「アリスとテレスのまぼろし工場」先週観たのですが、
説明されなければ分からないが転じて、
言語化され説明さえされていれば、
設定ガバガバで破綻だらけのご都合でも、
従順に理解を示す態度は不気味である。
設定の枠組みの矛盾を疑わず、
考察と称してつじつま合わせを行う姿は、
まさに洗脳のそれである。
続けて観た作品が、
洗脳による支配と搾取を扱っていたので、
ことさら連想されてしまった。
戦前の教育は偏っていた。
だからといって、
敗戦国に施された教育が、ご都合まみれでない保証にはならない。
差別は悪だからといっても、
女性が安心して女性用トイレを利用できないような社会は、
狂信であるが如く。
５０過ぎの良識ありそうな男性と仙台で知り合い、
福島の原発事故の後、
彼は盛んに、放射能汚染被害を訴えていた。
風向き次第では、仙台に飛んできそうと素人は疑う。
検査済の福島の米より、無審査の宮城の米は安全なのだろうか？
彼は仙台で何の対策もせず普通に暮らしている。
俵万智のように、沖縄に避難するのなら、言動に一貫性はあるのだか。
当時は、彼は特殊なのだと思っていたが、
今は、人間の合理など、その程度だと理解している。
大きなショックでもないと、日常の異常性には気づけない。
そんなこともありながら、日本に居ます。
もうちょっとやり残しがあるみたい。後始末的な。
ま、それなりに洗脳を受け続け、
かつ今も洗脳したい幾多の勢力に囲まれて、私は暮らしている。
家庭、教室、職場、教会、共同体、メディア、国家、イデオロギー、
洗脳を手段とした支配は、どこにだって見つけることができる。
ナチの残党が作った実際のカルト教団をモチーフにした、
狂気の映像を鑑賞して、
自分は大丈夫だと無自覚なのが、一番のホラーだなと。
少なくとも私は狂った世界の住人として生きている。と自覚はある。
正常である自信はないが、自分の信じるものに無自覚無批判よりはマシかと。
映像の凄まじさは言語化しても、百聞は一見に如かずだし。
ブタから人間の手足が生え変わり、
黒髪と浅黒い肌の人間になり、
最後は金髪碧眼のアーリアンに完成する。
ナチスをモチーフにした洗脳の表現で、
洗脳が解除されなければ、その支配は連鎖してしまう。
毒親育ちが毒親になるように。
ジャニーズの実態が解明されつつあり、
「進撃の巨人」を体験済の日本人には、
馴染みの題材だとも、むしろ思う。
共依存から解放されるには、洗脳の轍を断ち切らなければならない。
脱走という行動だけしても、リバンドして元の木阿弥。
それだけ、押さえておけば充分だし、
分からなくても、言語化されずとも、
むしろ言語化されないからこそ、洗脳の恐怖は体感できます。
こういうアートな作品ですら、
分からせて貰えなければ鑑賞に不満というのは、
世界は優しく、
自分の理解力に応じて、
全てを提供してくれる。
という信念である。
分かりやすい娯楽に洗脳された結果。
あだち充は心情を校舎への雨で表現したが、
尾田栄一郎は涙と鼻水まみれの大仰な表情で悲しみを伝える。
きたがわ翔曰く、
今はせつない表情の横に文字で”せつない”と書かないと。
なんの救いにもなりませんが、
なるほど！と膝を打つ本をご紹介。
情報を処理するとき、人間の脳は論理的に正しいものより、わかりやすいものや都合のいいものを選んでしまう傾向がある。その結果、特定の人物や物事に対する偏見や間違った思い込み、ときには差別的な感情を強くしてしまうことがある。
そんな思考の偏りや思い込み＝「バイアス」は世界に溢れていて、自分の脳で思考する限り、誰もが「自分バイアス」から逃れることができない。つまり、誰の意見であっても、どこからの情報であっても、何らかのバイアスがかかっていることを知った上で、物事と向き合うことが重要なのだ。
誰かのメガネをかけさせられたまま、つまり、誰かの思考バイアスに覆われたまま不自由な人生を送ることを避けて穏やかに生き延びる戦略を、脳科学の知見から語る。
もうすぐ、
この楽しい地獄からも卒業できそうな気もするんだけど。
過去、どんな欲求や欲望を餌に釣られていたのか、
望んで洗脳されてきたのか、
日本にいて、消化してきている。
