノバか?
この解説↓で予習した。必要な知識は網羅されている。
恥ずかしながら、私は、
「No more blues」をジャズのスタンダードとしてしか聴いたことがなかった。
どこまでがボサノバで、どこからがジャズなのだろうか?
映画はタイトルに偽り有りか、全部ジャズだった気がする。
英語の歌詞に絞って聴き比べる。ポルトガル語のはボサノバだろうから。
流石に、これは↑ボサノバだろう。
演奏はギターだけだし、テンポもリズムも予習の通り。
一方、ここまで↓来ると、ジャズだと思う。
バンド編成も歌い方も、テンポも音色も、きっとジャズだ。
中間に境界がありそう。
このくらい↓だと、敢えてボサノバのスタイルで歌ってるっぱい。
ギターはスペシャルゲストだし、他の楽器はベース以外は休んでる。
では、もうちょっとジャズっぽい↓のは?
フルート吹くし、ラテンっぽいけど、
ボサノバのハーモニーじゃない。気がする。
とりあえず、
上手い人しか、こんな古典的名曲に挑戦しないことだけは分かった。
で、
答えは、予告編にも既に有った。
サンバジャズの旗手テノーリオJr.と、彼を襲ったあまりに醜い悲劇の結末
彼が23歳のときに初リーダー作として発表した1964年の『Embalo』は、1960年代に起こったムーヴメント“サンバジャズ”の誰もが認める名盤として評価されている。
サンバジャズはボサノバじゃないもの。
サンバのリズムで、ジャズの音色ってことか。
こちらは、スッキリ解決。
邦題に偽り有り。あれはボサノバじゃないです。
そう言えば、
サザンのデビューはサンバで衝撃的だったと言いましたが、
八神純子はボサノバでデビューでしたね。
当時は気付かず聴いてました。
今は、歌声でなくリズムを意識すると、なるほどです。
こちらの方↓が分かりやすいか。
2025.04.23 01:00現在
下向きの20MAを抜けて、去年9月の谷を目指す。
ドル円140円台にも関わらず、
アメリカ決算が好調らしく、それに引っ張られる様子。
売り玉で多少は保険掛けつつ、徐々に買い玉を手仕舞うつもり。