信者ビジネスを学ぶ、Mリーグとアベンジャーズのファイナルから

Mリーグも優勝が決まり、ルールに対する不満がSNSで噴出してます。
結果が受け入れられず、イチャモンつけてるだけ。
にしか見えないとも言えるのですが、
 
整合性に欠けたを発言を見掛けると、
ああ、信者の獲得の成功してる。のかなと、
 
藤田晋社長の野心的な挑戦が実を結びそうで、
余計なお世話ですがなんか安堵してしまいます。
 
 
中でも、
選手を連闘させて負けたチームのファンが、
ルールとしての連闘規制言い出すのは、微笑ましい。
 
そこは、せめて采配批判だろと、思わずツッコみますが、
 短期決戦では「シリーズ男」が出たチームが勝つもの、
 調子良い選手を優先し、ハマらない選手を控える。
 ラス引いた後もムキにエース出し続けては、
 レギュラーシーズンぶっちぎりの一位通過でも優勝逃します。
 ま、それはそれで、伏線もあったな。
 
 
 
前回書いたMCU映画の件も含め、信者ビジネスについて、考えてみました。
参考文献

 
 
信者ビジネスと言えば、MacとかAKBとかが思い浮かびます。

私はマーケッティングセンス無いので、
 なんでアップルは専用の店舗を構えるのか?
 そこに行列がどうして出来るのか?
昔はまるで分かっていませんでした。
 
消費において、思考の整合性失わせること、重要ってことか。
 
 
 
個人競技だった麻雀に、
チームにファンが着く構造を導入したMリーグは、凄い発明。

コミュニティが形成されますからね。

 キャラ立ちした選手が多く居て、
 シーズン通して悲喜こもごもなストーリーが展開される。
 それはもちろん、持ち込んだ構造上手いのですが、
 
 ドラマチックな展開になるような、ルール設定。
  赤入りで、着順のオカもあり、派手な点数移動が起きやすい、
  セミファイナル、ファイナルと持ち点が半減するので、
  最後まで逆転の可能性が残る。
 
 画面の演出も卓越してる。
  真っ暗な舞台に麻雀卓にだけピンスポットで、
  手配映すだけでなく、効果的に選手の表情をカットイン。
  これまでに無い実況も相まって。
 
 特に映像面での工夫。ドーパミンが出やすい工夫は画期的ですね。
 
 依存症ビジネスの行動嗜癖には、以下の6要素あり、
  目標、ランダムに報われる、進歩の実感、
  難易度のエスカレート、クリフハンガー、社会的相互作用、
 それらすべてが意識されて設計されてます。
 これは信者を生むよ。
 
 ちなみに、ルール批判も何かとストーリーなのが不思議。
 偶然や幸運ではない、計算があるのかな。
 
 ・連闘規制
  圧倒的エース1人に頼り連闘させても勝てない結果。
  これは不公平である根拠は弱くしている。
   調子いい選手連闘させての優勝チームと、
   負けてもエースに固執し敗れたチーム、
   その明暗がくっきり別れた。
   最強の選手でも、あれはメンタル削られる。
   
  不公平でなく、戦術に差が出るだけ。
  セオリー無視は勝つ確率下げる。
  追われる立場が追いつかれて、慌てた。
  
  
 ・セミファイナル、ファイナルの持ち点半減
  野球のCSでも、サッカーの前期後期制でも、
  負けると文句が必ず出る制度。
  単に強さを競うのでなく、エンタメならでは。
  文句あるなら、終わってからでなく、開幕前に言うべきで、
  負けた後で言うと、正当性あっても言い訳にしかならない。
  
  これが導入されると、どの競技でも、
  短期決戦で切り替えられないチーム出てくる。西本幸雄監督みたいに。
  
  多井隆晴がyoutubeでレギュラーシーズンぶっちぎりを、
  勝ったも同然のように発言してたので、
  短期決戦の恐ろしさを舐めてるなと観てたら案の定。
  
  
 ・入れ替えシステム
  二部が無い現状で負け続けることが許されてしまうので、
  二期続けてのファイナル進出なしは、メンバー入れ替えが義務付けられる。
  それに先駆けて、前年度最下位のEX風林火山は、
  負けたら解散、背水の陣を開幕前に打ち出す。
  
  結果、首の皮一枚のファイナル進出から、
  「シリーズ男」勝又健志の活躍で、
  勢いに乗って劇的な逆転優勝。
  
  勝ってる方は守りに入り、チャレンジャーは開き直る。
  典型的な展開となった。
  
  
 ・目無し問題
  最終戦で勝ち目の無い最下位の立ち回りは難しい。
  優勝に関与してしまってよいものか、昔から議論されて来た。
  最下位で目無しでも意義を付加するルール追加は可能でも、
  完全解決は出来ないし、別の悪影響もある。
  
  去年は沢崎誠が完璧に何もしない打牌。下家の多井隆晴は鳴けず割を食う。
  今年は村上淳が空気読まずトップ取りに行き、多井隆晴の親を潰す。
  目無し最下位の立ち回りがどうあれ、最終戦3着から優勝は困難。
  どうやら、最終戦の直前が最重要らしい。
  
  これも伏線あって、数試合前の局後インタビューで、
  多井隆晴が「一つくらいはドリブンズがトップ取ると思った」と本音。
  これを聞いて、
  最終戦は心を鬼してトップ取ると、村上淳は決心したのかも。
  結果論だが、「ロッテより弱い」発言になったか。
  
  
 
アベンジャーズでも、信者的鑑賞に考えさせられた。

そりゃ、庵野秀明も参考にするわな。
 
 アベンジャーズは、というか、フェイズ3までのMCUは、
  9.11以降の再生と団結の物語。
  アメリカ建国の理念に基づく報復も含め自警団の権利の物語。
  管轄地域を超えた広域な問題解決能力はそもそも無い。敵を倒すだけ。
  トロッコ問題に答えるような正義は存在しない。とも描いてる。
 
  ディズニーの買収戦略(ピクサー、マーベル、フォックス、ルーカス)を反映、
  寄せ集めチームを再編して、団結したら敵なし。
  
  物語上も制作過程でも、理想派と現実路線の内部対立が構造的に起こる。
  対立を乗り越えた後の戦闘は見せ場だが、逆に敵は記号になる。
  外敵の物語を深くやると、テーマがブレる。
  
  大人の鑑賞に耐えるアメコミものとしては、
  ヒース・レジャーやホアキン・フェニックスのような、
   悪とは? 反社会性とは? 
  根源的問題に迫るような、シリアスな先例もあり、比較される。
  逆にMCUは明るくハッピーが信条の娯楽作。
  そのため敵が記号で、子供だましではとの批判は常に受ける。
  
  ディズニーだから多様性重視。
  ただし、民族や性別は平等でも、宗教は描かない。
  
  壮大な、でも閉じている、MCUという物語づくりと、
  最新鋭の中毒性ある映像で、
  ファンを囲い込むシリーズ通しての戦略も巧み。
 
 
 というような点は前提かと私は思っていた。
 映画を沢山観てる人でも、MCU精通してる人でも、 
 何を意識してるかは、いろいろで、
  
 団結するヒーローものとして、無邪気に楽しむからこそ、
 没入してゆける。
 逆に、批評的になると距離が出来てしまう。
 ようやく、
 信者的鑑賞というものが、少し理解出来た気もする。
 なんか辛いけど。
 
 
 最後は卒業式映画になるのだけど、
  その前編では、
  ヒーロー達がコテンパンに負け最強のラスボスが圧勝する。
  (ああ、だからMリーグ連想するのか)
 
  後編はそこからの逆転劇とお約束なのだけれど、
  卒業式なので、特殊な構造。
 
 前編のインフィニティウォーでは、MCUの構造を逆手にとり、
 信者を突き放すような物語を展開する。
 作り手はこれまでの鬱憤も晴らしている。
 
  宇宙全体の人口爆発を、生命を半減し解消という手段に出る悪役。
  私利私欲でなく、善悪でもない、トロッコ問題の意思決定。 
  「池の水全部抜く」vsブラックバス のような構造を持ち込む。
  
 ここで、カニと修造理論を思い出す。
 
 修造から描くなら、
  漁に悪戦苦闘しつつも、遂に美味しそうにカニ味噌も堪能。
  
 カニから描くなら、
  家族や仲間が拐われ、酷くも、茹でられ、切り刻まれ、捕食される。
 
 双方の立場は構造として存在するが、
 どちらから描くのかは、視点の問題で、
 感情移入に成功するかどうかは、演出の技術次第。
 脚本はそのために、効果的なエピソードを入れる。
  
  
 当然そういうことは、意識して映画鑑賞するもんだと思っていた。
 知らない昔には戻れない。
 でも、信者的視点で鑑賞するためには、分析的思考は邪魔なんだな。
 
 で、インフィニティウォーでは、
 ギリギリ最強の敵が悪に見えるように演出。絶妙なさじ加減。
 それでいて、自警団物語を全否定してゆくのだもの、
 信者の心は絶望的に揺さぶられる。
 
 作り手が信者の信頼を裏切るのは、卒業式へのプレリュードで、
 手のひらの上で転がすが如くなれど、
 信頼が厚いほど、ショックも大きいものだね。
 
 
 後半のエンドゲームは、新エヴァに例えるなら、
  単体映画としては、
   65点 (新エヴァ 40点)、
   構成やお話運びのいびつさで減点。
   映像が凄いだけでなく、演技が素晴らしい分加点。
 
  作り手の趣向、
   9.11の喪失と再生を名優達の演技で魅せる 85点。
   (新エヴァ 徹底した写実主義の画作り75点)
   次のパートでも過去との対峙で魅せる工夫あり、加点。
  
  卒業式としては、
   100点 (新エヴァ 100点)、
   各キャラに見せ場作りつつの成仏を、あの大人数でやるの立派。
  
  
 といったところ、
 ちなみに、
 エヴァではあの映像表現を岡田斗司夫以外は言及すらしない
 アベンジャーズでも、演技もっと絶賛されてもよいのに、
 信者さん達はまるで気にしない。
 
 
 構成は同じで、
  プロローグ 前作思い出してね。
   隠居した元敵役を殺害。深い敗北を思い出す。 
   (新エヴァ パリで任務完了)
  
  Aパートは作り手の趣向を存分に、
   9.11喪失と再生を名優達の演技で魅せる。
   (新エヴァ 第三村の写実)
   
  Bパート、後付設定で構わないからお話を動かす。
   オーシャンズ11のような泥棒もの、過去との対峙。
   (新エヴァ ゲンドウ軍vsミサト軍の戦闘)
 
  Cパートは卒業式。
   最終決戦。各キャラの見せ場。
   (新エヴァ 各キャラ成仏。
         親子の和解と過去シーン、プロフェッショナル撮影現場)
   
  エピローグでさようなら。
   お葬式とその後の各キャラの行く末。
   (新エヴァ 宇部新川駅でアニメとお別れ。ダッシュで実写撮りそう!)
   
 
 意図は似てて、
  ここで終了させて、新しい取り組みに取り組みたい。
  閉じた世界を一度壊したい。
 
 目的はやや違い、
  アベンジャーズは、囲いつつ新展開を目論む。
  庵野秀明は、やりたい特撮のため、エヴァ信者の呪縛からの解放。
 
 
つれづれに書いてしまった。
信者ビジネスの要諦は、
 既存社会への反抗のメッセージと、
 コミュニティ化。
だと言われます。
 
私が印象的だと思うのは、
 お客さんに仕掛けを気づかれないまま、
 ちょっとドラッギーに脳に直接作用する中毒性。
 
 
MCUは映画での物語の展開のあり方そのものを変えた、
Mリーグも、見る麻雀をこれまでに無いエンタメとして提供して、
閉鎖的だった麻雀界を一新した。
情熱の偉業だと、認識した次第。

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