堀江貴大監督の上品な不倫映画「 先生、私の隣に座っていただけませんか?」 尊敬できないなら、さよならだ。

「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018」で準グランプリ獲得の映画化。
脚本監督の堀江貴大さんはとても上品に映画を撮ります。
黒木華さんをスクリーンで観るのは「日日是好日」以来、やはり上品で上手い。
そして柄本佑さんをキャスティング出来た時点で、ほぼ勝ち確な映画でした。
 
メタ構造の演出や、ドロドロの感情は、もっと強調することも出来たのに、
基本充分楽しめるのですが、上品と取るか、薄味過ぎると感じるか。
最初の印象は後者だったのですが、後者もありかと、思案中です。
ネタバレありでその理由も書いてみます。
 
 
漫画家夫婦で夫はもう何年も漫画描いていない。
柄本佑は見た目もどうみても、富樫に寄せてる。夫婦ごと寄せてる。
ああ、結婚してから休載増えたって、噂あるよね。

しかも、柄本佑の奥さんは同業者でかつ名声も欲しいがまま。
 
ダメ夫で、コメディを一手に引き受ける。 
私は結構笑いました。もっと劇場全体で笑い起こってよいと思うのだけど。
 
それはさておき、
漫画でメタ構造やるって「鳩の撃退法」に似てますが、
スカッとした着地で、上品によく出来てるなあ、と爽やかな読後感を残します。
 
 
ですが、
観てるときは、若干不満点もありました。
・中盤ペース上げたい
 漫画読んでると、先行きが気になると読むペース上がるもので、
 展開で引っ張れる中盤以降は、もっとペース上げても。
 と少々まどろっこしい。
 善意に解釈すると、あくまで心情を丁寧に描くこと優先とも言えるが。
 
・もっと漫画のメタ構造を強調したい
 何話目かの区切りとか、もっと明確に場面転換したい。
 東京同居、別居、田舎同居、妻失踪、田舎集合と、話数ごと区切りたい。
 漫画が現実を追い越す場面入れたい。
 ネーム原稿見るパターンは、
  原画、ファックス、ネットとバリエーション増やしたい。
 各話ごとに、始まりと終わりは漫画でやりたい。
 特にエンディングは漫画でエンドマーク描いて終わりたい。
 ここは、ベタかもしれないが、やったほうがいいと思う。

・原作:妻 作画:夫 は初期設定でいい。
 自作を描けなくなって、妻に励まされて作画を担当する。
 で、いいじゃん。  
 驚愕のネーム原稿見ながらも、締切に追われつつペン入れ。
 の方がドラマが盛り上がると思うのだけど、、
 作画担当を決意するのが終盤なのは、意味があるのかなあ。
 
 
カメラワークは適度に遊んで、でもしっかり観せる。
音楽もセンスよく出しゃばることがない。
あくまで、上品だなぁ。
でも、上記の不満は残り、もうちょっと濃い目の演出希望したりもした。
 
せめて、ラストは漫画で終わろうよ。
なのですが、 
別れることが自立というテーマなら、仕方ないかなぁ。
 
 
結婚後、仕事しないで浮気もする。
優しくて、協力的でいい人だけど。。
一緒に居ては、お互いにダメになる。のではないか。
WIN-WIN or No Deal.
 
更に、
裏切ることでしか、別れられないこともある。
ラスト、作画を夫に勧めつつ、去っていく。
これは、お互いの自立と別れですね。
そもそも自動車免許取得が自立のメタファーですものね。
 
夫の裏切りが許せないというより、
 尊敬できないから、さよならだ。
(「不滅のあなたへ」に挫折して「SonnyBoy」に癒やされてます。)
  
生きてる以上は、真贋は見抜かねば。
 

ホントに、人間、見抜く眼力がないとね。 
見抜いていかなかったら、ふり回されっぱなしになってしまいます。 
リーマン・ショックで不況がきて、一時、テレビで証券会社のアナリストだかがこういっていました。「もう、不景気は底をついたから」って。 
でも、あれは、株が売れなくなったりして自分
たちに不都合があるから、明るいことをいってるんであって。 
そこを見抜かないと、いけませんよね。

 
あの頃の ”先生” に戻って欲しい。
今は、からっぽ。
 
だから、作画を担当させるのラストにしたのか、
やはり、
この満ち足りた生活のせいで、漫画描けなくなったのではないか?
結婚してから休載が増えたのは、データでも明らかだそうだ。
まあ、主人公が親父に会うところでエンドでも、良かったのだけど。 
 
夫婦で同業者で、妻が偉大なカンヌ女優でも、
こんだけいい仕事する柄本佑カッコイイ。
エンディングの爽やかは、そんな現実も想像するからでしょうね。
そこで、この曲↓が流れますが、 
 
夫婦で同業者は、尊敬が長続きの秘訣ですかね。
 
 
 
政治家の場合はどうなのだろう、長続きしないものなのか、
総裁選のニュースでは、元夫は応援してるらしい。
 
コロナ収束するまでは、他の政策議論しても意味ないと思うのだけど、
 コロナの非常事態宣言中に原発再稼働とか年金改革とか、
 ビッグイシュー扱う余裕はあるまい。 
唯一あるとしたら、
 二階さんの扱い、バイデン政権にどんなシグナル送るか。

選挙はマーケティングで、
マーケティングはポジショニング。
 
 河野vs岸田のときは、世代間、改革vs安定で良かったが、
 宏池会は当然として、河野太郎のブレインもリベラルに舵を切った。
 保守の空白に高市早苗が立った。おかしな記者のお陰で風が吹いた。
 したたかな親中派は、候補擁立して決選投票まで態度保留出来る。
 
 どぶ板セールスで応援する安倍後見人に対して、
 岸田陣営は、リポジショニング必要ではないかな。
 二階幹事長を切った、というだけでは不充分では。
 あるいは、ベテランを固めれば逃げ切れると読んでいるのか。 
 
テレビでは野党も挟まないと、怒られるらしいが、
 批判だけでは、常に投票してくれるコアなファンにしか響かない。
 マスには逆効果とも思えるが、他に戦略は無い。
 
 
株価は、
 2021.02年の高値でバンドウォークが止まり、
 中国恒大の影響で下げるも、20日線は死守。
 やはり、衆院選の結果予想で動くと思うのですよ。
 まあ日本の連休って、売り仕掛けありますよね。
 

神は、人間に安心を与える存在です。 
ところが、その神を口にしながら、「水子の障り障りがある」だの「もうじき地震がくる」だの「先祖が人殺しをしていて、どうだこうだ」と、人をおどかすようなこと、不安がらせるようなことをいう人がいます。
でも、私は気にしません。
はっきりいいます。それ、偽物です。 
人をおどかしたり、不安にするのは、偽物なんです。 
神が人間をおどかすことは、ありえません。 
神を口にして、おどかすような話をするのは、自分に得なことがあるからです。おどかした人が得するような、何かがあるのです。

いやー、中国発のリーマン・ショックがどうなるか、私には分かりませんが、
当面は、衆院選で自民党がどの程度多数派維持できるか次第。と見てます。
習近平が橋本龍太郎より上手に立ち回れるかどうか、
その結果が出るのは、もっと後じゃないでしょうか。
  
 
最近私、
ようやく投資も人間関係も、ただの意思決定の連続に過ぎない。
と考えられるようになりました。
愛着障害的なのがようやく薄れつつあります。
昔は損切り出来ませんでした。 

今なら、↑のような損切も出来る気がします。 
 
 
それはさておき、 
堀江貴大の作家性、上品というポジショニング。
この時代には不利かもしれない。
ただ、ベタと原作モノばかりでは物足りない。という層も居ると思う。
ブレず、消えず、作品撮り続けて欲しいものです。
  

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