「AKIRA」大友以前以後をスクリーンでΣ( ºωº )!脚本の未熟は商売を困難に導く。終末論の行方(カルトは自滅、カリスマ目指して閉じる)

ジャパニメーションの始祖。大友克洋の以前以後で歴史を二分する作品。

折角スクリーンで鑑賞できるなら逃す手はない。と夜遅い回を予約。
 
実は、原作未読です。ごめんなさい。
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折りに触れ、
東京オリンピックや原発事故など、本作の予言が話題に。
 
も一つ実は、
観もしないで、
いつも「閃光のハサウェイ」の悪口言ってる罪滅ぼしにと。
 
 ・兵器の進化の予見
   スターウォーズ計画で、衛星からレーザーのミサイル迎撃は構想されるも、
   2026年現在、ドローンを迎撃するには、実用化に至らず。
 
 ・テロ組織の描写に終末論とカルトが登場
   オウムや911以前の作品で、
   イデオロギー闘争を模しながらも、東京に終末論のカルトが出現。
  
むしろ2026年にはタブーなのかなぁ。 
富野イズムの”戦争を描く”って、、
ロボットを言い訳に、もっとヤりたい放題だった気がするのだが。
開祖亡き後の教団を見るが如し。と苛だつ自分の贖罪に、
アニメの始祖に、お布施しました。
 
本作の、
 制作者委員会の”功”の部分や、
 興行的成功は、映画としての脚本力に拠ること(後述)、
を考えると4℃(後述)の「プペル2」もチラついたが、 
それは、「鉄コン筋クリート」のリバイバルで。

 
  
既存の知識のみ、シネコン小さめの箱、前方の席に着くと、
夜遅いからか、予告編は意外に短い。
 
 ああ、
 「パリエト」が、
 何はともあれ、
 SNSのクチコミで「果てスカ」継がずに済んだ。(らしく)目出度いが。。
 ”お茶の間で楽しめる、安全健全で優良なアニメを”とは言わないのは、

 「ユーフォ」を念頭に、京アニと真っ向勝負を避けて、
 ”オリジナルアニメが”と敵設定したのか。
 
 そう言えば、
 「プペル2」の鑑賞が無理なのに、文句言う罪滅ぼしは、
 「モノノ怪」であるべし。

 クラファンの力借りつつ、手弁当で続編作る。
 これぞ、本物のクリエータの情熱。
 SNS戦略が、ことごとく裏目な所まで「果てスカ」を継いだキンコン西野は、
 本当は、
 ゴッドタンの頃のイジられキャラに戻りたいんじゃないかな。
 
 
 
 《 開演 》
   
 
歴史的作品をスクリーンで観るのは貴重な体験なので、一度は経験して充分な価値。
ただし、
アニメ監督兼脚本としても大友克洋は苦手な分野も見受けられ。
 当時興行的が振るわなかった理由も、
 作画は、とにかく絶賛させる事も、
察せられた。 
単純に一本の映画として観たら、脚本への不満は残るかな(後述)。
 
都市の破壊を描くに、「ドラゴンボール」当然としても、

「呪術」も「チェンソーマン」もまだまだ、
”大友以降”の範疇に在りと知る。(後述)
 
三大少年漫画家を、手塚治虫込みで挙げるなら、
手塚治虫→大友克洋→尾田栄一郎(後述)だよなと、改めて納得。
鳥山明は、影響力という意味では位置づけが別で。
 
 
画面いっぱいミチミチで、
もうちょっと余白が欲しいと思ってしまいましたが、
とにかく、
 溢れんばかりの情熱、
 思いっきり表現を披露する歓びを、
浴びまくる124分。
 
 
以下に分けて語りたい。
 0.本作の前提
 0.1.私の原体験
 0.2.時代背景
 0.3.森本晃司
 0.4.庵野秀明
 1.手塚治虫→大友克洋→尾田栄一郎 表現の革命
 2.映画の興行は脚本「木挽町のあだ討ち」の如くアイデアで勝負(ネタバレ)
 3.風呂敷のたたみ方、直系庵野秀明「まごころ」学習(ネタバレ)
 4.大友克洋から、クリエータと企画プロデュース
 5.「カリスマ論」のおまけ 
 
 
 
音楽は丁度良く、NEOトウキョウ的な意匠も凝らしてるのですが、

今回は思い入れ無く、語りたいことなし。
 
 
0.本作の前提
 観る前から分かっていたことを一旦おさらい。
 鑑賞後、再確認したことも幾つか有り。
 セル画でこれは、どんだけブラックだったんだろう。。 
  
 「ブゴニア」低評価してしまうけど、
 大友のバイクの疾走が、日本人には刷り込まれているのだもの。
 ランティモスが凡庸に見えても仕方無い。
 
 昔も、
 ディズニーの滑らかさに比べ日本のアニメは、
 と腐す評論家も居たけれど、正当な評価じゃない。評価する能力が無い。
 表現力って、それだけじゃない。
 
 
 0.1.私の原体験
  最初に、その名とその絵が一致したのは、
  「幻魔大戦」

  終末論にサイキックバトルの人と認識。
  角川文庫の平井和正原作で、
  キャラデザが石ノ森章太郎ではなく、同郷の後輩の大友克洋だった。

  角川映画は、よくキース・エマーソンが音楽担当してました。
   
  本作の公開時、特に熱狂することも無くスルーし、
  「AKIRA」以降の大友克洋を目にすることは稀。

    
  BSマンガ夜話第一回目が「童夢」で、

  大友克洋が漫画表現に与えた影響の大きさを知る。
  そう言えば、 
   普段当たり前に目にしている表現も、
   トキワ荘世代の漫画では、お目にかからない。

  その後、現役の大友克洋に触れる機会は、 
  「スチーム・ボーイ」を劇場で。

  確か「ハガレン」の劇場版公開と同時期で、
  一般的な意味で、大人の鑑賞に耐えうるアニメも多数。
  物語のレベルは上がり、
  作画も、大友以降の世界で、本家を鑑賞することになる。
  その評価基準だと、作品は普通。画は相変わらず素晴らしくとも。
  むしろ、物語の構成が上手くない。
  作画に拘ってる間に、世の中は進歩してしまった。
  その時間の掛け方、マネジメントに難有りではないかと、
  疑問も残った。
  
  
 0.2.時代背景 
  漫画の連載開始が1982年。
  映画が1988年公開。プラザ合意が85年なので、バブル真っ只中。
  昭和の東京オリンピックが1964年、
  安保闘争を思わせる左翼運動も重ねつつ、
  次の東京オリンピックの頃、近未来の首都を描く。
  繁栄の中の漠然とした不安を、本作は描く。
  空中浮遊は86年に雑誌掲載、地下鉄サリンは95年

  
  サイキックと終末論で近未来。高度成長期をモデルに描く。
  繁栄に対する漠然たる不安と、
  破壊衝動はワンセット。ということだと思う。
  この後、金融政策で経済が崩壊する時代が来るとは、知る由も無い。 
  
 
 0.3.森本晃司
  角川映画「時空の旅人」
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   角川文庫の眉村卓原作、主題歌が竹内まりや。

   この時代の角川アニメは他と一線を画すセンス。素晴らしい。
 
  その、メカニックデザイン担当で、私は記憶した名前か。
  大友の元で頭角を表し、後にスタジオ4℃の設立メンバー。
  「鉄コン筋クリート」を監督。
  スタジオ4℃は「プペル」「Chao」制作のイメージ強いですが、
  オシャレな作風。
  
  鳥山明の登場も有りますが、

  近未来ものでは特に、
  メカニックデザインはカッコイイのが当然と成った。
 
 
 0.4.庵野秀明
  サイキックものでは特に、兵器よりアクションより、
  破壊や爆発そのものが描かれる。
  本作の作画協力にも、ガイナックスはクレジットされている。
  爆破は庵野秀明の十八番。 
   
  都市の破壊の表現は、
  アニメでは本作が起源で、特撮はゴジラと思われ、

  どちらにも足跡を残す才能が居ると、
  私は鑑賞中に再認識しておりました。
   
 兎に角この時期に、
 圧倒的に作画に要求されるクオリティが上がったと実感。
 
 
 
1.手塚治虫→大友克洋→尾田栄一郎 表現の革命
 漫画、アニメを「のらくろ」の時代から、現代の表現を確立したのは、
 当然、神様手塚治虫で、
 
 その漫画の文法の中で、リアルのレベルを異次元に引き上げたのが大友克洋。
 セル画で狂気の情熱を感じる映像を観ながら、
 確かに、大友以前以後だよなと、体感しました。
 表現自体は、「呪術」「チェンソーマン」でも、進化は認められません。

 
 BSマンガ夜話でいしかわじゅんが言及してたけど、
 主人公補正の無いヒロインの顔。美人でないリアルが革命的。

 
 プレスコでと、表情の表現にも拘り。
 ただ、声優の力量が現代の方が格段に上がってるかな。
 映像では埋められない要素も有ると逆に知る。
 
 
 そこで古い世代のわたくしは、
 説明より描写で表現せよと、刷り込まれて育った。
 時代は移り、
  必ず答えが有るものとされ、
  受け手の解釈の余地を許さず、
  客の知能を一ミリも信じない表現の登場。
 単に、ベタと言って済ますことは出来ない、豊かな表現力。
 
 坂元裕二の前に、三谷幸喜が居て、
 尾田栄一郎の前に鳥山明。
 そんなことも去来しました。
 
 まあ、80年代は表現全盛かな。
 セリフ自体は説明調ですが、多くを語らず最小限。
 作り手はぶっきら棒ですが、
 スクリーンは広いのですから、画で存分に表現。
    
 
 
 ただ、脚本の出来は、それほど評価出来ない。
2.映画の興行は脚本「木挽町のあだ討ち」の如くアイデアで勝負(ネタバレ)
 連載のシリーズものなら、
 群像的に、人物一人ひとりを描くことに適している。

 そこをどう工夫するかが、映画脚本の腕
 
 製作総指揮や監督は、
 脚本にもエネルギーもっと注入せんと。
 
 三幕もので再構成すべきだったと思う。
 作画も、つかみに全力投球は分かるけど、
 全体のバランスとしては、画に情熱溢れ過ぎ。
 9回完投を目指すなら、ギアの上げ処は考えんと。 

 
 最初のプレゼンは、もうちょっと整理したいかな。
  NEO東京の状況を示し、軍の蜂起とサイキック開発の匂わせ、
  主役二人の暴走の日常を描いて、ヒロインと出会うまで。
 描きたい画をやり過ぎかとも思えた。

 中心の謎の提示が弱い、映画脚本としては弱い。
 私は物語至上主義じゃないので、致命的とは思わないが、
 もっと上手くヤれるとは思う。
 キャラ造形の描写は弱い。 
  テツオの覚醒までの前フリが弱い。
  金田の仕切り屋なキャラ造形も、説明ゼリフに頼り過ぎ。

   レインボーを見習え。
 
 ヒロインはどうせ魅力無いのだから、
 憑依役と逃亡の起爆剤と割り切って良かったかな。
 もっと、主役二人の関係性にフォーカスしたい。
 
 アキラの正体は、中心の謎にならない。
 「ルパンVS複製人間」が既に存在するからなぁ。

 テツオが覚醒が、メインで有るべきで、そこにアキラ復活の融合。
  で、
  どんなディザスターが待ってるの?
 それを煽らんと。
 それから、二人の対立構造を盛り上げて、
 テツオ覚醒からクライマックスへ。
 
 と定型でいいから、もっと脚本頑張れたはず。
 テリングは下手くそだよ。高尚に説明を省いた訳でもない。
 
 
 まだ不満は有り、
 背景の軍事クーデターの描き方が、如何にも戦後日本的お座なり。
 説得力が無い。
 政治の腐敗にしても、文民統制の崩壊にしても、
 フィリピンでもイランでもイラクでも、
 もっと参考にすべき事例は有ったと思うよ。
 
 その上、衛星はアメリカ様の管理下だろうよ。
 コンドル作戦当時の南米の軍事クーデターは参考に出来た。

画のリアルに対して、物語にはリアリティ不足。
アンバランスを感じてしまう。
 
 
 
それは、ラストで更に響くかなぁ。  
3.風呂敷のたたみ方、直系庵野秀明「まごころ」学習(ネタバレ) 
 作り手の世界観が弱いから、結末がインパクト不足。
 「旧劇エヴァ」は先例を観て、修正したんじゃないかな。
 
 本作は、結局世界は崩壊せず、地球は勝手に回る。
 壊れ消えて逝くのは、自分と周辺のサークルだけ。
 カリスマを目指して、閉じる。
 左翼運動の投影だから仕方無いかもしれんけど、

 世界に対する危機感や憎悪が無いと、終末は描けんよ。
 
 自分が消えるエンドで構わんけどさ。
 そこに世界観が無い。
 「2001年宇宙の旅宇宙の旅」の超人思想のようなテーマが不足。
 漠然とした不安じゃなぁ。

 コミュ障庵野秀明は、

 他者との繋がりの完成を夢見て、結局拒絶される。
 完璧なエンディング。
 
 
 絶望が足りないと、終末は描けんよ。

 監督本人は終盤に不満と言うけれど、作画の問題じゃない。
 予算や時間やマネジメントのせいでなく、
 作品に込めたテーマが弱いから。
 
 
 
4.大友克洋から、クリエータと企画プロデュース
 それでも、制作委員会方式が機能して、
  予算が間に合ったのと、
  クリエータによる企画の破綻は避けた。
 
 「パリエト」は観てないけど、

 クリエータとプロデューサの関係を描いてるかもしれない。
 それこそ、ジブリを意識してるのだし。

  藤田嗣治もプロデューサが居たら、上手く立ち回れたかもしれない。
 「果てスカ」継がず良かったね。
 
 
 大友は、本作の後、一本きりで時間も掛かる。
 画は凄いけど、万能型の天才じゃないんだ。
 
 
 「プペル」も同時に思い出して、
 キンコン西野の資質も本来は演者なんだと思う。
 次に、絵や戦略で、
 裏方ではないんだと思う。
 制作会社やテーマパークを所有する事業者に、成りたくない。 
 本当のヤりたいことは、ディズニーじゃない。

  
 関係無いけど、4℃だし、そんなこと連想してしまった。
 
 
  
5.「カリスマ論」のおまけ
 そこで、西野論の次いで。
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独演会にやって来る客にはウケるけど、
いろんなお客さんがやって来る演芸会ではさっぱりウケなくなってしまう。
「演芸会に来るような客は、『 噺』なんてわかっちゃいない。俺は、本当の『噺』がわかるお客さんの前で落語をやりたいんだ」
そんなことを言い出すようになり、
いつの間にか独演会のコアなファンにしかウケない独演会名人になってしまうんです。  
落語家、芸人に限らず、放っておくとパフォーマーは、
固定ファンにしかウケない話をいつも喜んで繰り返すようになってしまいます。
そうなると、その人の芸はそれ以上進歩しません。

 脚本も発注すればいいのに。

西野さんにはシナリオや思想性がないから、
周りからはどうしても「自分が有名になりたいだけ」に見えてしまう。
だけど、「自分が有名になりたい」のと「世の中をこうしたい」のは、
コインの裏表。けっして単独では存在しないモノなんです。  
おそらく西野さんには、まだ自分というコインの表側しか見えていません。
コインの裏側にある、自分のシナリオを見つけた時、彼は本当のカリスマになるのでしょう。

 本作のラストの弱さも、シナリオや思想性の問題かと。
 そこまで、世に対して訴えたい思想は無いんだよね。
 
 大友克洋の場合、表現を追求したい。
 キンコン西野は、パフォーマーとして輝きたい。
 築いたモノぶっ壊して、渡部建のように成りたい。

 戦略で事業成功させる起業家は望まない。 
 
 大友克洋に、良きプロデューサが居たら、カリスマはどう生きるか。
 死ぬまでアニメ創ったかもよ。
  
本作を完成させることで、歴史の役割を終えたのか、
違い世界線を生きるには、別の能力持つパートナーが必要だったのか、
セル画の映像に圧倒されながら、そんなことも去来しました。
 
 
 
歴史的作品のチャンスが有るなら、
アニメファン、映画ファンは是非劇場で。 
 
 
宗教的バックボーンが有ると無いで、思想性は大違いと庵野修正。

至福とは、世界を変える救世主のこと。
生きてる時に本人がどう思っていたかは知らない。
 
 
 
2026.04.11 00:00 現在
 56800円付近でレジサポ転換のように見えつつも、
 来週は一旦、2σでバンドウォークしそう。
 戦局次第なので、つなぎの売り玉で対応したい。

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