五輪中止は賠償金の覚悟。マーベル成長記は911からの自警の権利。「マイティ・ソー バトルロワイヤル」「 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー/エンドゲーム」 義務、責任、権利、自由の区別出来できる人になる。

義務、権利の区別出来できる人になろう。と意識しましたのでメモ。
それら区別が苦手な人と、意図的に混同させようとする人が、
この国には居る。みたい。
   
アベンジャーズは正義を謳ってないよね。
秀吉の時代に刀狩り、令和の時代に憲法9条をおしいただく、
そんな国の感覚とは、そもそも違う概念があるのに。
開催地には開催の義務があり、中止の権限が無いこと無視するが如く、
 
そこは混同しちゃいけないね。 
報復が善(正義)だとは言ってない。
ただ自警の権利を自認し、それを行使してるだけ。
と、前回に続き、マーベル成長期の物語観てた。
 
 
そんな今日このごろ、
小池都知事とニ階幹事長会談したので、五輪中止も濃厚に見えます。
賠償金払わなくていいと煽るのは信用しません。
ちょっとヤバい人たち。


事実
 「IOCの裁量で大会を中止できる」
 「放映権収入がなくなったIOCが損害賠償の民事訴訟を起こす可能性がある」
 
憶測(意見)
 「IOCも受け入れざるを得ないはずだ。」
 「保険をかけていると見られる。」
 
私も中止した方がいい派ですが、賠償金は覚悟する前提。
賠償金払わなくていいからと、声高に叫ぶのは、
 権限と義務の関係を願望で無視し、
 事実と意見の区別が出来ないことを利用してます。
  
結果がどうあれ、このやり口は汚いと思いますが、
情弱が罪。
権限と義務の関係を誤魔化すのは、空気の支配の国では容易か。
日本という国の意思決定の、そのありかたも含め、現実受容する所存です。
リスクコントールに興味ある人は、賠償金も織り込みます。
 
投資家としては、このあと、
買うべき勇気を試されることでしょう。
よき準備をして、自分ごととして、臨みます。
 
 
 
MCU続けて観てた、ときにツイッター眺めて、連想しましたが、
それはさておき、
日本にとっての3.11がアメリカにとっての9.11ですよね。
喪失から再生に至る、10年スパンのプロセスで、
日本では「あまちゃん」、「シン・ゴジラ」、「君の名は」が大ヒット。
片や、
9.11から再生の時期にアベンジャーズがシリーズ化し、さらに10年越しの大団円。
 
規模の差こそあれ、人間という存在への感慨は深い。
答えの無い問題には答えが無いが、それでも人生は続き。
団結は希望だと思いながら、意思決定は常に迫られます。
 
 
ディズニーCEOボブ・アイガー時代の成長記として観ると、
 能力活かす環境整備し、団結すれば無敵。
 独占とイノベーションで大きな実現、と人員整理。
と解釈出来るのですが、   
最後は9.11からの再生を、意識せざるを得ない作りでした。
 
MCUのフェイズ3までの決着、膨大な時間泥棒だけど、面白いと評判で、
エンドゲームまで観てみました。

私は、
「アイアンマン1」
(「スパイダーマン ホームカミング」)
「アベンジャーズ1」 
「キャプテンアメリカ シビルウォー」
「ガーディアンズオブギャラクシー1」
「マイティソー バトルロワイヤル」
「アベンジャーズ インフィニティウォー」
「アベンジャーズ エンドゲーム」 
の順。
スパイダーマンは観なくても、
キャプテンアメリカのバックボーンは知識として入れておけば、 
細かい設定は分からなくても、充分楽しめました。
分からないことは、分からない。それで良し。
 
3.11視点でシン・ゴジラ観るように、
9.11からの、自警団のストーリーを鑑賞しました。
 
作品で設定理解するよりも、重要と思えるのは、自警の概念ですよね。
アメリカ合衆国への理解。
建国の理念と銃
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/49557?page=2
 

合衆国憲法修正第2条の規定は、“A well regulated Militia, being necessary to the security of a free state, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed” である。
 
これを部分的に日本語に訳せば、「規律ある民兵は、自由なstateの安全にとって必要であるから、人民が武器を保蔵しまた携帯する権利は侵してはならない」となる。

共和党寄りの主張ではありますが、建国の基本的な理念で、
そこに9.11で始めてといえる本土攻撃。
ウルトラマンが米軍の比喩な日本とは事情が違う。
そこは抑えんと。
 

建国者たちの基本哲学とされた共和主義は、各人が私益よりも共通善、全体の福祉を追求することを重視する考え方であり、そのための前提として、市民が公徳心を持つことが重要だとされた。

まさにキャプテン・アメリカの保守で、現実的な取りまとめ役アイアンマンと対立。
ハリウッドなので多様性重視のリベラルっぽいのですが、
マーベルにディズニーを被せている。
基本構造は、アメリカの保守本流の現代の葛藤を描きます。
 
ただ、
反米側の心情をやり過ぎると娯楽として楽しめなくなってしまう、
ので、多くの敵は記号。
でもね、
 どんだけ武力あってビンラディンを処刑しても、
 テロの恐怖は無くならない。
 安心への答えはなく、団結に希望を見出すのみ。
 
報復の武力行使は自警の権利と見ている。
善悪で語ってないし、嘘の答えにすがってないし、
DCはジャスティス(正義)でも、こちらはアベンジ(報復)。
ああ、誠実に作ってんだな。と感動出来るのはそのためでしょうか。
 
食わず嫌いでしたかね。
長いのは映画館では苦手ですし、信者じゃないのですが、
スティーブ・ジョブズからディズニー追っかけて良かったな。
と、内部の対立構造は理解した。シビルウォーまでは前回観て、
  
最後はラスボス出すだろうし、
その彼には地球外から最強に侵略しに来てもらうしかない。
そのための設定として、以下の関係性は用意しておく必要があるよね。
 ガーディアンズオブギャラクシー(宇宙)
  |
 マイティソー(橋渡し) 
  |
 アベンジャーズ(地球)
逆算しつつ、ケビン・ファイギは映画単体の制作順決めてる。
実に巧みですね。
 
 

 批評としては、宇多丸さんに概ね同意。
 ジェームズ・ガン監督の演出がオシャレ。
  絵がカラフルで美しい。
  音楽の使い方がクール。
 特にオープニング、
  スピルバーグ? リドリー・スコット?と見せかけて、フラッシュ・ゴードンか?
  陽気でポップなノリ。深刻ぶったスペースオペラの潮流を変える。
 現代の技術で無理ないキャラ立ち。
  原作からも見捨てられた、はみ出しキャラを独自に再構成。
 マーベルシステムが機能。
  監督の抜擢と、フレキシブルな台本が、
  ギャグの手数を効果的に増やしてる。
 
 因みに、
 パルムッターの影響下にまだあり、
 曲の権利にお金払うの嫌で口出してたそうです。
 うーん、もう経営が時節にマッチしてない。
  
 それはさておき、
 私はそこまで、絶賛でないのは、敵が記号。
 やっぱ、寄せ集めが団結すれば勝ちで、
 一作目だし、ディズニーの勝利は無敵だし、
 やむなしではあるのですが、
 周辺の団体の描写量が多い割に、敵キャラが薄い。
 どうしても物足りない。
 
 ま、
 私ワンピース嫌いが災いしてます。
 スターウォーズもそんな好きじゃない。
 そんなバイアス補正すれば、
 新たなスペースオペラの王道と楽しめる。はず。

 

 マイティ・ソーは宇宙と地球の橋渡し役なので、
 ユニバース的にも重要なキャラ。
 
 なのに、2作作ってもイマイチぱっとしない。
 そこでテコ入れ。方針も大きく転換。
 
 タイカ・ウィティティ監督の抜擢。明るい色調に変わります。
 オールブラックスで有名なマオリ族の血を引き、
 闘技場の面々は、色彩豊かで、部族のお面みたい。

 ソーだけでなく、扱いの難しかったハルクも再生してます。
 目論見が大成功してるので、私は楽しみました。

 お話としては、
 インフィニティ・ウォーに繋げる位置づけなので、
 決戦が中途半端ですが、
 ハルマゲドン的なエンドはアベンジャーズで満たせばよし。
 と割り切りました。

 ああ、成長期っていいな。
 上手くゆかなかったときに、柔軟に方針転換できる。
 そうじゃない組織でストレスいっぱい溜めてきた記憶があるので、
 快感でしたね。
 
 ロキのキャラが深刻そうで神話本来の魅力を損なっていると、前回書きました。
 本来のトリックスターに回帰して良かったですよ。
 そうしないと、神話の物語は死んでしまう。
 
 シリアス路線でやるには、
 まだ現代の技術ではリアリティラインが足りない。
 日本の戦隊ものの悪役とあんま変わらない。
 普段の衣食住とか、フォーマルの服装とか、政治や経済。
 異星人のそれが、現実味なくて、
  普段からゴムみたいな服着てんの? ムレない?
 って、演技に白けてしまう。
 悪が記号なの相変わらずだし。感情移入できない。
 
 それをコミカルな展開が救ってます。
 出来るだけ悪役のシリアスなセリフは止めた方がいい。

 無味乾燥になりガチなソーのキャラが、
 進撃のライナーみたいな。
 ゴツいのに天然いじられキャラで、いつも悲惨な目に会う。
 愛すべきキャラを確立出来たのはなにより大きい。
 ユニバースの物語としては、これで一安心。

 あと、タイトルで物議醸してましたけど、
  ラグナロクがバトルロワイヤルに改変されたことには文句言うが、
  内容がラグナロクやってないことは気にしない。
そのバランスってどうでしょう?

 ラグナロクは神族と巨人族との最終決戦。
 からの全滅エンド。
 当然、失楽園とかデビルマンとかを期待するのに、
 
 ラグナロクより親しみやすく、
 コミカルさも伝えるバトルロワイヤル。
 でもなくて、
 中途半端な王位継承権争いでした。
 しかも、
 主人公が真っ向勝負してない。
 
 そっちの方が、問題じゃないのか。
 邦題と原題よりも、
 原題と内容の落差の方が問題じゃないの?
 信者な方の判断基準が分かりません。
 思考に公平さ感じないので、信者は嫌いです。  
 
 
 私は進撃の巨人越しに北欧神話眺めて、
 北欧神話越しにマイティ・ソー眺めてます。
 ソーの原作は知りませんが、
 そもそも主題であるべき北欧神話から逃げてるところに、
 ソーが迷走する原因があると見ます。
 最初から、
 コミカルでも巨人大戦やる選択肢もあったと思うのですけどね。
 原作は知りませんが。
 ヤル気ないのに、1作目で、
 シェイクスピアもので定評のケネス・ブラナー監督使ったのが、
 間違いのもとではないでしょうか。 
 
 そんな訳で、敵は巨人族ではなく、対立構造は生み出せてません。
 テコ入れした3作目でも、悪役はやっぱ記号ですね。
 ロキが巨人族に通じて揉め事起こす話に出来なかったかなせめて。
 ケイト・ブランシェットの演技と美貌は素晴らしいですが、、
 死を悪役にしたという以上の理由はなく。

 歴史改変が政治的メッセージというには浅く、
 王位継承権の道具として使っただけとの印象です。
 進撃の巨人読んだ後では、随分と軽い。
 
 ケイト・ブランシェットの悪役ヘラは、
 ギリシャ神話の女神と同名で紛らわしいですが、
 北欧神話の死者を冥界にいざなう女神ヘルのことですね。
 語源は地獄(Hell)と同様。
 英霊からさらに英雄の魂を目利きするのがヴァルキリーで、
 一般人担当がヘルなので、
 隣の部署くらいのもんですが、正邪に分かれて描かれます。
 因みに、
 エンドゲームのラスボスのサノスはギリシャ神話のタナトスのこと。
 役職は北欧神話のヘルと同じ。本来は別にムキムキマッチョでもない。
 死=悪 というのも、なんだかな。
 
   
 個人的不満をまとめると、
  折角在る対立構造を何故、骨抜きにする?
  何故、第一作目から北欧神話ヤル気ない?
  最初から準備しないと、端から巨人大戦というクライマックは無理。
  神話に忠実ならもっと面白かったはず。
 
  アベンジャーズに遠慮して最終決戦やれないなら、
  ラグナロク名乗って欲しくない。
  むしろバトルロワイヤルの方がマシ。
  つーか、
  バトルロワイヤルでもないので、王位争奪戦が妥当。
  それもプロットとしては安易に感じる。
  死=悪 も安易すぎ。
 
  
 とはいえ、
 路線転換は面白く、
 キャラ立ちにも成功して、橋渡し役に見通し立つ。
 難民船というシナリオから、インフィニティ・ウォーに繋ぐ。
 マーベルの目論見は成功しました。
 
 大掛かりなプロジェクトで、方針転換はそれ自体凄いこと。
 これが出来くなると組織は成長期を終えて、衰退期に向かう。
 
 

 いやー、凄いですね。これをやるのか!
 今までの不満を解消するシナリオでした。
 制作陣も悪役が弱いと散々言われて、
 ストレス溜まってたのでしょうね。
 すべてを終わらせる前に、やっておきたいことがある。
 
 最終決戦のエンドゲームの前フリという位置づけを利用して、
 思っきしストレス解消。
 いやー、清々しい。
 
 自警団の権利行使と、団結すればハッピーエンドという縛りでは、
 トロッコ問題のように善悪で片付けられず、責任を伴う意思決定は相性が悪い。
 より高次の視点で問題提起されると、自警団では扱えない。
 
 とはいえ、
 娯楽作でユニバースのバランス考えると、
 アメリカを憎むガチの対立を持ち込んでは、深刻過ぎる。
 逆に今どきISをステレオタイプに描くのも怒られそう。
 
 でも、
 もうすぐ終わるから、
 ここで、宇宙規模のラスボス出して、出来る限りのとやったろ。
 と思い立って、それをやりきった制作陣に拍手です。
 
 
 ラスボスは宇宙全体の調和という高次の視点を持つ。
 「まどかマギカ」だと、エントロピー増大、熱的な死を扱ってましたが、
 本作では、マルサスの人口問題。
 進撃のエレンのように、人類を半減させることで目標達成です。
 戦え、戦え。
 なので、死の神であるタナトスを選んで正解でもあり、
 
 歴史上、人類を半減させて来たのは、疫病なので、
 ロックダウンで、テーマパークは元より、映画館すら閉鎖ですから、
 死の神は疫病のメタファーでディズニーの本当の敵。
 という意味でも、とても座りがいい。
 と感心してました。
 
 
 惑星内で閉じてるから関係ないという反論も見かけたのですが、
 なに観てんだろ?
 その反論を封じるために、
 オープニングでソーの難民船が前作からの継続で登場し、
 ラスポスに難民は惨殺されまくります。
 
 難民の側は希望もって地球に向かいますが、
 押し寄せられる地球はどうでしょう。
 イラクやシリアが崩壊して、ヨーロッパと同様、
 押し寄せられる側はそんなに、嬉しくはない。
 そりゃ人道的には助けるでしょうけど、
 
 難民が他の星に押し寄せる時点で、惑星で閉じてない。
 宇宙規模でこの問題起こると引っ張ったの上手い。
 
 地球組アベンジャーズには当然そんな視点は無く、
 宇宙組ガーディアンズも考えて無い。
 皆自分の身の回りのことで精一杯です。
  
 そしてファーストコンタクト、
 繋ぎ組であるハルクとソーの使い方、上手ですよ。
 ラスボスの絶望的な強さ見せつけて。
 強さの差の理由に不満な意見も見かけたのですが、
 なに観てんだろ?
 格闘家と力自慢の試合が描かれます。
 昔K-1で見た、アーネスト・ホーストvsボブ・サップみたい、
 パワー任せの大振りを躱して、がら空きのボディにカウンター。
 パワーは同程度なら、メイウェザーのような技術持つ方が強い。
 ラスボスが格闘術習得する若き日は、省略してよいよ。
 そこまで説明されなきゃ分からないのは、見る側の問題だよ。
 
 ともかく、
 個人でも強く、率いる軍団も強い。
 さらに、高次の視点で公平に生命を半減させ、
 とりあえず宇宙に均衡を取り戻すことを目指しています。
 マイティ・ソーの映画を引き継いで、完璧な滑り出し。
 
 繋ぎ組は宇宙組と合流し、
 宇宙組は二手に分かれる。
 地球組はニューヨークの3名だけ宇宙に引っ張られる。
 それ以外の地球組は集結。
 それから、
 地球と宇宙でそれぞれ混成チームが編成されますが、
 寄せ集めチームの悲しさ、統制の差が出て負けます。
 
 ラスボスの目標達成には、
 ドラゴンボールみたいに石を集めるのですが、
 その過程で、ヒーロー・ヒロイン達は負け続けます。
 アクションシーンは流石のルッソ兄弟監督で、
 それぞれに見せ場作りながら、サービス満点です。
 いい負けっぷり、コテンパンです。
 自警団の限界を見せつけます。
 
 途中、ラスボスが愛情持った人格とも描かれます。
 個人的には、
 責任ある意思決定を、感情の有無とかで善悪に分類するのは、
 精神年齢の低い邪道な行為と思いますけど、
 自分が経営者で、従業員解雇せざるを得ない立場とか、想像力無いのかな。
 
 増えすぎたエゾシカとか、外来種は殺すとか、
 動物の間引きを人類は自分の都合で平気でやるくせに、 
 傲慢だから悪という視点は、子供だまし過ぎ。
 むしろ逆に、疫病は自然の生産調整かとも思ってしまう。
 
 
 閑話休題。
 制作側は意図的に、分かる人にだけ分かるように、
 延々とトロッコ問題やってます。
 そして程よく、感情移入させすぎない程度に、
 悪役側の大義を観客に納得させます。
  
 そのバランスは絶妙。
 自警団の権利行使では、世界の問題は何も解決しない。
 武力による破壊行為くらいしか実際出来ないんだもん。
  反対は分かったから、対案出してくれ。
  足引っ張るだけじゃ投票の対象にならない。
  
 と、
 皆が判断してしまっては、
 ヒーロー・ヒロイン達の立つ瀬がない。
 そこまでやっちゃうと物語が成立しない。
 敗者の視点に感情の導線は引っ張ります。
 
 ですが、
 最後はラスボスが目標達成してご満悦のバッドエンド。
 ケビン・ファイギ以下制作陣のしてやったりが目に浮かびます。
 
 最終決戦の前編としての意味も持ちつつ、
 今までやることが許されなかったことを、千載一遇の機会に達成。
 最後は卒業式だし、ここしかチャンスがない。
 
 観てる私としても、MCUでストレス感じる部分、
 一気に解消してくれて、カタルシス半端ないっす。
 
 
 

 この映画で、庵野秀明は卒業式のやり方学んだな。
 何を無視してもいいのか、明確に選んでます。
  ・やり残したことはやっとく。
  ・整合性は無視していい、卒業式に魅せたいシーン優先。
  ・スムーズに繋がってなくていい。
  ・卒業式として、ファンを送り出す。
 
 シン・エヴァのプロローグはパリでしたが、ここでは、
  目的達成後は隠居して土いじりしてる無抵抗な老人にアベンジ。  
  だから、武力で報復しても、何も解決しないんだって。
  圧倒的な敗北感から始まります。
 
 
 次のパート。
 第三村では、
  ミニュチュアやモーションキャプチャーから画を起こしてました。
  最後のアニメ作品で、やり残してたことは写実主義の徹底。
 
  これに該当するのは、名優たちの演技です。
  こんな豪華なメンツを揃えておいても、
  作品の性質上、アクションや映像技術による表現がメイン。
  最後くらいは、芝居も堪能したい。
 
  このパートの心憎いとこ、
  9.11からの喪失と再生をモチーフにしながら、
  名優達にそれぞれ演技をたっぷりと、尺取ります。
  これもまた、成仏のポイントですね。
 

 それから、アクションと卒業式パート。
  私にとって、シン・エヴァでは興味持てなかったパートですが、
  それは一度ちゃんと完結してるからで、
  アベンジャーズにとっては、最初の完結。
  ここでは、
  量子世界でも、マイナス宇宙でも、領域展開でも、
  理由は何でもいいです。
  設定なんて、さじ加減一つの後付ですから。なんでもアリアリですよ。
  やっぱり巧みなのは、
  オーシャンズ11みたいな泥棒団としての物語成立させながら、
  過去作の場面に出向き、キャラの成仏させてゆくお話の運び。
 
  奇しくも、シン・エヴァ同様に、父と息子の和解やってますね。
  役者本人の人生もダブります。
  10年間まとめ役としてMCUを支えた屋台骨の見事な成仏でした。

  戦闘シーンはサービスですので、各々見せ場作ればそれでいい。
  この辺の手際は相変わらず、卓越してますね。
  エヴァのときと同じくあんまり興味なく眺めてました。
  もう悪役も記号でです。それでいいです。
  鋼鉄の男が意志を貫徹して、いい終わり方じゃないですか。
  さようなら、すべてのエヴァンゲリオンはこうやるんだと、
  きっと学んだと想像してます。
   
 
  
 エピローグは宇部新川駅ですが、
  ロバート・ダウニーJrのお葬式。
  お別れの儀式。合掌。 

  自警団の理念に生きるキャプテンには、
  個人の幸せを優先する世界線を生きさせてあげる。
  
  ハルクが人格再統合するのも、幸せで良かったね。
  経験ないけど、二重人格は大変そう。
  徐々に知能を獲得してくハルクが、ただの凶暴さから脱して、
  自分ばかり痛い目に会うの拒否するのは、
  そりゃ、そうだよと観てました。
  暴れっぷりが観たい信者には不評でも、
  そこで幸せな人格統合で、納得してました。
  単体映画で、人格統合に至るプロセスもおもしろそうです。

  マイティ・ソーは折角キャラ立ちしたので、
  まだスペース・オペラで陽気に活躍。

  現役感バリバリの人たちは、続きそうだし、
 
  ハリウッドらしく定番の家族で終わるのも、
  ここでは良しでしょう。
  
 
  全編通して、不満なのは真田広之くらい、
  ブラック・レインやるなら、
  アウトレイジな悪役使って欲しかったな。
  
  
 自警団は結局、報復して、守るべきを守りましたが、
 問題解決とは関係がないけど、それは最初から言わない約束。
 私はとても好感持ちました。

 答えの無い問題に対して、無理に答えを提示するのも、
 誠実ではないし。義務教育でもない。
 無事卒業式やりきれば、それで良しですね。  

最近のMCUは映像が標準で凄いので
何が凄いのか、普通なのか感覚麻痺しました。
マーベルは音楽の使い方、安定して上手いです。
 
こうやって風呂敷畳めたのですから、シナリオに文句はありません。
こんだけ登場人物多いので、観るだけでも、整理大変です。
 
なので、物語の構造に沿って、感想挟みました。
正直、単体映画として評価出来るものか分かりません。
 
 
とりあえず、分かったのは、  
全部通して俯瞰すると、これは映画史上の偉業です。
一昔前、
 「踊るマハラジャ」のようにはハリウッドは作れない、
 人件費が高騰して、もう「ベン・ハー」のような大作は無理と。
失敗を恐れて、パート2の企画ばかりのハリウッドと言われた時代も。
 
それが、意外にもスティーブ・ジョブズをキッカケに、
ディズニーによる様々な才能とイノベーションの統合。
そして、グローバルで多層的なビジネスモデル。
これにより、
巨大な資本での大作が可能になり、MCU構想として結実。 
今だからこそ、配信で手軽に、
長いのは休憩しつつ、体験できて良かった。
 
「このままゆくと、、」という人間の予想はだいたいハズレますね。
オリンピックは中止かもしれませんし、
賠償金では揉めるでしょう。
  
人智を超えた、大きな力が働いているような気もします。
こんな時代に日本で引きこもり、
それでも、悪いことばかりじゃない。
不思議と新たなる希望を感じて生きております。

 

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