時節柄、台湾有事についても考えてしまう昨今、
台湾による台湾の為に尽力し、虐殺された偉人。
その記録映画を観る機会があるならと、雪の中シネマ・ロサへ。
《 鑑賞 》
史実の予習はしました。(後述)
なので、目新しい事実は特に有りません。
再現シーンを挟むものの、
記録に徹している作りで、無理に興味惹こうとせず、
観る人によっては退屈かもしれません。
映像としての面白味も特段有りません。
ですが、
取材者と被取材者、
それぞれの本作、記録映画に対する態度が、
心に残りました。
この内容で、台湾独立を声高に叫ぶものでなく。
あくまで、
歴史に埋もれないように記録に残すことに徹している。
その気になれば、
自分の正義に酔うことだって出来るのに。
素晴らしいドキュメンタリーでは、
作り手は空気に徹することが出来てますね。
そう言えば、
去年のこの時期は、東中野へ出向きました。
「風に立つ愛子さん」
声高に主張せず、
被災した高齢の独居女性の日常を、活き活きと。
記録し続ける。
今年は、
湯徳章が処刑された3日前に、その記録を池袋で。
第二次世界大戦終結後、中国国民党統治下で発生した二・二八事件において、台南市の人民自由保証委員[10]として台南学生をなだめ、国民革命軍の報復によって台南学生が虐殺される事態を防いだ[11]。国民党軍に逮捕され、市中引き回しの上[1]、大正公園にて公開銃殺された[12]。

門田隆将氏も、カメラに収まっていました。
息子さん曰く、
広場に放置されたまま、血を流し蝿の集る遺体は、
殺害から3日後に、
ようやく、引き取ることが出来たそうです。
国民党は、理由をテキトーに、でっちあげ、
台湾独立運動のリーダーに成りそうな人物を、
片っ端から消したらしい。
”犬が去って、豚が来た” 時代を追体験しました。
それで、
語りたい事を順に、
1.ドキュメンタリー映画の出来不出来
2.息子さんのスタンス、作り手の態度
0.二二八事件とは? 史実の予習
鑑賞しながら、
ドキュメンタリー映画の善し悪しについて、
幾つかの作品と比較も、浮かんでしまいました。
1.ドキュメンタリー映画の出来不出来
創作でなく、ドキュメンタリーを観る醍醐味は、

「シーンとは何か?」…それは、
「被写体が、カメラがあることに気付かないくらい何かに集中している様子が写っていること」です。
集中というとオーバーかもしれませんが、
要は「そこに取材者やカメラがいないくらい、被写体が自然に振る舞い、自分の行為や感情と向き合っている様子」です。
演技とは、やっぱり違う現実を観たい。
しかし、ドキュメンタリーを名乗る作品でも、
常に、それを体感出来るとは限らない。
純粋に力量の問題も有りましょうが、
第一には、作り手の姿勢の問題でしょう。
素朴な好奇心、
対象に対する敬意、
第三者視点で、既に存在するストーリーを映す。
まあ、
ダメな例も、見掛けてしまう。残念ながら。
制作側の主観がメインにすり替わってしまいガチで、
ex.
・取材者が、他愛もないオシャベリに夢中。
インタビューの目的を忘れ、観客に情報を伝えない。
・安いエフェクトで観客の感情を誘導。取材者の主張だけ切り取る。
ドキュメンタリー映画風でも、実体はTVワイドショー。
私はドキュメンリーを観たいのであって、
プロパガンダに洗脳されたい訳じゃない。
ああ、
何が嫌いかじゃなくて、何が好きかで語らなきゃ。
カメラ意識されず、ナチュラルな撮影の成功例も幾つか。
信頼され、出しゃばらず、撮影に徹する。
・「小屋番」
八ヶ岳と小屋番の様々な課題を本人が語る。
膨大な素材から、四季折々のエピソードを選んでも、
それが、切り取りでなく、偽りの無い説明と伝わる。
・「大きな家」
実は、予告↓が本作の前に流れた。再上映らしい、喜ばしい。
映像も美しいのに、
本音や自然な表情を引き出すことに長けている。
空気のような取材者は、
空気に成るだけの時間を費やして撮影に臨む。
・「どうすればよかったか」
背筋が凍る程の写実でした。
親の承認欲求の結晶のような娘の論文を、
棺に入れようとする父親。
それを傍観者として、カメラを回す弟。
何故か感情を沸かさず、記録に残すことを優先している。
(だからこそ、伝わるんだけどさ)
ドキュメンタリー制作は大抵、
創作に比べ、圧倒的にタイパが悪い。
良い作品は、
根気強い撮影から、厳選された映像を鑑賞できて、
有り難い。
2.息子さんのスタンス、作り手の態度
ストーリーは、
湯徳章の生い立ちから、
順に足取りを追ってゆく、
取材の様子も映す。
息子さんに、細い糸が繋がり取材に応じて貰える。
日本の親戚にも、連絡がつく。
息子さんは、
日本人観光客と楽しそうに日本語で談笑するが、
事件や父親のことは、さほど多くは語らない。
時の政府に目をつけられ、一家の大黒柱も失っては、
苦労も多かったと想像されるが、
若い世代に、思想を植え付けたくないと言う。
作り手も、息子さんの意思を尊重し、
記録に徹する。
それが出来るのは、有り難いことです。
映画は、時間も料金も先払いで、コストは覚悟するので、
TVのような真似は、他でヤッてよ。
チームみらい関連で、動画見てたら、
次いでに、小学館の件も閲覧。
被害者さんは、小学館を罰することを望んでいないと、声明を発表。
それでは都合の悪い、取り巻き、
被害者さんを神輿に担ぎ上げたい勢力が居ると言う。
息子さんは、存命の内に、
良心的な映画に、記録が残って良かったね。
現体制に、親も反も様々そりゃ居るだろうけど、、
TVはもう、報道の看板降ろしなよ。
任期の無い権力は絶対に腐る。
台湾の政治が正常化するのは、李登輝以降。と予習済。
0.二二八事件とは? 史実の予習
台湾の民主化は、意外と最近と知る。
王童や侯孝賢の作品でも背景には、描かれていた。が、
圧政を直接的には描いていなくて、
しかも、大陸からの移住者の視点で、
再教育や拷問や処刑が、そこまで赤裸々に扱われていない。
そもそも、
中華民国に台湾統治の正当性があるのか、
という疑問すら、考えたことも無かったな。
もちろん、ポツダム宣言受諾当時、中国共産党の国は無い。
それは知っているが。
国民党は、台湾人の為の台湾を恐れた。
とTBSは報じる。
本作は、プロパガンダを叫ぶことなく、
熊本からの「五木の子守唄」で終幕。
2026.03.11 16:00現在
タンカーの通過で、下落は一旦収まる。
大日本帝国の最後も、こんなだったんだろうな。
マーケットの反応を目論んで、
中立国を無闇に敵に回すのは、悪手と思うんだけどねぇ。
