「ネムルバカ」サブキャラを自由に動かし、苦心が概ね成功して良かった。

公式の原作者のコメントで、公開初日に観ることに決めました。相場も休みだし。

【ネムルバカ】という作品は僕が20代の時に描いた漫画でして、 学生時代から悶々と心に渦巻いていた事を「こういう邦画が観たい」という思いで形にしたものです。 阪元裕吾監督の【べイビーわるきゅーれ】を観た時「そうそう、こういうの!僕はネムルバカをこういう風にしたかったんだよ」と思ったものです。 なんの運命の巡り合わせか、その阪元裕吾監督に【ネムルバカ】を撮っていただく事になりまして。これは大変な事ですよ!

実写化にあたり、原作者から映画監督へのベクトルは珍しい。
 
予習する程のテーマでもないが、せめてもと原作は一読。短編なので一瞬。

いやー、これ実写映画化は大変そう。よく受けたね。
迷ったけど、他の人が監督するくらいならと、手を挙げた。らしい。

分量自体も追加必要だろうし、エピソード羅列では不自然。
ラストは動かしようが無いだろうから、途中上手に繋げるだろうか。
原作のテイスト損なわない範囲で、スムーズにやらなくちゃ。
なにより漫画と違って、
動きと決めゼリフだけでは画面は保たないだろうから、
坂元監督らしい日常会話のシーケンス増やすのも必須。
まあ、
企画側はそれを期待してオファーしてるんだろうけど。
難しい役だよ、これは。
 
主人公同様に、
漫画家も映画監督も大学在学中から創作続け、世に認められる。
坂元監督は、オファーを選べる自由はあるまま、インディーからメジャーへ。
漫画だと、商業誌掲載前から編集者次第で、いろんな要求受けそう。
今のJPOPシーンでこういうこと有るかどうか疑問もあるけど、
20年ほど昔ならありそう。
程度の差こそあれ、
モラトリアム期の自由さ失いながら現実デビュー。
どう折り合いつけるか、つけないか。
 商業的に成立させるまで、現役バリバリの方々は、どう選択したのだろう。
テーマも興味深い。
  
filmarksの試写では、概ね好評だった様子、
我が目で確かめる気になった。  

休みの間も大事には成らないと朝確認し、午前中から祝日で混雑の映画館へ。

  
 
第一に、音楽がちゃんとしている。
ポニーキャニオンが主幹なので、当然かもしれないが、
ホッとしました。
漫画と違い映画なので、リアルにサウンドが意味を持ってしまう。
 昔は、インディーズバンドの活動してる飲み友達も居て、
 ライブハウスに聴きに行ったこと思い出したりした。
インディーズの演奏はもっと粗くてもいいと思ったけど、
ハリウッドの音楽伝記映画じゃないんだし、
そこまでリアルでなくても、曲に説得力あるので良き。
逆にラストの演奏でも、普通に良いので、
アイドルでも、このくらいやっても、素直に受け入れられる。
とは思ってしまう。
逃亡しなくても大丈夫でしょ。
 
なにはともあれ、
歌がダメだと、すべての説得力が崩壊してしまう。 
クオリティが高い↓ので、他の映画観ようかと、迷ったほど歌は重要。

 
 
そして、実写化成功の最大の要因。
脇役の男子達を上手く動かして、観客を退屈させない。
原作に気を使い過ぎず、人物造形出来て良かったね。
ロングコートダディ兎は、
 好評と読んでいて、実物観て納得。
 素晴らしい、リアリティあるキモウザさ。
大学生男子コンビも、
 漫画より愛おしい。血肉の通ったキャラだった。
バンドメンも、
 奥行き与えた、諦めた人と続けてるハニカミがリアル。(ダディ繋がりか)
 
 
主役二人、監督の苦心の後が伺える。原作に遠慮はあるよね。
久保史緒里さんは先日も拝見して、安心していた。
 やっぱ、また振り回され、一見ちゃんとしてそうで実はメンヘラの役。 
 歌も上手いのに、演技専門なんだな。 
平祐奈さんは「恋は光」以来か、
 そういえば優等生のイメージで、ミスキャストかと懸念してた。
 漫画から想像するキャラは、ヤサグレ姉御肌が適任かと。
 実際観てみると、アイドルでも通用するルックが求められたのだろうと納得。
 真面目なところが良く活かされていた。
 
監督は恐らく、
原作まんまでなく、ちょっとズラしたところに、当て書き気味に、
ヒロインコンビのキャラを肉付けしたのだろう。
演出がイメージを言語化して、役者さんにニュアンス正確に伝えるの難しい。
 
勝手知ったる馴染の二人ではないし、
会話がこなれるまで時間必要だったろうな。
期待に応えての立候補なのだから、当然とは言え。坂元監督立派。
ヒットするといいね。
  
 
誰目線だよと、セルフツッコミ入れながら、 
 ちょっとハラハラしながら観に行って、
 好評を確認してホッとしてしまった。
漫画でも、映画でも、音楽でも、
インディーから始めても、受け皿の裾野が広い日本だと好きだ。
メジャーが多様性とか言ったって、絵に描いた餅。
正しさが正義でも、売れるが正しい。
莫大なコスト掛けて、世界展開して、コケたら倒産も有り得る。
 
 
夢中になれるっていいね、人間。  

センスあるので、売れて欲しい。
 
 
2025.03.20現在
 NYで株は乱高下し、結局ややリスクオン気味。
 FOMCを好感か。VIXも20を下回る。
 休日も日経CFDは、20MAを抜けてから横ばい。
  バンドはスクイーズしながらも2σタッチへ向かうと想定。
 来週は上昇と想定。トランプ発言次第だけど。
 痛い損切りしながら、付いて往くことになりそう。

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