インディーズ系で評判も良く、
前作「猿楽町で会いましょう」は見逃して、
石川瑠華は「水の中で深呼吸」で鑑賞の一方、
児山隆監督の芸風は分からず。
大変興味惹かれ、
青春クライムものっぽい。
原作は評価高いらしい。

という程度の知識だけでインディーの聖地シネマロサへ。
《 開演 》
なるほど、そう来たか。
青春にかこつけてますが、
青年期の終わりに、
これからも、夢を追い続けるべきかどうか?
もう、新進気鋭と呼ぶには微妙な、作り手の心境に、
年寄りの観客の方が刺さりそうですね。
私は、
高校時代よりもうちょっと後、
希望に溢れて社会に出た頃。
人生の蜘蛛の糸、掴めるんじゃないかと、藻掻いていた頃、
もっと根本的に環境変えるには、
考え方ゴッソリ変えないと、などと胸に去来してた頃。
思い出しました。
映像の職人として、充分な技量と拝見しましたが、
児山監督は、監督の夢を置い続けるのだろうか。
私にも、刺さる場所は在ります。
欠点は目に付きますが、
手弁当系に、完成度でアラ指摘するのは野暮だし、
物語のツッコミ処言い出したらキリ無いし、
それは端から諦めてました。
「国宝」や「果てスカ」とは資本力が違う、同列に論じられない。
が、
今後も自分で脚本書くつもりなら、キャラ造形の掘り下げ甘すぎる。
音響も物語のテンポも独特ですけど、、
オフビートってそういうことじゃないじゃん。そこ私は評価しません。
以下、たぶんネタバレせず語ります。
1.まず褒め。女優を魅力的にいっぱいに撮る
2.直近のインデー系と比較
2.1.脚本家が居る「水の中で深呼吸」
2.2.底辺の人生が沁みる風景「笑えない世界でも」
3.衝撃の才能と比べて
3.1.元祖オフビート「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
3.2.会話とキャラ造形「ベイビーわるきゅーれ」
4.ジャームッシュ程の才能じゃなかったら、どう生きるか
1.まず褒め。女優を魅力的にいっぱいに撮る
ロサ会館のスクリーンでも、天地が余る算盤のような画角。
こだわってんだろうなぁ。
風景が美しいというよりは、
運動を上手に撮るよね。特に人物の。
若くて綺麗な女の子が夜疾走する姿は大変魅力的でした。
トレーラーのような横長の画面を、持て余すこと無く有効に使ってました。
映像の人として、職業人としてヤッていけるんだろう。
安心と同時に、
将来も、監督として映画造り続けたいと思うかどうか。
自分の才能の在りかを、見極める年頃もやって来るよね。
生きてゆけない訳でもないんだけど、
日々の生活の中、澱のように鬱屈を溜めてしまう。
弾ける若さを眺めながら、
自分の人生を全肯定も、逆に割り切りも出来ない、
煮えきらないオジサンに刺さる映画ですね。
未読ですけどね。
物語の面白さ楽しむなら、原作読んだ方がおトクでしょう。
若くして世に出た才能のようには撮っていない。
若手の女優さん達、活き活き撮ることで、逆に、
中途半端なオジサンを肯定出来る人が楽しめる映画に仕上がってます。
観る人に選ばれる作品です。
私は、これはこれで乙。
2.直近のインデー系と比較
うら若きヒロインを魅力的に撮れなきゃ、インデー系こそ無理だと、
私は常々思っている。
それで、どうしても比較してしまった。
2.1.脚本家が居る「水の中で深呼吸」
ヒロインが石川瑠華だし。
女子高生の部活ものだし、比べちゃいました。
はたして、群像をどう描いたのか、
専門の脚本家が居るのと、兼ねるの。
本作は、キャラ設定は原作から、
そこに、監督自身のサブカル趣味をまぶす。
なぜ、そんなマニヤな趣味なのか、説得力は何処にもありません。
キャラの造形とリンクしていなくて、必然性を感じない。
もしかしたら、
それは原作からの問題点かもしれませんが、
だったら尚更、映画化の脚本の段階で、なんとかしないと。
実写はキャラに実存与えようと、演者さん達が頑張ってくれるから、
アニメほど、御座なりなキャラ造形は目立ちませんが、
設定は有っても、劇中では描かれず、
それでも仄かに伝わるような水面下を、
観客に想像させては、くれない。
原作なぞって、監督の自分語り混ぜてるだけ。
人物が、シナリオ通りやらされてる。
そう移っちゃうのは、撮る前のキャラ造形不十尾なんじゃないかな。
キャラ造形はストーリーに優先するもので、
自主でメインでやってくには、これだと厳しいかな。
脚本書ける主導から請われて、撮るなら全然アリだけど。
まあ、
今のままでも、食べては行けるし、
インディーの雄たらんと、
職業人生を賭けて、作劇の勉強をやり直す未来は有りうるか。
それは、リターンの見込める、投資だろうか?
煮え切らなさが、煮えきらない観客に刺さる。
2.2.底辺の人生が沁みる風景「笑えない世界でも」
映像畑の手弁当系で、最底辺の女子達の友情を描く。
どちらも、脚本は上手くなく、低予算も想像される。
悪役を若手の男優一人に担わせるのは、ちょっと荷が重い。
確かに、
ちゃんと訓練を受けた脚本家が関わって、
撮影に専念した方が完成度は上がるだろうけど、
それでも、
美しい風景の中で、
セリフ以外から、主人公達の心情は切々と伝わった。
これは才能と呼ぶに値すると、生意気にも観てたの思い出しました。
本作は、
”祖母が死んでも泣かない”と、母親のセリフあり、、これはダメだよ。
鑑賞中、私は肩を落としました。
映像に拘りが有るのなら、せめて、
人物の心情を映像で伝えてくれないと。
ストーリーがツッコミどころ満載でも、全然構わない。が、
映画という表現で、人物を描かないなら、映画化する意味無い。
本来、腕の見せどころと、張り切るシーンじゃないのか。
なんで、映画作るの?
主人公がハードSF好きで、ラッパー目指してるの、何でなの?
理由は要らないけれど、客を説得してくれよ。
原作と監督本人の趣味以上の理由が見つからない。
冒頭、長いと感じるのは、
人物のプレゼンにしては、境遇への共感は浅く、
物語を始めるには、テンポ悪い。
ラッパーという設定も、それほど活かされない。
輩に騙されかけて、返り討ちにして、
金品を奪う次いでに、種もゲット。
そこで、
クラスメイトと一発逆転の賭けに出る。
それだけで充分成立してしまう。
さっさとお話始めちゃったら?
背景の描き方が中途半端。
いっそ、潔く割り切ってくれよ。
監督が、
どちらかに舵を切らんと。
人物を丁寧に撮り、セリフに頼らず感情移入させるか、
背景は省略して、テンポ良く物語を展開してゆくか、
そのディシジョンメイキングが出来ないと、
自主で映画取り続けるのは、厳しいかな。
その決断出来ないまま、日常が続いてしまう作り手のダラダラに、
客が、共感する部分は有るし、
プラス大きく動きのある映像は、鑑賞者を惹きつける。
うーん、
映像の仕事続けながら、チャンスがあれば監督も、
くらいのスタンスが適切かなぁ。。
出来れば、良き企画脚本に出会って欲しい。
自主独立で、全部兼任して自己解決する、
「侍タイムスリッパー」のようなタイプとは違うと感じた。
3.衝撃の才能と比べて
映画監督として名を成す。
相当ハードル高いことで、自主出身のモデルケース考えてしまった。
3.1.元祖オフビート「ストレンジャー・ザン・パラダイス」
とかく、スカした映像が褒められガチですが、
テリングも巧みで、お話も面白いのですよ。
食い詰めた移民にリアリティあり、キャラに感情移入し易い設計。
オフビートな会話と、テンポ良く物語が展開することは、両立するし、
むしろ、
ダレない工夫が施されているからこそ、名前が残る。
運びの下手な人のオフビートは成立しない。
空白に耐えるには、実力が伴う。
児山監督はそういうタイプじゃないので、
動きで勝負して、日常は端折って、
主人公達が、矢継ぎ早にトラブルに見舞われるストーリーなら、、
まあ、それはそれで、また別の資質か。
3.2.会話とキャラ造形「ベイビーわるきゅーれ」
アクションが凄いのは言うに及ばず。
女子のバディものとしても、高く評価された。
登場から既に、一粒でニ度美味しく。
一部で熱狂を生んだ。
日常とそれ以外で、むしろ緩急有ってこそ。
本作、クライムを描くに、投球術無く、正直過ぎるかな。
原作の展開を追っかけてるだけに見えてしまう。
折角、別の悪役登場させるなら、
こちらも周到な準備で臨んで、対峙しないと、
勝敗の行方にすら興味湧かない。
会話でクスリと笑い、アクションでスカッと。
ニ度美味しく料理することも、可能だった本作素材だと思った。
児山監督は、物語が面白いということを勘違いしてる気がした。
物語が面白いのは、ストーリーの仕掛けの面白さと等価じゃない。
他の部分で行き届いてないと、面白くならない。
中途半端さが刺さる映画なので、仕方ないか。。
なんかちょっっと残念ではありました。
4.ジャームッシュ程の才能じゃなかったら、どう生きるか
宮崎駿が声優さんの演技を嫌い、棒でも自然な方を好む。
だって、画の力でどうにかしちゃうから。
過剰な演技は演出の邪魔だと思ってるかもしれない。
それを話題作りと中途半端に真似る企画増えて、
逆に、反射的に拒絶するファンも生んだ。
突出した能力を活かすことと、形だけの凡庸。
真似てみたら、ああ、そんな内実は自分に無かったな。
って、やっと分かることもある。
セブンイレブンが突出した最初は、
店舗側が発注に責任を負うというシステムは真似られず、
競合は、頻度の多い配送だけ真似たと聞いたことがある。
やってみないと実感出来ないこともあるし、
その結果、実力を知ることもある。
やらなきゃ分からない時点で無能ではあるのだけれど、
駆け抜けられるほど、もう青春じゃない。
だけれども、割り切りも出来ずに、ウダウダ。
青年期の終わり。
どこかで、次のステージを選ばざるを得ない。
そんなことが、身に沁みる映画でした。
才能って、、
いつまでも煮えきらないでいると、チャンスは逃げてしまう。
2025.01.24現在
日本時間でタイミング難しいが、
20MAタッチを目処に、ゆっくり付いてゆきたい。
トランプ発言とか、理由は考えなくていい。
テクニカルな判断だけで追いたい。
遅くていいから、買い目線。
