大人の休日ヒューマントラストの朝の回に行ってきました。
演出がベタかも。特に音楽は苦手かも。
どうしても不安が拭えず、
ハリウッド大作を避け、他のSF作品で代替。
老人版「E.T.」↑かと予告からも想像された。
ベン・キングズレーといえば↓、
私はイメージをアップグレードすることなく、ハゲのまま。
絶対、スピルバーグに寄せてる。
邦題も連想させるように狙ってる。
SFだが、テーマは”老い”で、コメディらしい。
監督が惚れ込んだ脚本だと言うのだから、
信用することにした。
テアトル系単館の予告はシネコンより短く、名画座やマニアックな単館より長い。
ああ、どの作品も面白そうだ。
ケン・ローチは早稲田松竹で観ようか迷ってて、
最新作↓が、もうすぐ来るならどうしようか。
やはり、夕張みたいな街が十八番。
でも、
衰退してゆく街の特効薬としての移民難民の受け入れは、
純粋に冷徹に、メリットデメリットで語って欲しいかな。
正義の押し付けは要らない。というか、
そういう処理は好ましくない。
なんて思っていたら、いつもの”映画泥棒”じゃなく始まった。
予習せず、上記のみ。
予備知識無しで気楽に楽しむつもり。
《 開演 》
なんと形容してよいのやら、
不思議な優しさ。
鑑賞後感は、ほのぼの。観て損したとは思わない。
珍しい体験でした。
私は理解出来たのかどうか、確信がありません。
ありのままに、老いて死ぬまでを受容、肯定。
そんな人間賛歌がテーマ。だと思うのですが。。
多分こんな顔↓で、エンドロール眺めていたはず。
観てる途中から、ジャンルが特定出来ず迷子でした。
あちらか、こちらか、
展開する方向を想像しながら、鑑賞するのですが、
ことごとく外されました。
ここから、ネタバレ全開でゆきます。
確証の無いままの為、気にしてる余裕がありません。
また、バラさず言える事も、これ以上無いです。
主人公は老後、家族とそこそこ疎遠で孤独。ひとり暮らし。
アメリカ映画らしく、家族の団結に向かうかと想像。
うーん。
ちょっと変化有るようですが左程。。問題解決せず。
介護始まったら娘さん大変そうだな。
いや、
難民をエイリアンに見立てる、社会派なのかな、ケン・ローチ的な。
さにあらず、
地球外知的生命体はただ、主人公宅で静かに暮らすだけ。
本当を言っても、認知症を疑われ、信じて貰えない。
という序盤のシーンで、改めて予想してしまう。
「ブゴニア」の原案のように、
すれ違いコント仕立てかな。コメディだし。
あ、そっちにも行かないのか。
中盤あたりでは、
いよいよ、「E.T.」か、と身構えた。
がしかし、追手を逃れる逃走劇のスペクタクル魅せるには、
序盤のペースが遅すぎるか、そんなトーンじゃないし。
一応、国家の組織は登場するものの、それ程お話に絡まず。
かと言って、認知症を正面から扱う訳でもない。
予兆は描かれますが、それより深くは描かれない。ライトにコメディ路線は続く。
あ終活とか、安楽死とか、ここから重い話なるのか、、
アッサリ処理されてしまった。。
ここから、「コクーン」的な、
お別れに着地するのかな。
え、
これで終わるのか、
日本だったら、シュールにも笑わせてエンドロール迎えるだろう。
お話が、設定から動かない。
かと言って、日常アート系↓と呼ぶような作劇でもない。
分からないものを観た。イヤじゃないけど。
ストーリーはずっと把握していたが、テーマが判然としない。
上手く言語化出来ないので、
今回は、
あらすじを追いながらテーマを探ってゆきます。
0.「シド・フィールドの三幕構成」おさらい
1.一幕目 設定
2.二幕目 対立
3.三幕目 解決
4.”老い”を森田療法的な受容
順番に消化してゆきます。
0.「シド・フィールドの三幕構成」おさらい
はじめに、
『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』
と、三幕構成の解説Wikipediaで読みました。
本作も、三幕構成(だと思う)。
分割して、統治しよう。
一般に、映画は最初のおよそ10分間において、
主人公とその周囲に関する必須情報が紹介され、主人公の目的 (問題) も設定される (セットアップ)。
セットアップの終わりに起こるインサイティング・インシデント (きっかけとなる出来事) によって、
ファースト・ターニングポイントが起こり、主人公は別世界の第二幕に進む。
第二幕の中間のミッドポイントで、ストーリーは前半と後半に分かれる。
ミッドポイントでは、衝撃となる出来事が起こり、ストーリーは正反対に転換する。
そこから第二幕の後半を通して主人公の状況が悪化していく。
そして、主人公が最悪の状態に陥ったとき、セカンド・ターニングポイントで決断を迫られる。
そこで主人公が正しい決断をすることにより、続く第三幕での最後の試練に勝利 (または敗北) する。
一幕目で、
観客にどういう映画なのかプレゼン。
ここで大事なのは、リアリティラインの提示。
そして、
最初に示したリアリティラインをズラすのは基本反則。
周到に、ゴールポストを移動する作劇も有ることは有る。
が、大抵は下手くそ。それを商業レベルとは私は認めない。
とにかく、
どんなお話が、これから展開されるのか、観客に、ここで準備させる。
二幕目は、
遂にお話が転がる。
対立構造は広がり、ドラマが生まれる。
それから、
転換が起こる。最近だと何回も起こる。
基本はルビコンを渡る戻れない決断。
とその展開。
三幕目で、
着地。風呂敷を畳む。
ここで、もう一転がり上手いと効果的。
余韻まで逆算して始め、バシッと決めたい。
最後のシーケンスでダレるのは、素人の作劇と私は断ずる。
1.一幕目 設定
ペンシルベニアの郊外の街。
”要らない人”に成ってる主人公と御婦人2名。
皆、家族と疎遠なのか一人暮らし。民生委員(?)が時々訪れる。
今は健常だけど、いずれ危ういかもしれない。
生活は余裕が有り、困っては居ない。家は広い。
主人公は電子機器に弱く、車も運転しない。
同じく、有楽町で観た「マルティネス」はリタイアの心得だった。
それよりは「敵」に近い境遇。
本作は、そこにエイリアンの不時着という変化球。
真面目に作られてます。プレゼンも分かり易いのに、さり気なく。
音楽はちょっと煩いかもしれませんが、説明的過ぎるということは無い。
安心して観て居られます。
どういう方向に転がるのか、期待も膨らみます。
2.二幕目 対立
「E.T.」なら、
外的には、捜査の手に対して友達を匿う。
内的には、異族であっても心の友。
という対立構造が有り、本作は?
分かりません。
主人公の目的も、中心の謎も、不明瞭で、
すじは追えても、テーマは見えません。
当局の捜査とか、”老い”そのものとか、親子のいがみ合いとか、
敵が明示されて、対立構造が明らかになるもんですが、
無い。
たとえトンチンカンであったとしても、有るとしたもの。
”戦争とめてくる”で国政選挙当選や、
”(吉本の後ろ盾無く)巨大IPに挑む”で興収100億など、
一部の層にしか刺さらない敵設定で、マスな勝利目指すとか、
それはそれで、
風車に突撃する騎士という物語が成立するものでしょうけど、
本作は、対立構造が、分からない。
主人公は淡々とイベントに対応し、
御婦人方も、順調にヒミツの共有。
けれど、敵と言うほど邪魔な存在は出てこない。
三者の関係や会話は、そこはかとないユーモア漂いますが、
コメディに振り切る訳でもなく、
すれ違いでも、逃走劇でも、大きく転換されず、
エイリアンの能力が一つ発揮され、転換点を迎える。
当局の捜査も肩透かし。
結局は、日常の延長のまま。全てが処理される。
3.三幕目 解決
まあ、不時着ものは、いずれ帰ってゆくと相場が決まってます。
障害が解消され、旅立つ。
しかし本作は、
解決策が苦労知らずで提示され、アッサリ。
そこから、
老&死の苦が割と深刻目に語られるのかと構えると、
これまたタンパクに着地。
家族やご近所さんは、多少は親密に成ったでしょうけど、
大きな変化とは言えず。これからの老いは、以前問題のまま。
何も解決していません。
認知症進行したら、介護する方は大変そうです。
ただ、現状肯定的なセリフが語られるだけ。
対して展開せず、
それでいて日常アート系でもなく、
チョット笑える娯楽作の佇まい。
多分、
着地のシーンで、
宇宙人に向けた、
主人公のお気持ち表明、
その内容が、テーマに見えるけど、、
私の理解が及ばないだけかもしれない。
ええ、分からないものを観ました。
4.”老い”を森田療法的な受容
「コクーン」の現実逃避的な楽観を思えば、
本作は、
その逆を主張してるのかと。考えが至り。
アメリカだから、アクセプタンス系ですかね。
そのまま受け入れる。
自己啓発的な刷り込みは、日本より強いだろうし、
”このままではいけない”と、物語にも”成長”を求めえしまう。
老いるときは老いるように、
病むときは病むように、
死ぬときは死ぬように、
ジタバタするときは、ジタバタする自分も肯定。
って、ことかなぁ。
心情が変化して結論に至るというドラマじゃないから、
正解かどうかは分からない。
まあ、鑑賞後、ほっこりするので、
それでいいのかも。
何とも不思議な映画でした。
ストーリーはボーっと脇に置いて、しかしアートに意識を寄せず、
シミジミほっこり、作り手と一緒に、老いを肯定する。(たぶん)
客層は限られるけれど、
大人の休日には、もってこいの映画でした。
哀しいのか、嬉しいのか、余韻だけ残す。
美しい詞に、不思議な調べ。
2026.04.08 10:00現在
2週間停戦合意で、56500円付近の抵抗線まで反発。
水面下の事は知る由もない。
それでも、
核開発を放棄させ、テロ支援を辞めさせる代償が、
海峡の利権を認めることなら、
妥協出来るかもしれない。と想像。
一旦、58000円台までは行きそうな気がする。
