あー、シネ・リーブルでこのくらいのアメリカ映画も観れたら良かったのに。
予約してもTOHOシネマズとは違いQRコードが映らないからか、
スタッフも無愛想に感じてしまう。
日曜日は日比谷まで足を伸ばした。
とはいえ、
テアトル系とも違う独自の配給は、
独立系唯一無二で、シャンテは昔から変わらず。
杉村春子先生を彷彿とさせる役を、
ジェシカ・ラングでと聞きつけた。
「オール・ザット・ジャズ」では送る側だったが、
遂に送られる側かと。時は流れたと感慨深く。
特に予習もせず、ファーストデーに鑑賞。
《 開演 》
ハリウッド大手のクレジットも無く、A24とも違う独立系なのか。
主演の名前だけで、良くぞ日本公開に漕ぎ着けたものです。
ドキュメンタリーとか、設定入れるなら、
演出はもっと工夫は出来たし、やり甲斐もあったろうに。
ちょっと残念でしたが、
大女優ジェシカ・ラングは、
内面に抱えた葛藤を伝えながら、相手役を光らせる。
記憶を反芻しながら鑑賞してました。
本作では、
「アメリカン・ホラー・ストーリー」繋がりと思われる、
リリー・レーブが素晴らしかったですね。
母親失格の大女優と諦め。割り切りつつ、
関心が薄いのはお互い様と、天然に無神経で、
自分の家庭に手一杯ながら、親子の関係は明るく保って居る。
杉村春子vs大竹しのぶ に見立ててしまう。
アメリカ映画らしい、
ラストちょっと会話して誤解が解けるような、
御座なりな家族の和解だけで済まさない、
葛藤や打算を描いていた。
ジェシカ・ラングはこうでなくっちゃ。
すっかり、イケジジイと化した、
ピアース・ブロスナンが芝居っ気たっぷりに演じる隣人役も良く。
逆に、キャシー・ベイツには別の形でライト当てて花道を、と思いました。
配信用の企画らしいのですが、
衣装素晴らしく、
映像は、スクリーンで観ても充分楽しめます。
作品としては気になる処も有ったのですが、
過去作を思い出しながら、最期の勇姿に拍手しました。
もうちょっと語りたいこと、
1.演出はじめ気になる(ネタバレあり)
1.1.ドキュメンタリーという意匠
1.2.視点の切り替え
1.3.時間の経過とゴール設定
2.たぶんサム・シェパード
2.1.サム・シェパードと言えば
2.2.相手を光らせるジェシカ・ラング
3.アメリカ映画は仕方ない
1.演出はじめ気になる(ネタバレあり)
日常のシーンを舞台のように、
ドキュメンタリーで顔の皺と独白を見せる。
その演出意図は汲みたいのですが、
本番一発勝負の舞台の緊張感が弱いかな。
主に演出の問題だと思うのですが。
監督が下手に見えて、気になってしまいました。
1.1.ドキュメンタリーという意匠
インタビューの独白で状況説明しちゃうなら、
もう、それでストーリー運べよ。日常シーンは中途半間でした。
間延びして、ダルいです。
説明を補足するための回想シーンなのか、
回想シーンを説明で補足するのか、
どちらか。前者が勝るかな。
展開は徹した方がテンポ出ますし。観客を無駄に待たせない。
本作は冗長でした。
そんな手の込んだ設定入れるなら、もっと効果的に使わなきゃ。
ごちゃごちゃ、見辛くなるだけで、
ヤる以上は、
効果がデメリットを大幅に上回るよう配慮すべきだった。
やり用は有っただけに、あのバランスは残念。
1.2.視点の切り替え
証言では追いきれない部分は、
イケジジイとのシーン、
ヒロインの脳内と現実のギャップ、
くらいでしょうかね。
主人公の主観全開で、インタビューで拾えない事。
ドキュメンタリーには理由が有り、
効果は確信的に利用せねば。
本作も、
客観をドキュメンタリーで表現するなら、徹底したかった。
特に、舞台の裏側ですよ。
密着取材を第三者の目として配置しているなら、
その視点で描けないと。
神の視点で、プロデューサーと演出家の会話で処理するなら、
ドキュメンタリー設定要らないし、
もっとテンポ良くやれよ。
観客を飽きさせない工夫は出来た。
1.3.時間の経過とゴール設定
舞台は撮り直しが利かない、
劇場の契約上、スケジュールは固定的。
それは、サスペンスを盛り上げる大切な要素で、
大切な要素なのだから、もっと大切に扱って欲しい。
明確に観客に対して示すべきですよ。
リハーサルが進むにつれ、病状が明らかになる。
(演出家が診断を薦めるので、隠すのは無理)
興行上の制約で開幕は延期出来ない。
かと言って、代役では集客力が弱い。
状況変化ごとのプロデューサーの決断はきちんと描きたい。
それが、観る側の緊張感を産む。
例えば、
認知症をカミングアウトしてでも、決行する。
それをチーム一丸で支える。
の方が、ドラマは盛り上がったかもしれない。
(”実は代役でした”で乗り切ろうは不自然過ぎて)
認知症でもドラマに挑む大女優のドキュメンタリーと、
説明入れた方が勝るかもしれない。
何を以て達成とするのか、着地を示しつつ、
達成出来るかどうか、限界が迫る。
そのサスペンスを描く為に、充分でない。
良い演出なら、クリア出来たと思われて残念。
2.たぶんサム・シェパード
幻想の中で、出て来る別れてから、既に亡くなった夫は、
サム・シェパードだよな。
何度観ても、このラストは胸に迫る。
「女優フランシス」で共演して、子供も居たけど別れた。
2.1.サム・シェパードと言えば

日本では、「パリ・テキサス」の脚本家として先に注目されたか、
ジェシカ・ラングとの共演作をTVで観たのだけど、ベンダースの後だったはず。
書いたはいいが、辛すぎて演者は無理と辞退したんだよな。
サム・シェパードのトラビスは観たかった気もする。
別れて暮らしても、元妻に未練は有ったのだろうか。
先の事は分からないけど、この当時キレキレ。
佇まいが秀逸で、無力にただ居るだけが素晴らしく、
アメリカ映画でも、そういう役者が存在した。
本作も、思い出させるよう幻想の夫を出したのだと思う。
私はまんまと、記憶を反芻した。
他者理解は、マジックミラー越しに電話するようなもの。
家族は距離が近いからこそ闇深い。
ドイツ人監督でなくとも、
アメリカ映画でも、女優の悲劇を描きつつ、
毒親も80年代くらいは描けた。
折角だから、最期も訳アリな家族で良かったな。
2.2.相手を光らせるジェシカ・ラング
思えば、本作でも、共演者を光らせる。
いわゆる、受けの芝居というやつなのだろうか、
相手が活きるような呼吸が独特なんだろうな。
演技派として、ちゃんと評価されたのは、
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」からと思うのだけど、
妖艶なだけでなく、日常の倦怠を描きつつ、
やっぱ、ジャック・ニコルソンの決定力。
太陽が反射する月の如く。
本人が無理に輝こうとしない。
凄いんだけど、邪魔しない。
人物にリアリティを与えつつ、看板たり得る。
ハリウッドではもう、無理な気がする。
3.アメリカ映画は仕方ない
アメリカンニューシネマの時代が終わっても、
まだ、大衆娯楽に全振りでないハリウッドも存続してた。
とっくにTVの時代になっても、
マーケットが世界規模なハリウッドは別格で、
斜陽化してく日本などとは事情が違うけど、
配信が世界規模になり、衰退期に入った。
本作も、配信の企画だと聞いた。
見た目のスペックを保つだけでも、コストの上昇を吸収するには、
手堅い良作を映画で企画するのは困難だろう。
今や、
あざといA24でない独立系のアメリカ映画が日本で公開されると、
私は余り聞かない。
コンプラとポリコレ最優先で、
押し付けがましくダサイ音楽、
安易な家族愛への着地。
それらから逃れて、日本までたどり着くのは奇跡だろう。
大女優のろうそくの炎から、アメリカ映画の秋を知る思いでした。
でも、予告編で流れたA24は観ようと思う。(伝記ものはまだ健在か)
桜の頃からのロシアの皇帝まで。
そんな時代の必衰は、あの肉体なら観てみたい。
演出も音楽も素晴らしいかったのに、と思ったら、
ジョン・バリーだった。
今のハリウッドにそんな才能は不要ということ。かなぁ。
2026.02.02 13:00現在
日銀の発言か、次期FRB議長候補か、
円高方向に触れて、一旦20MA割り込んだとて、
市場は衆議院選の結果に期待してると思うよ。
ヘッジの売り玉も整理してしまいたい。
