カルト映画「グラン・ブルー 完全版 4K」空前絶後の映像!センス溢れる音楽。でもキツ過ぎる美化に耐えられず、ストーリーは無理「恋愛依存症からの脱却」「麻薬のように抜け出せない自己愛性パーソナリティ障害との関係」「完全教祖マニュアル」

ドキュメンタリのクジラ映画を観たときから、
折角だから、本作もスクリーンで体験しておきたいと、限定上映に間に合わせた。

TV放映のときは、確か、
ヒロインが不快過ぎて、チャンネルを替えた。
 
まあ、
映画館なら印象も違うだろうと期待して、地下鉄に乗った。 
168分は、ギリ耐えられる気がしていた。
 
 
 
ああ、ストーリー無きゃいいのに、「天気の子」と同じ感覚。

邪魔だから、どいてくんないかな。人物も物語も。
映像と音楽だけで構成して欲しかったよ。。
 
映像が圧倒的なので、観た直後はドラッギーな体感が残る。
それでも、
ストーリーがノイズで、100%の没入は出来ず。
ときどき観客という現実に引き戻されてしまう。
逆に、
洗脳に対して防衛本能が働いていたのかもしれません。
カルトは熱狂を生む。私はそこまでハマらなかった。
 
醒めてしまえば、
ストーリー”も” と手放しで褒めるのは信者に見えてしまう。
  
 
潜水って危険なんだよな、脳が酸欠になったり。
昔、
ロバート秋山がバラエティでやってた。
ああ、だからジャン・レノベルルスコーニの体モノマネやってたのか。
と、倒錯し始めたら、、、 
 

ブラックアウトしてしまいました。途中でウトウト。
余計なんだもの。長いよ。
 ドラマ要素は減らせないのか。
 人の名前使うなら、事実に忠実で良くないか?
 
映像と音楽は、比べるべく存在も無いのに。。
通俗的なフィクションが乗ると、観る意欲が減退してしまう。
私がリュック・ベッソンを敬遠してしまう所以。 
  
  
私は本作に、思い入れ無く、崇めるのも無理。
と鑑賞後、ニュートラルに、
本作の解説及び、評や感想を検索したところ。
うーん。何か避けてない?
 
世間の評判は、
 全肯定が多数派で、懐疑派は異端ぎみ。
 初見派だけで、星をカウントしてくんないかな。
 ”当時熱狂した”派の評価が平均点のようで、納得いかない。

 リュック・ベッソンの評価は「レオン」↑から、
 確固たるものに成った。と記憶している。

Wiki以上の解説は見つかりません。
事実認定に違いがある場合はWikiを信じます。

本作を利用して、別の主張するものは、
私は軒並み信用出来ませんでした。
 
ラストのシーンは、
 エンゾは垂直で、ジャックは水平に広がる海に還ればいいだけ。
 そこは、
 ライバル2人の思想の違いを、対比的に描くべきじゃないの。(後述)
 そもそも、
 イルカに潜水は不適切
 クジラじゃあるまいし。100mも潜る必要ないよ。
と不満でやるせなく、
そこに言及してくれる評が有って、
無人島かと泳ぎ着いたら、誰か居たって感じです。
  
フィルモグラフィ的な解説は、中途半端で意義を感じられず。
 ”だから何?” 事象だけを追って、意味を語らない。
  フランスや日本の一部若者を熱狂させ、
  逆に、評論家から酷評された、 
 その”何故”を解説しない。ただの紹介は無用に落ちる。
 もっと、
 カルトな扱いだった。(断言しちゃう) 白状しないのは、
 オウムを連想するからか。(後述)

 
それら踏まえて、記しておきたいこと有り。
以下の項目に分けて。 
 
 1.神秘の映像&音楽。と編集
 2.ストーリーには疑問
  2.1.ライバル編
   2.1.1.完全フィクション
   2.1.2.精神世界vs競技者ではダメか
   2.1.3.ルール無視で感動は無理
  2.2.ロマンス編 
   2.2.1.わざわざ魅力乏しいヒロイン
   2.2.2.恋愛依存症
   2.2.3.敢えて教訓が無い
 3.テーマとカルト性
  3.1.オウムの時代
  3.2.潜水とスピリチャル
  3.3.通俗を間口に人口を増やす
 
ネタバレします。(気にするような話じゃないけれど) 
Wikiを前提に、本作の様々なトラブルは既知とします。
 
 
    
1.神秘の映像&音楽。と編集
 直近、ドキュメンタリの映像↓で充分な満足を得た後で、

 作りものの映像の意味を考えました。
 
 安全に危険な映像が撮れる分だけ、より隙が無い。
 泳げない主人公役ジャンを説得し…名作『グラン・ブルー』苦難続きの撮影秘話
 まだCGも無く、今のコンプライアンスも無い時代。
 監督自ら命懸けなのも、偉大です。

安全要員なしでジャン=マルクやジャンを潜らせるわけにはいかず、そこでぼくが志願した。ケーブルは50メートルの深さまで伸びている。
-中略-
ぼくの周囲には何の安全設備もないからだ。ぼくは錘についた握りをつかみ、レバーを回した。
これでパラシュートと呼ばれる風船(バルーン)が膨らむはずだ。プシュと情けない音がする。圧縮空気のボンベは空だった。
ぼくはたちまちパニックに襲われた。ケーブルをつかみフィンを使って、大急ぎで上昇した。
体内の酸素が急速に使われていく。このペースでは水面に出るまで持たないだろう。
そう考えて平静を取り戻し、筋肉の緊張を解き、ウェットスーツの浮力でゆっくりと上昇するのに任せた。
ぼくは水面に出て、空気を胸いっぱいに吸い込んだ。酸素不足で目眩がして、回復するまで何秒かかかった。


 危機にもパニックに陥らない人が生きて帰って来る↑。らしい。
 監督は、冷静にリラックス出来る経験豊富なダイバーで良かった。

 更に、地上の画までも隙が無くて、才能と予算を感じました。
 (そこで疲れて寝てしまいましたが)
 才能は大前提としても、
 監督本人がダイバーで、安全確保出来る予算も最低限用意。
 その上、狂っているという奇蹟の結晶ですね。
 
 本作のブルーは神々しい映像ばかり、
 ここは是非とも、相応しい音楽を乗せたい。
 クラシック畑で、風格ある映画音楽は思い浮かびます。
  素人の私は、詳しいことは分からないのですが、
  神々しいパートはクラシックで表すものと、かつて習った↓気がする。

 ところが、エリック・セラは、
  ポピュラーを感じさせるのに、神秘的にという要求に応えられる。
  ジャンルが特定不能な不思議な作曲家。
 由来がクラシックとは、ちょっと違う気がする。。
 完全に独学というのが、納得もするし、驚愕でもあり、
  監督はどうやって、この才能を見つけたのだろう。
  才能は才能を呼ぶとしたものなのか。

  
 そして、
 突貫工事でカンヌ上映に間に合わせた編集も拍手です。
   
 
  
2.ストーリーには疑問
 ベネックスがミニシアターで掛かる↓のとは、全然違うのに、

 当時の空気を知るはずの評論家が、それを伝えない
 信者かよ。
 いや、当時も今も、
 本作のストーリーは擁護出来ません。
  
 
 2.1.ライバル編
  幼馴染とか余計。そんなので長尺にされても苦痛でした。
  思想の違いが対立軸じゃないのか、肩透かし喰らいました。

  2.1.1.完全フィクション
   映画公開時は、2人ともまだ存命ですよね。
   通俗的なドラマ過ぎて呆れる。
   リュック・ベッソンに脚本の才能は無い。
   創作は安易に感動させようと余計。
   本人の名前使ってやることかな。
   結果、無駄にトラブル増やしている。
 
  2.1.2.精神世界vs競技者ではダメか
   本人の思想に忠実なキャラ造形と物語で、なんでダメなの。
   
    ジャックは禅とかスピの方向に逝って、
    エンゾは深海の記録にこだわる競技者。
   シンプルな対立構造だけで充分。
   付け足しで台無し。
   長い尺も眠いし、諸々削って欲しい。
  
  2.1.3.ルール無視で感動は無理
   百歩譲って、エンゾを死なせるとしても、
   オフィシャルの制止を無視して、無謀な挑戦させる意味あるの。
   それがノイズで、
   どんだけ映像が美しかろうと感動出来ない。
   安全に競技を成立させる為のルールを破壊して、ほぼ自殺。
   それが作り話で、”さあ感動してください” は無理。
   敢えて、
   反社会的な行動を取らせたかったのか、(参考3.1.)
   いや、
   そこまで周到に計算してるとは思えない。
   映像が凄い分だけ、今も昔もダサさが際立ってしまう。
 
 
 2.2.ロマンス編 
  こちらも、完全フィクションだそうです。
  全く要らないと思うのですが、
  女性の信者を増やすことには貢献しているのですかね。
  
  2.2.1.わざわざ魅力乏しいヒロイン
   騒いでるだけの人格。どこに魅力を感じろというのだろう。
   昔と印象は変わらないですね。
   改めて、更に疑問だったのは、
    英語版が前提とは言え、アメリカ人に見えないこと。
    ニューヨーカーにする必要有ったのか。
   敢えて、
   美人を感じさせないキャスティングで、
   女性の共感を誘う作戦なのだろうか。
      
  2.2.2.恋愛依存症
   現在の言葉で言語化すれば、恋愛依存症。
   

恋愛依存症がもたらすもう一つの大きな影響は、人間関係の歪みです。
恋愛依存症の人は、恋人に過度な期待やプレッシャーをかけることが多くなります。
相手に対して「もっと自分を愛してほしい」「もっと一緒にいてほしい」といった過剰な要求をすることで、
恋人との間に緊張が生じ、関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。
特に、相手が自分の期待に応えられない場合、依存症の人は過剰に反応し、
怒りや嫉妬、不安などのネガティブな感情を爆発させることがあります。

   脳が快楽物質でヤラれてます。
   挙げ句、
    社会不適合者を選んだという現実を直視出来ず、
    理想の中で生きようとする。
    妊娠という体の変化で漸く、快楽物質の消費が止まる。
   共感も無理です。ただの依存症の病人だもの。

  2.2.3.敢えて教訓が無い
   ヒロインは、
   元からの恋愛依存体質ではなかった可能性もある。
    自己愛性人格障害をパートナに選び、
    ボロボロに身を崩す。
   DV男などにハマる典型ですね。
   

恋愛関係においては恋人をターゲットとし、
以下の3段階のサイクル繰り返すのが典型的です。
 段階① 理想化 (Idealization)
 段階② 脱価値化 (Devaluation)
 段階③ 廃棄 (Discard)

    最初は盛り上がり、
    いずれ飽きて、釣った魚に餌はあげない。
    興味を失えば冷淡。
   劇中のジャックはただの社会不適合者かもしれないですが、
   ①~③のサイクルが繰り返されると、ハマリのコース。
   ハッピーエンドは論外ですが、
   こんな物語を教訓にもせず、
   美化してしまうのはカルトの洗脳みたい。不気味でした。
   結婚離婚を繰り返す人の脳内は伺い知れますが、、
   人類を不幸にしそう。
  
 
 
3.テーマとカルト性
 内容も熱狂もカルト。
 それは認めた上で、
 映像と音楽の素晴らしさを愛でる人でありたい。 
 
 最近、
  ニックネームしか名乗れず、
  自己紹介も出来ないが、
  改名で開運すると、勧める女性と会話。
  ネットワークビジネスも得意みたい。
 お天道様の下を堂々と歩ける人生を選ぼうと、
 再認識しました。
   
 脳がヤラれると、
  最初に自分を不幸にして、 
  次に周りも不幸にしてしまう。
 社会不適合者なら、それはそれで自覚して生きたいものです。

 作品は、信者を生む要素充分。
  既存の倫理より、優先するものが有る生き方を描く。
  死が美化され、教祖が勝手に神格化される。
  ラストでは、
   地上で生きる辛さ、
   恋愛の救いの無さが、
  救済されるっぽい。
 

 反社会的な教えを作る。 
 不安を煽って信者を集める。
 信者に布教させる。
 

 3.1.オウムの時代
  1986 週刊誌に空中浮揚の写真掲載
  1987 宗教団体「オウム真理教」設立 
  1988 「グレート・ブルー」日本公開、打ち切り
  1988 在家信者死亡事件発生
  1989 坂本堤弁護士一家殺害事件
  1990 衆議院議員総選挙へ集団立候補
  1992 「グラン・ブルー完全版』日本公開
  1994 松本サリン事件
  1995 地下鉄サリン事件

  バブルの爛熟期から崩壊へ向かう時代。
  物質的に華やかでも、空虚で満たされない。
  むしろ高学歴な若者ほど、精神世界にハマっていった時代。
  圧倒的な映像と音楽で、中毒を描く映画が盛況だった。  
 
 
 3.2.潜水とスピリチャル
  私は石垣島にも、暫く滞在したことがあります。

  いろんな人が県外からやって来ますよね。
  高樹沙耶連想してしまいました。
  発言に違和感を感じるのは、
   医療問題に取り組んでいるように見えないこと。
   助けようとしてる患者を具体的に挙げて欲しい。
  モルヒネだって劇薬。
  医薬品だからといって、健常者が嗜好するものじゃない。  

  薬は医者の診断の下、処方されるもの。

  幻覚を脳に魅せるもの同士、相性が良いと連想してしまいました。
  本作は別に、何も悪くないのですが、
   映画は没入感が強く、脳に作用します。
   途中で止めるのは難しく、寝るしかない。 
  スクリーンで観る、圧倒的な映像は怖ろしかった。
  脳がヤラれても不思議は無い。
 
 
 3.3.通俗を間口に人口を増やす 
  通俗的なストーリー乗せなければ、
   これほどの熱狂は産まなかっただろう。
   一方、カンヌで高評価を得たかもしれない。
  
  女性への間口が広い方が勧誘には有利。
  鑑賞中、
  依存体質ぎみの女性には、丁度良いのかと。
  私は意識が遠退きそうになりましたが。
  
 
 
 人は過去を美化しガチだけど、見切り時って大事ですね。

 昔、青春スポーツ漫画のアニメ主題歌なのに、
 ”夢見る夢無し女” を歌う。リアルに男前でした。
 
 
 
2025.09.13 現在
 数字悪く、利下げ歓迎となりました。
 痛い損切りが続いてしまいました。
 過ちを認めます。
 来週も熱狂が続けば、もっと過ちを認め、
 そうでなければ、様子見。

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