佐久間Pが褒めてるし、もう各所大絶賛、大盛況なのは知ってた。
「カメラを止めるな!」 ケーズシネマとシネマロサのレイトでしかやってない。でもチャンスが有れば絶対見るべき映画だと思いました。
超面白かった!できればノー情報で、笑って興奮してください。— 佐久間宣行 (@nobrock) 2018年6月27日
「カメラは止めるな!」明日のアト6での宇多丸さんの評論前にもう一回見たかったな。さらに混んで見れなくなりそうだもんなー。
— 佐久間宣行 (@nobrock) 2018年7月5日
宇多丸評https://www.tbsradio.jp/271737はネタバレを避けて聞かないで観た。
よりにもよって、満室覚悟の祝日に行った。サプライズ舞台挨拶で裏話も聞けた。
とっても、お得な1,800円。
250万円で作ったのか!! なんという費用対効果。
上田監督、順調にノーランみたいな予算で撮る巨匠に、日本に留まらず成って欲しいものです。
今年ベストは標準的評価、チャンスは逃さず。
ま、そうなりますよね。
また、フルハウスの映画館で観るってのも、とても適してる。
それも相乗効果生んでる。
今年前半の3本上げろと言われたら、
観た順に、
「スリービルボード」、「万引き家族」、「カメラをとめるな!」ですが、
好みは、「万引き家族」、「スリービルボード」、「カメラをとめるな!」。
ですが、
エンタメとしての面白さなら
「カメラをとめるな!」、「スリービルボード」、「万引き家族」。
普通にこの順でも全然おかしくない。
ああ、全部脚本が上手いや。
東京に住んでるとか、観ることができる環境にあるなら、
観ないともったいない。DVDとかじゃなく、映画館で観るのがオススメっす。
熱量がスクリーンの方が伝わると思われ。
ワタクシの場合、
池袋夕方の回狙ったのですが、もう売り切れてて、20時の回はまだ席があると言われて、
3時間ほど時間つぶして待ちました。
渋谷でも、公開されるそうで、もう少し席取りやすくなるかな。
弱者の戦略でもあります。
監督の才能はインディーズに留まらないと思うのですが、
この映画単体で見ても、局地戦が上手いです。
戦う領域を限定してます。シナリオ上手です。
予算の範囲でやれるところで、勝てるところでキッチリ勝つ。
苦手なところは戦わない。
で、公開後もゲリラ戦で集客増やしてますよね。
サプライズな舞台挨拶とか、
半券で二回目半額とかのリピータ獲得とか。
ま、コンテンツさえ良ければ、報われるっていい時代になったってこともあると思います。
テレビが弱ったのと、
映画頑張ってるの対になってると思うことも多いのですが、
日本でもNETFLIX中心になったらどうか分からないですが、
映画は逆に、タイアップなしの小資本でも戦えるようになりましたよね。
映画向きの才能の人がチャンスもらえるといいですね。
原作モノでなくチャレンジする人増えるといいですね。
大きなものが壊れて行くときって、新しいもの出てくるチャンスですから、
他の業界でも似たようなことこれから起こるでしょう、
見習いたいものです。
以下、感想はネタバレせざるを得ないですが、一回目は知識無しで観た方が面白いです。
「ブレアウィッチプロジェクト」風の出来で、演出力を知る。安心した。
まずは、つかみですよね。
42テイク目ってキューブリックかよ、勘違い無能自主映画監督か!
いやキューブリックは演技指導力無かったんだと思うよ。低予算で映像作家のマネしても。
という劇中劇からスタート。
ここでこの映画のメタ構造が提示されます。
で、ブレアウィッチプロジェクト風に手ブレ主観映像で撮ってる。
メタ的には低予算ホラーという情報がインプットされつつ、
みんなやりたがるブレアウィッチプロジェクト風の演出力、カメラワークが確認されます。
これやって、見づらさを上回る効果を上げるのはハードル高いと思われるのですが、
新人監督なら尚更、やりたがりますよね。
ちゃんと、初っ端、効果上げてる。
その段階で、これは大丈夫だ。って安心します。
映画向けの資質と能力を有している。
TVやCM出身者で、、映画向きじゃないなってことあるんですが、
上田監督は普通に映画監督として上手な監督だって、安心します。
あ、「カメラを止めるな」ってそういう意味か。
次にタイトルのダブルミーニング的な意味が分かります。
「ロープ」ってことか。
第一幕の頑張りとセンス
おお、頑張ってる。
凄いぞカメラ。
低予算を逆手に取った小ネタ。ギャグなほころびがオシャレねぇ。
とセンス感じさせる。
伏線張られてるの後で分かるのですが、それはどうでもよくて。
計算がとても上手い人なんだなと分かります。
計算がしっかりしてて、このライブ感、疾走感素晴らしいカメラと観客を魅了します。
舞台挨拶の裏話にも出て、
監督インタビューにもあるのですが、
http://intro.ne.jp/contents/2018/06/17_1901.html
第一幕は計6テイクやって、
全てが台本どおりではなく、ハプニングもそのまま撮ってる。らしい。
私は観てるときは、どこがハプニングでどこが計算か全く区別つきませんでした。
特に、宇多丸評でも言及されてる、カメラ拭くところが、
メタ構造利用した、とってもセンス良い遊び心だと感心してました。
あれハプニングなのか、
そのまま撮り続けてかつ、
最もハプニング多い最終テイクを採用してるとこに、監督の才能感じます。
上手いだけじゃないってとこ表現してます。
ドキュメンタルにその場の空気感伝える。当て書きとキャスティング
是枝監督的ドキュメンタリなことやってる。
ホントに慌てながら、頑張ってるとこ撮れてる。
是枝監督は日本で一番上手い役者揃えることできるけど、
上田監督はそうじゃない。
キャスティングはオーディションで無名でも選んで、
シナリオは当て書きしていって、その場でもフレキシブルに変える。
「ガラスの仮面」のオオカミ少女編みたい。
それがまたメタ構造になってて、
最後第三幕はスクラムトライみたいになってて、
観てる方も、頑張れ頑張れって応援しながら、笑ってる。
キャストの活かし方と映画の作り方は、
完全に上田監督独自の作家性だと思われ。
得難い才能。
この資質、大成させて日本を代表する監督になって欲しいです。
第二幕の成功が肝
第一幕のキューブリックも演技指導は無能なセリフからの、
第三幕。あのセリフは魂の叫びだったんだ。
で、大爆笑に包まれるのですが、
第二幕で、キャラクター造形の提示が上手で。
役者さんだって上手い人ばかりじゃなく、
だからこそかな、セリフに頼らなさ加減が絶妙。
いい表情撮りますよね。現れてすぐベテラン監督みたい。
「シン・ゴジラ」に通づるもの感じました。
もっとさり気ないアップなんですが、
いい顔の人ばっかり選んだよなぁ。
演技より顔。
味のある顔は日本映画のストロングポイントとも思われ、
安く手に入る良き素材を上手に料理するのは、
日本映画が世界で伍してゆくに必須なんでしょうね。
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